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 第13号 DFO 1998年12月

 

ついに不老不死に

ダニエル・リオンズ、フォーブス

  40年後には、コンピューターは人間よりも賢くなっているだろう。そのソフトウエアは、わたしの頭脳に似せているので、電話やインターネットで連絡を取っているのが、人間なのか、機械なのか、わからないことだろう。

  人工知能(AI)は、初期の頃に多くの支持者を失望させたが、あまりにも早い時期に多くを期待しすぎたからだと、人工知能の教祖とも言える存在であり、「精神機械の時代」(バイキング社、1999年1月)という三冊目の著書を出したレイモンド・クルツウェイルは言っている。

  クルツウェイルは、人間の脳から「逆インプット」して、自分達人間について、すべてダウンロードする方法を探すことに興味を抱いている。それは、記憶や夢や個性など、一切をコンピューターに入れることで、彼はこの過程を「再インスタンティエーション」と呼んでいる。ついに人間は「不老不死」というわけだ。

  人間がさらに年を重ね、人間の中に機械を入れて、老化や、不完全な肉体や思考機能に取って代わらせるなら、機械と人間の間の境界線は、さらにあいまいになっていくだろう。人工股関節が、動く機能を復元できるように、神経移植も人間の聴覚や視覚や記憶力を増幅するだろう。

  クルツウェイル(50歳)は、ただの夢想家ではない。25年以上も前から、四つの会社の創業と売却に成功してきた。最初に設立した会社で、視覚障害者のための読み取り機械を製造していたクルツウェイル・コンピューター・プロダクト社は、ゼロックスに売却している。その製品の最初の買い手の一人が、スティービー・ワンダーで、クルツウェイルと彼との友情から、コンピューター化されたミュージック・シンセサイザーが開発された。

  フォーブス誌は、最近、クルツウェイルにインタビューをした。

  フォーブス:あなたの新著のジャンルは科学か、それとも、SFか?

  K(クルツウェル):どちらかと言えば、私は地味に書いたつもりだ。その本の中の予想は、今、人間が実際に触れて感じることができるテクノロジーにもとづいているのだから。

  フォーブス:人間が自分の脳の中身をコンピューターにスキャンさせて、自分の複製を造るというのは、かなり奇怪な内容だが。

  K:2040年頃には、ありふれていることだろう。人間の脳の構造をもとにしたコンピューターを造り、そのコンピューターに脳にある情報を例示するなら、その情報がマシンに現れ、マシン自体がその人であると名乗るようになる。「私はブルックリン育ちで、MIT(マサチューセッツ工科大学)卒だ。それから、スキャナーの中に入り、目が覚めるとこのマシンの中にいたんだ」と言ってね。

  フォーブス:どうやって人間の脳を複製するのか?

  K:接続ごとに、神経ごとに、シナプスごとに、少しずつコピーしていく。人間の神経は、理解も複製もできないほど複雑ではない。我々はすでに、何百何千もの神経群の入出力の特徴を複製している。

  フォーブス:自分の複製を造ると思うか?

  K:たぶん。しかし、私は、自分の経歴や願望などを持ちながら、それでいて、この私よりも願望をかなえる能力をはるかに備えている新しい自分に嫉妬するかもしれない。それらは、非常に賢い存在になるだろう。人間よりもはるかにだ。そこに権力が存在する。ゆくゆくは、それらの存在が、政治権力も有するようになる。彼らが政治権力を独占するだろう。

  フォーブス:それがグッドニュースなのか?

  K:私の本を読んで、憂うつになる人たちもいるだろう。人類はもう終わりで、文明も終わりかかっていると考えるのだ。実際には、人類は存続していくだろうが、はるかに深遠な方法でだ。我々は、マシンと結合することによって、賢くなっていくからだ。

  フォーブス:大勢の人が、この世界を止めてくれ、自分はこのままやっていくのはいやだ、と言うだろう。

  K:止めることはできない。これは宇宙人の侵略じゃないんだ。我々の文明の中から起こっていることだ。すでに我々はコンピューターに慣れ親しんでいる。さらに進んでいけば、マシンと人間のつながりは、さらに親密になっていくだろう。

  (ダッド:)言っておくが、これは私の言うところの永遠の命ではない! 機械なんかより、イエスと親密でいたい! レイモンド君には悪いが、機械では永遠の命は得られない。イエスを通してのみ得られるのである。しかも、非常に簡単な手続きで。心の中に入ってくれるようお願いし、受け入れ、信じ、イエスを告白するだけでよい。自分を機械にダウンロードするより、こっちの方が余程簡単ではないだろうか? もっと早いし! 自分をイエスにアップロードするんだ! イエスと一緒になれば、本当の命と愛と力とはどんなことなのか、すぐに分かるだろう! 

 

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特集 迫害される者のために祈れ

 

編集者:1998年11月15日に、130カ国のおよそ30万の教会が、国際・迫害されている教会のための祈りの日に参加しました。世界中で、何らかの形で信仰のゆえに苦難を味わっているクリスチャンが3億人もいることが、ますます懸念されています。以下は、福音を伝え続けながら、信仰のゆえに堪え忍んでいる人たちの犠牲について報じている最近の記事からの抜粋です。

 

教会が迫害反対を新たな目標に

ニューヨークタイムズ・ニュースサービス/AP/ワシントン・ポスト

  ペンシルバニア州マカンジーの狭いアパートの一室で、整備工や定年退職した教師や医師やコンクリート・セールスマンからなる草の根グループが、毎週火曜日に、祈りのつどいを開いている。彼らが「世界中のキリスト教殉教者」と呼んでいる人々、信仰のゆえに犠牲になり、レイプされたり殺される人々のために祈るのだ。

  大々的に公表されることもないのに、米国全土のクリスチャンたちの間で、新しい種類の連帯活動が徐々に広まっている。それらは、彼らの呼ぶ世界中の「迫害下の教会」に焦点をあてている。ただ信仰のゆえに虐待の対象となっている人たちをさすという。

  以前は海外の事情や人権にはまるで関心がなかったと言う大勢の米国人が、米国の外交政策に影響力を行使し始めている。彼らは、様々な都市に、クリスチャンを迫害する国々との貿易をやめるように圧力をかけている。発音の仕方さえわからないない名前の国々の政府に手紙を書いて、クリスチャンの囚人を釈放するよう要求し、迫害されているクリスチャンの支援グループを資金援助しているのだ。さらに、アフリカやアジアの難民キャンプまで出かけて行き、持参した聖書を寄付し、米国の議会に提出するための苦難の証言を集めている。

  始まったばかりのこの運動が、10月に、ついに上院において、満場一致で国際宗教の自由条例を可決させた。この条例は、市民の宗教的権利を侵害していると国務省が判断した国に対して、大統領が何らかの措置をとることを義務づけている。その罰則は、外交私信を送るというものから、経済制裁を発令することに至るまで、いろいろな可能性がある。

  もともと迫害を政治問題に転じさせたのは、ワシントンDCのユダヤ人弁護士、マイケル・ホロビッツだった。ホロビッツは、自分がこの問題に目覚めたのは1994年にクリスチャンのエチオピア人であるゲテネ・ゲタネルを家の手伝いとして雇ってからだと言う。ゲタネルは、伝道しようとして、自分が金属ケーブルでムチ打たれながら、足の裏に煮えたぎる油をかけられた経験があることをホロビッツに話した。

  その結果、ホロビッツは、全米の143の宣教団体に手紙を書いて、迫害されているクリスチャンに対する彼らの関心の低さに「心を痛め、理解しがたい」と訴えた。「クリスチャンの指導者たちが、迫害されている人々の窮状を堂々と訴えるガッツがないことに驚いた」とホロビッツは言う。

  今回の立法化の根本的な理由を、ホロビッツは独特な言い方で要約した。「奴らは牧師の指の爪を引っこ抜いているじゃないか。そういう連中に経済援助するだって? 冗談だろう?」

  ユダヤ人は、政治の神よりも、信仰の神をあがめている時こそ、世界のヒットラーたちから最も安全に守られている、と彼は言う。「事実を言うなら、ホロコースト(大虐殺)は、ヨーロッパでユダヤ人の信仰が衰退した時に起こり始めた。」 そして、全体主義から守られていた国に移住したので、自分の家族はガス室や死体焼却室行きを免れることができたという。「教会通いの米国人の信仰がなかったら、自分は石けんかランプのかさ同然になっていただろう。」と断言している。

  敵を愛せよというイエス・キリストの教えについて、ホロビッツは、「自分は旧約聖書にならうんだ」と言った。

 (ダッド:)彼に神の祝福を! 彼は、良いユダヤ人で、孤立無援で迫害されている人たちのことを思っている。一部の、利己的で、やる気も関心もなく、自分だけまるまると肥え、満足しきっているアメリカ人クリスチャンとは大違いだ! 主を受け入れ、救われてはいても、他国の信者たちのことを気にかける人は本当に少ない。不信者たちのこととなれば、なおさらだ。全てのクリスチャンがそうだと言っているのではない。しかし、実に大勢がそうだ。だからこそ私は、教会を長い間激しく攻撃したのだ。

  イエスは、人を死と地獄から解き放ち、人に永遠の命を与えるために来られた。それは最も貴重な賜物だ。救われ、イエスを知るなら、その贈り物を他の人たちに与える権威を授かる。考えてもごらん。人々に永遠の命、永遠に至る健康、イエスによる幸福を提供することができるのだ! そしてその人達はイエスと共に、永遠に天国に住む! そのような賜物をもらっていながら、怠慢すぎたり、あるいはマモンに仕えるのに忙しくし過ぎて、他の人たちや毎日すれ違う必要を抱えた魂にそれを伝える事をしないならば、主をかなり失望させることになる! 主は教会のご自分の子供達の大部分に失望されているのだ。あなたのことで失望させてはならない。天使の前で紹介されるような、主の自慢できる子となりなさい! そうすれば、主が「良い忠実な僕よ、よくやった。主人と一緒に喜んでくれ!」と言われる日を心待ちにすることができる。

  それから、地上で信仰のゆえに迫害されている愛する者達のために祈りなさい。主の御名のため、またクリスチャンと呼ばれるためには、苦難を味わうこともいとわない者達が百万の百万倍もいる。彼らは、ファミリーにいる者達ほど主のことを知らないのに。しかし彼らは知るべき事は知っている。主が彼らを愛していること、彼らのために主は死なれたことを。だから彼らは主のために死ぬことをいとわない。

  彼らの死は、しばしばたくさんの実をもたらす。殉教者の血は教会の種である。しかも、迫害する人たちの頑なな心にも、信仰の芽を芽生えさせる。彼らの生き様、死に様はそれを見る者達の心に深く影響を及ぼす。古代ローマの時代、その闘技場のクリスチャンたちを見た人たちのように。闘技場において、ローマ帝国はキリスト教を根絶することはできなかった。反対に、キリスト教がローマ帝国を征服したのだ! その後ローマ帝国は衰退したが、キリスト教は拡大を続けた。

  今日迫害する者達の運命も、またしかりだ。彼らが主を受け入れ、クリスチャンになるのでなければ、その残りの日数は限られていることになる! クリスチャンになるのでなければ、神のゴミ箱行きになる。一方、主を知り、愛する者達は、この地上であれ、天国の故郷であれ生き続けるのだ! 「死よ、おまえのとげはどこにあるのか。墓よ、おまえの勝利はどこにあるのか。イエスによって、私たちに勝利を賜った神に感謝せよ!」 ハレルヤ!

