How To Loveからの抜粋 P.44-52

 

コミュニケーション

ジェシー・S・ニレンバーグ−著

プレンタイス−ホール社発行

 

  GBY! 以下の本の要約は、コミュニケーション、つまり、一緒に住んでいる人や、一緒に働いている人、証しの相手と意志の疎通をすることについてです。証しをする私達にとって大切な仕事である、耳を傾けること、話すこと、説得することなどに関する良い秘訣が幾つも載っています。けれども、人と意志の疎通をはかる上で一番大切なもの、それは愛という一言に要約することができるでしょう! 「愛による世界征服」の中で、ダッドは、「愛はすべてを征服する。人の心を勝ち取るには、人を引きつけるような人物とならねばならない。何とかして幾人かを勝ち取るには、喜んで、すべての人に対して、すべての人のようにならなければならない。愛は、愛されるにふさわしくない者をも愛し、数えきれないほどの罪におおいをかぶせる。愛は自分の幸せよりも他の人の幸せを求める。あなたが神の愛の内に行動するなら、必ずと言ってよいほど人々の心を勝ち取る。あなた達はすでにそれをしている。人知ではとうてい測り知ることのできない主の愛をもって彼らを愛することができるよう、神の助けを求めなさい!」(151:52,53,55)

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  神は常にコミュニケーションの仕事をしておられる。−−主が人とコミュニケーションを取り、人が主とコミュニケーションを取る。−−主がメッセージ、つまり御言葉を与え、人がそれを受け取るのだ!

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意志の疎通を妨げる5つの性格

  1.変わることに抵抗する。私達は皆、癖というくもの巣に捕らわれています。でも、このくもの巣は心地良く、多くの人はそこから離れたがりません。癖は、思考、気分、行動の殆ど全てに影響を与えています。髪の毛のとき方、卵の調理の仕方、新聞の好みや服の着こなし方など日常的なことについては、それぞれの人に癖や習慣がありますが、自分の気に障るささいな事でイライラしたり、あれこれ心配ばかりするというのも、癖になるものです。

  2.耳を傾けるよりは自分の考えにひたすらしがみつく。あなたが誰かに話している時はいつも、相手の人の注意を引き付けようと競争しています。聞き手は、完全にあなたに聴き入っているわけではありません。その人の関心は、自分にとって気になることとあなたが話している話題との間で揺らいでいるわけです。

  相手の関心を引き付けておくには、あなたの話していることのほうが、その人の頭にある、妻との口喧嘩のことであれ、自分の悩みのことであれ、どんな事よりも重要でなくてはいけません。あなたの聞き手の関心は他の事柄に移りやすく、注意散漫になることがあり、実際よくそうなるのです。

  注意散漫になっているなら、どうやって互いの言っていることが理解できるのでしょうか? 互いに言葉を聞き逃しているとしたら、どうやって全体的に相手の言わんとすることが理解できるのでしょうか? その答えは、会話において、同じ事を十分に繰り返して言うことです。そうすれば聞き手は、集中して一言も逃さずに聞く必要はなくなり、実際に耳に入ってきた言葉だけからでも、話し手の言わんとしていることの要点は十分つかめます。ですから、会話をしている時に、わざと同じことを繰り返して言うのは良いことであり、聞き手が要点を逃してしまわないようにする助けになるのです。ただ、同じことばかり言って相手を退屈させたりしないために、違った言いまわしをしたらいいでしょう。

  注意散漫になっている事の3つの兆候:おもに3つの兆候によって、聞き手が注意散漫になっていることがわかります。

  a)不必要な質問をしてくる。一つのしるしはあなたがすでに話したから、もう答がわかっているような質問をする事です。あなたの話をちゃんと聞いていたなら、その質問はしなくて済んだのです。

  b)的はずれのコメントをする。注意散漫である事を示す別のしるしは、聞き手が的外れのコメントをする事です。その聞き手は、話し手の頭の中にある全体的な像を作り出す為に提供されたジグソーパズルのピースを使っておらず、自分の頭の中にある全く別の事柄からのピースを使っているのです。

  c)もうすでに答えられた意見を再び持ち出す。もう一つのしるしは、もうそのポイントについてはすでに答えが与えられたのに、聞き手が反対意見や議論を何度も繰り返すことです。その答えが聞き手の右の耳から入って左の耳に抜けていってしまい、その結果、聞き手は自分の最初の意見を全く変えていないのです。まるで話し手が何も言わなかったかのように、聞き手は最初の立場を変えておらず、前と同じ議論を持ち出すのです。

  3.聞いた事を好きなように解釈する。自分の好きなように解釈しながら聞いていると、話し手は別に感情的になっていたわけではなくても、聞き手には、話し手が怒っている、あるいは喜んでいるように聞こえます。聞き手は、話し手が言うつもりもなかったような言葉、ただ自分の頭の中にあった言葉を付け加えて、相手の言うことを解釈してしまうのです。話し手が実際に言った事と、聞き手の聞いたこととが異なっている場合にはたいてい、聞き手が自分の聞きたいように聞いているせいなのです。

  4.根拠もないのに憶測すること。恋人が自分のことを、当たり前の存在のように扱うと愚痴をこぼす人にとって慰めとなるかもしれませんが、ほとんどの人は、他の人を当たり前の存在であるかのように扱いがちなのです。少なくとも、自分がその人のことを大切に思っているということを相手が知っているものと憶測してしまうのです。

  他の人が、何かについて当然知っているものと決めてかかったりしないように、その人に教えてあげなさい。経験から、その人が知っている事が確かなら話は別です。けれども、ただ知っているはずだというだけで、その事について話さないなら、きっと、あなたの言わんとする事は相手に伝わらず、相手は意味を違えて受け取ってしまうことでしょう。

