団 結

 

1.団結か不和か? 

  A.主は私達が団結することを望んでおられる:

詩篇 133:1 兄弟が和合して共におるのはいかに麗しく楽しいことか

1コリ 1:10  あなたがたに勧める…お互の間に分争がないようにし、同じ心、同じ思いになって、堅く結び合って

2コリ 13:11 思いを一つにしなさい。平和に過ごしなさい。そうすれば愛と平和の神があなたがたと共にいる

ピリピ 1:27 一つの霊によって堅く立ち、一つ心になって…力を合わせ

 

  B.主は不和をどう考えておられるか:

箴言 6:16,19 主の憎まれる…忌み嫌われるもの…兄弟の内に争いを起こす人

ヤコブ 3:14,15*  心の中に敵対心を抱いているなら誇り高ぶってはならない…そのような知恵は上から…ではなく…悪魔的なもの

 

2.団結を保つにはどうすればよいか: 

エペソ 4:3 聖霊による一致を守り続けるように努めなさい

 

  A.御言葉を一致した基準とする:

1コリ 14:37 私があなたがたに書いている事は、主の命令だと認めるべき

ピリピ 3:16*  同じ基準の元に歩み…思いを一つにする

1テサ 2:13,14 あなたがたが私達の説いた神の言を聞いた時に…受け入れ

 

  B.同調的で同じ思いを持つ:

ローマ 15:5,6 神が…互に同じ思いを抱かせ…心を一つにし、声を合わせて…神をあがめ

ローマ 12:16 互に思うことを一つにし…かえって低い者たちと交わるがよい

1コリ 1:10 あなたがたに勧める。みな語ることを一つにして

ピリピ 2:2 どうか同じ思いとなり、同じ愛の心を持ち、心を合わせ、一つ思いになって

 (使徒行伝2:46とピリピ4:2も参照)

 

  C.クリスチャン仲間と良い関係を保つ:

ローマ 14:19 平和に役立つことや、互の徳を高めることを、追い求めようではないか

コロサイ 3:15 キリストの平和が、あなたがたの心を支配するようにしなさい。あなたがたが召されて一体となったのはこのため

1テサ 5:13 互いに平和に過ごしなさい

 

  D.お互いに愛と思いやりを持つ:

箴言 10:12 憎しみは争いを起し、愛は全てのとがをおおう

ローマ 12:10 兄弟の愛をもって互に慈しみ、進んで互に尊敬し合いなさい (1テサ2:7,8も参照)

1コリ 12:25,26 それは体の中に分裂がなく、それぞれの肢体が互にいたわり合うためなのである

エペソ 4:16 全身は…しっかりと組み合わされ…体を成長させ、愛の内に育てられていく

 

  E.お互いに親切で優しく、礼儀正しくあること:

エペソ 4:32 互に情深く、憐れみ深い者となり…互に赦し合いなさい

2テモテ 2:24 争ってはならない。誰に対しても親切であって…よく忍び

1ペテロ 3:8 あなたがたは皆、心を一つにし、同情し合い、兄弟愛を持ち、憐れみ深くあり、謙虚でありなさい

1コリ 11:33 食事のために集まる時には、互に待ち合わせなさい

 (箴言18:24も参照)

 

  F.人々をありのままに受け入れる:

ローマ 14:1   信仰の弱い者を受けいれなさい。ただ、意見を批評するためであってはならない(ローマ14:2-21も参照)

 

  G.人の気を害さないようにする:

1コリ 10:32,33 神の教会にも、つまずきになってはいけない…私もまた何事にも全ての人に喜ばれるように

箴言 18:19*  気を害した兄弟の心を勝ち取るのは、堅固な城を攻めるより難しい

 

  H.言葉に気をつける:

箴言 17:9b 人のことを言いふらす者は友を離れさせる

2テモテ 2:23 愚かで無知な論議をやめなさい…ただ争いに終わるだけ

テトス 3:2 誰をもそしらず…寛容…全ての人に対して柔和な態度

 (ヤコブ3:16,17、伝道の書5:2も参照)

 

  I.怒りを抑える。語るに遅くあれ:

箴言 14:29 怒りを遅くする者は大いなる悟りがあり。

箴言 15:1 柔らかい答は憤りをとどめ

箴言 15:18 怒りを遅くする者は争いをとどめる。

箴言 25:8*  [隣り人と]性急に争いの場に引き出そうとするな

ピリピ 2:3 何事も党派心や虚栄からするのではなく

ヤコブ 1:19 人は全て…語るに遅く、怒るに遅くあるべき

 (箴言3:30、26:17も参照)