  だから何事があっても、あなたの労苦は主にあって無駄になることはないのだから、証しを続け、人々を勝ち取り続けなさい! 愛しているよ! 

 

ビルマ

  (オレゴニアン)ビルマでは、軍事独裁政権とそれに反対する少数民族グループが戦闘中である。反対勢力を分裂させるため、軍事政権は仏教僧たちに、大きな市のイスラム教寺院を破壊するよう命じて、イスラム教の少数民族グループを混乱させようとしている。大半がクリスチャンであるチン族の伝統を踏みにじるため、兵士達をチン族の女性たちと結婚させて、彼女たちを強制的に仏教に改宗させている。また、カレン族を分裂させるために、ビルマ軍兵士たちは難民キャンプを襲撃する時に、クリスチャンを苦しめ、仏教徒はひいきしている。

  ビルマに関する専門家、エディス・ミランテは言う。「自分たちだけが権力を握っていることを誇示しようとする軍隊の工作だ。軍隊が最高権威であって、誰も、軍事政権に匹敵するようなものはあがめるなということだ。イスラム教であろうと、キリスト教であろうと、仏教に属するものであろうと、政権にとって脅威となるものは認めないのだ。カレン族の中で、クリスチャンは明らかに標的になっており、根絶されかけている。」

  教会の破壊や礼拝制限、自分たちの村への攻撃、それに強制労働に駆り出されてビルマ軍が自国民と戦うのを助けさせられるといった事実に直面したため、大勢のカレン族がビルマを脱出し、8万人以上が国境を越えてタイに入った。そのほとんどが混み合う13の難民キャンプで生活している。

  アムネスティー・インターナショナルや人権ウォッチ/アジアなどの人権団体によれば、難民キャンプは頻繁に、「国家平和発展評議会」と称するビルマ軍隊から攻撃されている。

  タイ当局から銃の携帯を認められていないため、キャンプのカレン族は無防備である。だから、大勢にとって唯一の武器は祈りだ。彼らは、訓練された象が丸太やその他の重い荷を引っ張っているジャングルの隣の、わらぶき屋根と竹で作った粗末な小屋に住んでいる。周辺は木々が茂っているものの、ほこりっぽくて草木のないキャンプには、緑もなく、色彩もない。それで難民たちは、何とか粗末な小屋を家庭らしくしようと工夫している。クリスチャンの学生たちの寮の入り口には、「イエスは主」とブロック体の大きな白い字で書かれている。

  55歳になるキャウ・ズワは、長女のシェ・ワ・パウが、3月10日の夜に、家族がフエイ・カロケ難民キャンプで寝床に入る直前に祈っていたのを覚えている。彼女はいつもの習慣で、ほかの大勢のカレン族がホームレスになり、ジャングルの木の下で寝なくてはいけないのに、自分の家族は竹の小屋で寝られることを神に感謝したそうだ。

  翌朝には、いつものように、キャウ・ズワは妻と娘たちと一緒に聖書を勉強し、祈るつもりだった。しかし、午前零時をまわった頃に、ずっと前から恐れていた、ロケット推進式手りゅう弾の「ヒュン」という音と、それが目標に命中した時の「ドカーン」という音、それに、「ダダダダダダ」という様々な突撃銃の発射音を耳にした。多くのカレン族と同様、キャウ・ズワもその音の意味を知っていた。ビルマ軍が攻撃してきたのだ。

  キャンプの大部分が焼失した。キャンプのバプティスト教会は真っ先に放火されたが、仏教寺院やその周辺の家は手つかずだった。

  キャウ・ズワは娘たちを失った。ほかのクリスチャン達も殺された。しばらくは、どうして、安全を求める自分たちの祈りが聞かれなかったのか、考え込んだと言う。だが今は納得できる理由があるそうだ。涙をぬぐいながら、キャウ・ズワは言った。「今はわかる。神が私を助けて、娘が死ぬのを許された。娘たちは逝(い)ってしまった。だが、自由になったんだ。」

 

サウジアラビア

  (リリジョン・トゥデー) サウジアラビア政府は、クリスチャンを追放するために、彼らを職場から解雇するキャンペーンを繰り広げていると、フィリピン人牧師のエド・ラピスがコンパス・ダイレクト・ニュースに語った。8月以来8人のリーダーが解雇され、約10人の家庭教会のリーダーたちが、同様の措置の対象になったと、同牧師は言う。サウジアラビアは、イスラム教以外の宗教礼拝をいっさい禁じている。オープン・ドアーズ・インターナショナルの報告によれば、サウジアラビアでは近年、クリスチャンに対する扱いは最悪である。同グループは毎年、世界中で宗教的寛容さのランク付けをしている。サウジの他に、スーダン、ソマリア、イェメン、北朝鮮、イラン、ラオス、モロッコ、ベトナム、中国の政府が、最もクリスチャンを弾圧する10カ国にあげられている。

 

ウズベキスタン

  (リリジョン・トゥデー)8月15日に、厳しい宗教規制法が施行された。これは、政府が承認する聖職者以外は誰でも宗教について話すことを非合法化し、日曜学校やサマーキャンプ、家庭での個人的な宗教指導も禁じ、教会員が百人未満の教会もすべて違法とする法律であると、コンパス・ダイレクト・ニュースは報じている。この法律を守らない教会指導者は犯罪者とされ、多額の罰金を課せられるか、あるいは強制収容所や刑務所での懲役刑を受ける場合もあり、その結果、教会の建物や土地は没収される。すべての教会や宗教団体は、法務省から認可を受けるために、8月15日までに、様々な書類一式を提出しなくてはならなかった。それで法務省から認可が下りない場合は、非合法組織とされる。また、認可されている教会でも、人々を改宗させることや宣教活動を禁止されており、その活動と計画を証明する詳細に渡る書類を3ヶ月ごとと1年ごとに提出しなくてはならない。

 

インド

  (ワシントンポスト・フォーリン・サービス) 長年に渡って、散発的にヒンズー教とイスラム教の間で暴力紛争が起こっていたが、インドは、今、新しい住民紛争の波に襲われている。9億5千万の人口の82%を占めるヒンズー教徒が、わずか2%のキリスト教徒とその宗教施設などを襲い始めたのだ。

  ヒンズー教の愛国主義政党であるインド人民党(BJP)が最初の政権を樹立して7ヶ月になるが、教会指導者たちは、インドの25の州の半分以上でクリスチャンに対する攻撃が何十回も発生したという。おもに、クリスチャンの人口が少なく、ヒンズー愛国主義者の風潮が強い北部と西部に集中している。クリスチャンへの攻撃は、身体に危害を与えるよりも、ヒンズー教の下層階級の改宗者にアピールしていた教会学校や医療センターや開発プログラムを妨害したり、閉鎖させたりすることを目的としているようだ。

 

中国

  (AP)共産国の中国は、宗教を、精神的脅威というよりも、政治的脅威と考えているようだ。いまだに、大勢の中国人クリスチャンは、宗教の自由の黄金時代を味わっているというが、それは、あくまでも、政府の統制に従っていればの話である。

  中国政府から承認されていないクリスチャン、つまりほとんどが福音派の、秘密に活動しているクリスチャンたちは、逮捕されないように、家から家へと転々としながら逃亡者生活を送っていると言う。彼らは、監獄暮らしや電流の流れる棒での拷問について語る。

  「迫害されている者はさいわいである」という聖書の言葉を引用しながら、何人かは、その苦難を罪のあがないであると言った。「教会にとっては良いことだ。子供が成長するときにつきものの痛みと同じだ。」と、84歳になるアレン・ユアンは言う。ユアンは中国人の教会指導者で、21年以上を強制収容所で過ごした。中国の農民牧師たちにはこんなスローガンがある。「監獄は、我らの神学校。」

 

コフィ・アナンの驚くべき統計

ニューヨークタイムズ・ニュースサービス

  毎年、国連人権発展報告は、人々の生活を測る新しい方法を探求している。国民一人あたりの国内総生産といった味けない統計は出さず、子供達が何を食べているか、誰が学校に行っているか、きれいな飲料水があるかどうか、など、具体的な事柄を取り上げている。今年、同報告書では初めて、富んだ人々と貧しい人々の間で、質素なトイレから自家用車に至るまで、人々が何を所有しているかや、世界の商品やサービスがどのような割合で消費されているかの比較をしている。その総額は巨額で、世界の消費総額は、1年に24兆ドルだが、人によっては受け取る分が非常に少ない。

  持てる者。世界の総人口をその富裕度によって5段階に分けると、最も富んでいる上位20%が、すべてのモノとサービスの86%を所有しており、最も貧しい下位20%は、たった1.3%しか所有していない。だが、上位20%は、すべての肉と魚の45%、全エネルギーの58%、すべての紙の84%を消費し、すべての電話回線の87%を使用し、全乗り物の87%を所有している。

