輝くひととき 93 PDFファイル91-94

 

  聖書には、仲間からのプレッシャーについて書いてあるでしょうか? これはバージニア・ブラント・バーグの古いラジオ番組からの抜粋です。

 

妥協と追従

(瞑想の時 #16より)

 

  旧約聖書のダニエル書4章にある四人のティーンエイジャーの物語は、聖書の中でも最も興味深く、考えさせられる物語の一つです。バビロンの王であるネブカデネザルは、「イスラエルの人々の中から…身に傷がなく、容姿が美しく、すべての知恵にさとく、知識があって、思慮深く、王の宮に仕えるに足る若者を連れてこさせ、これにカルデヤびとの文学と言語とを学ばせよう」としました。王の宦官たちは、この若者たちにカルデヤびとの文字と言語を教え、このイスラエルのティーンエイジャーたちを本物のバビロン人にすることになっていました。

  次にこう書いてあります。「そして王は王の食べる食物と、王の飲む酒の中から、日々の分を彼らに与えて、三年のあいだ彼らを養い育てた。」 そして、その期間が終わったら、4人は王に謁見することになっていたのです。

  この若者たちの名はダニエル、シャデラク、メシャク、アベデネゴです。そして、このネブカデネザルは残虐きわまりない冷酷な王でした。しかし、ダニエルは「王の食物と、王の飲む酒とをもって、自分を汚すまいと、心に思い定めた」のでした。[注:イスラエル人は、旧約聖書の律法によって特定の食物を食べることを禁じられていました。] 「(ダニエルは)自分を汚させることのないように、宦官の長に求めた。神はダニエルをして、宦官の長の前に、恵みとあわれみとを得させられた。」

  「宦官の長はダニエルに言った、『…わたしはあなたがたの健康の状態が、同年輩の若者たちよりも悪いと、王が見られることを恐れるのです。そうすればあなたがたのために、わたしのこうべが、王の前に危くなるでしょう。』」 そこで、ダニエル、シャデラク、メシャク、アベデネゴは、王の豪華な食べ物にはあずからないと決心しました。ダニエルは10日間だけ、自分たちの食べ物を食べ、それから宦官の長がどちら方が良いかを判断してはどうかと申し出たのです。

  そして、10日間が過ぎました。「彼らの顔色は王の食物を食べたすべての若者よりも美しく、また肉も肥え太っていた。それで家令は彼らの食物と、彼らの飲むべき酒とを除いて、彼らに野菜を与えた。この四人の者には、神は知識を与え、すべての文学と知恵にさとい者とされた。ダニエルはまたすべての幻と夢とを理解した。」 後でネブカデネザルが4人を呼んだ時、「王が彼らにさまざまの事を尋ねてみると、彼らは知恵と理解において、全国の博士、法術士にまさること十倍であった。」 そして、ダニエルは妥協しなかったため、結局、彼は王の他の顧問たちにまさって高められたのでした。

  素晴らしい話ですね。何と勇敢な若者たちでしょう! 彼らがバビロン人の生活様式に従っていたなら、ありとあらゆるものを手にすることもできたけれど、そうはしなかったのです!

  多くの若者が何かの仲間に入りたがっています。彼らは受け入れられたいのです。けれどもこの話は、小さな決断が後々どんなに大きな影響を及ぼすかを示しています。ダニエルとその友が若い時期に妥協していたなら、後になって自分の信念を貫きはしなかったでしょうし、私たちは、ダニエルがライオンの穴に入れられた時の話や、シャデラク、メシャク、アベデネゴが燃えさかる炉に投げ込まれた時の素晴らしい話を聞くこともなかったことでしょう。

  自分の行動を改善する必要のある生き方をしようとすると、こんな決断に面するものです。「イエス・キリストと、現代の唯一の基準である神の言葉を堂々と擁護するのか、それとも打算的になって妥協するのか。」

  神に忠誠を尽くすことは、クリスチャンにとって絶対の義務です。それは献身の生活であり、キリストの教えを貫くために身も心も捧げる人生です。そこに、真の強さがあるのです。

 

  あなたは一番困難な道を選んだ。しかし、それは丘の上へとまっすぐ続いている。−ジョン・バニヤン

 

  神があなたを召されたなら、誰が後をついてくるかを見ようとして後ろを振り返ってはならない。

 

  自分がどちらの側にいるのか、はっきりさせなさい。まわりの人から見て、それがわからないなら、どこかが間違っている。

 

  最後ではありますが、非常に重要なことを言わせて下さい。勇気を持ちなさい。道徳的な勇気、自分の確信を貫く勇気、最後までやり遂げる勇気を。世界は常に、勇敢さを葬ろうと謀(はか)るものです。これは昔からの戦いであります。片方では群衆の叫び声が聞こえ、もう片方では良心の声が心に響くのです。−ダグラス・マッカーサー元帥