  5.習慣的秘密主義。自分の心や思いをカーテンでおおい、他の人達に自分の思いや気持ちが見えないようにする人がいます。そういう人は普通、自分の考えていることや感じていることを嫌っています。そのために、もし他の人達が自分の考えていることや感じていることを知ったら、自分は嫌われ、拒まれてしまうと考えるのです。

  もちろん、これは極端な例であり、程度の差こそあれ、多くの人々は自分の思いや気持ちを隠すものです。秘密主義にも色々な程度があり、他の人達に対して完全にオープンというふうに、ほとんど秘密主義でない人もいれば、他の人に全く何も打ち明けようとしない人もいるのです。

  コミュニケーションに対する障害は、取り除くことができます。しっかりしたコミュニケーションを持つなら、単に言葉を交わすだけでなく、真に心を通い合わせることができます。そして、次に挙げるようなコツをわきまえているなら、そういう真のコミュニケーションを持つことができます!

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  コミュニケーションを持つことを怠らない ように! コミュニケーションなしに、軍隊は全く成り立たない。全体的に調整されていないなら、誰も動くことができない!

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協調を奨励する

 

会話には、アイディアと感情とが共に織り込まれている。

  私達はおもに会話を通して、アイディアや感情を表現します。私達は常に感情のはけ口を探しているので、当然、会話は感情に満ちているものです。

  会話では、それぞれの人が二つの異なる方向に引っ張られます。話に出された事実を元に論理を展開させていこうとすると同時に、自分の気持ちも織り込もうとします。その時その時、どちらか一つしかできないので、二つを交互にしなければなりません。だから、その二つを一緒に混ぜ合わせてしまうよりも、たいていは、アイディアと感情の表現とは切り離してするものです。会話のうまい人は、感情の盛り込み方を心得ており、それができるように会話を運び、自分も感情を表現します。

 

思いやりはコミュニケーションを促す

  どんな会話においても、感情は考え方に影響を及ぼすものです。だから、他の人に自分の考えを伝えようとする時、論理だけに頼ることはできません。相手の感情に働きかけ、協力したいという気持ちにさせなければならないのです。どうしたら、協力したいという気持ちを抱かせることができるでしょうか? 単に思いやりを持てばいいのです。つまり、会話から、その相手が何か得られるようにしてあげるということです。別に、何か目に見えるものが得られるわけではなくても、あなたがその人の能力を高く評価しているとか、その人の助けを感謝しているとか、その人のことを尊敬しているとかいったことを感じられるだけでもいいのです。

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  思いやりを蒔く者は友人を刈り取り、親切 さを植える者は愛を集める。

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良い反応を呼び起こす三つの方法

  他の人が協力したいと思うのを助ける、三つの思いやりのルール:

  1.会話の初めにまず、相手にその目的を話すこと。基本的に、相手が、あなたのことを信頼できる、そして、自分もあなたに信頼されていると感じているなら、その相手はあなたに協力したいと思うようになります。

  会話において、相手に質問をする時に、どうしてその質問をしているのかの理由を言わない事がよくあります。そうすると、質問された方は、色々勘ぐってしまうのです。自分をワナにかけようとして、そういう質問をしてきたんじゃないかと考えるわけです。

  2.相手の気持ちに敬意を払うこと。会話では実際に言葉で表現されないことも沢山相手に伝わります。相手に対するあなたの態度もそうです。相手のアイディアに耳を傾ける態度や、あなたが自分の考えを説明する仕方によって、あなたは、自分が相手の事をどう思っているかを伝えているのです。

  自分の感情や秘密などを相手に打ち明けるなら、あなたがその人の事を信頼しているという事が伝わります。又、その人の意見を求めるなら、間接的に、その人の判断力をほめている事になります。

  あなたが、いかに素晴しく、機知に富み、理にかなった事を言っても、それを受け入れようとしない人を相手にするとその発言も力を失ってしまいます。失礼な態度を取るなら、必ずといっていいほど相手は抵抗を示します。逆に、思いやりのある態度をとるなら、ほぼ必ず良い反応が得られるのです!

  他の人に話している時、自分が聞き手になったつもりで自分の話していることについて考える練習をするといいでしょう。こう自問することです。「自分がこう言われたら、どう感じるだろうか? 自分が聞き手だったら、話し手のことをどう思うだろうか? 相手は自分に対してどんな感情を抱いているだろうか? 自分が、今言われていることを聞く立場にあったら、ほめられているように感じるだろうか、それともぞんざいに扱われているように感じるだろうか?」

  3.相手が関係のないことを言ったら、ただ受け入れ、その理由を探り出すようにすること。相手はいつも必ず関係のある事だけを言うべきだなどと考えないように。すべきことは山ほどあるのに、時間がひどく限られているので、相手の考えを導き、相手ができるだけ速く要点を得るようにしたいという強い誘惑にかられるものです。しかし、あなたにとって意味のあることでも、相手にとってはたいして意味がないこともあります。その場合、相手がとりとめのないことを言っているように思えても、それができなかったら、相手は会話そのものにすっかり興味を失ってしまうのかもしれません。

  相手は、その会話を通して、ただ同意に達するだけでなく、もっと多くの事を成し遂げたいと考えているのかもしれません。例えば、自分がいかに頭が切れるかとか、いかに有能かということを伝えたがっているのかもしれません。或いは、あなたが自分の事をどう思っているかを知りたがっているのかもしれません。又あるいは、ちょっとした欲求不満や心配事を解消したいか、自分がとても幸せである事を伝えたがっているのかもしれません。相手にとっては、そうする方が、話し合われている事柄よりも大切なのかもしれません。相手にとっては、たとえその時の話題からはずれても、会話における自分の目的を成し遂げる事の方が大切なのです。