  天然資源。1970年以来、世界の森林は、1千人あたり4.4平方マイル[1マイルは1.6キロ]から、2.8平方マイルに減少した。それに加えて、世界の魚資源の4分の1も、底をついたか、底をつく可能性に直面している。また、44%は、生物学的限界まで、漁獲されてしまった。

  超・金持ち。世界で最も金持ちの三人の資産は、48の最も開発が遅れている国々の国内総生産をあわせた額を上回っている。

  アフリカ。平均的アフリカ人の家庭の消費額は、25年前に比べて20%減っている。

  大金持ち。世界で最も富んでいる225人(その内、米国人は60人)の資産を合わせると、1兆ドルを越える。これは、全世界人口の最も貧しい47%の人々の年間収入の合計に等しい。

  化粧品と教育。米国人は、化粧品に年間80億ドル費やす。これは、世界の誰もが基礎教育を受けられるために必要な額よりも、20億ドル上回っている。

  持たざる者。発展途上諸国に住む44億人の内、5分の3近くが安全な下水溝のないところに住み、3分の1が、きれいな水がなく、4分の1が適切な住居がない。そして、5分の1が、いかなる種類の近代的な医療サービスも受けられないでいる。

  肉。米国人は、年間平均118キロの肉を消費する。バングラデシュでは、一人あたりの平均は3キロにも満たない。

  電話回線。スェーデンと米国では、1千人あたり、それぞれ681と621の電話回線を所有している。アフガニスタンやカンボジアやチャドやコンゴでは、1千人あたり1回線にすぎない。

  アイスクリームと水。ヨーロッパ人は、アイスクリームに年間110億ドル費やす。これは、世界の全人口に清潔な水と下水道を供給するのに必要な総額を20億ドル上回っている。

  地雷。68カ国に、地雷が1億1千万個以上も埋められており、同様の数が保管されている。毎月、2千人以上が、地雷で死んだり、手足を失ったりしている。

  ペットフードと健康。米国人とヨーロッパ人は、ペットフードに年間170億ドル費やす。これは、世界のすべての人が健康で栄養がとれているよう供給するのに必要とされる額をあわせた概算よりも40億ドル上回っている。

  年に400億ドル。これは世界のすべての人が基礎的な教育と、基本的な医療サービスを、そしてすべての女性が妊娠や出産の医療サービスを受け、またすべての人が養われ、清潔な水を飲み、ちゃんとした下水溝があるという目標を達成し、それを維持していくためにかかる概算総額である。この400億ドルというのは、世界で最も富んでいる225人の資産総額の4%にも満たない。

 

  (ダッド:)神の天の御国では、全ての人は多すぎも少なすぎもせず、適度に所有する。地上の国にはとてつもなくたくさん持っている人と、本当に少ししかない人がいるが、それとは違って天国は多すぎることのない国である!

  だが当然、地上で最も豊かな人でも主がなければ貧しいし、地上で最も貧しい人でも、主が共におれば豊かである。主を持っているなら万物を所有することになる。それも、現在だけではなく、永遠に!

  あなたがたが他の人たちに主を与えるなら、貧民を王や王子に、霊的な卑しい人を真に富んだ人と変える! だから、貧富を問わず、地上の人たちの間で良い仕事を続けなさい。どちらも主を必要としている。彼らが主を受け入れるならば、彼らはずっと幸せに暮らすようになる! 言っておくが、これはおとぎ話ではない! 私は自分で経験しているから証明できる! 主をほめよ!

 

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その他のニュース

 

アフリカ

アフリカのエイズ

AP通信

  マラウイのリロングウェ-一つのベッドに二人、また床にも横たわる患者たちが、死ぬために、家に帰してもらうのを待っていた。街頭でのこぎりや金づちの音が響いているのは、このマラウイの首都の棺桶職人の景気が良い証拠だ。役所は、職員たちが大勢、葬式に出席して不在なので業務を停止している。会社なども、頼りにしていた社員たちが死んで、打撃を受けている。

  アフリカの他の地域で猛威を振るっていたエイズは、アフリカ南部に到来して、爆発的な流行をし、そこの人々の生活を変えている。ザンビア、ジンバブエ、南アフリカ、マラウイ、スワジランド、ボツワナ、ナミビアで、驚異的な死亡および感染率が、家庭を崩壊させ、経済をおびやかし、大勢の孤児を作りだして、それらの国々の平均寿命を縮めている。

  「南アフリカで起こった中で最悪の出来事だ」と、ジュネーブの国連エイズ・プログラム事務局長のピーター・パイオット医師は語った。「20%から30%の大人を死亡させる災難などほかにあるだろうか?」

  サハラ砂漠より南のアフリカには、世界中のエイズ感染者の3分の2、つまり、2100千万の感染者がいると言われている。エイズ感染者女性の5人に4人がこの地域に住んでおり、実に820万人の子供がエイズによって孤児となっている。

  ボツワナとジンバブエは、大人の4人に一人が、エイズに感染していると、国連エイズ・プログラムは概算している。

  ジンバブエでは、死体保管所は死体の山で、2005年までに120万の大人がエイズで死亡するだろうと、政府は発表している。

  エイズは、マラウイの平均寿命を51歳から37歳に縮めてしまった。

  ザンビアには、エイズによって孤児となった子供が36万人もいる。

  アフリカ大陸最大の経済・軍事国である南アフリカも、危機的状況に近づいている。1994年に、自由選挙によってアパルトヘイトが廃止されてから、昨年に至るまで、感染率が7.6%から17%にまで増加した。最悪の被害を受けたクワズールー-ナタールでは、妊婦の3分の1近くが、エイズに感染している。

  「南アフリカでは…エイズによって失われた世代のことを話している」と、南アフリカのダーバン市にあるナタール大学のエイズ-経済調査部門の責任者であるアラン・W・ホワイトサイドは言う。

  エイズの流行によって、「大勢の若者が死に、孤児が遺(のこ)され、小さな会社はつぶれ、大半(の施設)が打撃を受け、深い悲しみを残している」と、マラウイの国立エイズコントロール・プログラムの計画部長であるオウエン・カウラは言った。「前から手に負えない状態だったのに、今度はエイズだ。あきらめムードが漂っている。」

  (ダッド:)かわいそうな人たちだ! 救いと天国の希望が必要だ。この世界を越えた所にはより良い世界があり、そこにはもはや死も悲しみも涙も存在しない。主が全ての涙を全ての目からぬぐい去って下さるからだ。天国では、病気や痛みから解放され、永遠に愛する家族と共に暮らすようになる!

  主の愛と希望のメッセージをアフリカの人たちに携えていく主の手となり、迅速に福音を携えていく主の足となり、彼らを愛する主の心となり、彼らに注がれる主の愛と憐れみの美しく輝く瞳となってくれてありがとう。アフリカはあなたがたを必要としている!

  あなたがたが進むのを主は助けてくれる。主はあなたの避けどころ、とりでとなってくれるので、暗闇に歩き回る疫病を恐れることはない。エイズやその他の恐ろしい病気を恐れることはない。ただ従順で、忠実でおり、主のチェックに耳を傾けていなさい。そうすれば御言葉にあるように、主は最後まであなたの道のりを守るために周りに天使の陣をしいてくれる。あなたがたは主に信頼することができる。そして進み続けるならば、多くの人たちにとって祝福となれるだろう!

 

ヨーロッパ

減っていくヨーロッパの宗教の自由

リリジョン・トゥデー/PRニュースワイヤー

  人権のためのヘルシンキ国際連合の1998年度報告書によれば、ヨーロッパの19カ国が宗教の自由を侵害している。宗教の自由は、ヨーロッパにおいて、共産主義時代よりも大いなる危機を迎えている。東西ヨーロッパの多数の政府が、少数派宗教団体を犠牲にして、伝統的宗教を支持しているからだと、その報告書には書かれている。アルバニアやアルメニア、オーストリア、アゼルバイジャン、ボスニア・ヘルツゴビナ、ブルガリア、グルジア、ギリシャ、カザフスタン、キリギスタン、ラトビア、また、旧ユーゴスラビア共和国のマケドニア、モルダヴィア、ノルウェー、ルーマニア、ロシア、トルクメニスタン、ウズベキスタンやユーゴスラビアで、宗教の自由が侵害されているという。

  その報告書には、多くの西ヨーロッパ諸国の名もあがっていると、アドベンティスト・プレス・サービスは報じている。1997年に成立したオーストリアの法律は、12の既成宗派以外のいかなる宗派をも正式に認めることを禁じているという。ギリシャでは、国民の97%が、ギリシャ正教会やプロテスタントやカトリック教会の会員と考えられており、その他の少数派は差別の犠牲となっていると、同報告書は伝えている。その他の欧州連合の加盟国も、伝統的宗派の地位を強化して、少数派のグループは規制する法律を準備中である。

  最近、フランスやベルギー、ドイツの議会によって、「危険なセクト」や「異常グループ」の調査という名目で、少数派宗派の活動に対する調査が実施された。これらの国々の政府はしばしば、エホバの証人やハシド派ユダヤ教、カリスマ派のローマ・カトリック教会、福音派プロテスタントや、YWCA(キリスト教女子青年会)といったグループをやり玉にあげて、危険であると大衆に警告している。おまけに、欧州議会や、欧州会議などの全欧州機関が、「セクト」に関する報告書を発行して、「セクト」を統制し、そのような「有害」あるいは「危険な」グループについての情報をばらまく、国立「助言と情報センター」の設置を呼びかけることを考慮中である。

  (イエス:)わが目に指を突っ込み、わが子らを迫害する者達よ、気をつけよ! わたしは憐れみに富み、忍耐があり、長いこと人に我慢するが、しかし、わたしのメッセージを拒むばかりか、わがメッセンジャーを邪魔し、痛めつける者達は不義の杯を早急に満たすことになる。悔い改めなければ、彼らはわたしの怒りにさらされることになる!

