――― 輝くひととき 54 ――― PDFファイル53-54
ほめる事は与えること
会う度に、
あなたは私をほめ、元気づけてくれる。
伸ばしきれていない、隠れた良い面を見つけては、
励まし、輝き出させてくれる。
固く閉じていた小さなつぼみが、花開く。
あなたがそうなると言ってくれたから。
心の中で喜びの歌が鳴り響き、
魂から小さな翼が燃え立つ。
毎日が全く新しい喜びに包まれる。
あなたのほめ言葉が、私のベストを引き出し、
魂をよみがえらせ、高く舞い上がらせる。
神は称賛を愛される。私もそう。
作者不詳
誰もが励ましに飢えている!
デービッド・ブラント・バーグの言葉
■ 本当にうぬぼれが強い人というのは滅多にいない。たいていの人は、ある程度、劣等感を抱いていて、自分の事で落胆する事がよくある。だからこそ、励ます事が非常に大切なのだ! 私はどんな時もそうする! 何でも良いことをしているのを見たら、その人をほめるのだ!
■ 誰もが人からの励ましを必要としている。だのに、私たちは周りの人に感謝や励ましの言葉をかけないでいることが多い! 自分の語る無益な言葉に対して言い開きをしなくてはならない(マタイ12:36,37を参照)のだから、無益な沈黙についても同様だ!
■ (誰かに)助けてもらったらすぐに心からの感謝を示すと、往々にして、その人たちはますます好意を寄せてくれるし、助けてくれるようになる。
■ 人の短所ではなく、長所や良い面を常に考えるようにしなさい。聖書の中で主は、常に人々の良い働きをほめている。救いは純粋な贈り物だから、良い働きと救いとは無関係だ。しかし主は、主への奉仕や良い働きを特にほめてくださる。私たちが犠牲的な行いをしたり、召された任務以上のことをするのを、神は評価してくださる。それを神に感謝しよう!
■ どんな時も忘れてはいけない。人は誰でも、ほめてもらい、心から感謝されるのに飢えていることを!
私がまだ学生だった頃のことです。父は、急死した前の週に私を呼んで、これまで箱に隠し持っていた新聞や雑誌の記事を見せてくれました。全部父が書いた物です。今までどうして見せてくれなかったのかと、驚いて尋ねると、こんな答が返ってきました。「お前の母さんに言われてね。私は大学を出てないから物を書く才能なんてないって。でも隠れてこっそり書いてたんだ。母さんはそれを知らないがね。」
母に悪気があったわけではありません。ただ当たり前と考えていた事を言っただけだったのです。教育がなければ物書きはできない、と。
父はそれであきらめはしませんでしたが、新約聖書の一節のように「灯りをますの下に置き」ました。それから父は、最近、アドバンス誌に記事を送ったがまだ出版されてないと言いました。「今度はちょっと背伸びしすぎたかな」とも言っていました。執筆に興味があること、そしてアドバンス誌に投稿した事を父が打ち明けてくれたことで、私は胸が熱くなりました。それから数日後、父はボストンの地下鉄駅で急死しました。そして、折しも葬式当日に、アドバンス最新号が届いたのでした。父の記事も載っていました。秘密を打ち明けてくれていなければ、私はその雑誌を開きもしなかったことでしょう。
今、私の書斎の壁には父の写真と共に、その記事が額に入れて飾ってあります。それを見る度に思うのです。誰かが父の才能を信じさえしたなら、父は著述家としてどれくらい成功していただろうか、と。
この冷たい世の中、人を落胆させる人は大勢います。だからこそ、「あなたならできるって信じてる!」と、ほんのひとこと言えるなら、私たちは、まわりの人の心を明るくする存在となれるのです。
−フロレンス・リタウェル