グッド・ソーツ

 

人間関係  第一部

 

1.対人関係の十戒:

   1.話しかける。快活な挨拶ほどすてきなものはない。

   2.ほほ笑みを忘れない。陰気な顔をするには72の筋肉を動かすが、ほほ笑むには14の筋肉を動かすだけでよい。

   3.名前で呼ぶ。人にとって最も甘美な音楽、それはその人自身の名前。

   4.人に対しては、好意的で親切であれ。

   5.全身全霊を傾けること。万事があたかも純然たる喜びであるかのように語り、また行動せよ。

   6.人に対して心から関心を示せ。努力すればどんな人でも好きになれる。

   7.ほめる時には言葉を惜しまず、注意する時には思慮深く。

   8.他の人の気持ちを思いやること。それには感謝が返ってくる。

   9.他の人の意見を尊重せよ。論争には三つの局面がある。あなたの言い分。相手の言い分。そして正しい言い分。

   10.常に人に何かしてあげられるように備えよ。人生で最も大事なのは他の人の為に何をするかである。

 

  2.昔、ある王が自分の歯が全部抜けてしまう夢を見た。そこで王は占い師を呼んでその夢の解き明かしをさせた。その占い師は物憂(う)い顔付きで、しかも悲しい口調でこう答えた。「その夢の意味は、ご親族が皆、先立ってしまわれ、王様一人が取り残されてしまうというものです。」 この解き明かしに激怒した王は、その占い師を王宮から追放してしまった。

  そこで別の占い師が呼ばれ、王はその占い師にも同じことをするよう求めた。すると、その賢い占い師は、にっこりほほ笑むとこう言った。「王様。お喜びください。この夢は王様がまだまだ生きながらえるという意味でございます。実を言えば、どのご親族にもまさって長生きされることでしょう。」 この説き明かしに王は大いに喜び、その賢い占い師には相当な報酬が与えられたという。語ったことは同じだが、その言い方が違ったのである。

 

  3.何年も前のこと、ジェラルド・スタンレイ・リーは、メキシコで建設会社を経営していたあるアメリカ人の話をしてくれた。このアメリカ人は、自分の会社で働く作業員達の怠慢ぶりに気も狂わんばかりだった。彼らは、一輪車で湿地に土を運ぶ作業をして日給を受け取っていたのだが、その働きぶりと言ったら、亀のようにのろかった。そこで、そのアメリカ人は思案した揚げ句、一輪車で土を運ぶ回数に応じて作業員に支払うことにした。その後は、作業員が働き過ぎて体を壊さないようにするのに苦労したそうである。

 

  4.決して誰か他の人を自分のようにしようとしてはいけない。あなたのような人は一人だけでいいという事は、あなたもよく知っているし、神もよくご存じなのだから!−−ラルフ・ウォルドー・エマーソン

 

  5.国立天然記念物であるオレゴン州の洞窟を訪ねた時、私達は記念に石を幾つか持ち帰りたいと思っていた。ところが、洞窟を案内していたガイドがこんな説明をした。「洞窟巡りを十分お楽しみいただいていることと思います。ところで、お客様に一つお願いがあるのですが、岩層を壊したり、石を取り去ったりするようなことは絶対になさらないで下さい。まあ、実際には、そういった問題はほとんど起こっておりません。それが、皆様が自然を愛し、この洞窟を立派に保存しておきたいと願っていらっしゃるからなのか、罰金500ドルを考慮していらっしゃるからなのかは察し兼ねますが。」

 

  6.日常生活で使う一番大切な言葉

  「間違いを認めます。」

  「立派な仕事をしたね。」

  「よくやった!」

  「あなたの意見を聞かせて下さい。」

  「愛しているよ」

  「ありがとう」

  「私達」

そして一番大切でない言葉

  「私」

 

  7.軽率な言葉、それは争いのもと。

  残酷な言葉、それは人を挫折させる。

  辛らつな言葉、それは憎しみを引き起こす。

  残忍な言葉、それは人の心を刺し通す。

 

  優しい言葉、それは人との関係を円滑にする。

  喜びに満ちた言葉、それは一日を明るくする。

  時にかなった言葉、それは緊張を和らげる。

  愛情こもった言葉、それは人をいやし、祝福する。

 