  ああヨーロッパよ、わたしの光がこれほどまで注がれた地よ、なのにその闇はいかに深いことか! あなたの子をわたしの翼の下に集めようとしたが、彼らは来ようとせず、物質と金、己の手の働きという偽りの神々のもとへ行ってしまった。そして、働きと自己正義とむなしい哲学という偽りの宗教に慰めを求めている。さらに多くの者が麻薬と腐敗とソドミーと犯罪と、全ての邪悪な業に走った。

  隠されているもので、あらわにならないものはない。悪は隠しおおせるものではない。わたしがあなたがたに遣わしたわが真の信者達は、あなたがたの不信心の闇の中で光をともそうとするが、その彼らをあなたがたが迫害する時、あなたがたはわたしを迫害していることになる。

  あなたがたの伝統的宗教はその名の通りになった。つまりただの因習になったのだ。しかしそれは快適だ。だから、自分の因習や型式、見せかけの敬神さについて落ち着かない気持ちにさせる者が来ると、それを拒むのだ。わが霊は常に活き活きとし、新しく新鮮で動いている! その呼びかけを聞き、来なさい。わたしはそれらのお慰みや因習的なものよりずっと勝った者である。わたしは愛であり、あなたがたを愛している! 

 

80年前の終戦をふりかえるヨーロッパ人

ワシントンポスト・サービス

  パリ-すべての戦争を終わらせる戦争のはずだった戦争が終わって80年たち、ヨーロッパ人は、しばしの間、血みどろのざんごうや、神経ガスの中で、苦しみながら悲惨な状況で亡くなった何百万人もの戦争犠牲者をしのんだ。

  英国のエリザベス女王は、フランスのジャキアス・シラク大統領とともに、パリで厳粛な式典に参加して、無名兵士の墓石に花輪をおいた。

  そのそばには、悲惨な戦争をたくましく生き残った生存者たちの、老いて深いしわが刻まれた無表情の人々も数人立っていた。しかし、その戦争は、今や、ヨーロッパの大半の児童やその両親の多くが、石碑や、十字架の並ぶ野原や、年寄りのおぼつかない昔話によってしか知らない。

  昔の犠牲に対する深い尊敬は明らかだが、その戦争のはなばなしい大義に対する偽りの感傷はない。式典を見守っていた、ある十代の少女は、その戦争についてどんなことを知っているかと尋ねられて、「愚かな戦争だったこと」と答えた。少女の言葉は、101歳になるフランス人元軍人のロベルト・ギリノーの言葉と一致している。ロベルトはこう断言した。「意味のない戦争だった。」

  1914-1918年の戦争で、英国、アイルランド、英国連邦、ベルギー、イタリア、米国、ロシア、ドイツやその他の国々の兵士たちが戦死し、この大陸から、若者たちと希望が奪われた。

 

中東:

アラブ世界での反感ムード

ロサンゼルス・タイムズ

  アラブ世界では、イスラエルとパレスチナの間で暫定合意が成功の内に決定したことの祝いはなかった。むしろ、イスラエルのネタニヤフ首相が、ほんの少しをパレスチナ人に譲渡するのに、長いことかかったことに対する反感のほうが優勢だった。

  「ワイ・プランテーション(メリーランド州)での合意のモットーは、『平和のための屈辱』であるべきだ」と、全アラブ日刊紙アル・ハイアット紙のコラムニスト、アブドル・ワハド・バドラッカーンは言った。さらに、パレスチニア人と米国人は、長く引き延ばされた交渉で、イスラエル側からの「おどし」に屈服したのだとも言った。

  シリア政府発行の新聞アル・タワラは、同様の見解を表明し、その合意を、残されたパレスチナ人の権利の「消滅と完全な降伏」であると呼んでいる。

  アラブ人が反感を抱いているのは、今回ネタニヤフが合意した点、つまり、ガザ地区の空港の開港、パレスチニア人がガザ地区とヨルダン川西岸地区を行き来する経路を供給する、パレスチニア人の囚人を釈放する、西岸地域の13%からイスラエル軍を追加撤退させる、といったことは、すでに以前の合意で約束されていたと考えていることと大いに関係がある。

  ネタニヤフが不承不承に何ヶ月もの交渉を続け、ついに9日間のサミットで85時間にも渡って米国大統領自身と論争をしてやっとそれだけなら、アラブ人は、パレスチナ人の最大の要求である、西岸地区とガザ地区のほとんどを含み、エルサレムを首都とするパレスチナ国家の実現に対して、ネタニヤフが誠意をもって交渉にあたる気はないのではと考えているのだ。

  「ワイ会談は、欺まんに基づき、苦々しい失望をもたらす運命にあった醜い現実を美しく見せかけるための、無味乾燥で表面的な試みにすぎない」と、アル・ハイアット紙のラゲダ・デルハムは書いている。

  ネタニヤフが暫(ざん)定合意事項に署名したものの、これから何ヶ月も、イスラエルに約束の内容を実行させるための苦労が続くだろうと、多くの評論家は信じている。

  イランの聖職者がひきいる政権は、イスラエル国家を認めておらず、パレスチナ人の権利が歴史上のパレスチナ領土全域に渡って回復するよう主張している。つまり、ガザ地区や西岸地区だけでなく、イスラエル本土においてもである。同国の強硬派の新聞「カイハン」は、合意が単に、「ユダヤ政権の抑圧を促進させる」にすぎないと書いた。

(ダッド:)エルサレム問題を解決し、少なくとも一時的にだが中東に平和をもたらすには、奇跡が必要であること、そしてアンチ・キリストのような奇跡を行える人が必要であることが分かるだろう! 真の平和の君、イエスが来られるまで、その地に真の平和はあり得ない。その時イエスは善意の人たちに平和をもたらし、悪意の者たちを処理される。

  それまでは、悲しいことだが、中東ではまだ混迷が続くだろう。主も悲しまれている。それは、主が引き起こされるのではなく、常に戦争を引き起こすものと同じもの、つまり、人の利己的さや非人道的行為、どん欲な欲望とプライドによって引き起こされるからだ。人はよくそういった事で、主を非難する。実際は、悪事を行う者達を非難し、何よりも悪魔を非難すべきなのだが。

  イエスの下に来て、ただ主に離れずにいてもらうだけでなく、主にしっかりとつながっている者は、そのようなことから自由になり、地を受け継ぐ柔和な者となる。平和を造り出す者となり、神の子と呼ばれるだろう。

 

北米

今からでもバックして、正しい道を探せる

チャーリー・リース、オンタリオ・センティネル紙

  一国のムードを判断するには、世論調査や、ダウ(ジョーンズ)工業株30種平均よりも、軽食コーナー・テストを参考にしたほうがいい。ショッピングセンターなどに行って、そこの軽食コーナーでコーヒーでも注文して、まわりの客たちの表情を観察するのだ。

  どの顔も、不安や怒りや疲れや心配、悲しみでくもっているなら、専門家が何と言おうと、統計指数がどんなであろうと、何もかもが素晴らしいわけではないとわかる。米国人が、華やかなスーパーマーケットで食べているのに幸せでないのなら、何かが深刻に間違っている。ここ数回、軽食コーナーをチェックしてみたが、人々は明らかに苦悩していた。

  昨今では、米国人は精神的危機に直面しているとよく言われるが、これも真実だ。宗教的信仰の代わりに提供されてきた20世紀の四つの概念とは、物質主義、懐疑主義、意志の礼賛と主観主義である。そして、どれも崩壊した。

  モノ追求の物質主義は、結局、空虚さを残しただけだった。人がモノを手に入れ、それをしまっておき、動かし、維持し、保険をかけた後で、ついに最後のモノを手に入れる。それは、墓地と墓石で、それ以外のモノは何の役にも立たなくなる。私は、昔受けたラテン語の授業はあまり覚えていないが、ローマ人がモノについて言った言葉は覚えている。「人は持ち物の奴隷となる」だ。

  米国人は、成長は永久に続くという伝説にもとづく産業モデルを受け入れてしまった。当然ながら、そこから、使い捨てというアイデアが生まれた。買って、しばらく使うと、捨てて、また買うことになる安物の家具や製品などだ。それがクスリ文化へとつながった。米国人が薬を消費するのも無理はない。米国では、医療という概念そのものが、もともと製薬産業によって作り出されたからだ。

  米国人は、薬品の宣伝づけになっている。頭痛がする? 頭痛薬を飲んだらいい。筋肉痛? 薬を飲んだらいい。何でもいいから、薬を飲めばいいのだ。できれば、製薬会社が12倍の値段をつけて売りつけているものがいいだろう。前に誰かが書いていた通り、医者は、薬を投与するか、切除するかできないなら、何をしていいのかわからず、途方に暮れるのだ。

  我々米国人には、古代の王たちが夢にも思わなかったほどの富にめぐまれていながら、ますます神経質で、気むずかしく、イライラし、みじめになっていくようだ。

  自分が間違った道を行っているのに気づいたなら、そのまま進んでいくのは進歩とは言わない、と言ったC・S・ルイスに、私は賛成だ。自分の行きたい道に通じる正しい道を見つけるまでは、進歩から遠ざかるだけだ。

  我々が、自給自足の農場や小さな町を中心にして築かれたライフスタイルを捨てて、巨大産業や金融資本主義に続く道を選んだのは、間違いだった。そして、またしても間違った道を選んだ。信仰に根ざした生活を捨てて、科学が支配する偽りのユートピアに走ったのだ。

  今は、時計の針を逆戻りさせて、道を引き返す時だと、私は思う。今の道をたどり続けるなら、自分たちの作り出した物の地獄にはまってしまうだろう。丘の上の輝く町ではなく、独裁主義者とそのチンピラ部隊が支配する悪夢のようなゴサム・シティー(注:バットマンが住んでいた市)になってしまうだろう。

  良い社会は、モノや名声よりも人々を尊重し、ぜいたくよりも美しさを、富よりも道徳を尊重する。

  (ダッド:)アーメン! 主はかなり昔に言っておられた。「たといたくさん持っていても、人の命は、持ち物にはよらないのである。」いのちとは、飲み食い以上のもの、流行のスタイル以上のもの、豪華な家や車以上のものである! 主は強欲になるなと言われた。それは他人ばかりか自分に害を及ぼすからだ! 人を不幸にし、不満にさせ、不機嫌にさせ、いらつかせる。この男性が言ったように。

  モノのために生きること、モノ追求の物質主義と彼は言ったが、それは心にある虚しさを満たすことはできない。心の虚しさを満たすことができるのは、神と神の愛だけだ。

  不幸にもこの世はビッグブラザーとそのぐれん隊に向かっている。しかしその後イエスが戻ってこられ、世界を再び正しくしなおしてくれる時、人類は再び質素で幸福な生き方に戻る。至福千年の地上の天国では、小さな村々や共同体に戻る。そうなるのもそれほど先の話ではない。期待に胸膨らむ素晴らしい未来だ!

