――― 輝くひととき 47  ――― PDFファイル45-48

 

親知らずからの教訓

  最近、親知らずを抜きましたが、その時、歯医者からおもしろい話を聞きました。「親知らずは、痛み始めたばかりなら、抜きやすいんですよ。でも、ほったらかしにしておくと、骨が歯を頑固に手放さないので、抜くのも一苦労です。骨が歯と癒着してしまうのです。」

  「頑固に…」 歯医者は頑固という言葉を使いました。それを聞いて、私は自分の心もその骨に似ていると思いました。誰かに何かいやなことをされると、私は憤慨します。それは自然な反応です。でもそれが恨みとなり、根を張ってしまうと、私の心は頑固になってその感情を手放せなくなってしまうのです。

  近頃では、何かいやなことをされても、私の心がいやな感情と癒着してしまう前に、その感情を素早く引き抜くようにしています。

        --ジェーン・ティーリー

 

  人への怒りをいつまでも心の内に秘めておくのは、ガラガラヘビのしっぽをつかんでいるようなもの。必ず自分がかまれてしまいます。そして怒りの毒が、あなたの人格のあらゆる面にまわって、死に至り、肉体の死よりもはるかに悪い影響を与えます。というのは、このたぐいの死は、まわりの人をも滅ぼす可能性があるからです。

        --チャールズ・スタンレー

 

 

  聖書にはこう書いてあります。「あなたは恨みを抱いてはならない。」(レビ記19:17-18)

  これは、ゆるしたなら、銃弾を詰めたままで人生の旅を続けるべきではないという意味です。怒りや復讐心という弾薬は、すべて空(から)にしなければなりません。どんな恨みも抱いてはならないのです。

  私には、とても無理です。自分の能力をすっかり超えています。口ではゆるしの言葉を言えたとしても、どこにも嵐を起こさず、絶えず晴れ渡り、澄み切った青空のような心を持ち続けることなどできません。

  しかし、恵み深き主が、私のためにそれをして下さいます。主は、私の心の雲行きを変えて、全く新しい空模様にすることができるのです。主は私のうちに、「新しい、正しい霊を与える」(詩篇51:10)ことができ、その新しい環境では、毒し、破壊しようとするものは生存できません。恨みは死んで、復讐心は善意という強く温和な存在に取って代わり、それが新しい心に宿るのです。

        --J・H・ジョウェット

 

心の重荷をおろしなさい

  怒りや恨みを抱き続けるなら、敗北の人生があるのみです。誰かをゆるそうとしないなら、心の痛みは最初に受けた痛みよりさらに強まり、悪化の一途をたどるからです。悪いことをされたり、だまされたり、ごまかされたり、屈辱を受けたりした時の傷を思い出してみて下さい。その記憶が、怒りの炎を再燃させませんか? 自分に苦しい思いをさせた人のことを思い出して、心の傷がうずきませんか?

  あなたの記憶は、心の中でビデオテープになって、過去の痛みを果てしなく再生し続けます。ゆるさないなら、自分自身にひどい裁きを課すことになるのです。

  自然には治らないこの痛みをいやす唯一の方法は、あなたを傷つけた人をゆるすことです。ゆるすなら、記憶は新しい見方でよみがえり、いやされるのです。他の人が自分にしたことを帳消しにしてしまえば、自分の内面から悪性の腫瘍を切り取ることになります。これで、囚(とら)われ人、つまりあなた自身を解放したことになるのです。

        --ルイス・B・スメデス

 

 

ゆるしとは、囚(とら)われ人を解放すること。私達はゆるす時、その囚われ人が自分であったことに気づく。