  8.故A・T・ピアソンはロバート・E・リー将軍について、次のようなエピソードを語った。デービス大統領と会見していたリー将軍は、ある将校のことを大いにほめたたえた。それを耳にしたもう一人の将校が、リー将軍にこう言った。「閣下がほめたたえて止まなかったその人物が大変な敵であり、事あるごとに閣下を中傷しているのを、ご存じなかったのですか。」 リー将軍は答えた、「無論、承知している。だが、私が彼をどう思っているかを大統領から聞かれたので、それに答えたまでで、彼が私をどう思っているかを聞かれたのではない。」

 

  9.世は人の偉大さを、その人に仕える人の数で判断するが、天国は、その人がどれだけ多くの人に仕えているかで判断する。

 

  10.「こんな場合、あなたならどうなさいますか。会衆の中に小さな子供たちと、偉い法律学者や神学者が混じっている場合、あなたなら誰に焦点をあてて説教なさいますか」と聞かれて、ウェズレーはこう答えた、「無論、子供に向かってだ。そうすれば、すべての者が理解できるから。」−−デービッド・ブラント・バーグ

 

  11.ただの好奇心を、真理を求める探求心だと勘違いしてしまうことがよくある。

 

  12.自分でやってみようという気もない事なら、他の人に、それをやる意欲を起こさせるのは難しい。

 

  13.友人も、愚痴をこぼし過ぎれば敵となる。

 

  14.最高のもてなしを受けていて、しかも一番愚痴をこぼす場所、それは我が家。

 

  15.駆け引きに関する定則: 礼儀正しく、しかも簡潔に。笑みを浮かべながら、しかも攻撃的に。断固とした態度を取りながら、かつ愛想良く。前向きに、かつ如才なく。そして最後に、正しく、しかも温和に。

 

  16.他の人の過ちは、自分の過ちを扱う時と同様に扱いなさい。

 

  17.友の批判は、敵のお世辞にまさる。

 

  18.誰かうれしがらせたいなら、真面目な顔をして、現在の全体的な状況についてどう思うかと尋ねなさい。

 

  19.人を脅して悪徳から抜け出させるよりも、ほめて徳に至らせるほうが容易である。

 

  20.口先だけのほめ言葉など、最初から何も言わぬがまし。

 

  21.おいしい食事を出された後なら、どんな人でも、親戚さえも、ゆるすことができる。

 

  22.実直であるのに野卑である必要はない。

 

  23.人は、変化(チェンジ)を与えるだけで幸せになることがある。そして、ほとんどの場合、赤ん坊が必要とするのはそれ、つまりおむつを換えること(チェンジ)だけである。

 

  24.約束とは、教会の中で泣きわめく赤ん坊のようなもの−−直ちに何かなされなくてはいけない。

 

  25.欺滿に満ちた友よりは、明らかな敵を相手にする方がたやすい。

 

  26.親切でない人にこそ親切であれ。そのような人は、誰よりも親切を必要としているから。

 

  27.リーダーの仕事、それは弱さを強さに変え、障害を踏み台とし、災難を勝利となすこと。

 

  28.恐れるべきもの、それは人の弱さであって、強さではない。

 

  29.心には、目に達しない涙もたくさんある。

 

  30.自分の悪い面をよく知っているために、他の人の事まで疑惑を抱くというのはよくある事だ。

 

  31.完璧さを要求するなら、まず第一に自分にそれを要求すること。

 

  32.骨董品とガラクタとの違いは、誰が誰に何を売っているかによる。

 

  33.乳牛は乳を出さなければならないことを知っているが、優しい扱いを受けるなら、乳の出はもっと良くなる。

 

  34.親切であれ。あなたが出会う人は皆、困難と戦っている。

 

  35.親切な行為が最も報われるのは、報われることなど何も期待していない時。

 

  36.人の行いは、その動機を知るまで、決して裁いてはいけない。

 

  37.ある温和なクェーカー教徒が、ある晩、家の中で不審な物音を耳にした。ベッドから起き出してみると、なんと泥棒が仕事にせっせと励んでいるではないか。クェーカー教徒は銃を取って戻り、静かに戸口に立つと、こう言った。「友よ。君に危害を加えたくはないが、君が今立っている所は私が撃とうとしている場所と同じ所なのだ。」

 

  39.食料品店を経営しているギュンター・シュミットは、自分の店で働くある従業員について、こんなことを話してくれた。その女性従業員は無頓着なほうで、商品棚に陳列されている品物に値札を正しくつけないことがしょっちゅうだった。無論、そのために混乱が起こり、客からも苦情が出ていたが、いくらそのことを指摘し、注意しても、彼女にはたいした効き目はなかった。最後にシュミットは、その従業員を店長室に呼んで、彼女を値札係の主任に任命し、店内の商品にすべて正しい値札がついているようにする仕事を任せた。この新しい責任と肩書を与えられて、彼女の態度はすっかり変わったという。それ以降、彼女は自分の仕事を立派に遂行するようになったそうだ。−−デール・カーネギー