 

無神論者、失踪事件

ジョン・エルヴィン

[訳注:マダリン・マレー・オヘアは、米国の無宗教運動家。公立学校での聖書講読と祈祷を禁止する訴訟を起こして連邦最高裁判所で勝訴するなど、一切の公共機関から宗教色を排除する運動の中心として活動した。]  

  数人の読者が、失踪した無神論者マダリン・マレー・オヘアの身に起こったことについて、推測を書いてきた。彼女が息子と養女とともに何ヶ月も前から行方不明になっており、彼女の無神論団体の何十万ドルもの資産も消えていることを、私も前に書いた。

  そして、彼女はもう「消された」というのが、ほぼ全員の意見である。この件に関する私自身の調査結果を知りたい人たちのための言うが、私も、犯罪が行われたのではと考える一人である。

  それには二つ理由がある。まず、オヘアの団体と親しい人たちから聞いた話では、彼女の取り巻きたちは仮釈放中の連中で、彼らの過去を知っている彼女は、彼らのことをコントロールできた。

  彼女はかなり意地が悪く、相当憎まれていたそうだ。そういう物騒な連中に対してオヘアは、自分の言う通りにしないなら、警察にたれこんで、刑務所に逆戻りさせると脅して楽しんでいたという。

  どうも、そのおっかない連中の一人がオヘアの脅しにうんざりきて、奴らのやりそうなやり方で片を付けたという可能性が十分ある。テキサスの田舎は広いから、墓標のない墓に、何個か棺おけを突っ込む余地があるのは確かだ。

  ある私立探偵と連絡を取ったが、計画的に姿をくらました形跡はいっさいなかったそうだ。失踪前のオヘアとその息子や娘の行動には、彼らが巧妙に自分たちの行方を隠そうとしていたことをうかがわせる気配はいっさいない。むしろ人前では、いつも騒々しく、粗野で、がさつだった。だから、突然、連れ去られて、秘密の銀行口座の場所や暗証番号を聞き出された後で、殺された可能性がある。

  これは一流の第一級のミステリーではないが、自分には魂などないと信じていたこの女性に何が起こったのか、不思議に思わずにはいられない。

  (ダッド:)彼女に何があったか教えてあげよう。「悪しき者の道は滅びる」、それまでのことだ。

 

ラテンアメリカ

嵐で流れ去った、

中央アメリカの将来への希望

ロサンゼルス・タイムズ

  シウダド・サンディノ、ニカラグア-マリア・コリナ・アルトラは金持ちになったことは一度もないし、経済的に余裕ができたこともなかった。だが、今、貧乏のどん底にいる。何年もかかって彼女は、少しずつながらも、露天商として生活のメドもついてきたところだった。ふたのない下水溝の横にあるほったて小屋で四人の子供を養うに十分なだけ稼いでいた。しかし、それも、ハリケーン・ミッチが何もかも洗い流してしまったのだった。

  マナグア市役所から支給された数本の材木とプラスチックのシートを目の前にして、ぼう然と立ちつくすアルトラは、どうやったら家族が寝られるテント小屋が作れるか考えていた。「子供を助け出すのがやっとだった。だって、私の一番大切なものだから」と言う。

  アルトラの悲劇は、ハリケーン・ミッチによってホームレスになった何百万もの人々の苦境を物語っている。また、彼らが住む中米全体の窮状を代表している。「我々は50年もかかって築き上げてきたものをたったの二週間で失ってしまった」と、サンサルバドルの中米大学経済学部長のジャヴィエル・イビサテは言う。

  ニカラグアでは、日本からの2千万ドルの援助を受けて建築した新しい七つの橋が、この三年間に次々に開通した。七つとも残ったが、同国には、ハリケーン・ミッチで破壊されたか、破損されたために、架け替え工事を要する橋が80もある。

  ホンジュラス政府は、今回のハリケーンが開発努力を30年も後退させてしまったと考えている。エルサルバドルやグアテマラ、ベリーズは、ホンジュラスやニカラグアに比べれば、死者も少なく、損害も小さかった。パナマとコスタリカは、大部分が被害を免れた。

  カリブ海沿岸諸国を襲ったハリケーンとして、史上四番目に大きいハリケーン・ミッチは、1780年で2万人の犠牲者を出したグレートストーム以来、最も破壊的なハリケーンとして、記録に残るだろう。国連の救援係は、ミッチを、ラテンアメリカで今世紀最大の自然災害と呼んだ。

  大雨と洪水も、1980年代の内乱の荒廃からついに復興し始めたという希望をも、粉々に砕かんばかりだ。「エルサルバドルのことわざのように、すでに濡れていた所に、雨が降ったのだ」とイビサテは言う。「戦争であらゆるものが破壊された。だから、橋や道路を復旧し始めたばかりだったのに。」

  戦争が国境を越えて広がっていた時代を思い出させるかのごとく、ホンジュラスとニカラグアの国境地帯で、洪水によって地雷が浮上しており、それも新たな危険材料となっている。

  (ダッド:)このハリケーンの生存者たちのために祈りなさい。あらゆる物を失っても慰めを見いだし、悲劇にあって主に近づき、そして、主が教えようとされている事を全て学ぶ事ができるように。主の心は地上に残された者達、まだその時が来ていなかった者達のために砕かれている。彼らの友人、家族、親戚の多くは天のふるさとに戻っている。彼らは離ればなれになり、時に病気になり、しばしば苦しむ。

  イエスを知る者にとって死はのろいではない。救われていた者達は天国で幸せにやっている。後に残された者達の方がつらい。しかし、主はこのような悲劇的な出来事を使って、彼らの人生に働きかけられる。救われていない人たちがいれば彼らも救われ、後で天国で皆一緒になれる。

  神が愛であることを決して忘れてはいけない。ある意味では神の裁きは愛情深く憐れみがある。たとえあなたがたには今そのように見えなくても。

  主はこの災害を使って、豊かな他の国々がどれだけ貧しく困った人たちを喜んで助けるか、その心を見、その財力の使い方をテストしておられる。このような状況に面した時にどの様な行動を取り、振る舞うかで、主はその国と民と両方を裁かれる。その結果は、天の記録に記される。それは自伝であり、われわれは毎日それを自分たちで書いているのである。

 

ピノチェトが裁判にかけられるなら、米国も同じ運命に

ウイリアム・ファフ、

インターナショナル・ヘラルド・トリビューン

  パリ-ロンドンの法官議員たちがアウグスト・ピノチェト元チリ大統領の不逮捕特権なしと判断したので、人権侵害の犯罪容疑で裁判にかけられる可能性がでてきた。そうなれば、米国も、この元独裁者と共に裁かれることになろう。

  米国政府のチリへの特別な関心は、ジョン・ケネディー政権下の1960年代に始まった。チリは、米国支援の民主主義の模範国となったのだ。これは、ソビエト支援のキューバに起こったことと対比させるためだった。巨額の金が、ほとんどが秘密裏(り)に注ぎ込まれた。米国が後押しするキリスト教民主主義は、1958年と1964年に、サルバドール・アジェンデ率いる社会党を敗北させた。

  しかし、1969年に、アジェンデは大統領候補として復帰した。アジェンデの選挙キャンペーンが順調に進んでいたため、米国政府は警戒し、ヘンリー・キッシンジャーはこう発言した。「国民の無責任によって、国が共産主義になるのをただ傍観している必要などないと思う。」

  リチャード・ニクソン大統領は、チリを「救う」よう命じた。当時のリチャード・ヘルムズCIA長官のメモにはこう記してある。「危険は承知の上で…1千万ドル用意できる、必要なら増額も…経済をしめつける…」

  結局、その努力も無駄だった。アジェンデは1970年に大統領に選出され、チリ議会から承認された。

  CIAは、軍事クーデターの可能性を探ったが、チリ軍隊はのってこないようだった。最高司令官のシュナイダー将軍は民主主義者で、憲法の憲法擁護者だった。だから邪魔だったのだ。そこで、CIAは右翼の将校たちに、将軍を誘拐するなら、たっぷりと報酬を与えるとそそのかした。抵抗したシュナイダー将軍は殺されてしまった。それはCIAの計画とは違ったが。

  ウイリアム・バンディーは、ニクソンとキッシンジャー・コンビ時代の外交政策についての新著、「A Tangled Web」で、こう書いた。「法的に考えれば、米国がこの誘拐事件で裁判をしていたなら、米国の機関(大統領の権威にもとづいて行動している)は少なくとも事前の従犯者であり、また誘拐の、さらにはその結果起こった殺害の共謀者であるという結論を出していたことだろう。」

  シュナイダー将軍の死によって、大きな邪魔者もいなくなり、三年後にピノチェト将軍がクーデターに成功した。それを待つ間、米国政府は、アジェンデ政権を妨害し、経済制裁をして、チリ経済を混乱させるプログラムに8百万ドル以上も費やした。

  権力を握ったピノチェト将軍は、外国人の拷問と殺害も含めた政治的弾圧や、地域的弾圧の組織化を命じた。そのためにスペインやスイス、フランスその他のヨーロッパ諸国は、人権侵害がからむ犯罪には、国際司法権が行使されるという新しい原則にのっとって、ピノチェトを裁判にかけることを望んでいる。

  ピノチェト将軍がそのような罪状で有罪となれば、米国の罪は何だろうか?

 

ロシア

これはワイマールのロシア?

USニュース&ワールドレポート

  モスクワ-大統領は年を取っていて、疲れていて、もうろくもしているのかもしれない。ハイパー・インフレが、通貨を悪化をさせている。かつての大国は、敗北感をかみしめており、その弱々しい民主主義も、まもなく愛国主義と社会主義の混合によって、たたきつぶされるかもしれない。ロシアは1990年代にあるのだろうか? それとも、ヒトラーが政権を握る直前のドイツと同じなのだろうか?