 

  J.意見の相違について主にあっての熟練者と謙虚に話し合う:

1テモテ 5:1* 年長者をとがめてはいけない…父親にするよう穏やかに諭し

 

  K.何よりもまず、「果たすべき義務」を行なう:

マタイ 5:23,24 まず行ってその兄弟と和解し、それから…供え物をささげ

マルコ 11:25 祈る時、誰かに対して何か恨み事があるならば許してやり

ヤコブ 5:9 互に不平を言い合ってはならない。裁きを受けるかも知れない

 

  L.えこひいきをしない:

1テモテ 5:21*  えこひいきしたり、不公平な仕方をしてはならない(ヤコブ3:17も参照)

ヤコブ 2:1 イエス…への信仰を守るのに、(人を)分け隔てしてはいけない

 

  M.自分だけの益よりも、他の人達との平和を重んじる:

ローマ 14:19-21 平和に役立つことを、追い求めようではないか

ローマ 12:18 できる限り全ての人と平和に過ごしなさい

 (1コリ6:7、ピリピ2:4も参照)

 

  N.非利己的に他の人と分け合う:

使徒 4:32 信じた者の群れは、心を一つにし思いを一つにして…一切の物を共有にしていた

 (1コリ10:33と2コリ8:9も参照)

 

  O.悪に対して、善で報いる:

マタイ 5:44*  敵を愛し、呪う者を祝福し

ローマ 12:21 善をもって悪に勝ちなさい

1テサ 5:15 お互いに…誰も悪をもって悪に報いないように心がけ

 

  P.報復は禁じられている:

(レビ19:18、箴言20:22、24:29、ローマ12:17,19、1ペテロ3:9を参照)

  

3.団結がもたらす実 

 

  A.一つのゴールに向かって、共に働く:

列王紀下 10:15 あなたの心は私があなたに対してするように真実ですか…それならばあなたの手を私に伸べなさい

アモス 3:3*  二人の者が同意していないのに一緒に歩く[働く])だろうか

マタイ 18:19,20 二人または三人が、わたしの名(イエス)によって集まっている所には、わたしもその中にいる

使徒 2:14 ペテロが十一人の者と共に立ちあがり、声をあげて

ピリピ 1:27 一つ心になって福音の信仰のために力を合わせて戦い

 

  B.団結には力がある:

伝道の書 4:9,10 二人は一人に勝る…彼らが倒れる時には、その一人がその友を助け起す

伝道の書 4:12 人(敵)がもし、その一人を攻め撃ったなら、二人でそれ(敵)に当るであろう。三つよりの綱はたやすくは切れない

士師記 20:11 人々(軍隊)は皆集まり、一致結束して町を攻めようとした

サム上 14:6,7 ヨナタンは言った。「先陣へ渡って行こう」 武器をとる若者は言った。「私は一緒にいます。私はあなたと同じ心です」

 (ネヘミヤ4:16,17も参照)

 

  C.団結した証しの良い実:

使徒 2:1,2,41 [信者達が]一緒に集まっていると、[御霊に満たされ、証しし、3千人が救われた]

 

4.イエスを信じる者の団結 

  A.私達が一つになって団結するためのイエスの祈り:

ヨハネ17:11,21 あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように、みんなの者が一つとなるため

ヨハネ17:22,23 わたし達が一つであるように、彼らも一つになるため…わたしが彼らにおり、あなたがわたしにいますのは…

 

  B.共に団結して働く、一つの体となるべき:

ローマ 12:5 私達も数は多いが、キリストにあって一つの体であり、また各自は互に肢体だからである

1コリ12:12,13 体の全ての肢体が多くあっても、体は一つであるように

 (1コリ10:17も参照)

1コリ 12:27 あなたがたはキリストの体であり、一人一人はその肢体である

エペソ 2:22*  そしてあなたがたも共に建てられて、御霊によって

 (エペソ1:10、2:19-21、4:11,12、1コリ12:4-16も参照)

コロサイ1:17,18 (イエス)は、その体の頭である(エペソ4:15,16も参照)

 (1コリ3:9と2コリ6:1も参照)

 

  C.イエスの霊はお互いの間に平安を与える:

1コリ 14:33 神は…平和の神である…全ての教会で行われているように

2コリ 13:11 兄弟達よ…平和に過ごしなさい。平和の神が共にいる

ガラテヤ 5:22 御霊の実は…平和

エペソ 2:14 キリストは私達の平和であって…隔ての中垣を取り除き

コロサイ 2:2 心を励まされ、愛によって結び合わされ

 

  D.人種や性別による分裂があってはならない:

1コリ 12:13 ユダヤ人もギリシヤ人も…皆一つの御霊を飲んだからである

ガラテヤ3:26,28 ユダヤ人もギリシヤ人もなく…男も女もない。あなたがたは皆、キリスト・イエスにあって一つだからである

 

  E.社会的または経済的な面でも分裂があってはならない:

1コリ 12:13 奴隷も自由人も…一つの体となるように

ガラテヤ 3:28 奴隷も自由人もなく…皆、キリスト・イエスにあって一つ

 

5.不和を起こす原因 

  A.高ぶりや欲:

箴言 13:10 高ぶりはただ争いを生じる

箴言 28:25*  高ぶる心の者は争いを起し

ヤコブ 4:1-3*  あなたがたの中の戦いや争いは、どこから起るのか…欲望から

 

  B.御霊の内に歩いていないことから:

1コリ 3:3 まだ、肉の人だから…あなたがたの間に妬みや争いがある

ガラテヤ5:19-21 肉の働きは…敵意、怒り、党派心

 

  C.悪感情や嫌悪から:

箴言 10:12 憎しみは争いを起し、愛は全てのとがをおおう

箴言 16:28 偽る者は争いを起し、告げ口する者は親しい友を離れさせる

箴言 26:24*  唇をよそおっていても、憎悪を抱いている者

 

  D.妬みや嫉妬から:

ローマ 13:13 争いと妬みを捨てて…慎ましく歩こうではないか

1コリ 13:4 愛は…妬むことをしない。愛は高ぶらない

ガラテヤ 5:26 互にいどみ合い、互に妬み合って、虚栄に生きてはならない

ヤコブ 3:14,16 心の中に苦々しい妬み抱いているなら、誇り高ぶってはならない…妬みのあるところにはあらゆる忌むべき行為がある

 (箴言14:30、27:4、ガラテヤ5:19-21、テトス3:3も参照)

 

  E.えこひいきから:

使徒 6:1 ギリシャ語を使うユダヤ人達から、ヘブル語を使うユダヤ人達に対して…苦情を申し立てた

  F.虚栄心や、権力への欲望から:

民数記 12:1-15 [ミリアムとアロンは権力を求めて、モーセに反抗した]

民数記 16:1-35 [コラはリーダーとしての地位を求めて、モーセに反抗した]

ルカ 22:24 自分達の中で誰が一番偉いだろうかと言って、争論が彼らの間に起った

使徒 20:30 あなたがた自身の中からも…弟子達を自分の方に、ひっぱり込もうとする者らが起るであろう

ガラテヤ 5:26 互にいどみ合い…虚栄に生きてはならない

3ヨハネ 9-11 みんなの頭になりたがっているデオテレペスが、私達を受け入れてくれない

 

  G.重要でない教義を議論し、理論づけることから:

1テモテ 6:3-5 何も知らず、ただ論議と言葉の争いとに病みついている…争いが生じ

 

  H.反感や恨みから:

ヘブル 12:15 苦い根がはえ出て、あなたがたを悩まし、それによってが汚されることのないように

 

  I.怒りと短気から:

箴言 15:18 憤りやすい者は争いを起こし

箴言 29:22 怒る人は争いを起し、憤る人は多くの罪を犯す

 

  J.すべきではないと知っている事を繰り返すことから:

箴言 17:9 人のことを言いふらす者は友を離れさせる

箴言 26:20 人のよしあしを言う者がなければ争いは止む

 (ヤコブ1:26も参照)

 

  K.口論を止めることができないため:

箴言 20:3 争いに関係しないことは人の誉、全て愚かな者は怒り争う

箴言 17:14 争いの初めは水がもれるのに似ている…喧嘩の起らないうちにそれをやめよ

 

6.不和から生じる結果 

  A.共に働いていくことができない:

アモス 3:3*  二人の者が同意していないのに、一緒に歩くだろうか

  使徒 15:36-40 [パウロとバルナバの間に]激論が起り、その結果二人は互に別れ別れになり

 

  B.神の仕事を滅ぼす:

マタイ 12:25 内わで分れ争う町や家は立ち行かない

マルコ 3:24 もし国が内部で分れ争うなら、その国は立ち行かない

 (民数記32:1-7も参照)

