グッド・ソーツ

子供と両親 第五部

 

  389.興味を持たせることは、教師の大きな務めである。「子供が学びたがるなら、私も教えてみたいものだ」という人がいるが、子供が学びたがるなら、教える必要などほとんどない。

 

 

  390.マルチン・ルターはこう警告している。「聖書を教え、その言葉を若者の心に刻むべく、多大なる努力を払わない限り、大学は結局のところ、地獄への広き門となるのではないかと、私は心配している。聖書が最高の地位に置かれていないような所には、自分の子供を行かせないよう私は忠告する。神の御言葉が絶えず支配しているのでない施設はどれも、必ず腐敗する運命にあるからだ。」

 

 

  391.教師は、引力の法則の発見の重要さを、印象的に子供に教えようとしていた。

  「アイザック・ニュートンは外で座って、木を見ていました。すると、頭の上にリンゴが落ちてきたんです。それで、ニュートンは引力を発見したの。」 教師の声には熱がこもっていた。「素晴らしいことだと思いませんか?」

  すると、いつも口をはさむ生徒がこう答えた。「でも、ニュートンが学校で座って本を見てたら、なんにも発見しなかったでしょう。」

 

 

  392.「学校では、誰にも好かれていない。先生たちにも好かれていないし、子供たちからも転校するよう圧力をかけられているし、スクールバスの運転手からも嫌われ、用務員からも恨みを抱かれている。だから、学校なんか行きたくない」と息子が言った。

  しかし、母親はきっぱりと言った。「いいえ、行かなくてはなりません。病気でもないし、おまえにはたくさん学ぶことがあるだろう。それに、他の人たちに教えてあげられることだってあるし…。おまえは上の人なんですよ。それに、もう49歳だし。校長なんだから、行かなければなりません。」

 

  393.進歩主義教育について、とても辛らつな話がある。学校の心理カウンセラーが、ある女生徒の知的発育度を判定するために幾つかの質問をしていた。

「さて、まずは、君は男の子、女の子?」

 女の子はすぐに、「男の子」と答えた。

 びっくりして心理カウンセラーは言った。「面白いねえ。大きくなったら何になるんだい?」

「お父さん。」と子供は言った。

「ねえ、リサ。」 母親が割り込んでこう言った。

「わかってるでしょ。どうして先生にそんなことを言うの?」

  すると子供はまじめな顔でこう答えたのだった。

「だって、先生がバカみたいな質問するんだもの、だからわたし、バカみたいな答をしているの。」

 

 

  394.

メアリーは少し風邪をひいていた、

でも、家にとどまろうとはしなかった。

だからメアリーの行く先々に風邪が広がった。

風邪はモリーにも移り、その目を涙ぐませた。

それからボビーの鼻に入り、

ジミーの耳にも飛び込んだ。

アンナの喉を真っ赤にはれさせ、かわいそうに、

ジェニーの顔もはれてしまった。

ドラは熱を出し、

ジャックも咳で寝込んでしまった。

この小さな話の教訓は簡単である。

メアリーが一日ベッドで寝ていたら、

こんな大変なことにならずにすんだのに。

  

  396.忙しい外科医のパーシバル医師はクリスチャンであった。彼には、目に入れても痛くないほどかわいい、キティーという名の一人娘がいた。ある日、キティーが父親の所にきて、宣教師になって中国に行くと言った。だが彼はこう言った。「キティー、私の目の届かない所へなど絶対行かせない。」 とうとう彼女はその計画をあきらめ、結婚し、二人のかわいい子供をもうけた。

  私はパーシバル医師の隣人だった。ある日、彼は、目の調子が悪いので外科医の仕事をやめなければならないと話してくれた。後になって、彼は目の手術を受けたが、包帯が外れると、こう宣告された。「2週間で、あなたは完全に目が見えなくなってしまいます」と。

  パーシバル医師はキティーとその子供達を呼んだ。注意深くその顔に触れ、指先の感触から、その顔を頭に描いているようだった。彼は、「自分の牧師を見る」ために、私を光のもとに連れ出した。その日は悲しい日で、近所の誰もが泣いていた。

  何ヶ月かたったある日、私はパーシバル医師と昼食に出かけた。私は彼が食べるのを手伝ってあげなければならなかった。家に戻る途中、彼が何か言いたげなのを察した私は、「言って下さい」と促した。すると彼はこう言ったのだった。「牧師さん、私はキティーに、私の目の届かない所には決して行かないようにと言い渡しましたが、神が彼女を私の目の見えない所に連れて行ってしまわれました。神が子供を召して神に奉仕するようにと言われたら、その邪魔をしないようにと、どうか行く先々で親の皆さんに忠告して下さい。」

 

  397.人付き合いの良い教授が、すでに成人した子供達と共に、近所に住んでいた。その教授が前庭で落ち葉をはいていると、近所の子供達が手伝いたいと言ってきた。教授は時々面白いことを言っては、子供達の関心をずっと引きつけていたので、仕事が終わった時には、子供が口々に、「助けさせてくれてありがとう」と言ったほどだった。

  さて、翌朝早く、教授の家の玄関のベルが鳴った。奥さんがドアを開けると、前日に手伝いをした5歳の女の子が立っていた。女の子はにっこりほほえむと、もじもじしながら、「昨日のおじさん、また私達と外で一緒に遊んでもいい?」と尋ねた。

 

 

  398.「ジス・ウイーク」誌のフランシス・ニュートンによれば、著名な女性彫刻家であるサリー・ジェームス・ファーナンの娘は、どの子供が母親の一番のお気に入りかと聞かれて、こう答えたという。「母は、ジミーを一番愛しています。ジミーは一番年上だから。また、母はジョニーを一番愛しています。ジョニーは一番年下だから。そして母は私を一番愛しています。女の子は私一人だから!」 神の子供達に対する神の大きな愛を、これほど明快に説明しているものはないだろう。あなたがどれほど高い地位までのぼろうと、どれだけどん底に落ちようと、神はあなたを一番愛して下さっている。あなた自身の良い所は、周りの人には見えないかもしれないが、天の父はご存じで、それを大切に思っていて下さるのだ。

 

  

  403.

「神はこの子を我が子として貸して下さった

私を、私だけを、この子の父親として下さった!

この子を、一時間だけでなく、何年にも渡って与えて下さった!