  そのどちらとも言えるかもしれない。1991年のソ連の崩壊以来、幾人もの歴史家が、現在のロシアとワイマール共和国時代(1918-1933)のドイツとの恐ろしいほどの類似性を指摘している。しかし、ロシア経済がぐらつき、エリツィン大統領が、その大統領としての日々の職務をプリマコフ首相にゆだねている今ほど、大いに類似していたことはなかった。

  第一次世界大戦が終結して、ドイツはベルサイユ条約の制裁事項を受け入れ、領土を手放し、軍需産業を抑制しなくてはならなかった。「ドイツは、戦争に負けて、威厳を失い、まるで最悪な状況下で民主主義国となろうとした」と、ロシアのORTテレビネットワークの歴史と歴史評論家のアレクサンダー・コノヴァロフは言う。同様に、コノヴァロフも、現在のロシアは、冷戦の暗黙の敗北によってよろめき状態で、「国内総生産の半分を占めていた広大な領土を失い、また、男性の平均寿命も10年縮んでしまった」と主張する。

  エリツィンに似た1930年代の人物は、ドイツ憲法を保証する人物と考えられていた元将軍のヒンデンブルグ大統領だった。しかし、消耗し、混乱していたヒンデンブルグは大統領として第二期目を務めていた1933年に、アドルフ・ヒトラーに権力の扉を開いたのだった。

  1930年代初めのベルリン市民と同様、モスクワ市民もあからさまに大統領の精神能力をあざけっている。最近、エリツィンは、日本とドイツをうっかり核所有国とみなしたとか、公の席で閣僚の顔を思い出せなかったとか、記者会見での発言が支離滅裂だったとか…。

  コノヴァロフは、民主主義に伴う混乱や腐敗によって、大勢のロシア人が、過去の独裁主義を切望するようになったと信じている。「おそらく、安定や法律や秩序への願いが、自由への願いにまさっているのだろう。」 そして、抗議活動をする人々は、まるで50年前のドイツで言われていたのと同じような説得手段を使い、ロシアの問題は、ずるがしこいユダヤ人や執念深い西欧人の陰謀だと主張している。

 

宣教師がスパイ扱いされる

  (RFE/RL ニュースライン) 10月22日付けの「セゴドニャ」紙は、クラスノヤルスクで軍用地への不法侵入をして逮捕された二人のモルモン教宣教師は、[外国]「情報機関のために働いている」可能性があると報じた。同紙は、「外国人が頻繁にロシア軍用地に出入りし」、「たいてい、宣教師を装っている」というロシア連邦保安局の情報筋の発言も載せている。NTVは、前日、基地の塀をよじ登っていた男性たちの姿を放映した。末日聖徒キリスト教会のスポークスマンは、その宣教師たちは基地に忍び込んでいたのではなく、彼らの信仰に興味を持つ誰かに招かれたのだと語った。

 

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時のしるし

◆戦争と戦争のうわさ

 

1999年の核戦争のシナリオ?

エリック・マルゴリス

  1999年6月14日、カシミール独立戦線が、インド軍隊の猛追を受けて、インドとパキスタン両国の間で紛争中の山中のパキスタン側領土に入り込んだ。パキスタン軍は、このイスラム教過激派たちを援護するために射撃を始め、インド軍は山の国境沿いに応戦した。インド軍の司令官は執拗(しつよう)に追跡する権利を行使し、パキスタン領内に部隊を送ってカシミールのムジャヒディン(義勇兵)を追跡させた。しかし、インド兵たちは、パキスタン軍から激しい銃撃を浴びる。救出のために、インドの部隊長が一師団に進撃を命じたが、これも激しい攻撃にあって、多数の犠牲者が出た。

  両軍は、アラビア海からチベットにまで1,600キロにものぼるインド-パキスタン国境に沿って激しい戦闘を繰り広げた。どちらも予備軍を動員し、互いの前方空軍基地や補給基地に空爆やミサイル攻撃を行った。

  パキスタンの防空レーダーが、大量のインドのミサイルがパキスタンの核施設や、主要な空軍基地やミサイル基地に向けて発射されたことを探知したので、パキスタンの首相は、2分以内に核搭載戦闘機やミサイルを発射させるか、それとも破壊されてしまうか判断しなくてはいけなかった。

  プレッシャーで失神せんばかりの首相は、発射を命じた。だが、報告は誤りであることが判明。だが手遅れだった。反撃にインドも核ミサイルを発射した。インドの北部のほとんどの都市とパキスタンのほぼ全部の都市が灰になり、2百万人が即死し、1億人がそれから数ヶ月以内に死亡した。

  架空のドラマ。そうだ、今までのところは。昔からの宿敵インドとパキスタンの国境が、世界で最も危険な場所であるのは変わらない。そして、南北朝鮮間の非武装地帯も、核戦争の一触即発状態になりそうな地帯である。

  (ダッド:)今は、民は民に、国は国に敵対する時代だ! 昔にも戦争はあったが、現代の戦争とは比べものにならない。無関係な人が何百万も巻き込まれるのだ! 現代人は自分たちがかなり文明化されたと思っているが、ただ相手が他国人だとか他民族、他宗教だというだけで、無防備な男女や子供を焼き払うのにやぶさかではない。それは蛮行以外の何ものでもない! これまでの間ずっと、人々の心は冷たくなってきた。その期間が縮められるのでなければ、つまりイエスの帰還によって終幕までの期間が短くなるのでなければ、誰も生き延びることはできない! 歴史にハッピーエンドがある事を神に感謝しよう! 神の子供たちが福音を宣べ伝える間は神の保護がある。だから悪事を行う者達を恐れてはならない。千人があなたのかたわらに倒れ、万人があなたの右に倒れても、災いがあなたに近づくことはない。あなたがたの仕事が終わるまで、主はあなたがたを安全に守られ、その後、主はあなたがたを天のふるさとに召されるのだ!

 

核のシナリオに警戒するシンクタンク

ボストン・グローブ

  2001年の冬。クリントン大統領の次の大統領は、犯罪者たちが、高濃縮ウランとプルトニウムをロシアの核兵器施設から盗み出したことを知っている。そして、次のニュースが発表された。「テロリストたちが、米国への攻撃を計画している。」

  新大統領と顧問たちは、国民にどれだけ公表するかや、空港や港を閉鎖すべきかどうかの決断を迫られた。だが、彼らも最悪の情報はまだ入手していない。核爆発装置を積んだ貨物船が大西洋を航行中で、イスラム過激派が、バルチモア湾で核爆発を起こさせようとしているのだ。

  ワシントンの防衛大学で二日間に渡り、米国のベテラン諜(ちょう)報専門家たちが、この「流出核」シナリオを演じた。彼らの発行した報告書によれば、彼らが学んだ教訓は、背筋が凍るようなものだったという。

  その演習は、米国の諜報専門家や科学者がどう協調していくか、国際法はどう維持されるか、国境を監視する米国の機関は違法な核物質を探知できるかどうかをテストするのが目的だった。

  結果は? 聞かないほうがいいかもしれない。「米国に対する核攻撃という、人類史上、最大の破壊的出来事となりうる事態に備えができていない」と、アルノー・ドボルクグレーブは言う。彼は、今回のプロジェクトを指揮した異色の記者であり、作家であり、編集者であり、学者でもある。

  大統領役を演じたのは、ジェームズ・R・シュレジンジャーである。シュレジンジャーは、国防長官やエネルギー庁長官、そしてCIA高官も務めた人物だ。これが、意味のない室内ゲームと思われる人がいる場合のために、彼は、1971年に原子力委員会の委員長だった頃、核実験を中止しないなら、原爆を爆発させるという脅迫を受けたことを明らかにした。「当時は、そんな脅しははったりだと、簡単にやり過ごせた」とシュレジンジャーは報告書に書いている。しかし、ソ連の崩壊や、国際犯罪ネットワークの出現、テクノロジーの普及によって、米国に核物質を運び込むのが、非常に簡単なことになってしまったと、彼は書いている。

 

飢きんと干ばつと環境

 

今後の見通しは、「何千万人もの不幸」

ガーディアン

  地球のかなりの地域が、これからの50年間、天候異変によって貧困に突入し、何百千人もが、飢えや水不足や洪水などで大被害を受けるであろうことが、最近の調査で明らかになった。

  その驚くべき発見は、英国バークシャー州のハドレー・センターに設置された世界最大のスーパーコンピューターが、何十億もの計算からはじき出したものだ。この最新のデータによれば、地球は急速に温暖化しており、1998年は、確実な記録が取られ始めて以来140年間で最も暑い年だった。

  その調査結果をあげてみよう。

  *来世紀の終わりまでに、地球の気温は6度上昇する。

  *海岸部では、現在、浸水の被害にあう人々の数は5百万人だが、2050年までには1億人、2080年までには2億人になる。海水は2050年までに、21センチ上昇する。地中海南部の地域やエジプト、東西アフリカ、南アジアと東南アジアが最も被害を受けやすい。カリブ海やインド洋、太平洋の島々では、海抜が1メートルにも満たない所もあり、暴風雨で水没する危険性もある。

  *アフリカの広域で、干ばつで作物が育たず、50年間でさらに3百万人が飢えることになる。

  *極端な水不足に悩む国々の人々は、さらに1,700万人増加する。

  *世界で最も恐ろしい疫病の一つであるマラリアが、2050年までに、ヨーロッパも含めて、さらに多くの国々をおびやかすことになる。温暖化によって、すでに流行している地域では、マラリアの発生件数が急増している。医師たちにとっての難問は、世界の60%では現在マラリアのことが知られておらず、人々は、その病気に対する免疫が皆無かほとんどない状態であり、流行すれば、大人と子供に高い死亡率が出る可能性があることだ。

  (ダッド:)天気の予報屋がたった今、ある特定の日に雨が降るかどうかはっきりと言えないと言うのに、50年先にどうなるか予報するというのか? ハ! 終わりの時には飢饉や疫病、あるいは世界大の流行病がある事は確かだ。聖書にそう書いてある。イエスは、数ある預言の中で、この事も預言されていた。それは2千年も前のことだ。未来の予言としてはどうだね、かなりな天気予報ではないか!

  終わりの時の神の天気図をもっと見たいと言うなら、黙示録を読んだらいい。ひょうやら火やらが降り、木や草が焼かれ、海や河川が荒廃し、他にも、神を拒み、神の子供を迫害した邪悪な者達に下される神の裁きが色々書いてある。それに、天に神がおられることを信じない不信者たちを揺り起こすようなしるしや不思議な業についてもだ!