  会話をしていて、相手の人が、あなたにしてみたら全く話題から外れた話しを持ち出してきたら、それは単に、会話の目的が、あなたと相手とでは違っているということです。その場合、相手の言ったことをはねつけたりせずに、相手からもっと引き出して、どうしてその人がそういう事を言ったのかを知り出すようにしたほうが賢明でしょう。

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  「人の心にある計りごと(思い)は深い井戸の水のようだ。しかし、さとき人はこれをくみ出す。」(箴言20:5)

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人々の思いをくみ出す

  私達が知らなければならない事柄の多くは、他の人達の思いの中にあります。人々が自分から進んで私達に教えてくれることもあれば、私達がくみ出さなければならない時もあります。

  1.あなたに何かを伝えるのが、その人にとって楽しい事になるようにすること。それを奨励するためには、相手にとって楽しい事にしなければならないのです。感謝の気持ちを表し、たとえ相手の言うことが質問から外れていても、熱心に耳を傾けることです。もしも相手がどんどん答えを説明してくれるなら、それは大抵、その人が自分のアイディアや感情について話すのを楽しんでいるということです。たとえじれったくなって、相手から必要なことをさっさと聞き出したいと思っても、相手に時間をかけて話させ、熱心に耳を傾け、その人が楽しく話せるようにしてあげなさい。「あなたがたの内で頭となるものは、全ての者のしもべとならなくてはならない。人の子自身、人に仕えられるために来られたのではなく、仕えるために来られた。もし人々がこの事を学ばないなら、決して何も学ばないであろう。多くの聖句や聖書の預言、事実、統計、理論を頭に詰め込んでも、何の役にも立たない!」(60:58)

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  コミュニケーションも、耳を傾けないなら、意味がない。

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  2.答えやすい質問から始めること。会話の主な目的が色々聞き出すことなら、まず、簡単な質問から始めることです。答えやすい質問をするなら、相手はリラックスするものです。それに人は、正しいとわかっている答えを言うのを好みます。簡単な質問をすることによって、相手に、難なく正しい答えを言う機会を与えることになり、その人は、これなら簡単にいくだろうという印象を受けます。

  初対面の場合、相手は、あなたがどんな人かとか、何のために色々聞いてくるのだろうかと、いぶかしんだりするかもしれません。又、警戒しているかもしれません。あなたが、話しやすい人か、話しにくい人かと考えていることでしょう。そして、あなたが言ったことから受けた第一印象によって、その答えが決まってくるのです。あなたが相手にとって難しくするなら、相手はうまくはぐらかしたり、答えを言わないようになります。逆に、簡単な質問から始めるなら、緊張がほぐれることでしょう。

  ですからまず、緊張をほぐすような感じのやりとりをすべきです。会話がはずむなら、最初、どんな感じになるか探り出そうとしている相手も、のってくるでしょう。

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  質問をするという術を身につけること。それは、人があなたの意見に同意するようにさせる上で最も効果的な方法である。攻撃するよりも、質問しなさい。

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  3.相手の考えを引き出す4つの質問の仕方。相手から引き出すには、相手にしゃべる事を要求するような質問をするのが最も効果的です。このような質問をするなら、相手は頭を働かせるようになり、一度そうなると、だんだん調子が出てきて、本人がもともと言おうとしていた以上の事を話す結果になります。つまり、人というのは、最初は話すのを嫌がるものですが、一旦話し始めると、今度はやめたがらないのです。多くの人々は、真実を半分しか話さないでいると、全く話さない時以上に、気持ちが落ち着かないものです。だから、おだてられて、一旦一部を話し始めると、全部話さずにはおれなくなります。一部だけしか話さないなら、聞き手に間違った印象を与えるのではないかと恐れるようです。だから全部話さなければと感じるわけです。

  a)はい、いいえ、だけでは答えられない質問をすること。あなたの質問に答えるために、相手がただ事実を述べたり、はい、いいえで答えるだけでなく、自分が何を言わんとしているかを説明しなければならないようにすることです。

  このタイプの質問の例を幾つか挙げてみましょう。「この方針をどう思いますか?」 「何が起こったのですか?」「変える事をどう思いますか?」「どうして彼はそれを拒否したのですか?」

  b)話題になっていることについて、「これこれはどうですか?」という聞きかたをすること。例えば、「交通機関はどうですか」とか「宿泊施設はどうですか」などというように。

   c)相手の言った、鍵となる言葉を繰り返す事。相手の考えを引き出すための質問テクニックとして、もう一つ、相手の答えの中の鍵となる言葉を繰り返して言うというのがあります。例えば、相手に以前の仕事はどうだったかと尋ねて、仕事はわりと好きだったけれども、上司とのことで問題があったという答えが返ってきたら、「上司とのことで問題があったんですか?」と言って、相手からもっと引き出したらいいでしょう。

  d)相手の言ったことを要約すること。相手の言ったことを自分の受け止めたままに要約するようにしなさい。相手は、それに同意するなら、「はい」といったことを言うでしょう。でも、同意しないなら、相手はその理由を説明したがり、自分が先に何を言わんとしていたかをもう一度話してくれることでしょう。これをすると、相手が新しく色々付け加えてくれることがしばしばです。

 

はっきりしたメッセージと分りにくいメッセージ

  会話で言う一つ一つの文が、同時にいくつかのメッセージを伝えます。はっきりしたメッセージもあれば、ほのめかされているだけのものもあります。それは、はっきりしていないメッセージと呼ぶことができるでしょう。聞き手が言外の意味をくみ取らなければならないのです。