(私の目にあるのは涙ではなく、感謝のきらめきだ)

父親としてこの子を強く立派に育てること

それ以上の喜びはない

 

私は何度も言った、『これは夢だろう 

目がさめて、良い夢だったと思うだろう』と。

だが、この子はずっと一緒にいて

何年も、何年も、素晴らしい年がすぎていった

私の心は永遠に歌に満ちている

神がこの子とこんなに長くいさせて下さったから

 

この子はわたしの子。そして私はようやく

父親の息子への愛がいかに深く真実であるかを知り

そのことを忘れないようになった

そして私は神をさらに身近に感じるようになった

神ご自身、御子を愛されたのだから

(これはただ感謝の涙。この子がずっと何年も

私といて幸せな時を過ごせた事に対する感謝!)」

   −−ストリックランド・ギリアン

  

 

  406.

主よ、日々、幼い子供達に

道を教えることなど、私にできるでしょうか

私自身、すぐに道を外してしまいそうになるのに

 

私は子供達に知識を与えますが

私の知識のろうそくは、今にも消えそうになり

その炎は本当に小さいです

 

私は、全人類に対する愛

全創造物に対する愛を教えます

でも、私の愛はそれよりはるかに劣ります

 

主よ、私が子供達を導かなければならないのなら

どうか子供達が、先生はただあなたに頼っていると

知るようにして下さい。

            レスリー・ビンクニー・ヒル

 

  

  408.悪戦苦闘の毎日だったが、私の教えていた中学生はついに、私を尊敬し、私のことを感謝するようになった。中には、私が去る時に涙を流す者までいた! 一番ワルの少年は、ハンサムで、頭が良く、裕福だったが、彼には一番手を焼いた。ランチの時間や放課後も彼と一緒にいなければならなかった。それは、その子にとっても、私にとっても大変だった! 私は何度も説教をし、聖書の節を覚えさせた! 私が学校を去る時、彼は私の所にやってきて、泣きながら贈り物をくれた。「からだのうちで、他よりも見劣りがすると思えるところに、ものを着せていっそう見よくする。」(1コリント12:23)彼は一番のワルだったが、私は彼のために最も多く時間をかけ、彼のために最大限の努力を注いだ。彼は私から愛されていると知っていた。私は彼と一緒に幾度も祈った!

    −−デービッド・ブラント・バーグ

 

 

  409.たとえまだ自分の間違いを改めていなくとも、少なくとも間違いを認めるなら、それには、他の人にその振る舞いを改めさせるだけの説得力がある。メリーランド州ティモニウムのクラレンス・ゼルフセンの話はその良い例だ。彼は、15歳になる息子が、ためしにタバコを吸っているところを発見した。

  ゼルフセンは言う。「やはり、デービッドにタバコを吸ってほしくありませんでした。でも、彼の母親も私もタバコを吸っていました。私たちはいつも、彼に悪い手本を見せていたのです。私は息子にこう説明しました。自分は彼と同じぐらいの年の時にタバコを吸い始め、ニコチン中毒になり、今ではタバコをやめるのは不可能に近いと。そして、咳が出て、それがいかにわずらわしいかや、息子自身、何年か前にはしょっちゅう、私にタバコをやめるように言っていたことを話しました。

  タバコをやめるよう戒めたり、脅しをかけたり、タバコの害について警告したりはしませんでした。ただ、自分がどれほどタバコ中毒になり、それがいかに悪い影響を及ぼしたかを話したのです。

  彼はしばらく考えた後で、高校を卒業するまではタバコはやらないと決心しました。そして何年かたっても、デービッドは結局、タバコを吸わなかったし、そうするつもりもないようです。

  あの会話の結果、私もタバコをやめようと決心しました。そして家族の協力を得て、やめるのに成功したのです。」  

  良きりリーダーはこの原則に従う。「他の人を批判する前に、自分の過ちについて話す。」

 

 

  410.ある日曜に私は、説教をしに、山の中の小さなインディアンの教会に行った。その夜にはスライドを見せることになっていた。でこぼこの山道を、私のおんぼろフォードで長いこと登っていくのは大変だったが、何とか到着した。午前の礼拝の後、私は、心やさしいインディアン夫婦とそのかわいい娘と共に、メキシカン・ディナーを食べた。

  夜の礼拝の前に家に電話を入れ、自分が無事に到着したことを知らせると、妻は、息子のホーが突然、高熱を出し、ぐったりしてソファーに横になっており、全く動かず、意識不明のようだと言った。

  妻の話では、私たちの教会の人たちが、すぐに病院に連れて行くべきだとか、もう死にそうだとか、小児マヒにかかったのだとか、ああだこうだと色々な事を言っていると言う。人はあわてふためくと、そうなるものだ。妻は、「あなた、家に戻ってこれないかしら?」と言ってきた。

  だが私は言った。「ハニー、私は主の仕事でここにいて、もう夜の礼拝が始まろうとしている。この仕事を捨てるのが神の御心だとは思えない!(ネヘミヤ6:3) それは、神の仕事を止めようとする敵の攻撃だと思う! 今すぐに電話で彼のために祈るから、おまえは彼の上に手をおきなさい。私が祈るから。ただ主に信頼し、信じなければならない。何が起ころうと主は私に主の仕事をしてほしがっておられ、神がホーの世話をして下さるとね!」 というわけで、私達は必死に祈り、息子を神の御手に委ねてから、電話を切った。そして私は教会へと急いだ。それは大変な信仰のテストであった!(1ペテロ1:7)

  このインディアンの教会で説教をするのは、大切な仕事だった。インディアンはそこでなおざりにされており、白人は彼らの事をほとんど構ってはいかなかったからだ。私が突然そこから抜け出したりしたら、そこのインディアンたち、その部族全体に福音を説くことよりも、自分の息子のほうが大切なんだと彼らは考えたことだろう! だから、私は祈って、息子を主に委ね、主が息子にふれて下さると信頼したのだった。

  伝道集会が終わるとすぐに私は家に電話を入れた。すると、息子の高熱はひき、今はベッドに座ってほほ笑んでおり、気分も良くなって、元気そうだということだった! 主がそうなさったというのは、この小さなインディアンの家族にとっても素晴らしいテスティモニーだった!  

  私が真夜中に家に戻った時には、息子はすやすや眠っており、熱もすっかり下がっていた!