 

  40.魅力とは、誰か他の人に、その人も自分もかなりすてきな人物だと思わせる能力のこと。

 

  41.ニューヨーク (UPI共同)−−近頃では、雇われて盗みをし、皆の前で捕まる役をして、それで金をもらう泥棒がいるそうだ。

  刑務所送りになる事を心配せずに盗みをするわけだ。実際、何の刑罰も受けない。「T.H.E.F.T.」の社員は泥棒を専門としている。手頃な料金を支払えば、お好みのサイズ、容姿、年令の泥棒を借りれるという仕組みだ。

  この泥棒氏は、普通の新しい従業員と同様、職場の人々の期待を背負って「雇われ」、二、三日間、他の従業員に混じってまじめに働くが、その後で、盗みの現行犯で捕えられる。罵声を浴びせられ、ののしられて、彼はクビになり、他の従業員はそれがいかに深刻であるかを目の当たりにする。

  「当社の社員は、雇い主がどんな叱責や屈辱を与えようとも、それを受ける備えができています」、と語るのはT.H.E.F.T.(「泥棒を欺く正直な従業員」の意)の設立者であり、社長であるラエ・ワイルダーだ。同社は、ロングアイランドのベイショアーにあるワイルダーの自宅を本部としている。

  『クビにする人を雇いましょう』、それがこの新会社のモットーだ。

  「雇用者にとっては、ただ魔がさしてしまった有能な従業員を失うよりは、隠れた目的で雇った従業員を盗みのかどでクビにして、その人達への警告とするほうがはるかに良いのです。

  仮に、20年間勤務してきた従業員が店内の品物か在庫品を盗んでいるということが発覚したとします。その人を厳しく戒めることもできますが、喧嘩腰になられるのが関の山でしょう。けれども、このシステムを用いれば、そのような事には会社側が断固とした処置を下すことを示すこともできるし、尚かつそのベテラン従業員を失ってしまうこともありません。」ミス・ワイルダーはこう語っている。

  ミス・ワイルダーが雇っている泥棒達は、殆どが失業中の俳優たちだ。その中にはティーンエイジャーのバイトもいれば、年配のパート・タイマーもいる。

  「これはちょっとした冗談から始まった事ですが、でも、考えれば考えるほど、この仕事の将来性にますます気付いたのです。」と彼女は言っている。

 

  42.私の説教中に誰かが居眠りを始めたなら、その人を起こすよりもまず、私を起こしてもらいたい。

 

  43.若い母親は言った。「赤ちゃんの名前をとうとう決めたわ。ユーラリアと呼びましょうよ。」 すると、その名前が気に入らない父親は、非常に巧妙な答え方をした。「そうだ。それにしよう。僕の初恋の人と同じ名前だから。その名を呼ぶたびに素晴らしい思い出がよみがえってくるだろうな。」 母親はしばらく黙っていたが、おもむろに口を開いてこう言った。「やっぱり、母の名にちなんでメアリーにしましょう。」

 

  44.何年か前のこと、ある馬具屋に一人の客が来て、上質の鞍を指さすとこう言った、「これをもらおう。ツケにしておいてくれ。」

  客が帰ってしまうと、経営者はその客のツケにしておくようにと帳簿係に告げた。

  「誰のですか?」 帳簿係は尋ねた。

  「お前は今の人を知らないのか?」 「いいえ、知りませんが。」

  経営者は言った。「そうか、だが、この町には子馬を持っている人は12人しかいない。全員に請求書を送ればいい。」 帳簿係がそうすると、3人が代金を支払ってきた。

 

  45.「でも、字が間違ってますよ。『ペンチ塗り立て』って書いてあります。』」 見習いは親方に言った。

  「ああ、わかってるよ。でも、それなりの理由があるのさ。」

  親方の説明はこうだった。もし普通に『ペンキ塗り立て』と書くなら、通行人はほとんど見向きもせず、しばしば服にペンキをくっつけてしまうが、もし、『ペンチ塗り立て』と書くなら、もっと注意が引き付けられるし、通行人の方もペンキ塗りの無知を笑う一方で、その危険から免れることができるのだそうだ。

 

