ダニエル2章
イントロダクション
すでに成就されている聖書の預言を扱う学習は、驚異的で、興味深く、霊感にあふれ、励ましに満ちていて、信仰を築くものである。何百年も前から予告されていて、最も入り組んだ詳細まで成就している数々の預言は、私たちがごく近い将来に関して学習している預言も、過去に成就している預言と全く同じくらい正確で、全く同じくらい確実で、全く同じくらい細かいところまで成就されるということを信じる信仰を励ますはずである。
ダニエル書は、聖書のすべての預言の教えの基礎である.それは、基本的な書であり、土台の書でもある。とりわけ世界史と政治的将来において。あなたが最初にダニエル書を理解することは、非常に重要である。そうでないと、黙示録をあまりよく理解することはできない。黙示録は、ずっと複雑だからである。
預言者ダニエル
ダニエル自身は、B.C.620年頃に生まれた。ということは、ネブカデネサルが、B.C.605年の初期に初めてエルサレムを包囲した時、ダニエルはおそらくティーンエイジャーになっていただろう。そして王室の血を引く他のユダヤ人と共に、ダニエルはバビロンに連れて行かれた。(ダニエル1:1-3,6)そこで彼は3年間、カルデヤ人の文学と言語とを学んだのである。(ダニエル1:4)彼と3人の友人は、王に仕える賢者かつ助言者とされた。(ダニエル1:19.20、2:13) B.C.603年にネプカデネサル王は、驚くべき像の夢を見た。(ダニエル2:1) この時ダニエルは、20歳ぐらいの若者であったが、それを解釈した後「バビロン全州の総督」とされ、「またバビロンの知者たちを統轄(とうかつ)する者の長とされた。(ダニエル2:48)
ダニエルは、パビロンで少なくとも72年間生きた。彼の人生は、ネプカデネサルの統治の最初の年から、その後に続く5人のバビロンの王、そしてパビロンの崩壊を過ぎてペルシャ帝国に至るまで、すなわちメディアのダリウスの統治から、ペルシャのクロスの第3年目に至るまで生きたのである!(ダニエル10:1)(「歴史:バビロン」のタイムライン参照)
ダニエル2章
ダニエル2章は、全聖書の中で世界の歴史と未来に関する最も短く、最も簡潔な全体像である。この章に出てくる預言的夢は、古代バビロンから、神の国によって滅ぽされる最後のアンチキリストの世界帝国に至るまでの5つの人間の大帝国を描写している。この夢は最初、ネプカデネサルに与えられ、彼の統治の間にダニエルが彼のために解き明かした: それゆえに、この預言はバビロンの王とバビロンの偉大な世界政府から始まっており、この夢が与えられた時には、すでに滅びていた、以前の世界政府であるエジプトとアッシリアを含んではいない。
1.ネプカデネサルの治世の第二年に、ネプカデネザルは夢を見、そのために心に思い悩んで眠ることができなかった。
彼の治世の第二年は、およそB.C.603年であった。
2.そこで王は命じて王のためにその夢を解かせようと、博士、法術士、魔術士、カルデヤ人を召させたので、彼らは来て王の前に立った。
3.王は彼らに向かって、「わたしは夢を見たが、その夢を知ろうと、心に思い悩んでいる」と言ったので、
4.カルデヤ人らは、アラム語で王に言った、「王よ、とこしえに生きながらえられますように。どうぞ、しもべらに、その夢をお話し下さい。わたしたちは、その解き明かしを申しあげましょう。」
5.王は答えて、カルデヤ人に言った、「わたしは、その夢を忘れてしまった。あなたがたがもしその夢と、その解き明かしをわたしに示さないならば、あなたがたはその身を切り裂かれ、あなたがたの家は滅ぽされる!」
王は夢を見たのだが、それを覚えてもいなかったのだ。ただ、それが非常に重要な夢であるということだけはわかっていた。
13.この命令が発せられたので、知者らは殺されることになった。またダニエルとその同僚をも殺そうと求めた。
この命令が発せられた時に、神の預言者ダニエルは、バビロンの捕虜であり、王の賢者の一人として仲間のユダヤ人たちと共に仕えていた。(25節と49節)
16.ダニエルは、王の所へ入っていって、その解き明かしを示すためにしばらくの時を与えられるように、王に願った。
17.それからダニエルは家に帰り、同僚のハナニヤ、ミシャエル及びアザリヤにこの事を告げ知らせ、
18.共に、この秘密について天の神の憐れみを請い、ダニエルとその同僚とが、他のパビロンの知者と共に滅ぼされることのないように求めた。
ダニエルは、どれだけ神に祈って、必死に泣き求めたことだろうか! 彼は、どうしていいのかわからなかった。答えを知らなかったのだ! 一体全体、どうやって王に、王の夢を話すなどということができようか。ダニエルは、その夢を知りもしないのに、どうやってそれを解き明かすことなどできようか?−−だから、彼は祈ったのだ!