  そういう言葉に、はっきり表されていないメッセージを聞き取るには、熱心に耳を傾けるよう自分をしつける必要があります。話し手は、言葉に表している事以外に何を伝えようとしているのでしょうか? どう感じているのでしょう? 何を求めているのでしょう? 普通は、こうした質問に対する答を探りながら同時に、聞くだけでなく話す事もしなければなりませんが、練習を重ねるなら、それは自然にできるようになります。そして、もっとうまく気持ちを通じ合わせる事が出来るようになります。

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   人とのやり取りにおいて最も大切なことの 一つは、相手に譲歩することである。

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相手の注意を引きつけておくこと

   一つの話題に、必要以上の時間をかけないように。人は一度に一つのことにしか集中できません。その時その時、多くの事柄が聞き手の関心を奪おうと競っています。会話では、あなたの言っていることに相手が集中的に耳を傾けている時を捕らえなければなりません。そういう時にしか、相手の心と通じることができないのですから。相手の関心が他の事に移ってしまったなら、あなたはただ自分に話しているに過ぎません。

  話はできるだけ簡潔に。聞き手は、話されている事に注意を向けたと思った矢先に他の事を考え始め、そしてまた話されていることに注意を向けるといった事を繰り返します。一つのことにずっと集中的に注意を向けているわけではないのです。聞き手が何度も他の事を考え始めても、いつも話されていることに戻ってくるなら、それで上出来と言えるでしょう。ですから、一度に一つの事だけを伝えるようにすべきです。たとえ聞き手があなたの言うことに熱心に耳を傾けていても、一つの事をしっかり消化してしまわないなら、別の事は消化できません。

  セールスマンが売ることができないのは、しばしば、話し過ぎるからです。同様に、リーダーも、時間を節約しようとして、一回のスピーチに色々詰め込み、何もかも伝えようとしがちです。実際には、そうすることで、かえって時間を浪費していることになります。結局、聞き手がその殆どをしっかり把握しなかったために、後で同じことを繰り返す羽目になるのですから。私達は話す時に、一つ一つの事柄の間に間(ま)をあけるようにしなければなりません。私達はすごいスピードで相手に色々な事をどんどん伝える事も出来ますが、聞き手はそんなに速いスピードで物事を吸収してはいけないのです。

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  会話の途中で、時々、息をつく間を入れなければならない。

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  但し、間のあけ方に気をつけて下さい。間の空け方によって、興味をそそる会話にもなれば、退屈な会話にもなり得ます。あなたがてきぱきとしたペースで色々なアイディアについて話していくなら、聞き手はそれについていく為に、熱心に耳を傾けようとするでしょう。そういうのは、聞き手にとって精神的な刺激になり、新しいアイディアを聞いて、自分の思考も新たになったように感じるのです。

 

繰り返す時には、何か新しい事を付け加えること。

  繰り返すのはしばしば助けになり、相手は、同じ事を何度も聞けば聞くほど、よく覚えているものです。それに、聞き手は絶えず話に注意を集中させている訳ではないので、最初に話された時は聞き逃したけれども、2度目の時にはちゃんと聞いたということもあるでしょう。大切なのは繰り返し言う時に、相手の注意を引いたままにしておく事です。前に聞いた事の単なる繰り返しだとわかると、聞き手は、それには耳を傾けなくなってしまうからです。

  ですから、彼の興味を引いておくために、同じことを繰り返すたびに、何か新しいことを付け足しなさい。前に言ったのと全く同じ言葉を繰り返さないように。そうではなく、前に話したことを、今度はより広い視野に立って話すようにすることです。そうすると、同じことを繰り返しても、異なった観点から話すことになります。

  例えば、何かの指示を与えたなら、繰り返す時には、理由を話してあげなさい。理由を説明するなら、その説明の中で、指示を繰り返して言う事が出来ます。だから、理由を説明している間中、聞き手は、何度も指示を思い起こされる事になる訳です。

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  人に何かを頼む時には、その理由を説明すること。その努力はきっと報われる。

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人の考えを変える

  人は色々な経験を経るにつれ、心のタンスいっぱいに色々な考え方や物の見方をしまいこんでいきます。これらの物の考え方は着心地良いもので、よくなじんでいます。自分の好みによく合っており、違和感がないのです。はき古した靴と同じで、自分の足の形にぴったり合うようになったわけです。あなたの話を聞いている人は、自分のそうした考え方を捨てて、新しい考え方を受け入れることには気が進まないかもしれません。新しい考え方を試してみると、なんとなくしっくりこないのです。

  実際のところ、聞き手は、単に理屈を説明されただけで、自分の考えを新しいのと取りかえたりはしません。優れた紳士服売り場の店員なら誰でも知っていることですが、試着もせずにスーツを買うような人はいません。同様に、聞き手も、その考えが自分にしっくりくると確かめない限り、新しい考えを買ったりはしないのです。

  非常に多くの人が、人の考えを変えようと試みて失敗しますが、それは単に、相手にその考え方を試させないからです。相手の考えを変えようとして、人はあまりにしばしば、自分の出している考え方にだけ焦点を絞って話をしがちです。反論できないような論理によって固めて、自分のアイディアを出すのです。ですから話している本人にしてみれば、その考え方が自分にぴたっとくるので、それには文句のつけようがないように感じています。けれども、聞き手は距離をおいて見ており、そこから見ると、聞き手自身のアイディアの方が優れているように思える訳です。もう一度、紳士服店になぞらえてみますが、自分のアイディアを売りつけるには、相手に相手のアイディアを脱がせ、あなたのアイディアを試着してもらわなければなりません。そうすれば相手は見た感じだけでなく、着心地がどうかがわかります。新しいアイディアを試着してみて、着心地がいいなら、古いのは捨てることでしょう。

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  成功の鍵は、人をコーナーに追い詰める(やりこめる)のと、自分のコーナーに引き込む(味方にする)こととの違いをわきまえることである。