  46.会衆の人気を集めていたある牧師が、その成功の秘訣は、説教壇に上る前に唱えた静かな祈りにあったと説明している。その祈りはこんな祈りだった。「主よ、私の口を価値あるもので満たしたまえ。又、言うべき事を十分言ったのなら、私を小突きたまえ。」

 

  47.得意先の支払い状況があまりよろしくないあるカナダ人の肉屋が、店先にこんな看板を出した。「掛売代金未払者多数につき、この店はまもなく閉業いたします。未払者の氏名と額は近日発表いたします。」 この肉屋は今、大いに繁盛している。

 

  48.ある小さな村の住民は、危険極まりないスピードで車で駆け抜けて行くドライバー達に悩まされていた。村の入り口に立っている「ゆっくり走ろう」の標識に目もくれないのだ。そこで村人たちは、めちゃめちゃにつぶれた車をそこに引きずり出し、こんな看板を置いた。「ひょっとしたら、これがあなたにも起こるかも」 その効果はてきめんだったそうだ。

 

  49.飛行機の墜落事故で死亡した元原子力委員会会長ゴードン・ディーンの遺品の中に、一枚の封筒が発見されたが、その裏面には以下の言葉が走り書きされていた。

   1.決して熱意もわかない状態になってはいけない。

   2.怒るべき時と場所で怒ることもできないようになるな。

   3.人を裁くな。また人に早急にレッテルを貼るな。その人について疑惑がわいた時には、まずその人を善人と見なし、最悪の場合でも善と悪との間の灰色と見なすこと。

   4.困難な時に気前良くなれないなら、好調の時にも気前良くはなれない。

   5.自信を深めるための最高の要素、それは、何かを−−ほとんどどんなものでも−−良くなせるという能力だ。

   6.自信を得たなら、その後で謙遜を身につけるように努めよ。結局、すべての事を上手にこなすことなど不可能なのだから。

   7.有能な人間になる方法は、他の人のアイデアを最大限に利用し、それをもって自分のアイデアを補い、役に立ったアイデアを教えてくれた人を賛辞すること。

   8.国際情勢でも、個人的問題でも、最大の悲劇は誤解から引き起こされる。

 

  50.心が傾聴していない限り、頭は決して聞くことはない。

 

  51.ウイリアム・グラッドストーンは、蔵相時代に、部下に予算案の土台となる幾つかの統計値を算出させた。しかし、統計担当官の提出した数値は間違いだった。けれどもこの担当官の正確度に絶大の信頼を寄せていたグラッドストーンは、それらの数値を確かめることをしないまま、下院に出向き、自分が受け取った不正確な数値に基づいて、予算案の承認を求める演説を行なってしまった。その演説は新聞で取り上げられ、そのひどい間違いが暴露されたのだった。

  グラッドストーンが困惑してしまったのは言うまでもない。グラッドストーンは大臣室に戻ると、この屈辱的状況を引き起こした張本人を直ちに呼び寄せた。恐れおののきながらやって来た統計担当官は、左遷を覚悟していた。ところが、グラッドストーンはこう言ったのだった。「この件で君がひどく狼狽していることはわかっている。こうして君を呼んだのはその心配を取り除いてやるためだったんだ。君は国家の財政という複雑な事柄を長い間、処理してきてくれたが、君が過ちを犯したのは今回が初めてだ。そこで、今までの君の立派な仕事ぶりに『おめでとう』を言いたかったし、心からの謝意を表明したかったんだ。」 こんなまねができるのは、真の寛容さと広い心を持つ大人物だけだ。

 

  52.新任の牧師の家にパイがプレゼントされたが、そのパイはお世辞にも上手とは言えない人によって焼かれたパイだった。それは食べられた代物ではなかったので、牧師の妻は不承不承ではあったがそのパイをゴミ箱に捨ててしまった。さて夫のほうは、パイを焼いてくれた婦人に礼を言わなくてはならない。だが、嘘はつけない。さんざん悩んだ揚げ句、牧師はこんな礼状を婦人に書き送ったのだった。「親愛なるジョーンズさん、あなたのご好意と思いやりとを心から感謝しています。パイはなかなかのものでしたよ! 私の家では、あんなパイはあっと言う間になくなってしまうのです!」

 