19.ついに、夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。
神が、それをすることのできた唯一の方であった! 30節参照
24.そこでダニエルは、王がパビロンの知者たちを滅ぼすことを命じておいたアリオクのもとへ行って、彼にこう言った。「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなりません。わたしを王の前へ連れて行って下さい。わたしはその解き明かしを王に示します。」
25.アリオクは、急いでダニエルを王の前へ連れて行き、王にこう言った。「ユダから捕らえ移した者の中に、その解き明かしを王にお知らせすることのできる、一人の人を見つけました。」
26.王は答え、ベルテシヤザルという名のダニエルに言った、「あなたは、わたしが見た夢と、その解き明かしとを、わたしに知らせることができるのか?」
ダニエルと彼の友人たちがバビロンに最初到着した時、宦官の長が彼らに新しいバビロン人の名前を与えた。ダニエルは、パビロンの神「ベル」にちなんで、「ベルテシャザル」と呼ばれた。(ダニエル1:6.7、4:8参照)
27.ダニエルは、王に答えて言った、「王が求められる秘密は、知者、法術士、博士、占い師など、これを王に示すことはできません。
28.しかし秘密をあらわす一人の神が天におられます。彼は、後の日に起こるべき事をネプカデネサル王に知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。
神だけが、王のとその解き明かしを、ご自分の預言者に明らかにすることのできる方である。そしてダニエルは、すペての功績とすべての栄光を神に与えるのに忠実であった!
29.王よ、あなたが床におられた時、この後どんな事があろうかと思い回されたが、秘密をあらわされる方が、将来どんな事が起こるかをあなたに知らされたのです。
30.この秘密をわたしにあらわされたのは、すべての生ける者にまさって、わたしに知恵があるためではなく、ただその解き明かしを、王にお知らせすることによって、あなたが心に思われたことをお知りになるためです。
31.王よ、あなたは一つの大いなる像が、あなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。
ここから、かって人間に与えられた内で最も驚くべき預言的夢の一つの描写が始まるわけである! このぴっくりさせるようなビジョンの中の、この「大きな光り輝く、恐ろしい」像のそれぞれの異なった部分は、いろいろな世界帝国を表しているのである。
32.その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青桐、
もっと細かく見れば、この像の体の主要なそれぞれの部分は、異なった金属でできていることがわかる。「純金の頭」−−38節の解釈を参照。「銀の胸と両腕」−−39節の解釈を参照。「青桐の腹ともも(ここでは足のつけ根をさす)」−−39節の解釈を参照
33.すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。
「鉄のすね(足のこと)」−−40節の解釈を参照。「足(足首から下のこと)の一部は鉄、一部は粘土」−−41節から43節の解釈を参照。
34.あなたが見ておられた時、一つの石が人手によらず切り出されて、その像の鉄と粘土の足を撃ち、これを砕きました。
この石は、光り輝く像の一部ではなく、「山から切り出された」のであった。(45節)−−44節にある解釈を参照。像の足にあたったこの大きな石は、足のつま先のところにあたったのである。さて、それが像の頭ではなく、足のつま先にあたった理由は、いつ人間の王国が滅ぽされるかを、神があなたたちに示したかったからである!−−つまり、足のつま先の時代にである。
○c 1986.World Services.PF241.8021Zerich.Switzerland.
