輝くひととき 22

 

愛の贈り物

 

  これは南北戦争が始まる前のアメリカでのお話です。奴隷市場で、年若い黒人女性がせりにかけられました。すらりとした美人で、値はすぐにはね上がり、最後に残った二人がしのぎを削りました。 

  一人は品位のある紳士でしたが、もう一人は粗野な男で、悪口雑言を吐きながら、値をつり上げていきました。

  やっと競売が終わった時、この若い奴隷を競(せ)り落としたのは、物静かな紳士のほうでした。紳士は、この黒人女性の合法的な所有者となったのです。

  競売人から新しい主人の前に突き出された女性は、憎悪をむき出しにして、新しい主人をにらみつけました。

  ところが突然、その表情が一変しました。「夢を見ているのかしら?」

  この新しい主人が、その権利証書を目の前で破り捨てたのです。そして、優しく微笑みながら言いました。

  「もう、自由の身だよ。君に自由になってほしかったら、買い取ったんだ。」

  若い女性は、返す言葉もなく、じっとその紳士の顔を見つめるばかりでしたが、やがてその身を投げ出して、紳士の前にひれ伏しました。うれし涙にむせびながら、こう叫んだのです。

  「ご主人さま、一生涯あなたを愛し、あなたに仕えます。」

  権利証書ではできないことを、この紳士の優しさがなしたのでした。

  実は、あなたもある方からかけがえのない存在として愛されています。その方は、自分の命をなげうってまでも、あなたをあがなって下さったのです。それには高い代価がかかりました。イエスは、あなたの代わりに痛ましい死を経験し、あなたを悪のかせから解放するに不可欠な代価を支払って下さいました。あなたを縛り付けるかせが、あなたの過去であれ、罪や弱さであれ、何であれ、その呪縛を断ち切って下さったのです。イエスが下さる自由を味わうには、ただイエスを受け入れさえすればよいのです。イエスを心に招き入れ、人生の導き手になっていただきましょう。イエスはあなたを自由にするためにあなたを買い取って下さったのですから。

  「あなたがたは代価を払って買い取られたのだ…だから、もし子があなたがたに自由を得させるならば、あなたがたは本当に自由な者となるのである。」(ヨハネ8章36節、1コリント6章20節)

 

     ◇ ◇ ◇

 

  キリストの教えを信じるようになってから、それまで望んでいた事に何の魅力も感じなくなった。人生の方向や望みが変わった。今までの善悪の観念が逆転したのだ。--レオン・トルストイ

 

     ◇ ◇ ◇

 

心に愛が?

 

愛 それは自分の器から

人の器に注ぐこと

愛 それは自分より

人のことを大切にすること

日々でこぼこ道を選んで進み

人の足にやさしく

なめらか道にしてあげること。

 

愛 それは盲目ではなく

相手の目を通して見ようとすること

愛 それは「与えねばならないの?」ではなく   

「させてもらっていいでしょうか」と尋ねること

愛は自分の悲しみをかき消して

人の心と唇に歌をもたらす

そして自分の重い足どりをかき消して

人の人生に翼をもたらす

 

そのような愛が

心の内に宿っているだろうか?

それならこの人生の終点で

至福の喜びに包まれる

 

あなたは、犠牲を払ってまでも

愛し、施すだろうか?

「いや、私にはそのような愛はありません」

そうだ、私達の乏しい蓄えからは

とても与えることはできない。

ある方が心を愛で満たして下さらなければ

その富を与えることはできない。

 

心の内に大いなる愛を与えて下さる方

それはどなただろうか?

愛し、与えて下さった平和の君イエス!

わたしは彼を愛する

だから、わが魂は喜びと平安を見いだし

彼の愛を人々に与える。

 

             −−作者不明