  53.フロリダの西海岸を夫と一緒に観光で回っていた時のこと、私達はある由緒ある屋敷を訪れました。その屋敷の主人だった人の寝室には豪華な家具が置かれていましたが、思いがけないことに、カーテンやベッド・カバーにはこんな注意書が書かれていたのです。「触れてしまった場合は、すぐにお手をお洗い下さい。」 そこで私達は手が触れることのないよう少し離れた所から家具を鑑賞しました。でも、好奇心はつのる一方です。そこで立ち去る時に、警備員の人にこう尋ねました。「何か有害な化学薬品を使って保存しているのですか?」 すると警備員はにんまりと笑って答えました。「いいえ、何も使用していませんよ。ただ『触れないでください』の注意書だけでは、うまくいった試しがなかったもので。」

 

  54.アメリカン・マネージメント協会会長ジェームス・L・ハイスは、経営の指導に40年携わった経験を活かして次のような秘訣を与えている。

   1.) 人の気持ちをくみ取れ。会社や組織の中に仕事に対する満足感を促すような環境を作り出せ。

   2.) 部下に対しては、実際に何が期待されているのかを正確に伝えよ。

   3.) 聞き上手であれ。

   4.) 両側通行のドアを開くこと。部下が気軽に自分のオフィスに来れるように、また、反対に自分も部下の仕事している所に気軽に行けるように。

   5.) 忍耐を持て。仕事がよくできるようになるまで訓練するのは時間がかかるのだと悟れ。

   6.) 社員にいつも問題の処理をさせるだけでなく、成長できる機会も与えてやれ。

   7.) 約束は守れ。それが信用と信頼を生む。

   8.) いつも問題を解決するのではなく、問題を未然に防げ。

   9.) 真実を語れ。

   10.) 社員のことを誇りに思っていることを伝えよ。良いアイデア、良い仕事は高く評価せよ。

 

  55.記念にそこの石をくすねて行く観光旅行者によって、パルテノン神殿の遺跡が完全に破壊されてしまわないよう、現代のギリシャ人たちはその保護をめぐって思案に暮れていたが、とうとう才気縦横たるアイデアを思いついた。報告によれば、大変素晴らしい結果をあげているそうだ。そのアイデアとは、採石場から毎晩、砕かれた大理石が運ばれて来て、遺跡の至る所にまかれるのである。これによって、観光旅行者たちは好きなだけ記念品をくすねる事が出来るし、パルテノン神殿も破損されずにすんでいる!

 

  56.ジョージ・エリオットいわく、「言うべきことが何もないので、自分の言葉の信憑(ぴょう)性をくどくどと証明することのない人は、幸いである!」

 

  57.H・ゴードン・セルフリッジは、世界最大のデパートの一つをロンドンで開店した。その成功は、彼がボスではなく、リーダーであることによって達成された。以下は、彼が考えるところの二つのタイプのエグゼクティブである。

   ボスは部下を仕事にせきたてるが、リーダーは部下をコーチする。

   ボスは権威に頼るが、リーダーは部下の好意に頼る。

   ボスは恐れを抱かせるが、リーダーは熱意をわかせる。

   ボスは「私は」と言い、リーダーは「私たちは」と言う。

   ボスは間違いを非難するが、リーダーは間違いを改善する。

   ボスはやり方を知っているが、リーダーはやり方を示す。

   ボスは「やれ」と言い、リーダーは「さあ、やろう!」と言う。

  58.ある日、売春宿の前を通りかかったギリシャの著名な思索家ソクラテスは、中に自分の弟子がいるのに気付き、戸口に立ってその弟子に呼びかけた。すると弟子は、ちょうどアダムが最初の罪を犯した時にしたように、身を隠した。だが、いつまでも隠れておくわけにもいかず、恥ずかしさに顔を真っ赤にして出て来た弟子は、うなだれ、師からの叱責を覚悟していた。しかしソクラテスはまるで父親のような口調でこう語りかけたのだった。

   「息子よ、出て来なさい。さあ、隠れていないで。この家から出て行くことは何も恥ずべきことではない。ただ、入ってしまったことだけが恥ずべきことなのだから。」

 

  59.人は、自分が恐れを抱く時には、用心深いのだと言う。だが、他人が恐れを抱く時には、臆病者呼ばわりする。

 

  60.ライダー・ハガードには8人の息子がいて、彼らは皆、名うての大声の持ち主だった。ハガード家の母親は体が弱く、息子たちと違って、か細い声をしていた。そんなうるさい連中に、どうやって言いたいことを伝えたのかと問われて、こう答えたと言う。「それは簡単ですよ。私はただささやくだけです。ハガード家ではささやき声というのはたいそう珍しいので、皆が驚いて耳を傾けるんですよ。」

 