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相手にあなたの意見について話させること。

  聞き手があなたの考え方について話し始めるなら、それは、聞き手の心に通じ始めたということです。一人の人がアイディアを出しても、相手がそのアイディアについて話しもしないなら、それは相手の心に通じていないからです。

  巧みに質問をするなら、相手の思考を導き、説得する事が出来ます。その方が、論理的に議論を展開していくよりも、ずっと効果的なのです。質問をしながら、相手の考えを変えるというのは、技を要する事で、何千年にも渡って実践されてきました。

 

質問をするとは、会話を導いていく一つの方法

  質問をする時には、あなたは実際には、相手の思考を導いています。つまり、相手の思考を特定の方向へと導き、答えを見つけるようにと刺激しているのです。質問というのは実際には、ある事柄について考えてほしいという要請です。

  私達の言うことの多くは、質問の形をとっていないものの、実は質問です。たとえば、「昨夜のミーティングでお会いできるものと思ってました。」というのは、いわゆる質問ではありませんが、言わんとしているのは、「どうして昨夜のミーティングに来なかったのですかか?」ということです。また、「あなたがこれについてどう思われるかはわかりませんが、私はこう思います。」という感じで始まる文は実際には、「あなたはどう思いますか?」と尋ねているのです。

 

巧みに質問をする習慣をつけること

  質問というのは、単に物事を知り出す以上の目的のために使われるということを覚えておいて下さい。質問をすることによって、相手が自分の立場を決め、はっきりとした態度を取るよう促すこともできます。巧みに質問していくなら、相手の思考を刺激し、導いていくことができるのです。

  質問するなら、相手に、自分の思考を言葉で表すよう要請することになります。そして、自分の考えを明確に言葉で表すことによって、考えがはっきりしてきます。そして、それが現実的なアイディアかどうかを吟味してみることになり、そのアイディアの欠点も明らかになります。

  アイディアを売り込もうとしているのなら、ある程度話をしてから、「これがあなたにとって益となるという事をお見せできたら、このアイディアを気に入ると思いますか?」といった感じの事を言うなら、相手は「はい」か「いいえ」か、或いは、まだ決めかねているという事を言わなくてはなりません。考え抜いたあげく同意するか、反対だという事をはっきりさせなくてはならないのです。こうやって、相手に考えていることを口に出して言わせるのは、真の意志の疎通をはかる上で助けになります。

  会話で、たくさん質問をする習慣を身につけるように。単に事実を得るだけでなく、相手の思考を促し、特に、あなたのアイディアについて考えさせるのです。あなたは、相手の思考を刺激するようなことを言わなければなりませんが、質問こそ、相手の思考を刺激するのです。

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  コミュニケーションをしないなら、答えを得ることはない!

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頭の中をいつも整理していること

  1.判断する前に、自分自身の基準を吟味してみる。たとえば、田舎の人達が都会に行くなら、どうしてこんな騒々しい場所に住めるのかと考えるものですが、都会の人には、そんな騒音も耳に入りません。一方、田舎に住む人達には、虫や、鳥や、かえるなど様々な生き物の奏でる交響曲は耳に入りません。私達は、何であれ、自分の慣れているものや、当たり前になったものは気にも留めず、普段と違っているものにだけ注意がいくのです。

  20度といえば、12月にすれば非常に暖かいし、8月ならとても涼しいと感じます。値段が高いという言葉も、貧しい人と裕福な人とでは意味がだいぶ違ってきます。また丈夫な人が簡単だという仕事でも、体の弱い人にとっては大変でしょう。というわけで、物事の見方は、私達が何を基準しているかによって変わってくるのです。

  あなたが自分のアイディアを誰かに売ろうとしているなら、まず、相手がどんな反応をするだろうかと自問し、どうしてそう思うのかを考えてみることです。そうやって自問自答していくなら、自分のアイディアが受け入れられそうなものかどうかや、どうやってアイディアを持ち出すのが最善かが、もっとよくわかることでしょう。

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  いつも相手を喜ばすことはできないが、いつも相手を思いやりながら話すことはできる。

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  2.明確に話すこと。誰かが状況を説明してくれた場合、私達は、形容詞以上のこと、つまり、その形容詞の程度を知りたいと思います。たとえば、強いとか、耐久性があるとか、経済的だなどを知るだけでは十分ではなく、どのぐらい丈夫で、どのぐらい耐久性があり、どのぐらい経済的かといったことが知りたいのです。私達は、言われたことの真の意味を知る必要があります。

  「あの人は不平ばっかり言っている。」と誰かが言ったとします。これについて質問しないなら、聞き手は、「あの人」は年がら年中不平を言っているといった印象を受けるでしょうが、事実は全くそうではないかもしれません。例えば、「この3カ月の内に、その人は何回ぐらい不平を言いましたか?その時その時、何について不平を言ったのですか?」と聞いてみるなら、その「不平ばっかり言う人」が不愉快なことを話に持ち出したのは、この3カ月の間に3回だけで、それも、毎回、正当な理由があってのことだったということがわかったりします。

  同様に、「どの程度の病気ですか?」、「遅いって、どのくらい遅いんですか?」、「速いと言いましたが、どれぐらい速いのですか?」、「長い目で見たらお金の節約になると言いましたが、どのぐらい長い目で見た時のことを話しているのですか、それに幾らぐらいの節約になりますか?」といった質問をしたらいいでしょう。

  要は、形容詞や副詞の代わりに、できるだけ具体的な数字や量を使うことです。「来週」というのが妥当と思われるなら、「もうすぐ」とは言わないように。また、「来週」かどうか確かではないなら、「おそらく」という言葉を添えるか、「さ来週」と言うように!