       −−デービッド・ブラント・バーグ

 

  

  414.高速道路でいたましい事故があり、四人の若者が命を失った。残骸やずたずたになった若者たちの死体の間から、割れたウィスキーのボトルが見つかり、飲酒運転が原因であることを物語っていた。愛(まな)娘を突然失った父親は気を取り乱し、この若者たちに酒を与えた奴を殺してやると叫んだ。だが、帰宅して、自分のお気に入りの酒を置いている棚に、娘の走り書きを見つけたのだった。「パパ、パパの好きなお酒を1本持っていくわ。いいでしょう?」

 

 

  415.法廷に、12歳の少年が重要な証人として出頭していた。弁護士の一人が反対尋問で、彼に厳しく問い詰めた後で、こう言った。「お父さんが、どうやって証言するか教えたんじゃないか?」 少年は、「はい」と答えた。そこで弁護士はさらに尋ねた。「お父さんが、どうやって証言するように教えたのか話してくれるかな。」 すると少年は落ち着いてこう答えたのだった。「お父さんはこう言ったんです。弁護士は、僕が証言する時に、僕の頭を混乱させようとするけれど、僕がただ注意深くいて、真実を話すなら、同じ事を何度も言うことができるって。」

 

  

  417.ある若者は、しょっちゅう神を汚すような言葉を口にしていたが、そのことを何とも思っていなかった。だが、ある美しいクリスチャンの女性と結婚してから、自分のその癖が気になり始め、何度も癖を断とうと努力した。しかし、それに成功したのは、何年かたってからのことだった。ある小さな出来事から、彼はその癖がいかに悪いかを悟ったのだ。ある日曜の朝、鏡の前でひげを剃っていた彼は、手がすべってあごに切り傷を作ってしまった。癖で、彼は一言、「ゴッド[注:神という意味と、俗語表現で「ちくしょう」という意味がある]!」と言った。しかし、鏡に、かわいい3歳の娘の姿が映ったので、後悔の念に襲われた。娘は、急いで人形を寝かせると、わくわくした様子で部屋をのぞきにきたのだった。「ここに神様がいるの?」 頭を赤らめながら、父親は言った。「どうしてそんなことを聞くんだい?」 「パパが神様に話しているのを聞いたから、ここに神様がいるのかと思ったの!」と子供は言った。そして、父親が真剣な顔をしているのを見て、娘はこう付け加えた。「パパ、もう一度呼んだら? きっと来てくれるわ!」 子供の信頼に満ちた言葉は、父親の心にぐさりと突き刺さった。彼は娘を抱き上げ、生まれて初めて神にゆるしを求め、これからは自分を真のクリスチャンとして下さいと祈ったのだった。

 

 

  418.ポールは当時、10歳の少年だった。ムーディーはコロラド州デンバーで伝道集会を開いていた。ポールはムーディーの説教が聞きたくてたまらなかったのだが、ドアの所で、案内係から、穏やかな口調ながらも、「子供のための席はないんだよ」と言われ、入れてもらえなかった。少年は泣き出し、その建物のあたりをうろついていた。ついにまたドアの所に来たが、やはり入れてもらえなかった。「子供はお断り」と言われて。悲しみのあまり、少年は激しく泣き始めた。すると突然、きちんとした身なりをした紳士が近づいてきた。タキシードを着ていたその人は、優しく話しかけてきた。「どうして、そんなに泣いているんだい? 何か私にできることがあるかな。助けになれたらうれしいが…」

  少年は泣きながら、つっかえつっかえこう言った。「ムーディー先生の説教を聞こうと思って、すごく楽しみにしていたんです。ムーディー先生はアメリカ一の説教師だから。でも、『子供はお断りだよ』って言って、入れてくれないんだ!」

  ムーディーはほほ笑み、少年の手をとって言った。「ほらこの手で、私のタキシードのすそをつかんでいなさい。そうすれば、中に入れてあげられる。ムーディー先生の説教は絶対に聞くべきだから。」

  驚きをもって見守る大勢の聴衆に、ムーディーはこう説明した。「皆さん、この少年は、案内係に『子供はお断り』と言われて、外で激しく泣いていました。そこで私は言いました。『ほら、私の服のすそにつかまってごらん。そうすれば、中に連れて行ってあげよう!』と。というわけで、こうして二人で来たわけです。今夜、私はこの少年に最高の栄誉を与え、彼をアメリカで最高の少年と呼びましょう!」 聴衆は一斉に大きな声でアァメンと応えた。  

  ポール・レーダーは、その後、著名なる福音伝道師となった。彼の説教を通して、何万という人々が主を求め、主を愛するようになったのである。

 

 

  419.日曜に新聞を読んでいた父親は、幼い娘に邪魔されたくなかった。そこで、世界地図をバラバラに切って娘に与え、それを元通りに組み合わせるように言った。少したつと娘は戻ってきた。どのピースもちゃんと正しい位置にあった。父親はいたく驚いて、「どうやってしたの? どの国がどこにあるかなんて全然知らないだろう?」と聞くと、娘はこう答えたのだ。「裏にイエス様の絵がついていたから。イエス様がちゃんとなれば、世界もちゃんとなるって思ったの。」

 

 

  420.父は息子に、もしもう一度この家の規則を破るなら、パンと水だけの夕食を持って屋根裏部屋にあがり、そこで眠らなくてはいけないと、息子に言い渡した。だが息子は、またしても規則を破ったので、屋根裏部屋に送られた。

  父親は食事ものどを通らなかった。息子のことで頭がいっぱいだったからだ。妻は言った。「あなたが何を考えているかわかりますよ。でも、あの子を屋根裏から呼び戻しちゃいけないわ。そんなことをしたら、あの子はあなたの言葉を尊敬しなくなって、また規則を破るでしょうから。約束を実行しないなら、父親としての権威がなくなってしまいます。」

  夫は答えた。「その通りだ。私は自分の言ったことを守ろう。そうしないなら、息子は私の言うことを尊敬しなくなるから。しかし、あそこで一人、寂しがっているだろうなあ。」 夫は妻におやすみのキスをすると、屋根裏に上がって行き、そこで息子と一緒にパンと水の夕食を食べた。子供が堅い床の上で眠りについた時、父親の腕が枕がわりだった。

 

 

  421.電話の声:「あのう、息子をお宅のお店にやって、りんごを5キロ買ってこさせたんですけど、家で計ってみたら、4.5キロしかないんですよ。」 果物屋の主人:「奥さん、うちの秤は定期検査を受けてて、正確だけどねえ。おたくの坊やをはかってみたかね。」

 

  