  61.英王室に寵愛されてその地位を確保したディズレーリは、ある友人との会話でその秘訣を明かしている。「女王陛下と話す時に、私はこの簡単なルールを守ることにしている。つまり、『否定しない、反対しない、そして時には物忘れする』ということだ。」

 

  62.アメリカ労働者運動の創始者サムエル・ゴンパーいわく。「人が自分で出来ること、すべきことを、わざわざこちらでしてやるのは、危険な試みである。結局のところ、労働者の生活状況は本人の率先性にかかっている。慈善あるいは社会の道義という名のもとに、いかなる面であれ率先性を少しでも損ねるようなことが行われるなら、それは労働者に対する最悪の犯罪である。」

 

  63.ウイットとは、誰かについて説明する際に、その本人が自分はこうだと思っている通りの人物像を語ること。

 

  64. 舌を制することが、最高の説教となることもある。

  

  65.「誰よりもそばにいてほしい人、それは私達の過ちを縮小し、長所を拡大してくれる人だ」というのは、すべての人が同意するところである。

 

 

  67.言葉、それは魅惑的だが危険でもあるため、細心の注意をこめて使われるべきもの。

 

  68.優秀な教師とは、無学な者にも、「あの人の言うことならよく理解できる」と言わせるほど単純に表現する能力を持った人である。

 

  69.ヒットラーは三つの原則を守って国民の心を捕らえた。伝えたい事は単純に、しかも何回も繰り返し言い、人々の心に焼きつけること。

 

  70.誰かに一つの考えを教えられたなら、その人を助けてあげたことになる。もしその人に自ら考えさせることができるなら、その人に非常に役に立つことをしたことになる。

 

  71.私達が手を出さない方が、良い結果を生じるものがある。例えば、つぼみが美しく開花する時だ。

 

  72.すぐれた社交術とは、自分の流儀で相手に事を行わせる要領のこと。

 

  73.早まって結論に到達すると、到達地点が誤っている可能性が高い。

 

  74.女性との言い争いに勝つ一番の方法は、新品のミンクのコートを楯にすることだ。

 

  75.ボスと口論するのなら、まず自分が絶対的に正しい事を確認した上で、口論するのをよす事だ。

 

  76.誰かに、さもしく、浅はかで、醜い部分があるならば、少しの権威を与えると、すぐそれは明らかになる。

 

  77.人からほめられることで退屈した人は一人もいない。

 

  78.口で色々言うよりも、行動で示す方がはるかに良い。

 

  79.温和な言葉、その響きは軽やかだが、その効果には重みがある。

 

  80.誰かから助言を求められるなら、当然ながら、われわれはその人の知恵と正しい判断力とを高く評価するものだ。

 

  81.常に他の人の助言に傾聴せよ。そうすることに害はないし、助言する人の気分も良くできる。

 

  82.真の会話の精神とは、他の人の意見を覆すことにではなく、それを土台にして正しい結論を築きあげることにある。

 

  83.良い第一印象を与えるのに、二度目のチャンスというものはない。

 

  84.断じて意見を変えない人について、それが他の人の場合は、「頑固者」と呼び、自分の場合には、「確固たる確信の持ち主」と呼ぶ。

 

  85.信仰をもって神にその裏付けを求めることができないなら、人を裁いてはいけない。

 

  86.叱責は、ちょうど油か香油のように、暖かい愛の手によって、優しく擦(す)り込まれるべきだ。−−ジョージ・スイノック

 

  87.知恵のこもった叱責なら、少々厳しくとも、相手は、より忍耐をもって受け入れる。

 

  88.ウィンザー公は、皇太子になって公の場でスピーチを始めた頃の事を、こう語っている。

  「公の場で話をする機会が増えるにつれ、立派なスピーチを最も輝かしい業績の一つとして尊敬するようになりました。ウィンストン・チャーチル氏のように、演説にかけては、人も羨むような天与の才能をお持ちの人を私は他に知りません。チャーチル氏は、演説を始めたばかりの私にたいそう同情してくれました。氏のアドバイスは、こうでした。「何か大切な事を言おうとしているのなら、賢く言おうなどとされてはいけません。杭打ち機を使いなさい。要点を一度打ち、それから、またその要点に戻ってきて打つのです。さらに3度目に、思いっきり強打するのです!」

 

  89.「もしあなたの敵が飢えるなら、彼に食わせなさい。」(ローマ12:20 )