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  自分の思っている通りのことをはっきりと言うのは非常に大切なことだ。あいまいな言いかたをすると、普通、何通りにも解釈できてしまう。人は、あなたの思考を読み取ることはできない。

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  3.物事というものは、黒か白というよりは、殆どが灰色かもしれません。じれったいかもしれませんが、真相は普通、両者のどこか中間に位置しているのです。カテゴリーはしばしば重複しているので、ある事柄は、部分的に真実でも、部分的に間違っていたりします。必ずしも、イエスかノーで答えられるわけではないし、何かの事を「正しい」とか「間違っている」と決めつける事も出来ません。

  誰かが、ある事柄はこうだとか、こうではないと言ってきたら、その中間である可能性もあり得ると考えてみて下さい。ある面ではそうでも、別の面ではそうじゃない可能性もあるでしょうか? 黒と白の混ざった灰色の部分を見つけるように。ほとんどの状況は、黒と白とが混じりあっているのです。

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  どの質問にも二つの側面がある。

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  4.それぞれの物事を状況に応じて判断すること。誤った決断を下したかもしれないという気がしてひどく悩んでしまいがちな人は、決断に伴う苦痛を避けようとして、自分の生活をできる限り、規則正しく、いつも決まったものにしようとします。いつ歯をみがくか、どんなふうにセックスをするか、子供達に何と言うかなどすべて決めて、何もかもルールにしてしまおうとするのです。

  ところが困ったことに、状況が変わったりして、いつもルール通りにいくわけではないのです。しばしば、どっちとも言えないような状況に出くわし、そういう時に無理やりルールに当てはめてやろうとするなら、状況という重要な要素を見逃してしまうことになります。

  例えばある会社が、セールスマンには大卒しか採用しないという方針をとっているとします。販売部長は良いセールスマンが欲しくてたまりません。そこに、聡明で、好感のもてるタイプの、積極的な男性がやってきます。彼は、その仕事でセールスの仕事をする事を強く希望しているのですが、ただ、2年しか大学に行っていません。販売部長は会社の方針に縛られているので、彼を断りました。その結果、会社は有望な人材を逃したことになるのです。

  5.自分の意見を言う時にも、人の意見に耳を傾ける時にも、それを裏付ける証拠があるかどうか調べる。自分の希望や感情がからみあってくると、理にかなった結論に達するのが難しくなります。感情というものは、自分の願いをあたかも事実のように見せかけるのがうまいので、感情がからむと、事実を順に追っていって結論に至るというよりは、自分の望む結論に至るという事がしばしばなのです。

  意見やおおざっぱな一般論を耳にしたら、それを裏付ける証拠がない限り、それが、単に発言者の主観的な物の見方ではないかどうか確かめなさい。

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  うわべだけを見て素早く下した判断は、必ずしも正しいとはいえない。

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会 話

 

会話におけるギブ・アンド・テイク

  会話では絶えずギブ・アンド・テイクが行われており、人間関係というものは、こうしたキャッチボールのようなやり取りに支えられています。それが全く一方的なものになってしまうなら、その時、会話は死んだものになってしまいます。会話の火が衰え、ついには消えてしまうのです。  殆どの人は、いつも満たされたいと願っている必要や望みを抱えています。ですから「ギブ」(与える事)の機会は限りなくあります。例えば、人々は色々知りたがるものだから、あなたは自分の知っていることを教えてあげる事が出来ます。又、人は自分の良いイメージを保ちたがるものです。自分は賢く、見かけも良く、親切で、分別があり、尊敬されるべき人類の一員であると思っていたいのです。

  人は、感情のはけ口を必要としています。自分の言う事に耳を傾け、理解を示してくれる人を必要としているのです。不安を取り去り、安心感を与えてくれる人、怒りのはけ口になってくれ、必要な時には受け入れ、赦してくれる人、悲しみを思いやってくれ、喜びを分かち合える人を。そういったわけで、「ギブ」はとても必要とされているのです!−−そしてあなたが注ぎ出すにつれて、主は注ぎ入れて下さいます! 次の事を覚えていて下さい。「あなたが常に新鮮で満たされているための唯一の方法は、主が注ぎ入れて下さるにしたがって、他の人たちに溢れるほど注ぎ続けることである! さもなければ、今持っている少しのものも、乾き切って吹き飛んでしまうであろう。そうなると自分の為にも十分に残らず、今日の教会のように死んだものになってしまうであろう。−−彼らは、空っぽで乾き切って、死んでおり、何一つ与えるべきものがなく、自分自身の内に生命さえ残っていない。自分の内にまだそれがあった時に、注ぎ出す事を怠ったからである! 私達が他の人達の必要を満たすに十分なだけのものを彼らに注ぎ出すのを怠るような事がないよう、神が助けたまわん事を。それを怠るなら、神は私達に注ぎ出すのをやめられるであろう。」(51:21)

 

話すことを通じての「ギブ」

  話すことを通じて、相手に何かを提供するための3つの方法とは:

  1) 教える。 何か事実や情報を伝える事、建設的な批評を言うこと、経験談を話すこと、参考になる助言や提案を与えることなど。

  2) 楽しませる。 冗談を言ったり、愉快な話、興味をそそる話をすること、また、なぞ解きや難題などを出して相手の頭を使わせることなど。

  3) 感情的な要求を満たしてあげる。 会話で、相手を褒めたり、元気づけたり、同情したり、相手が誇りに思っている事に対して、何らかの形で関心を示してあげると、相手の感情的な要求が満たされます。

  言葉は贈り物にもなります。それは、形のある贈り物をあげるのと同じだけの効果があります。受け取る側にとって、より大きな満足感が得られることもしばしばです。

 

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  言葉は実体のあるものである! 祝福することもあれば、ののしりもする。元気づけることもあれば、ぶちのめしもする。救うこともあれば、呪いもする!