  423.あるストリートチルドレンが保護され、養護施設に入った。少年は、真新しい服、真新しい靴下、真新しい靴をもらって、誇らしげだった。だが、新しい帽子を受け取っても、古いのをそのままかぶっていると言った。だが、それはボロボロだった。とうとう、それを捨てるよう強いられたが、少年は、その裏地を破って取ると、くしゃくしゃっとポケットの中に突っ込んだのだった。それを見た優しいシスターは、その訳を尋ねた。少年は涙を浮かべながらこう答えたのだった。「古い帽子の裏地は、僕のお母さんのドレスの生地だったんだ。お母さんのもので残っているのはそれだけで、それがあると、お母さんが戻ってきたみたいに感じるんだ。」

 

 

  424.ある男の子が父親に聞きました。「お父さん、戦争はどうやって始まるの?」「そうだな、たとえば第一次世界大戦は、ドイツがベルギーを侵略して始まったんだよ。」 すると母親が話に割り込んできて言いました。「ちゃんと本当のことを教えてちょうだい! 誰かが暗殺されたから戦争が始まったんでしょ!」 一家の主人としての権威を保つために、父親は即座に言い返しました。「おいおい、この子の質問に答えているのは、俺なのか、それともお前なのか?」

  妻はプイと背を向けて、すごい勢いで部屋を出たかと思うと、ドアをバタンとしめました! その振動で揺れていた食器棚の皿のガチャガチャいう音がやむと、重苦しい空気がただよい、そのしずけさを破るのかのように、男の子はこう言ったのでした。「お父さん、戦争がどうやって始まるか、話してくれなくてもいいよ。これでよくわかったから!」

 

 

  425.ある男が息子を連れて、隣人の畑のトウモロコシを盗みに行った。息子には見張りをさせた。誰かがやってきたら、知らせるようにと言って。盗みを始める前に、男はあちこち見渡した。誰も見当たらなかったので、袋にトウモロコシをつめようとしたところ、息子が叫んだ。「お父さん、まだ見てないところがあるよ!」 誰か来たのだと思って、父親はどっちの方かと聞いた。すると息子はこう言った。「上を見るのを忘れたよ!」 良心の呵責を感じた父親は、少年の手をひいて、急いで家に帰った。トウモロコシを盗むのをやめて。

 

  426.何年か前、セント・ルイスの殺人事件の裁判で、若い犯人はこう語った。「父はいつも、僕は役立たずと言っていた。母は、僕はたいした人間にはならないと言っていた。学校の先生たちは、僕は見込みのない生徒だと言った。生まれ育った町の人達も、僕が犯罪人ぐらいにしかなれないと考えていた。僕に言わせれば、僕は他の男の子達とそれほど違わなかった。少し独立心が強かったぐらいだ。僕のことを理解し、僕のことを信じてくれているように思えた唯一の存在は、僕の犬だけだった。その犬が死んでしまうと、僕は浮浪者になったんだ!」

 

  427.

「みんなどうかしてるよ。

いつも僕に、『だめ』と言う。

これはするな、あれもするな。

猫をからかうな、石を投げるな、

木に登るな、道路では遊ぶな。

いやになっちゃう!

僕が遊ぼうと思うと、みんな

『だめ』という言葉しか出てこないんだ。

 

僕が面白いことを始めると

誰かが叫ぶ、『走るな!』

僕が遊びに行こうとすると

母親は言う、『行っちゃだめだよ!』

僕の人生は本当に

してはいけないことだらけだ。

しょっちゅう、こうどなられる、

『だめだ、そんなことするな!』

そんな大声をあげるな

あのイタズラ坊主たちとは遊ぶな

キャンディーは食べるな、パイは食べるな

笑うな、泣くな 立つな、転ぶな

なんにもするな

夜も昼も、言うことといえば

『だめ』たけみたい。

 

僕に息子ができたなら

僕はきっとかけっこをさせる

子供の楽しみをいつも台なしにしたりはしない

「おまえたちの好きなことは全部いけないことだ」

などと言ったりはしない

絶対に、しょっちゅう『だめ』などと

言ったりはしない。」

      −−エドガー・A・ゲスト

 

  428.こんな言い伝えがある。プリンストン大学の第三代目学長であり、アメリカの最も偉大なる思想家の一人であったジョナサン・エドワーズには、手に負えないほど気性の激しい娘がいた。だが、よくあることだが、その性格的欠陥について知っていたのは、身内の者だけだった。

  立派な若者がこの娘に恋をし、求婚した。だが、「娘はやれない」というのが、ジョナサン・エドワーズのぶっきらぼうな返事であった。「でも、僕は彼女のことを愛しているんです」と若者は言った。「でも、娘はやれない」とエドワーズが言うと、若者は言った。「でも彼女も僕のことを愛しているんです。」

  再びエドワーズは言った。「娘はやれない。」 若者は言った。「どうしてですか?」「娘は君にふさわしくないからだ。」「でも、彼女はクリスチャンでしょう?」「確かに娘はクリスチャンだ。誰も一緒に住むのに耐えられないような者にも、神の恵みは注がれるのだ。」

 

 

  429.新しい牧師は独身だった。彼が三個めのビスケットを取ろうとした時、テーブルの向こうの小さな女の子が目についた。その子は目をまん丸くして彼を見つめていた。「ああ、こんなに素晴らしい夕食は滅多にないなあ」と彼が言うと、その子は、こう言ったのだった。「私達もよ。私、牧師さんが来てくれてうれしいわ!」

 

  430.ノアは120年間、福音を宣べ伝えた。彼は、何人の人を改宗させただろうか? 7人である。改宗したのは誰だったか? 妻と家族だった。人の宗教が本物かどうかが一番試されるのは、自分の家族においてだ。

 

 

  431.