  バンクーバーにあるウエストエンドのミニマートの店員、ドンニ・ラソウは、その言葉通りのことを7月24日に行なった。その日、彼女の店に押し入った強盗は、レジの売り上げを渡せと脅した。レジを開けた彼女は、こう聞いた。「たった25ドルのために前科者になるの?」

  その若い強盗が、食べなければ生きていけないと言うと、彼女はこう言った。「25ドル盗まれたと警察に通報するよりも、今、私のサンドイッチとりんごを二つあげるわ。」

  男はそれは良い考えだと賛成し、出された物を食べたのだった。

 

  90.新聞編集者のアーサー・ブリスベンは、自分の新聞の漫画を依頼していた優れた漫画家ウインザー・マッケイに対して、彼こそ、世界で二番目に優れた漫画家だと言っていた。

  そばに立っていた記者が、後で、好奇心いっぱいになって、誰が一番目なのかと聞くと、ブリスベーンはこう言った。

  「さあ、知らんね。だが、そう言っておけば、マッケイもいっそう努力し続けることだろう。」

 

  91.自分の教区の信徒達の家を訪問していたチャルマーズ牧師は、善良な靴職人の家に立ち寄った。この靴職人は、神から授かった大きな祝福の数々を数えながら、彼とその家族は30年間も、一度も喧嘩もせずに幸せに暮らしてきたと言った。チャルマーズ牧師はこの言葉にうんざりして、杖で床をドンと叩くと、こう言った。「呆れるほど退屈な生活だ! 全く退屈な生活だ!」

 

  92.言い伝えによると、ノエル・カワードがロンドンに住む20人の著名な人物に同一の手紙を出したそうだ。すると、「何もかも発覚した。今の内に脱出せよ。」と書かれていたその手紙を受け取った20人全員が、あっという間にその街を離れたという。

 

  93.「エタニティー」という雑誌に、ある露店の花売りの話が掲載されたことがある。商売はあがったりだったが、突然、あるアイデアが浮かんでこんな札を立てた。「クチナシを買いましょう。一日中、自分が偉くなったように思えます!」 これをした途端に、売れ行きが良くなってきた。人は、得意な思いをするのが大好きだ。もともと人間の心には、人から関心をもらい、プライドをくすぐられたいという思いが備わっているからだ。

 

  94.ある教会で、二人の教会員にささいな事で意見の不一致があり、それによって彼らはお互いに心をかたくなにし憎み合うようになった。その両方と親友だった人が、そんな彼らの状態に心を痛め、「私が間に入って、何とか二人を仲直りさせよう。」と決心した。彼はまず友人のブラウン氏を訪問して、「友人のトンプソン氏についてどう思うかね。」と切り出した。「どう思うかって?」とブラウン氏は即座に言った。「私に言わせれば、彼は卑劣な奴だよ!」「しかし」と仲裁者は続けた。「彼がとても家族を思いやる男だという事は君も認めるだろう。」「そうだな。確かに家族を大事にする奴だ。」

  翌日、仲裁者はトンプソン氏を訪問してこう言った。「ブラウン氏が、あなたの事を何て言っていたか知っているかい?」 トンプソン氏は答えた。「いいや、知らないが、どうせ悪態をついたに違いない!」 仲裁者はこう言った。「彼は、あなたがとても家族を思いやる人だと言っていたよ!」「なんだって! 彼がそんなことを?」トンプソン氏は思わず叫んだ。「確かにそう言ったよ。君はブラウン氏の事をどう思っているのかい?」「彼はぐうたらで、意地の悪い奴だ。」とトンプソン氏は答えた。「しかし彼が正直な男だということは認めるだろう。」「確かに正直だ。でもそれがどうしたというのだ?」 翌日、仲裁者はブラウン氏を訪問してこう言った。「トンプソン氏が、君はとても正直な人だと言っていたよ。」「まさか」「本当だよ。彼がそう言っているのをこの耳で聞いたんだから!」

  次の日曜日、教会には、同席して仲良く談笑するブラウン氏とトンプソン氏の姿があった!