ファーザー・ダビデ・フォンティンによる預言のレッスンより。ウォルター・ヨーク編集。
35.こうして鉄と粘土と青銅と銀と金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところが、その像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。
これらの10本の足の指の時代に、石は像を打って、像は「もみがらのように」粉々になった。神が像を壊して、すべて吹き飛ばしてしまわれる時、世界最後の砂とちりの大きな嵐となるだろう!(44節と45節の解釈を参照)
36.これがその夢です。今、わたしたちはその解き明かしを王の前に申し上げましょう。
37.王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、
(ダニエル4:17とエレミヤ27:4-7参照)
38.また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆、これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたは、あの金の頭です。
神の言葉によると、ネプカデネサル大王が統治する古代の「黄金の都」(イザヤ14:4)であるバビロンの大いなる王国は、金の頭であった。つまり彼が、最良で、最初で、最も重要な部分だったという意味である。
ネプカデネザルは、これらの帝国の中で最良だった。なぜなら彼は、神を、他の神々にまさって最も高い神と宣言し(ダニエル2:47)、自分の全ての民に、主を敬うように命じた。(ダニエル3:29参照)彼は後で、救われさえした!(ダニエル4:37参照)
体のこれらのいろいろな部分でさえ、解釈においては象徴的なのである。なぜなら頭のように、バビロニア人は非常に利口で賢かったからだ。彼らは、天文学や占星術を知っていた。彼らは、科学者であり、非常に覧い人たちだった。
39.あなたの後に、あなたに劣る一つの国が起こります。また第三に、青銅の国が起こって、全世界を治めるようになります。
像:世界5大帝国の象徴!
1)金の頭(ダニエル2:32.38)
2)銀の胸と両腕(ダニエル2:32,39とダニエル5:25−31)
3)青桐の腹ともも(足のつけ根)(ダニエル2:32,39とダニエル8:3−8,20,21)
4)鉄のすね(足のこと)(ダニエル2:33,40)
5)鉄と粘土の足(足首から下)中世(ダニエル2:33,41)ローマが鉄の独裁政体(黙示録2:26,27)と粘土の民主政体(イザヤ64:8)に分裂する。
6)鉄と粘土のつま先(足指):最後のアンチキリスト帝国の10の連合国(ダニエル2:33,42,43とダニエル7:24、黙示録17:12)
7)石:再臨の時のイエス・キリスト(ダニエル2:31,1コリント10:4、1ベテロ2:6)石が人間の諸帝国を撃ち砕く。(ダニエル2:34,35,44と黙示録17:12−14とマタイ21:42-44)
頭は、明確にバビロンと指摘されているので、この次の王国が何だったかを知るために、私たちのしなければならないことは、ただ歴史を調べて、バビロンの後にどの王国が起こったかを見るだけである。世界史によると、パビロンに続く二重帝国はメド・ペルシャであり、B・C.538年にパビロンを征服している!
それはパビロンを征服した王国として、後にダニエル5:30−31で明確に名前さえあげられている。また、55年前のB.C.593年に預言者エレミヤは、メデアがパビロンを征服すると預言した.(エレミヤ51:11,28参照)
メド・ベルシャの二重王国は、ここで両腕によって描写されている。メデア人とペルシャ人は手を使ってする仕事、手細工や、物を建てたりすることに優れていた。
私たちは、歴史からベルシャに次ぐこの第三の王国がギリシャ帝国であることを知っている。後の章で、ダニエルは明確に、ギリシャがメド・ベルシャを征服すると預言している。(ダニエル8:21,22)これは、その預言がなされた219年後、すなわちB.C.333年に成就した!
腹によって象徴されたギリシャは、かなりの美食家であり、彼らは食べたり宴をもうけたりすることが好きであった。しかしながら、おそらくギリシャ人に関して最も顕著なことは、彼らがセックスを大いに支持したということであり、性器をあらわにした人間の美しい裸体像を作った−−それゆえに、ギリシャが像の中で、ももや性器によってもまた象徴されているのは、適したことである。
ギリシャ人は、セックスに大いに関心があった他に、哲学、宗教、霊的な事柄に関してもまた関心をもっていた。そして、霊のある所は腹であるというのは、ほとんどすべての宗教が支持することである。イエス御白身こう言われた。「その腹から生ける水が川となって流れ出るだろう。(これは御霊をさして言われたのである)」(ヨハネ7:38,39)
40.第四の国は、鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物を壊し砕くからです.鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国は壊し砕くでしょう。
私たちには、すでに実際に歴史上の成就があるので、この第四の王国がローマであったことを知っている。ローマは、強靭で、弾圧的な王国で、キリストの時代の前に、当時の人々が知っていた世界は全部、厳しい軍事的支配によって弾圧したのである。それは、世界は全部「ことごとく打ち砕く」ので、百年近くの間、大きな戦争は一つもなく、どんな国もローマの支配に反対するような軍隊をかき集めることさえできなかった。
ローマは、ここで2本の鉄のすね(足)によって、象徴されている: ローマは2つに分かれたか? そうだ! ローマが衰退していった時、それは東と西の帝国に別れた。西の帝国の首都はローマであり、東の帝国はビザンティン帝国であり、首都はコンスタンチノープルだった。(「歴史:ローマ帝国」参照)
ローマ帝国の中心部であるイタリアは、足の下半分のような形さえしている!