一人の老人が寂しい道を歩いていた

夕方になって暗くなり、寒さが増した。

広く深い峡谷に差しかかった。

そこには、激流が流れていた。

老人は夕暮れの暗がりの中、そこを渡った。

陰気な流れも、彼は全く恐れることがなかった。

無事に向こう岸に渡ると、老人は振り返った。

そして、その流れに橋をかけた。

「老人よ」 近くにいた旅人が声をかけた。

「ここに橋をかけても、

自分の力を消耗するだけです。

あなたの旅は、もうすぐ終わる。

あなたはもう二度とここを通ることはないでしょう。

あなたは、広くて深い峡谷を渡りました。

夜にどうして橋など作るのですか?」

すると老人は白髪の頭をあげて

こう答えたのだった。

「友よ、私の通った道を歩む若者は

ここを通らなければならない。

この峡谷は私には何でもなかったが

その若者にとっては落とし穴になるかもしれない。

若者も、夕暮れの暗がりを渡らなければならない。

友よ、私はこの橋を、彼のために作っているのだ。

 

  432.ナイアガラの滝には、幼い女の子が軽率な父親によって、荒れ狂う水に投げ込まれた地点がある。父親は、そんなことをするつもりは毛頭なかった。ただ、娘が怖がるかどうか見ようと、娘を抱いて、深淵に向けて面白半分に娘の体をぶらーんとさせたのだ。ところが、その子は恐怖でパニック状態になり、突然、体をのけぞらせて、悲鳴と共に滝つぼにまっさかさまに落下してしまった。

  冗談半分にもほどがあると、誰もが言うだろう。同じように、あなたにも、自分の魂を、愚かな無関心さをもって、永遠に渡る峡谷に向けてぶらさげる権利などない。

 

 

  433.ミシシッピ州ジャクソンで、3人の学生が学校に遅刻した。もう10時だった。魚釣りをしていたのだ。彼らは、タイヤがバンクしたという言い訳をした。教師はすぐに彼らをテストすることにした。一人一人を別の所に座らせてこう言ったのだ。「質問は一つだけです。答を書くのに30秒あげましょう。」 質問は、「どのタイヤですか」だった。

  教師はかなり頭が良かった。テストの結果は言うまでもない。学生たちが嘘をついていたことがバレたのだった。

 

  434.ある少年が、少年審判所の法廷で判事の前に立っていた。彼の犯罪は、町中の人々にショックを与え、両親をひどく悲しませ、みじめな思いをさせた。「どうして、こんな事を思い立ったのかね?」と聞かれて、少年はただ、「本で読んだんです」と答えた。少しのためらいの後、判事は少年の父親のほうを向いて、こう言った。「息子さんがどんなものを読んでいるのか見ようとしたことはありますか?」 「ああ、いえ…。そんなことは考えたこともありません。」 痛い所をつかれ、父親はこう答えるしかなかった。誰の責任だったのだろうか? 先生、母親、父親であるあなたがたは、自分の子供の手にする書物が、彼らの人格形成にどれほど大きな影響を及ぼすか認識していますか?

 

  

  436.ブラウン夫人は、自分の息子が嘘をついていたことを知ってショックを受けた。そこで息子を呼んで、じっくり話し合うことにした。彼女は、嘘をつくとどういうことになるか生々しく説明した。

  「赤い燃えるような目をして、とがった角が二本ある、背のたかーい鬼が、夜になると、嘘をついた男の子を捕まえて連れ去って行くの。そして火星に連れて行って、そこの暗い峡谷で50年も働かされるのよ!」 最後に母親は満足げにこう言った。「さあ、もう嘘はつかないでしょう?」 「もうしないよ、ママ」と息子は真剣な面持ちで返事した。「ママのほうが嘘をつくのがうまいもの。」

 

  437.

主よ、私は、高い地位にある王や王子として

あなたの前に立つことを望みはしません。

子供と私と手をつないであなたのもとに行くこと

そのことだけを祈ります。

 

子供にそのあどけない声で祈るように教え

その二つの目に、あなたの顔を見ることを教え

二本の足を、あなたのまっすぐな道に導くこと

私はこのことを切にあなたに求めます。

 

どうか、あなたの忍耐を下さい。

あなたの聖なるおきて、真理の言葉

主よ、あなたの恵みを下さい。

私の心が、子供への愛で

 あふれんばかりに満たされますように。

 

一歩一歩進んで行く

信頼と確信を持って、自由な心で

子供と私は、日々歩み

あなたとの甘美な時間を見いだす

 

  

  440.幼稚園児の男の子が、ひどく沈んでいた。飼っていたトラ猫が死んでしまったのだ。母親に手伝ってもらって、猫を箱に入れ、木の下に埋めた。何週間かたって、男の子は喜び勇んで家に飛び込んで来ると、母親に、「ねえ、ねえ、外に来て。あの木の所を見て」と言った。そこの木の上には、死んだ猫よりも少し大きめながら、同じ縞模様のトラ猫がいて、男の子とその母親を見おろしていた。「ほら、ママ、あの猫だよ! 僕が植えてあげたから、トラは大きくなったんだ!」

 

  441.

優しい羊飼い イエス様 私のお願いを聞いてね

 今夜 あなたの小羊を祝福して下さい

暗闇の中でも 私のすぐそばにいて下さい

 朝の光が輝くまで 眠っている私を見守って下さい

 

一日中 あなたの手が私を導いてくれました

 あなたのお世話を感謝します

あなたは私に服を着せ 暖め 養ってくれました

 私の夜の祈りを聞いて下さい

 

私の罪をすべてゆるして下さい!

 私の愛する友達を祝福して下さい

私が死んでから、天国に連れて行って下さい

 天国ではあなたと一緒にいて幸せなことでしょう

     メアリー・ランディー・ダンカン

 

 

  444.ほめ言葉を与えると、子供の聴力がぐんと増す。

 

 

  445.マーク・トウェインは、晩年、際立った風采(さい)をしていた。ある日、公園をぶらついていると、小さな女の子が彼の所に駆けてきて、一緒に散歩してもいいかと尋ねた。とても気分を良くしたマーク・トウェインは、1時間、彼女に話をして聞かせ、それから5セントを手渡し、こう言った、「さあ、もう家に帰りなさい。大きくなったら、友達に、私はマーク・トウェインと一緒に散歩をしたと言ったらいい。」 「マーク・トウェイン!?」 女の子はそう言うと、わっと泣き出した。「おじさんは、バッファロー・ビルだと思っていたのに!」

 

  446.