 

  C.長期に渡る分裂:

箴言 18:19*  気を害した兄弟の心を勝ち取るは堅固な城を攻めるよりも困難

 

  D.分派に分れたり、人間崇拝を引き起こす:

1コリ 3:3,4 あなたがたの間に争いがある…ある人は「私はパウロに」と言い、ほかの人は「私はアポロに」と言っている

 (1コリ11:18、3:21-23も参照)

 

  E.中傷や噂:

箴言 16:28*  陰口は親しい友を離れさせる

2コリ 12:20 私は心配している…そしり、ざんげんなどがありはすまいか

 

  F.あらゆる悪への扉を開くことになる:

ヤコブ 3:16*  争いのあるところには、混乱と忌むべき行為とがある

 

7.不和にどう対処するか 

1テサ 5:14*  放らつな者を戒め

 

  A.クリスチャン仲間の場合:

箴言 25:9 隣り人と争うことがあるならば、ただその人と争え、他人の秘密をもらしてはならない

マタイ 18:15 兄弟…と二人だけの所で忠告しなさい

ルカ 17:4 一日に七度罪を犯し、そして七度「悔い改めます」と言ってあなたのところへ帰ってくれば、許してやるがよい

1ペテロ 4:8 愛は多くの罪をおおうものである

 (マタイ18:21,22も参照)

 

  B.み仕事での意見の分裂は、牧師か主における年長者に論争を鎮めてもらう:

使徒 15:2 少なからぬ紛糾と争論とが生じたので…長老達と、この問題について協議することになった

使徒 15:7,12 激しい争論があった後、ペテロが立って言った…すると、全会衆は黙ってしまった

ガラテヤ 6:1 もしもある人が罪過に陥っていることがわかったなら、霊の人であるあなたがたは、その人を正しなさい

 

  C.余り重要でない意見の相違は見逃す:

ローマ 14:2,3 ある人は、何を食べてもさしつかえないと信じているが、弱い人は野菜だけを食べる

ローマ 14:4-6 ある人は、この日がかの日よりも大事であると考え、ほかの人はどの日も同じだと考える

 

8.破 門 

  A.分裂を起こす者の破門:

箴言 22:10 あざける者を追放すれば争いもまた去り

マタイ 18:15-17 教会の言うことも聞かないなら、その人を異邦人…同様に扱いなさい

ローマ 16:17 分裂を引き起し、つまずきを与える人々を警戒し、遠ざかる

1コリ 5:11-13 食事を共にしてもいけない…その悪人を除いてしまいなさい

2テサ 3:6 従わない全ての兄弟達から、遠ざかりなさい

1テモテ 6:3,5b もし違ったことを教えて…教に同意しないような者があれば…そのような者を避けなさい

テトス 3:10 異端者は、一、二度、訓戒を加えた上で退けなさい

2ヨハネ 10、11 この教えを持たずに来る者があれば、その人を家に入れるな

 (1テモテ6:3-5、ユダ12aも参照)

 

  B.部分的な破門:

2テサ 3:14,15 聞き従わない人があれば…交際しないがよい…彼を敵のように思わないで、兄弟として訓戒しなさい

 

9.信者の交わりに復帰する 

ガラテヤ 6:1*  ある人が罪過に陥っている…その人を立ち帰らせなさい

2テモテ 2:25,26*  柔和な心で教え導くべき…おそらく…立ち返り

ヤコブ 5:19,20 真理の道から踏み迷う者があり、誰かが彼を引き戻すなら

 (ルカ15:11-24の放蕩息子の帰宅についても参照)

 

10.論争や議論が必要な時 

−−偽りの教義や、悪い深刻な振る舞いに異義を唱えるため:

ユダ 3*  信仰のために熱心に戦うこと

ヨハネ 7:43 群衆の間にイエスのことで分争が生じた

使徒 15:1,2 「割礼を受けなければ、救われない」…少なからぬ紛糾と争論とが生じた

ガラテヤ 2:11-14 (ペテロ)がアンテオケにきたとき、彼に非難すべきことがあったので、私は面とむかって彼をなじった

1テモテ 5:20 罪を犯した者に対しては、他の人々も恐れを抱くに至るために、全ての人の前でその罪をとがむべきである

 

●団結に関する重要な章: 詩篇133篇、ヨハネ17章、1コリ12章、エペソ4章、ローマ12章