 

疫病

 

黒死病(ペスト)を運ぶネズミが

ロンドンに再発生

サンディー・タイムズ

  14世紀に、ヨーロッパで2千5百万人が犠牲になった黒死病をばらまいたクマネズミが、英国で再発生しつつある。東ロンドンのテムズ川沿いで、クマネズミの集団が六つ発見されている。英国ではほぼ絶滅したと考えられていたクマネズミがロンドンの中心街に向かって広がっているのでは、という不安がささやかれている。クマネズミは尾も含めて40センチ近くになることがあり、生後5週間で繁殖可能になり、1年に2千匹以上の子供を産むことができる。

  今までのところ、新たに発見された巣には、腺ペスト、つまり黒死病の原因となるノミはいなかった。しかし、その病気は完全に消滅したわけではない。1980年と1994年の間に、世界中で1万8千件以上の感染例と1,852件の死亡例が確認されている。昨年、パリで抗生物質の効かない腺ペストが報告されている。

 

世界のガン患者が2千万人に上昇の見込み

エレクトロニック・テレグラフ

  ガンは、20年以内に、国際的病気になるだろうと、世界保健機関が予測している。2020年までに、ガンの患者数は、現在の1千万から2千万人にはねあがり、英国では、現在三人に一人がガンにかかっているが、その頃には二人に一人がガンにかかると予想されている。

 

ロシア:結核の流行が手に負えなくなる危険性

ナンド・タイムズ

  ロイター通信は、「ロシアで発生した薬物耐性結核が、世界中の国々でもごくありふれた存在となるのは、時間の問題である」という、医療緊急救済インターナショナル(MERLIN)のニコラス・バナトヴァラ医師の言葉を掲載している。「多剤耐性結核は、致死的な空気感染であって、『羽のついたエボラ』と呼ばれている。」 この慈善医療団体は、ロシアの薬物耐性結核の現在のレベルは恐ろしいほどで、経済危機もその悪化にさらに輪をかけている。「我々は、国際社会にロシアの結核抑制のために、1億ドル支援するように呼びかけている。ロシアの薬物耐性結核について取り組みがなされない場合に起こりうる世界中での犠牲者の発生や経済的損害に比べれば、その額は小さい」と、バナトヴァラ医師は言っている。

 

クローン技術と遺伝子操作

 

人体部分の再生技術の可能性を

会社が発表

ニューヨークタイムズ・ニュースサービス

  倫理と医学の未踏(とう)の領域に深く入り込んだある小さな生物工学会社の発表によると、同社の科学者たちは、人間の細胞を、牛の細胞を融合させて雑種細胞をつくることで、他のあらゆる細胞を形成する為の「胚」の状態に戻すことに成功したという。

  マサチューセッツ州のアドバンスト・セル・テクノロジー・オブ・ワーセスター社は、この技術は、ゆくゆくは、移植のための臓器不足や免疫拒否反応の増加に影響されることなく、患者自身の細胞からどの種類の体細胞でも成長させるために使えるという。

  しかし、この技術は人間と牛の細胞から胚細胞を造る、つまり、核を取り除いた牛の卵細胞に人間の核を入れることになるので、倫理専門家たちの懸念と当惑を引き起こす可能性は大である。同社によれば、この雑種細胞は人間の「核」が支配するようになり、牛タンパクをヒトタンパクと置き換えるため、すばやくヒトの細胞らしくなったという。

  この技術は、倫理的にどの段階にあるのか決定されていない胚を造りだしており、ヒトとその他の種を区別する境界線を越えている。たとえその融合物が、臓器の形ではなく、細胞の形をしていても、人間の雑種という概念は、深い懸念を呼び起こしている。それは、伝説や民話の狼男、ケンタウルス、人魚やミノタウルスの邪悪な力を見ても明白であるからだ。。

  「大勢の人間がこの筋書きにぞっとするだろう」と、クリーブランド州のケース・ウエスタン・リザーブ大学の生物医学倫理学センターの所長であり、国家生物倫理諮問委員会のメンバーでもあるトーマス・マーレーは言う。「そういうニュースには、たいへん不安を覚える。誰もが、道徳的懸念をはっきり発言できるだけの十分な機会がほしい。」

  (ダッド:)身の毛がよだつとはこのことだ! 彼らは怪物づくりが得意なのだ。悪魔の得意分野だ! 悪魔の国には汚らわしい獣がいっぱいいる。毛むくじゃらのルシファー自身も含めて! 言うまでもなく、彼には光の天使を装う能力もある。そして哀れで単純な科学者をだまくらかして、自分たちが何か偉大な足跡を残していると思わせているのだ。しかし彼らはいのちを滅ぼし、世界を滅ぼす悪魔の計画に一役買っているにすぎない。

  毎年、望まれない赤ちゃんを何百万も堕胎すると同時に、寿命を延ばすために体の一部を造る新しい方法の開発に躍起になるとは、いかにも皮肉な話だ! 主はその赤ん坊を望まれている。主が両親にしようと望んだ人たちが、その赤ん坊を欲しがらないだけだ。主が言われたように、彼らの着物のすそには、罪のない人の血が付いている。全ての人にそれははっきりとわかる。だのに、彼らはそれでも赤ん坊を堕胎したがるばかりか、自分の生死に対する力を欲しがっている。神のようになりたがっているのだ。それほども多くの人がアンチキリストと彼の刻印を受け入れ、喜んで彼にひざまずき、拝むのも不思議ではない!

 

奇妙な果実

ニュー・サイエンティスト

  遺伝子操作は素晴らしいと言えるかもしれない。または、そうでないかもしれない。警告的なセロリの話を考えてみよう。1980年代半ばに、米国のセロリ栽培農家は、優秀と考えた新種を栽培し始めた。害虫に強く、収穫量の大幅な増加が約束されていた。しかし、小さな問題が一つあった。このセロリに触った人々の皮膚にひどい湿疹ができたのだ。皮膚科専門医は、そのセロリは、ソラレンという、日光にさらされると刺激物や突然変異誘発物質となる天然化学物質を発していることを発見した。

  または、悪名高いアメリカン・レナーペのことを例に取ろう。1960年代に米国とカナダで売り出されたこの頑丈な新種のジャガイモは、とても良さそうだった。だが、苦い事実が明らかになったのだ。生化学者は、このジャガイモの塊茎(かいけい)の奇妙な焦げたようなにおいの原因を解明した。それは、グリコールカロイドと呼ばれる危険度の高い有害物質だったのだ。

  「遺伝子組み換え作物について予測されていた悪夢が、すでに起こっている」と、クライストチャーチ近くのニュージーランド作物及び食物調査研究所のトニー・コナーは言う。ただ当時は、遺伝子操作ではなく、従来の改良法による実だったので、ただ「大勢の人が気づいていないか、関心がなかった」だけだ。

 

地震

 

メキシコの地震:次を待つばかり

  メキシコシティー(ロイター)-アルトゥーロ・ガルシア・ロホンは、13年前に世界がガラガラと自分のまわりに崩れ落ちてきた日のことをはっきりと覚えている。

  1985年9月19日の午前7時20分、メキシコシティーに大地震が発生し、10階建てのアパートがトランプでできた家のように、ガルシアの二階建ての家に崩れ落ちたのだ。ひげそりの最中だったガルシアは妻と共に、何トンものがれきとコンクリート片とほこりの下に埋まった。しかし、幸運にもガルシア夫婦は生き延びた。しかし、少なくとも7千人の市民は死亡した。

  この世界最大の首都の一つであるメキシコシティーに、1985年と同規模の大地震が発生するのは確実と予測されていながら、ガルシアは他の1800万人の市民と共に今も住んでいる。ミチョアカン州沖の太平洋の海底にあるココス地核構造プレートは、北米大陸構造プレートの下に押されて、かなりのエネルギーを発生するので、時折、かなりな被害をもたらしうる突然の変動をしている。

 

地震多発国の日本も大地震の不安

  (ロイター)日本の気象庁の概算によれば、毎年、世界中の地震によって発生するエネルギーの10%近くが、日本列島とその周辺に集中している。東京、また最近では神戸のような大都市が、今世紀に大地震によって崩壊し、何千人また何万人もの死者を出した。

  日本は、文字通り断層帯が縦横に走り、地表には地震活動による裂け目がある。フォッサ・マグナ断層帯は、日本のほとんどを北から南へと縦断し、別の断層帯は、本州と九州を東西に横断している。日本全国に地震の可能性があるものの、最も人口の集中する東京を壊滅させるような地震発生の可能性が、最も不安を巻き起こしている。

 

ビッグブラザー:

 

さらに行き届くビッグブラザーの

監視の目

エレクトリック・テレグラフ

  ロンドン-これから5年間、英国内務省は、世界最大の道路及び車両監視システムの構築を監督することになろう。完成すれば、英国のほとんど全部の乗り物を識別し、またその動きを追跡できるようになる。

  全国の高速道路や幹線道路、主要な交差点やトンネル、さらには港や空港に、ナンバープレート認識カメラが何千台も設置されるようになる。カメラは、新たに拡張されたヘンドンの警察全国コンピューターに、マイクロ波リンクと電話システムを通じて、リアルタイムで情報を伝えるようになる。

  このシステムのもともとの目的は盗難車の発見だったが、自動車税を払っていないか、保険に入っていない車の発見にも同様に役立つ。当局が「興味を抱いている」ドライバーや車の所有者の動きを追跡することさえできるのだ。

  ここ10年の間に、監視カメラに対する大衆の見方が大きく変わってきた。カメラがバスや列車やエレベーター、さらには公衆電話ボックスにさえ設置されることが、きわめて日常的になってきた。自宅の玄関を出た瞬間から、常に自分の姿が撮影されていると考えている人も少なくない。

  建築者や都市計画者は、すでに新しい町や建物の中心設計に、ビデオ監視を取り入れている。近代の都市の中心部は、監視カメラがしっかり撮影できるよう、まっすぐな道になっている。将来の建物には、人間の必要に知的に応えるだけのものではなく、人々の顔を見分け、体の動きを理解し、表情に反応するカメラも存在するようになるだろう。