ローマは、これらすべての王国において、最強の国であった。だからこそ、それはここで鉄によって象徴されている。また、何故ローマは、鉄のように最強であるだけではなくて、2本の足のようでもあるのか? なぜなら、彼らは行進することに優れていたからである! 彼らは、沢山の舗装した道路を造った最初の世界帝国であった。彼らは、あらゆる所に、大きな石の公道を作った。彼らが舗装した道路を造った主要な目的は、ローマの軍団が素早く行進して、反抗したり、どんなトラブルを起こす国でも征服できるようにするためである。
像の中の一番長い部分は、どこか?−−足である! そしてそれらすべての帝国、すなわちバビロン、メド・ベルシャ、ギリシャ、ローマというこれらの帝国の中で、最も良く支配した帝国はどれか?−−ローマである!(「歴史:ローマ帝国」参照)−−千年近くもの間である!
41.あなたは、その足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが、鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。
像のすねから足と足のつま先まで続いている鉄は、ローマ帝国の続きのようなものである。ローマ帝国が倒れた後、ローマは足とつま先の「鉄」と「粘土」の国々に分裂した。これは、ローマの崩壊以来、世界に存在している2つの種類の政体の事で、独裁政体と民主政体である。
神の言葉の中で述べられている粘土は、いつも人々を表している。イザヤ64:8には、「われわれは粘土であって」とある。だから人民による政体、つまり民主政体は、「粘土」の政体である。それはより弱い種類の政体である。なぜならそれには、「鉄の強さ」がないからである。「鉄の強さ」というのは、独裁者による全体主義的、軍事的、独裁政体とその「鉄」(過酷という意味もある)の支配を表している。そしてそれには、大抵彼らの独裁者として「鉄の男」(独裁者を意味する)がいるのである。−−それは、たとえば共産主義の東ヨーロッパの国々のいくつかのような、ローマの「鉄」の独裁政体である。(歴史:「アンチキリスト王国」参照)
「分裂した国」ローマの崩壊以来、国々の間には分裂が起こり、ナポレオンやヒットラーのように、いくつかの国が優位に立って他の国々を支配しようとしたものの、結局、そうすることのできた国は一つもなかった。時々、イギリスやフランスやスペインなどのような同等のカを持つ「帝国」が同時に存在したものの、ローマほど他の国々に対して支配力を持っていた国は一つもなかった。
42.その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。
「その国は一部は強く」−−銑−−「一部はもろい」−−粘土。神は、民主政体が弱く、もろいと考えておられる。
多くの聖書教師や学者は、「王国」すなわちアンチキリストの世界帝国が文字通り昔のローマ帝国の復興になると言った。(「歴史:アンチキリストの王国」参照)
43.あなたが、鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって互いに混ざるでしょう。しかし、鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合(あいがっ)することはありません。
思い出すと思うが、一方の足は西ローマ帝国から出ていて、もう一方の足は東ローマ帝国から出ている。今日の世界は、ほとんどこの通りに別れている。東は、主に共産主義独裁政体(鉄)であり、西は資本主義民主政体(粘土)である。
この両者は、「相合することはありません」これは、今日の世界の東と西の分裂において見られる。独裁政体と民主政体がどれだけうまくやっていけるか?−−大抵は、全くだめか、あるいはほんの少しだけである。
しかしながら間もなく起こる、悪魔に取りつかれたアンチキリスト(これに関しては、後の章で詳細に扱うことにしよう)として知られている独裁者の帝国は、非常に短い期間に、これらの鉄と粘土の国々を団結させ、これらの独裁政体といわゆる民主政体を団結させて、何らかの種類の国際連合によって世界を支配するであろう。これらの10ヵ国は、アンチキリストのもとで団結させられる。そしてこの王国は、鉄と粘土の混合であるものの、彼はそれの大部分を鉄にし、自分の鉄の支配で、彼ら全部を団結させるであろう。(ダニエル7:24の解釈を参照)