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耳を傾けることを通じての「ギブ」

  自分の考えや感情のはけ口を必要としている人に対しては、関心を示してあげることがかけがえのない贈り物となります。聞き手であるあなたは、単に相手の言うことを聞く以上のことをしています。話し手が自分の考えをまとめ、感情を外に出すのを助けているのです。

  多くの人は、自分の考えをはっきりさせ、まとめるのに、聞き手という刺激になる存在を必要とします。聞き手は、反響を見る為の道具の役目を果たしているのです。話し手は自分の考えを聞き手に着せてみて、どんなふうに見えるかを一歩下がって見る事が出来ます。熱心に耳を傾ける事によって、相手が自分の考えをまとめるのを助けてあげるならば、相手も、そのお返しにあなたの考えに耳を傾ける事で感謝の気持ちを表したいと思うようになる事でしょう。

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  よい聞き手は、いたる所で人気があるだけではなく、その内に、いろいろ学ぶようになる。

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  会話をしている時、聞き手はまた、話し手が感情を発散するのを受け止めてあげる役割を果たすことがしばしばです。悩みや心配事を抱えていたり、喜びでいっぱいだったり、何かの事でやましく感じている人は、そういった感情を発散させるまでは、それを内にためこみ、そういう心の重荷を引きずっていなければなりません。おそらく、感情を発散させる手段として最も一般的なのは、誰かに話すことでしょう。そして、話すには、親身になって聞いてくれる人が必要なのです。

  対人関係においても、証しをしている時にも、ダッドからの次の助言を覚えておいて下さい。「時々、人はただ自分の話に耳を傾けてくれる人を必要としており、それが、つまり相手の話に耳を傾けてあげることが、証し人としての仕事の半分である!彼らの問題に熱心に耳を傾け、その人に個人的な慰めや助言の言葉をかけてあげたいと思っていることを行動によって示し、相手をがっかりさせないようにしよう。」(67:14)

 

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  人が、もし聞く量の二倍話すべきだったのなら、口が二つと耳が一つ与えられていたことであろう。

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「ギブ」は、説得力のあるコミュニケーションに欠かせない

  話をする時の基本的な原理は、聞き手が耳を傾け、受容的でなければならないということです。会話の大部分は、聞き手が当然受容的であると思い込んでいるがために無駄になっています。聞き手が黙っているのは、耳を傾けているしるしだと思われています。本当はそうじゃないとわかっていても、人は、いざ自分が誰かに話をする時になると、まるで聞き手の沈黙は耳を傾けている証拠であるかのように振る舞うようです。

  人はよく、何を言おうかとか、どう言おうかということに心を奪われてしまい、相手にどうやって耳を傾けさせるかという重大なことに頭が回りません。ところが、聞き手は、自分の思っていることを話したくてうずうずしており、あなたの言っていることが耳に入ってこないのかもしれません! 話したくてうずうずしているというのにも、色々な理由があることでしょう。あなたの言ったことが信じられないか、それに同意できないかで、質問をしたいのかもしれないし、あなたの言わんとしていることがよく理解できなかったので、もっとわかりやすく説明してほしいと思っているのかもしれません。あるいは、あなたの意見に賛成の意を表したいのかもしれないし、自分の心の中にある何か別のことについて話したいのかもしれません。

  こういった気を散らすものを最小限に押さえるには、相手に話す機会を与えなければなりません。もし向こうから進んで話し出さないなら、時々、誘いをかけて相手の思っていることをくみ出すことです。相手に何か話したいことがあるなら、たとえそれがあなたの話したいことと関係なくても、そのために時間をとらなければなりません。

 

グループ相手に話をする

  1.人によって関心のあることも違う。話し手は、グループ全体に向かって話さなければなりません。一人の人に話している時には、相手の関心を最大限にとらえられるようにと、自分の意見をまとめたり、言いかたを工夫することができます。グループに話す場合は、聞く人たちが共通して抱えている必要を満たすようにしなければならず、彼ら全員の心に通じるような話の編成、内容でないと使えません。聞き手の中で一番単純な人、あるいは子供たちのレベルに合わせて話しなさい。そうすれば、全員の心に通じることでしょう!

  2.グループ全体の考えを一定方向に向ける。話す時には、聴衆の心をあなたの目標に向けさせることから始めなさい。自分の言いたいことを相手に知らせるのです。つまり、自分がこれから何を言おうとしているかをまず告げるのです。

  多くの話し手はすぐに主題に突っ込むことを恐れるきらいがあるようです。たとえば、何かを主張する前に、その理由について話すので、その結果、聞き手たちは、話し手が何を言わんとしてそれらの理由を並べあげているのか全くわからなかったりします。あるいは、話し手が、最初にまず問題について話し、自分が解決策を持っているかや、どちらの方向に解決策を見いだすことができるかなどといった事について、あらかじめ話さなかったりします。そうすると聞き手は、話し手が何かいやなことについて文句を言っているのか、助けを求めているのか、それとも何かをするよう提案しているのか、皆目見当がつきません。

  3.例をあげる。グループ相手に話す時には、自分の言ったことが幾つもの意味にとれる場合には必ず、聞き手は自分の言わんとしているのとは違った意味にとるという前提に基づいて話を進めていくといいでしょう。ですから、幾つかの解釈のしかたがありうることを言う時には、例をあげる事です。具体的な実例をあげて、どういう意味で言っているのかをはっきりさせなさい。

  話し手であるあなたが自分の解釈に慣れていると、尚更、自分の言った事が他の意味にとられる可能性があるということに気づかなくなってしまいます。あなたは、自分の言わんとする事を聞き手は理解してくれているものと思い込んでしまい、聞き手の一人一人も、あなたの言わんとする事を正確に理解していると思い込んでしまうことでしょう。実際には、全く違った意味にとっているかもしれないのに。例をあげるなら、そうした誤解は生じません。