赤ん坊がまだ9ヶ月で

 ふっくらとしたピンクのほっぺたをしていた時

くすぐったり抱いたりするのが喜びだった

 まだ話すこともしなかった頃のこと

優しい母親はこう言ったものだった

 「大きくならないといけないのは残念だわ

  私の願いどおりになるのなら

   いつまでも赤ちゃんにしておくのに」

 

1年がたち

 その子はあちこち歩き回るようになった

そして見るものの名前を言ったり

 自分の着ている服を汚したりする

夜になるとよく、母親はこうささやいた

 「赤ちゃんは今、本当に喜びだわ

大きくなって 

 乱暴でふざけた男の子になってしまうなんて

  考えるだけでもいやだわ」

しかし、その子は大きくなり、優しい子になった

 母親がこう言っていたのを覚えている

2歳のままでいてくれたらいい

 その年令が一番かわいらしいから

3歳の時にも全く同じことを考えた

 子供が4歳になった今、母親は

子供がずっと、幸せな目をした

 幼い男の子ではいられないことを思って

ため息をつく

 

小さな男の子よ 私の願いは

 おまえをずっと4歳にとどめておくことではない

 おまえのベッドのかたわらに立ち

 これからどんなことが起きるかと思いをめぐらす

おまえを見て、私は祈る

 この男の子が子供ではなくなった時に

その男性の母親が

 「この年令が今までで最高だわ」と

言えるようにと

                  −−エドガー・ゲスト

 

  448.私の家族には3人の子供がいる。庭でクモの巣を見つけたら、3人とも違った反応をすることだろう。一番上の子はよく観察して、クモはどうやって巣を作ったのだろうかと考える。2番目の子は、クモはどこにいるのだろうかと心配する。3番目の子は、興奮して、「わあ、見て! トランポリンだ!」と言うことだろう。一つの現実に対する、三つの見方。

 

 

  449.大学生が4年間に遂げる進歩は、良い訓練を受けた幼児が最初の2年間に遂げる進歩に比べたら、取るに足らない。

 

 

  451.

自分に小さな二つの口があったらと思う

手や足のように二つあったらと…

一つの口は話すため

もう一つの口はただ食べるため

口は、する事が

あまりにも沢山ありすぎて

かんでいるはずの時に、

いつも話したがるようだから!

      −−ドロシー・アルディス

  

 

  453.新聞王アーサー・サルズバーガーの夫人が、ある晩、孫娘におやすみを言いに行くと、その子はこう言った。「パパとママは、下で、誰か大切なお客さん達をもてなしているのでしょう。」「ええ、その通りよ」とうなずいて、シュルツバーガー夫人が、「でもどうしてわかったの」と尋ねると、こんな答が返ってきた。「ただ聞いてたらわかるの。だって、ママったら、パパが冗談を言うたびに、ちゃんと笑っているんだもん!」

 

    

  456.南アフリカに滞在中、バーナード・ショーはプールで水泳を楽しんでいた。その著名な作家のことを何一つ知らなかった幾人かの少年達も、そこで水泳をしていた。そして、小柄な少年が、遊び仲間から、「その年寄りを沈めたら」1シリングやるとそそのかされていた。その少年はそうすることに決めたが、被害者となるはずの老人に近づいた途端、パニックに襲われた。ショーは振り向いてその少年を見た。何の用かと尋ねられた少年は、舌をもつれさせながら、陰謀と、それに1シリングがかかっていることを明かしたのだった。ショーは、その少年を厳しい目付きで見つめながら、「そうか、私が息を吸う間、少し待っているなら、私の頭を水に突っ込ませてやろう」と言ったという。彼はその通りにし、その少年は、意気揚々と1シリングをもらいに戻って行った。

    

 

  460.サーカスが町にやってきた翌日、ある教師は、学校を休んだ生徒の親から、次のような手紙を受け取った。

  「親愛なる先生。ご存じのように、教育には様々な形があります。読み、書き、算数、『はい、お願いします』や『どうもありがとう』や『いいえ結構です』と言うこと、手を洗ったり、フォークを使うこと、鉛筆、ハサミ、のり、消しゴム、チョークの粉といったもの、楽しい休み時間、秋のキャンプ・ファイヤーや、水たまり遊び。

  それに、ブランスバンドの大演奏、大砲が女性を撃ち出すこと、綱渡りや、アザラシが鼻でメロディーを奏でること、呼び込み人、ピエロ、ライオン、綿菓子、カウボーイ、スパンゴールなどなどといったものからも学びます。教育とは、新しいことを知る喜びであり、新しい感動を覚えることです。つまるところは、サーカスなのです!  

  というわけで、ジンジャーは昨日、休ませていただきました。あしからず。」

 

  

  467.ある父親が、痛い思いをして教訓を学ぶまでは、自分がいかに不正直だったかに気づかなかったと打ち明けてくれました。彼の4年生になる息子は、スペリング(綴り)で非常に悪い成績をもらいました。叱ったり、余分に勉強したりしたにもかかわらず、息子の成績は全く上がりません。ある日、その少年は教師にこう告げました、「僕のお父さんは子供の時、スペリングでいつもAをもらったんだ。」 「どうしてわかるの? お父さんがそう言ったの?」と先生が尋ねると、「ううん。でも、お父さんの叱りかたでわかるんだ」という答えが返ってきたのです。

  父親はこう語りました。「私の叱りかたは、息子に間違った印象を与えていたのです。実際には、私もスペリングでかなり苦労したんです。この出来事があってからは、息子に、自分もスペリングで苦労したことを話しました。すると、息子の目が希望で輝いたんです。それからというもの、息子はずっとよくやるようになりました。お父さんはいつもAをとっていたという印象を与えることによって、私は息子に劣等感を抱かせていたわけです。でも、私が正直になる事によって、お父さんにもできたんだから、自分にだってできるという希望を与えることができたんです。」

 

 

  468.新聞少年達の親睦夕食会で、一人の少年が何度も何度もパイのお代わりを取りに来た。そこで係の婦人はとうとう彼にこう言った、「あんた、もうパイを食べるのをやめないと、破裂しちまうよ!」 するとその少年は、「いいから、そのパイを僕にくれて、さっさと向こうに行っててよ。そしたら、僕が破裂したって、おばさんは大丈夫だろうから!」−−デービッド・ブラント・バーグ

 

 

  470.私のお気に入りの話の一つに、9人の子持ちのある農家の母親の話がある。彼女は働き者で、病気知らずだった。ある日、医者が彼女に言った。「あんたほど育児や家事や畑仕事で大変なわけでもないのに、精神的にまいってしまう患者がいるのは、一体どうしてかねえ?」 その母親は少し悲しそうな面もちで答えた。「先生、私だって、まいってしまいたい時がしょっちゅうですよ。でもね、いつだって誰かが私に食事を作ってほしがるんですよ。」

 