44.それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これは、いつまでも滅びることがなく、その主権は、他の民に渡されず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そして、この国は立って永遠に至るのです。
「像を撃」った石(ダニエル2:34)はイエスであり、この「大きな山となって全地に満ち」た(ダニエル2:35)というのは、至福千年の神の王国、つまり地上におけるキリストの王国以外にはない!(「至福千年」とミカ4:1-3参照)キリストは、ハルマゲドンの戦いが終わって、至福千年が始まる時、地上に神の王国を立てられる。(黙示録19:11-21参照) この石は、力づくで像を砕き、滅ぽし、像はあとかたもなくなった! そこには、風が人間の政府を「もみがらのように」さらっていったとある.(ダニエル2:35とイザヤ17:13参照)
主の来臨は足(ローマ)のところではなく、足首から下のところ、とりわけ足の指のところであり、人間の政府の一番最後の「それらの王たちの世」であることに目を留めなさい。
「それらの王たち」: ダニエル2章の10本の足の指は、ダニエル7章と黙示録17章の10本の角と同じものを象徴している:「10の角は‥‥起こる10人の王(または王国)である。」(ダニエル7:24) それは、10の最後の王、または王国、世界の国であり、黙示録17:12−13には、彼らが「自分たちの力を獣(アンチキリスト)に与える」とある。像には10本の足の指があるので、私たちは10の有力な国が出てくることを知っている。(41節から43節参照)
それらの王たちの世(アンチキリストがとうとう彼らを一つにする時)の終わりに、それらの王たちが存在している時に、イエスが来られ、人間のすべての王国を滅ぼされるであろう。彼は、それらの王国を砕き、もはや人間の政府が一つも残らなくなるまで、それらをすべて一掃されてしまうだろう!(黙示録17:12−14と「ハルマゲドンの戦い」参照)あらゆる気違いじみた民主政体や独裁政体や人間の邪悪な帝国ではなく、イエスの王国がその時「全地に満ちる」であろう。(45節も参照)
45.一つの石が人手によらず山から切り出され、その石が鉄と、青銅と、粘土と、銀と金とを打ち砕いたのをあなたが見られたのは、この事です。大いなる神が、この後に起こるべきことを王に知らされたのです。その夢は、まことであって、この解き明かしは確かです。
この像は、人間の大いなる世界のもろもろの政府を表している。石は、像とは全く関係なく山から切り出されたのである。石は、勿論「すみのかしら石」であるイエスである。(マタイ21:42−44、1ベテロ2:6)その時、「家造りの捨てた石が、すみのかしら石になった。」−−この新しい神の王国のである!
どうかイエスを受け入れて、彼の王国の一員となってほしい。アンチキリストの悪魔的な王国の一部である者たちは、ハルマゲドンの最終的戦いにおいて、キリストと彼の軍隊によって滅ぽされるからである。それは、彼、すなわち石が像を粉々に砕く時である!(マタイ21:44参照)
「この解き明かしは確かです。」私たちは、正確に何が起こるか知っている!(「解釈」参照)
47.そして王はダニエルに答えて言った、「あなたが、この秘密をあらわすことができたのを見ると、まことにあなたがたの神は、神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされる方だ」
王は、ダニエルがこれらの事を王に告げた時、ダニエルを信じ、彼の信仰に対して多くの尊敬を払った。
48.こうして王は、ダニエルに高い位を授け、多くの大いなる贈り物を与えて、彼をバビロン全州の総督とし、またパビロンの知者たちを統轄する者の長とした。
ダニエルは、王の夢を解釈し、また賢い助言を与えた。だから王は、彼を王国で、自分を別にすれば最も高い地位に就けた! だからダニエルは、非常に重要で、金持ちで、有力な大物だったのだ。
事実、ほとんどすべての偉大な世界帝国において、神は大抵賢いユダヤ人の預言者を、王のトップの助言者、相談役として、王の右腕となる地位に就けたのである。たとえば、ヨセフやダニエルや、モルデイカイがそうである。(創世記39−41章、エステル記9,10章)
49.王はまた、ダニエルの願いによって、シャデラクとメシヤクとアベデネゴを任命して、パビロン州の事務を司らせた。ただし、ダニエルは王の宮にとどまっていた。