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  イエスの仕事のほとんどは、たとえばなしをすること、物語を話すこと、まるで絵を描くように生き生きと御言葉を話すことであった。

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  4.フィードバックの機会を持つ。聞き手のグループの人々に、あなたの言うことをしっかりと把握させるには、あなたの言ったことについて、彼らに考えさせることが大切です。彼らがそうするのを助けるには、幾らかの反応を得るために、少し彼らをつついてみなければいけません。実際、フィードバック、つまり聞き手の反応を得ることの主要な目的は、相手の胸の内を知るというより、むしろ、相手に考えさせることにあります。フィードバックをすることによって、聞き手たちは、あなたの言ったことについて考えざるをえないのです。

 

フィードバックの機会を持つ方法

  1.質問をする。質問は、あなたの言ったことについて聞き手にじっくり考えさせるのに非常に有効な手段です。話しを進めながら、何度も質問をさしはさみなさい。質問をせずに一分か二分以上話すことはしないと決めてもいいでしょう。こういう質問には、二つのタイプがあります。時間をとって、聞き手から答えを得るものと、自分で答えを言うものです。

  2.質問を奨励する。質問をするのは、情報を得ようとしているか、心を通わせようとしているか、あるいはその両方をしたい時です。グループの中の誰かが質問をしてきたら、それは、その人が関心を持っていること、あなたの話したことを積極的に自分のものにしようとしていることの証拠です。話をする時には、質問を歓迎するだけでは十分ではありません。聞き手が質問するよう、積極的に奨励しなければいけません。

  a) 質問は大歓迎であって、何かの質問が頭に浮かんだら、話が終わるまで待たずに、途中で話をさえぎってでも質問しなさいということをみんなに知らせること。質問を思いついたばかりの時のほうがずっと、答えをすんなり受け入れることができるものです。話が終わるまで待ったら、質問しようと思っていたことを忘れてしまったり、質問したいという気持ちがなくなってしまうことでしょう。

  b) 時折、話をとめて、「ここで、どんな質問が、気の利いた質問と言えるでしょうか?」などといった質問をはさむこと。前もって話の内容を準備して、時折、質問が出てくるようにしなさい。いったん誰かが手をあげて質問すれば、他の人もずっと質問しやすくなります。

  c) 質問を受けたら、その質問を褒めること。誰かが質問をしたとき、「なかなか興味深い質問ですね。」とか、「そういう質問が出てきて嬉しいです。」などと褒められたら、他の人達も、質問しようという気持ちになります。

 

反復しながら話を進めてゆき、最後に要約をする

  聞き手にとっては、耳新しいあなたの考えや見解を、一度聞いただけで把握するのは難しいかもしれません。実際、本当に消化できるのは、ほんの一部だけのようです。どんな事でも、反復によって次第に覚えていくように、あなたの言いたいことも繰り返して言えば言うほど、相手の心に刻まれていきます。ただ、繰り返して言わなければならないものの、同時に単調にならないよう気をつけて下さい。

 

説得のためのキーポイント

  相手を説得しようという試みが失敗に終わる原因として一般的なものは、説得というのは、相手の意志をねじ曲げて無理やり自分に賛成させることだと考えることです。この考え方を持っていると、力強い議論を展開し、反対意見など許さないといった力づくの態度で、何が何でも相手を説得しようとするのです。

  こういったやり方はうまくいきません。理由は単純です。考えというのは、外側からたたきこまれることによって受け入れられるものではないからです。考えは、それがほしいという内なる思いによって把握されるものです。だから、コツは、相手にあなたの考えがほしいと思わせることです。そして、相手があなたの考えを求めるようになるには、その人がまず、他の人達の考えを受け入れたいという心の状態になっていなければなりません。

  何かを知りたがっているというのは、喜んで何かを受け入れる気持ちがあることのしるしです。相手は、何かを知りたがっているということを、質問したり、あまり確信がないと言ったりすることによって表します。ですから、相手に、何かを受け入れる気持ちがあるというしるしが見られるまで、自分の考えを相手に植え付けるのを控えていなければなりません。

  どうしたら相手はそういう気持ちになるのでしょうか? ただ、相手の思っていることをくみ出すことです。何かについて絶対にそうだとか、確信を持っている時には、誰か他の人の考えを受け入るといった状態にはありません。そういった時にできる最善のことは、相手に、自分の考えかたについて話させることです。話すにつれて、自分の考えのまだしっかり出来上がっていない部分に、あらが見えてくるかもしれません。そういった点において、相手は、自信がないとか、もっと知りたいとか言うことでしょう。

  さて、こうして相手が人の考えを受け入れやすい状態になったとします。今、相手は、あなたの持っているものを求めています。こういう時こそ、あなたの考えを言う時です。相手は、それを吸収する用意ができているのです。

  こういったテクニックを身につけるには、練習が必要で、使い方を学んでいる間はぎごちないのを我慢しなければいけません。そして、癖で、このテクニックと正反対のことをしそうになったら、それに必ず抵抗しなければいけません。人の思考を通り越して、その心に達しようとするのは、しばしば骨の折れることです。しかし、こうして相手の心に達するために努力するなら、その報いとして、永遠の配当を受け取ります。−−主の御国のために魂が永遠に勝ち取られるのです!

  「主のために、また他の人に対して、成功したいだろうか?−−愛しなさい。そうすれば失敗することはない。愛は決して失敗しないからだ! すべての人の心に通じる鍵がほしいだろうか?−−愛を試してみなさい! 愛は失敗することがない。神は愛であり、神に失敗はありえないからだ!」(151:54) アァメン? GBY!

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   愛はコミュニケーション

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