  471.ニューヨーク市ブルックリンのルース・ポプキンズは、小学校4年生のクラスを受け持つことになった。、新学期の第一日目にクラス名簿に目を通すと、新学期が始まるという興奮と喜びも薄れ、不安になってしまった。自分のクラスに、学校でも一番手の「ワル」のトミーという生徒がいたからだ。彼の3年生の時の担任は、同僚の教師達に、トミーのことで絶えず愚痴をこぼしていた。彼はただいたずら者だっただけはなく、男の子達と喧嘩をしたり、女の子達をいじめたりして、教室の風紀を乱し、先生に対しても生意気な態度を取り、毎年ますます悪くなっているようだった。ただ学業を何なく素早くこなしていく能力がある事だけが、彼の良い所だった。

  ポプキンズ先生は、すぐに「トミーの問題」に面と向かう決心をした。彼女は新しい生徒達に挨拶すると、それぞれの生徒に対して、一言ずつ声をかけた。「ローズ、きれいな服ね。似合うわよ。」 「アリシア、あなたは絵が上手だと聞いたわ。」 そして、トミーの番になると、彼女は、彼の目をまっすぐ見つめてこう言ったのだった。「トミー、あなたは生まれつきのリーダーのようね。今年、4年生の中でこのクラスを一番いいクラスにするために、あなたの助けを借りようと思ってるの。」 彼女は、最初の数日間、トミーのすることなすことをすべてほめて、彼が良い生徒であると言い、自分が本気で彼を頼りにしていることを示した。そういう評判を立てられると、9歳の子供でも、彼女の期待を裏切ることはできず、実際、見事に期待に応えたのだった。

  他の人の態度や振る舞いを改善するという、リーダーとしての困難な役割をうまく果たしていきたいなら、その人について良い評判を立て、その人に、評判を落とさないよう頑張らせることだ。

 

  472.私の母は、幼い頃、パンの耳が好きではなかったので、内側だけを食べ、パンの耳を全部、お皿の縁の下の見えないところにぐるっと置いて、耳を食べなかった事が母親にわからないようにした。後で、私の祖母がテーブルを片付けにきてお皿を持ち上げると、そこには、パンの耳が輪になって並んでいた! 祖母は私の母に言った、「ニーナ・バージニア、恥ずかしくないの? 食べる物がなくて飢え死にしようとしている、貧しいアルメニアの人達の事を考えてもみなさい!」 すると彼女は、「そうよ、お母さん、だからそれを彼らのために取っておいたの!」と言ったそうだ。

−−デービッド・ブラント・バーグ

 

 

  473.ある実業家が、別の実業家に話していた。「ようやく、うちの息子に1ドルの価値を教えたと思ったら、今度は、毎週の小づかいをスイス・フランで欲しいだとさ。」

    

  476.マリヤ(3才)が赤ちゃんのことに興味を持ち、赤ちゃんはどうやってマミィのおなかの中に入ったのかと尋ねてきたので、私は、ダディがマミィとメイクラブする時に、マミィのおなかの中に種を蒔くのよ、などといった具合に説明しました。数日後、オレンジを食べ終えると、マリヤはテーブルの上にあった種を一つつかむや、それを飲み込みました。「どうしてそんな事をしたの?」と尋ねると、彼女は即座にこう答えたのです。「だって、赤ちゃんがほしいんだもん。」

  

  478.R.A.トレイはこんな話をしてくれました。シカゴに住むある男性に、幼い心やさしい娘がいました。彼は娘をこの上なく愛していたのですが、神は娘を取り去ってしまわれ、その家はひっそりと静まり返りました。彼は神に対して激しく怒り、夜遅くに、子供を奪い去った事で神を呪いながら家の中を行ったり来たりしていました。そうしている内に、すっかり疲れ果て、神に恨みを抱いたまま、ベッドに体を投げ出したのでした。すると、川のほとりに立っている夢を見ました。そして、川の向こう岸の少し離れた所に、それまで一度も聞いたこともないような美しい歌声を聞いたのです。それから、美しい少女たちが彼の方に向かって歩いてくるのが見え、彼女たちはだんだん近づいてきました。そしてとうとう、その先頭にいるのが、自分の小さな娘であることに気づきました。彼女は川の縁に立って、「お父さん、こっちに来て!」と呼んでいたのです。すると、彼の心から恨みが消え去りました。そして、優しい娘の行った向こう岸に、いつか行けるよう、準備をしたのです。つまり、イエスを受け入れたのでした。

 

  479.私達の子供達は聖句を知っていなければならない。困った時や、心の中にたくわえた御言葉しかなくなった時も、御言葉を口にできるようにだ。それは、誰も彼らから取り去ることはできない。心の中に隠されているからだ。心にある御言葉は防壁のようで、敵の声から彼らを守る。     

     −−デービッド・ブラント・バーグ

 

  480.あなたが御言葉の内に生きておらず、御言葉を守り、御言葉を子供に教えることをせず、子供達を御言葉の生きた手本としていないなら、あなたは失敗していることになる。あなた自身が御言葉を吸収し、御言葉の通りに生き、御言葉を説き、御言葉を実践し、子供達に御言葉を教え、子供達を御言葉の手本とすることをしていないなら、何の意味もない!−−デービッド・ブラント・バーグ

 

  481.思春期というのは必然的に、自分にできることと、人から期待されていることや許されていることとの間で葛藤が起こる時期であり、非常にあいまいな時期である。大人は、思春期の若者に対していつも、「年相応に振る舞いなさい」と言う。つまり、自分の年令に見合った分別のある行動をしなさいということである。しかし、思春期の若者は、大人のすることには首をつっこまないように、とも言われる。つまり、社会的にその年令の若者がしてもよいと認められていることをしなさい、ということだ。だから、何をしても間達っているとされる。何をしても、年令に見合った分別のある行動をとっていないか、社会的に、その年令の若者がしてはいけないとされていることをしているかのどちらかなのだ。それゆえに、思春期の若者は、自分も悩みを抱え、社会にとっても悩みの種なのである。

      −−ピーター・ドラッカー

 

 

  482.お金や成功について、ありとあらゆる事で頭がいっぱいで、大人はともすると、若い時というのが動揺しやすい時期だということを忘れてしまう。思春期は、初めての体験や悲劇に満ちていて、悩みがつきまとうということを。誰もがほおのニキビを白い目で見る、何を着てもひょろひょろの体には似合わない、親が約束を破ったりすると最悪の失望感に襲われる。思春期は、大人になるための訓練の時期であり、独立を試みる時期であり、さらには、何かをやってみて失敗し、そして成功する時期なのである。

 