「シャデラク、メシャク、アベデネゴ」はダニエルと共にエルサレムにとりことして連れて行かれた彼の3人の友人であった。(ダニエル1:6−7、2:26参照)「王の宮にとどまっていた」とは、彼が非常に高い地位を与えられたという意味である。
以下は、このクラスで使われているML引用句の参照筒所です:INTRO(1611:6; 1502:3-6; BP1:10) DANIEL (2177:27) DAN.2 (343:3,5,4) VS.5 (975:4) VS.13 (343:2) VS.18 (4:27) VS.19 (4:28) VS.28 (4:28) VS.34 (975:135,145) VS.35 (975:145, 147) VS.38 (343:9; 975:20, 21, 53) VS.39 (343:11-14; 975: 54, 56; 343:19) VS.40 (343:22, 23; 975:58,8.,63,64,78) VS.41 (1520:21; 975:118; 343:26, 27; 975:117, 107, 106, 119; 343:27, 28) VS.42 (2168:6; 1520:21) VS.43 (343:39; 2168:7; 343:43; 2168:11) VS.44 (975:148, 138; 2172:22; BP1:6; 975:141; 1520:25; FT223:24; 975:149) VS.45 (343:44; 975:141; 2150:58; 343:43) VS.47 (975:19) VS.48 (539:23; 1490:29)
この聖書のタイムラインは、ダニエル書の中で述べられているさまぎまな出来事の年と、その時に存在していたさまぎまな王の名と、帝国の名を示すための目的で作られている。一般的な歴史の中で見つけられる日付は、聖書の中で述べられている明確な出来事や年と注意深く比較され、照らし合わされている−−そして、それらは共に一列に並んで、驚くべきほど正確な全景を形作っていて、帝国の興亡を示し、詳細に渡る預言を与え、その成就を示し、ダニエルが生きている間に起こった他の驚異的出来事の成就を示している!−−ダニエルが生きていた間には、3つの世界帝国が起こったのである。
ダニエルの捕囚の年を決定するには、エルサレムの最終破壊の年を知ることが重要である。その破壊で町は完全に滅ぽされ、町の壁は壊れ、ソロモンの宮は焼かれた! この出来事は、B.C.586年という決定的な年に起きた。そして、エレミヤ52:1−14と歴代志下36:11−19には、それはゼデキヤの治世の11年目、すなわち最後の年に起こったとある。歴代志下36:5−8には、エホヤキムもまたゼデキヤの前の11年間を治め、その統治はB.C.609年の後期かB.C.608年の初期に始まったとある。それゆえに、「エホヤキムの治世の第三年に」(ダニエル1:1)ネプカデネサルが初めてエルサレムを攻撃して、ダニエルや他のユダヤ人が捕囚として連れて行かれたのは、B.C.605年であった。一般的な歴史は、この日付を確証している。事実、それはネプカデネサルが父の後を継いでバビロンの王となったのは、B.C.605年の9月だとしている。こうして正式にパビロン帝国が始まったのである。
ユダヤ人の反抗のゆえに、エルサレムは再びB.C.597年に攻撃を受けた。三度目、すなわち最後の攻撃はB.C.586年であった。(これらの日付を確証する他の聖句はエレミヤ25:1、32:1-2、39:1-8、そしてエレミヤ52章全部である! またエゼキエル40:1と歴代志下36章全部を参照)
聖書の手引き書によっては、最初のエルサレムの崩壊−−そしてユダヤ人が捕囚として移されたのは、B.C.606年としているものもある。しかしながら聖書と一般的な歴史の両方とも、B.C.605年と断定している。したがって、70年後、クロス王の治世の第一年に、ユダヤ人の捕囚は終わりを遂げたのだ。(歴代志下36:22,23、エズラ1:1-4)それは、イザヤがイザヤ44:28と45:13で預言した通りであり、またエレミヤがエレミヤ25:11、12と29:10で預言した通りである! 注目してもらいたいのは(B.C.537年に)ダニエルがエレミヤの「70年」の預言を理解したのは、それがB.C.535年に成就される、たった2年前のことだということだ!(ダニエル9:1-2)