 

  95.数年前、田舎町で雑貨屋を経営していた二人の兄弟が、ある日、商品棚から小さな商品が沢山なくなっているのに、在庫目録によれば、どれも買上げられた形跡がない事に気づきました。兄弟は知恵を絞り、ついにある手を思いつきました。彼らは店の屋根裏に上って天井に穴をあけ、一人が店にいる間、もう一人がそこで見張る事にしました。こうして町の人達が店でどのような行動をするか見ていると、驚くべき事実が次々と発見されました! 結局、盗んだ人を訴えたり、公に非難するのはやめて、ただ天井に穴が空いているとだけ、買い物客に軽く知らせました。その途端に、万引きはなくなりました。ただ、その兄弟は、買い物客が店内を歩きながら、どこか後ろめたそうに、おもむろに天井の穴の方を見上げる姿をしばしば見かけ、おかしくなったものです。

 

  96.ベンジャミン・フランクリンは、フィラデルフィアの人々に、街灯をつける事を奨励しようと思いたったが、街灯について長々と論じたりはしなかった。その代わりに自宅の玄関前に、美しいランタンをかけた。それからランタンのガラスをいつも磨いておいて、毎日、夕方頃になると、丁重に、うやうやしい態度で火を灯した。フランクリン宅の近所の人達が、自分の家の玄関前にもランタンをかけ始めるようになるのに長くはかからなかった。その内に町中の人々が街灯の価値に目覚め、熱心に街灯を灯すようになったのである。

 

  97.ある食品会社が、水を加えるだけでリッチなケーキができるという「ケーキ・ミックス」を商品化したが、売れ行きが悪く、その理由を突き止める為、アンケートを取った。その結果、水だけ入れてケーキが出来るのはあまりにも簡単すぎるので、消費者はその質を疑っていたという事がわかった。ケーキを作るのだから、少しは自分で手を加えたいという気持ちが人々にはあったのだ。そこで、その会社は「ケーキ・ミックス」の材料を変更し、作る人が卵を加えてできる商品を売り出した。するとたちまち、その「ケーキ・ミックス」はヒット商品になった。

 

  98.私の友人の牧師が、自分の教区を訪問してまわっていた時でした。ある教会のメンバーの家まで来た時、ドアをノックしても誰も応答しませんでした。しかし、家の中から足音が聞こえるので、夫人がいるのは間違いありません。当惑した牧師はこんなメモを置いて去りました。「黙示録3章20節、見よ、私は戸の外に立ってたたいている。誰でも私の声を聞いて戸をあけるなら、私はその中に入る。」

  次の日曜日、礼拝が終わって牧師が教会のメンバー一人一人に挨拶をしていると、ノックに応答しなかった、あの夫人が牧師に挨拶をして、メモを手渡しました。そこには創世記3章10節とだけ書かれてありました。後になって牧師がその聖句を調べるとこう書いてありました。「園であなたの声を聞き、私は裸だったので、恐れて身を隠したのです。」

 

  99.鈴つき羊がどのようなものか知らないなら、教えてあげよう。それは他の羊が常についていくリーダー格の羊だ。そして鈴つき羊は常に羊飼いに従う! 鈴つき羊には、どこにいてもわかるように首に鈴がつけられ、その音を聞くと羊達はそれに従う。鈴つき羊は必ず羊飼いに従うので、こうしておけば群れ全体を一つの所にまとめることができる。あなたは鈴つき羊だろうか? 羊飼いに従い、羊を導いて羊飼いに従わせる鈴つき羊だろうか? それなら、あなたは羊飼いにとって大きな助けになるだろう!−− デービッド・ブラント・バーグ

 

  100.ジョン・スミスはアメリカで未だによくある名前だ。そこでマーク・トゥエインは、「キャラベラス郡の名高き飛び蛙」という小説をジョン・スミスに捧げたのだった。その本にはこう記されている。「至る所、様々な所で会ったジョン・スミス、そして私がその人徳を深く尊敬するジョン・スミスに捧ぐ」と。自分に捧げられた本なら、誰でも1冊は買うだろうし、アメリカには何千人というジョン・スミスがいるから、本の売れ行きは保証されるとトウェインは思ったのだ。

 

  101.「青年の犯す過ちの一つとは、年輩者から学ばない事だ。」と語るのは、第一次世界大戦中フランス軍の元帥だったフェルディナンド・フォッシュである。フォッシュはこう言う。「すべての青年は、ただ自分に同情してくれるだけではなく、経験から話をしてくれるような年輩者を一人は知っているべきである。」

 

  102. 自分より基準の低い人と友達になりたがるのは人間の性分である。そうすれば、友に対して優越感を抱けるからだ。だが、それは自分にとってマイナスになる。自分よりも低い基準で生きている者からは何も学ぶ事ができない。何でも実行に移して行く者、自分よりも優れたことを達成している者、そういった友こそチャレンジになり、回り道しない助けとなる。                                

 

  103.神があなたを選ばれるなら、塗油も授けて下さる。