  483.あなた達大人は、結婚式において、言わばお互いを「養子」として迎えるが、一緒に育った肉の兄弟よりも、その結婚相手のほうが身近に感じるようになる。子供に、その子が養子だということを説明する時には、結婚相手についてのこんなたとえを使って説明してあげなさい。

 

 

  484.大人というのは、話したり、命令をしたりといったことに慣れているが、ティーンエイジャーと一緒の時には、耳と心を集中させて彼らの言うことを聞く必要がある。

 

 

  485.若者達が何を考えているかを親達がもう少し知っているなら、若い世代との意志疎通の問題は、それほど複雑ではなくなることだろう。若者が何を考えているかを知る一つの方法は、自分がティーンエイジャー達のおかかえ運転手のように振る舞うことだと、私は発見した。あなたが口を閉じているなら、会話が始まって数分もたたない内に、あなたの存在は忘れられ、あたかも車が無人運転されているかのように会話が進められていくことだろう。これが違法の盗聴と考えられるかどうかはわからないが、効果は抜群である。

 

 

  486.友人と話していて、ある男性はこう言った。「最初の子をなくしてしまってね。」

  するとその友人はショックを受けて、「あの子が死んだなんて知らなかった!」と言った。

  男性はすぐに、「死んだんじゃないよ」と答え、それから悲しげこう付け足した。「私が忙し過ぎたんだ」と。

 

  487.おまえ達が大きくなるのは、眠っている時だけだというのを知っていたかね? おまえ達は速く大きくなりたいだろう。眠れば眠るほど、大きくなれるんだよ! それを忘れないように! 眠っている時におまえ達は大きくなるんだ。

 

  

  489.

愛すべきおばあちゃんになるには

 まず、暖かで、朗らかにほほ笑み、

  一度か二度、孫を抱きしめる

そして、おばあちゃん達が言ったりしたりするような

 思いやりのあることをすべてする

理解を示し、家族で楽しかったことの思い出話を付け加える

 そうすれば、愛すべきおばあちゃん、それも

 特別なおばあちゃんになれることでしょう!

 

 

  490.

お父さんは?

お父さんとは、頼りにできる存在。  

 あったかで優しい人。

いつもあてにできる、たのもしい存在、励まし、

 ほめてくれる人。

お父さんこそ、助けが必要な時に呼べる人。

 いつもそばにいてくれる友達のような存在。

   何でも理解してくれる人。

いくら感謝してもし足りないほど。

 お父さんのおかげで、人生が素晴らしくなる。

お父さんのことを思うとき、

 僕の心は感謝の思いに満ちる。

僕がまだ幼かった頃、お父さんは僕の世話をしてくれた。

 この手紙は僕の心をつづったもの

お父さんは僕に本当に沢山のものをくれた!

 親愛なる父さん、本当に心から愛しています!

 

 

 491.

理解してくれる人、

思いやってくれる人が必要な時、

 導いてくれる人、

たどそばにいてくれる人が必要な時、

 優しいお父さんがいるのは

何と素晴らしいことでしょう。

 悩みに耳を傾け、

いつも助けてくれるお父さん。

 私のすることなすこと

気にかけてくれるお父さん。

 そんな素晴らしい人だけが、

お父さんみたいな父親になれるのね。

 本当に立派なお父さん、愛さずにはいられません!

  

  493.

父親の深い関心と、やさしい思いやり

それは、私達に授けられる素晴らしい贈り物。

来る日も来る日も父親が与えてくれる贈り物。

お返しすることのできない心からの贈り物。

私の話にじっくり耳を傾け、

いろいろ話してくれるお父さん

さりげなく思いやりを示してくれるお父さん。

そんなお父さんを心から愛しています

沢山の愛をこめて、お誕生日おめでとう!

 

 

  494.

父親は、どの家庭にもいるべき特別な存在

誰もがそばにいてほしいと思う人…

優しくまばたく父さんの目の内に

小さな少年が時々顔をのぞかせる

それでいて、父さんは

私達を強くしっかり導いてくれる

厳しくて、こわい時もあるけれど

でもそれは

私達を愛してくれているから

どんなに困った時でも

父さんは手を差し伸べてくれる

いつでも助けてくれるし

わかってくれる

なかなか、感謝の気持ちが表せないけれど

父さんのこと、愛してるし、尊敬してる

わかってくれるよね

父さんの存在をどれだけ感謝しているかを

父さんがしてくれるたくさんの優しいことから

父さんがどれだけ私達を

愛してくれているかが、よくわかるから

 

 

  495.

母親は、私達に優しさや

思いやりを教える、神の助け手…

だから母親のために祈る祈りは特別なもの

神は、暖かな祝福と純粋な陽光とを

天から注いでくれる

あなたが愛をこめて母親のために祈る時に

 

  

  497.

母親の愛というのは

神の不朽の愛によってかたどられたもの

天の神の愛のように永遠で

決して失望させることがないから

母の愛は、惜しみなく与え

惜しみなく分け合う

母の愛は、いつも思慮深く、思いやりがある

母の愛は、古くなることを知らず

とてもいとしい!

それは、年月を経ても決して

色あせることのない特別な想い出

 

 

  498.

毎日の、愛情深く、忍耐強い世話

いつも変わらぬ優しさと思いやり、献身

こまやかな心づかいに、いとおしさ

それに、特にすてきなもの…

お母さんのような母親は、

これらのものからできている。

 

 

  502.

母さんとは?

母さんとは、導き、励ましてくれる人

私達の夢や心の願いがかなうよう

助けてくれる人

知恵と洞察力を備えている人

子供に対して母親が持っている信仰は

子供の人生を明るくする

 

 

  503.

お母さんは、優しくほほ笑んで

一日を明るくしてくれる

お母さんは、私達を助け導いてくれる

お母さんは、優しい行いを見ると

欠かさず励ましの言葉をくれる

お母さんは、心にあることを打ち明けると

じっくり耳を傾けてくれる

お母さんは、愛でいっぱいで

その心に偽りがない

愛するお母さん、この詩は

お母さんだけのために書かれたもの

お誕生日おめでとう!

 

  504. 

心から愛する母さんへ

母さんのために、誕生日の祈りを祈り

天の神にこうお願いした

御腕の内で母さんを守り

愛をもって母さんを支えて下さるようにと…

母さんに幸運や富や栄誉を与えて下さるようにとは

祈らなかった

ただ、お母さんの人生が

神に栄光を与えるものであるようにと祈った

そして、母さん

母さんもきっと、同じことを

神に祈ったことでしょう