 

EU(欧州連合)が警察監視を拡張

ガーディアン

  英国は、欧州連合の他の加盟国に、欧州連合圏内に入ってくる「法と秩序に脅威となりそうな大きなグループ」すべてについての情報を集め、交換する、史上最大の警察監視行動に参加するよう呼びかけた。監視対象の個人やグループは、警察や入国管理局や国境係官が照会できるヨーロッパ全体のコンピューター・データベース、「シェンゲン情報システム」にリストアップされる。

  この新しい監視計画は、新しい治安維持概念にもとづいており、英国政府から欧州連合本部への「一般秩序:抵触防止」の書類の中でその定義が書かれている。「抵触とは、一般大衆の正常に対する概念に相反するいかなる行為をもさす…それは、現状に対して悪影響を与える可能性がある。」 

 

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ショートニュース

  SFよりも奇妙(エレクトリック・テレグラフ)

 SF小説に出てくる反重力の推進力は存在するかもしれないと、科学者たちは語っている。宇宙の膨張が加速しているという新しい証拠から、天文学者たちは、自分たちが見たものを説明するために「反重力」を引き合いに出すことを余儀なくされるかもしれない。シカゴでの会議で学者たちは、遠いかなたの星の爆発は、宇宙を外側に引っ張っている別の新しい力が存在することを示していると発表した。

  宇宙は、その始まり以来、外側に向かい、風船のように膨張を続けている。最近まで、重力がその膨張に歯止めをかけると考えられていた。もし反重力が存在するなら、新しい基礎的構成要素が宇宙に存在することになり、現在の理論にとって大きな痛手となる。

  (ダッド:)驚いたかい! 宇宙には未知の基礎的な力が存在する。それが何で、誰がその背後にいるか分かるかな? 神だ! 諸君、君たちの理論に問題を投じてしまってすまないな! いつだって新しい何かを思いつくことはできるんじゃないか。さもなくば、最初が本当にどんなだったかを知りたいなら、ただ創世記を読めばいい。また、これからどうなるかを知りたいなら、黙示録にジャンプすればいい。でも真ん中にある福音を飛ばしてはいけないな。イエスを知らないあなたがたが彼のことを知るために必要だから。主はあなたを愛している!

 

  宇宙での信仰(リリジョン・トゥデー)

 宇宙で信仰を見いだしたのは、ジョン・グレンだけではない。数人の宇宙飛行士が、地上を見下ろす時に、神に対する畏敬の念を覚えると言っている。アポロ8号の乗組員は、初めて月の周りを飛行した際に、創世記8章を読んだ。また、月面で人が最初に液体を注ぎ、食べ物を食べたのは、バズ・アルドリンがコミュニオンをした時だったと、サンホセ・マーキュリー・ニュースは報じている。アポロ乗組員だったジム・アーウィンはキリスト教伝道師になった。宇宙飛行士のタミー・ジャーニガンは、3年前にスペースシャトルからの生放送で、自分のクリスチャンとしての信仰について語った。両親が宣教師のシャノン・ルシドは、ロシアの宇宙ステーション「ミール」にある牧師の説教を携えて行った。衝突で損傷した際に、宇宙飛行士の一人が最初に伝えてきたのは、助かったことを神に感謝する言葉だった。宇宙飛行士たちの間で活発に聖書学習がなされているという。「こんな素晴らしい創造物を見上げていながら、神を信じないなど、不可能だ」と、グレンは、11月1日の宇宙からの記者会見で語った。

 

  アフリカのFBI(USニュース・アンド・ワールド・レポート)

 アフリカの米国大使館爆破事件のFBIの捜査は、FBIの歴史では最大規模である。しかし、第三世界に何百人もの捜査員を派遣することで、問題も生じている。タンザニアに派遣されたSWAT(特別機動隊)チームのあるメンバーは、海岸でジョギングしないようにとの警告を無視したために、三人の若者からナイフで脅され、ジョギング・シューズを奪われた。ナイロビでは、二人の捜査員が乗った車が、繁華街で車の列に突っ込み、混乱の中で、捜査員は拳銃と携帯無線機をなくした。さらにさかんに話題にのぼっているのが、二人の捜査員が飛行機の乗り換えの際に、軍事政権とイスラム原理主義者たちが戦闘状態のアルジェリアに取り残されてしまった話だ。FBIによれば、この二人はついに、同国の危険な地域にあるホテルから救出されたという。そこでは最近、人々がめった切りにされて殺されたばかりだったという。

 

  医療ミス(AP)

 医者のミスには、治療後の培養再検査を怠ることから、間違った場所を手術してしまったりまで、あらゆることが含まれる。大半は比較的小さいが、永久的な後遺症になったり、死亡した場合もある。ハーバード大学の研究者たちが発表した研究報告によれば、1993年に、概算で、防ぐことも可能だったはずの医療ミスが百万件にものぼるとみられ、毎年12万人もの死者が出ている。医者は、医療にミスは避けられないと言うが、小さなミスでさえも深刻な結果に至ることが多い。

 

  テディーベアのような男性たち(ロイター)

 ノルウェーのヒェル・マグネ・ボンデビック首相は、男性たちに、男の意地を捨てて、もっと多くの男性が幼稚園の保父になるべきだと呼びかけた。「時代は変わった。家事は、仕事もその喜びもより良く分担されるべきだ」と、首相はある会議で社会での男性の役割について語っている。ノルウェーのルター派教会の牧師は、時々、テディーベアの柄のネクタイを着ける。

 

  エルニーニョの被害は330億ドル(エンヴァイランメンタル・ニュース・サービス)

 1997-1998年、エルニーニョ現象によって、27カ国で2万1,706人の死者が出て、被害額は330億ドル相当と、世界気象機関は発表している。この統計は、エクアドルに集まった世界中の気象専門家が発表した新しい報告書からである。エルニーニョが原因で負傷したり、身体的な影響を受けた人々の数は、1億1786万2114人にものぼる。この天候異常により、5百万人近くがホームレスとなった。その余波であるラニーニャは、最近ではハリケーン・ミッチという形で損害を与え、9,950人が死亡し、さらに多くの人々が行方不明になっている。

 

  新しい米国パスポートは、セキュリティー面を強化(ロイター)

 米国は、密輸入者や犯罪人や不法移民による、毎年、1万5千にものぼる盗難パスポートの悪用を防止するための偽造防止策が織り込まれた新しいパスポートを発行した。新パスポートには、デジタル化された写真とデータページがあり、17年間で最大のパスポート技術の向上であると、国務省は発表している。新パスポートの写真は、データページの紙面に埋め込まれているので、それをはがして他の写真に取り替えるのはほぼ不可能である。データページには、ホログラムにも似た埋め込みイメージのついたセキュリティーフィルムも貼ってあり、非常に高度なマイクロライン印刷を施してある。1999年までに、全米の旅券事務所が新パスポートを発行することになる。国外の大使館は、今のところは旧パスポートを発行する。

 

  医師外交(ダウジョーンズ・ニュース)

 キューバは医師の輸出国と呼ばれることを望んでいる。カストロ大統領は広大な提案を行い、中米の医療システムの向上を助けるために、今後10年間で医者を2000人以上、医学奨学生を5千人以上養成することを申し出ている。これは、高い乳幼児死亡率を下げるためである。カストロ大統領は、概算で、その計画の実行に、機材や薬などのためにおよそ2億ドルを要すると言い、ヨーロッパやラテンアメリカ諸国が援助することを提案している。また、米国が、その軍事費から1,250ドル毎に1ドル寄付するなら、「5万人の生命を救えるだろう」と見積もっている。

 

  自宅で座ったままのドイツ人の死体、5年後に発見さる(ロイター)

 テレビの前に座ったまま死亡したドイツ人の死体が5年後に発見された。そばには、クリスマスツリーのライトがまだ点滅しており、近所の人は誰も気づいていなかった。その男性、ウルフガング・ダークスは、身体障害者で離婚して一人暮らしだったが、1993年に43歳で死亡したのだ。「誰かが、あの人は老人ホームに入ったと言っていたので、それ以上は尋ねなかった」と、同じハンブルグのアパートの住人、モニカ・マジャレスは言った。その18件のアパートの他の住人たちも、人のことには構わないでおいたのだ。そして家主は、ダークスの家賃や請求書の支払いが引き落とされる口座の残高がなくなって初めて、ダークスのアパートのドアをノックした。壊れたテレビと、ずっと点滅し続けていたクリスマスライトの横に、ダークスの骸骨があった。ひざの上にはテレビガイドが置かれ、1993年12月5日のページが開いたままだった。

 

  ホワイト・「ウインターバル」?(ロイター)

 英国のほとんどすべての地域では、クリスマスはやはりクリスマスである。しかし、英国第二の都市バーミンガムでは、「ウインターバル」を祝う。同市は、クリスマス・シーズンの名称を変えたことで、キリスト教の諸教会の怒りを買うとともに、クリスマスを特定宗教優遇表現とは考えない他の大多数の国民を当惑させている。英国国教会のアシュトン大執事のジョン・バートンは言う。「誰もこの事について神経質になっていないのに、政治的な事なかれ主義を保とうとして、まるで不必要な措置をする最たる例である。」

 

  ここ数十年のテレビの進歩?(ウーマンズ・エンサイクロペディア)

 1961年、ニュートン・ミノウは言った。「人々は米国のテレビで、ゲーム番組や暴力、視聴者参加番組、まるで信じがたい家族についてのお決まりのコメディーや、流血と暴力、身体傷害、残虐、殺人、西洋人の悪人、西洋人の善人、私立探偵、ギャング、さらに多くのバイオレンスと漫画、それに、いつ終わるとも知れぬコマーシャルを見、多くがわめき、そそのかし、怒らせるのを見るようになるだろう…皆さん、今までこんなに少数の人間が、こんなに大勢にそれほども借りを作ったことはなかった。」

 

  人口過剰?(AP)

 人口過剰の危機についての警告を信じるならの話だが、人類は昔からその危機にさらされてきた。西暦200年頃に、ローマの著述家テルトゥリアヌスはこう嘆いた。「人間が世界に重荷となっている。資源は世界の人口の必要を満たすにはほど遠い。」 当時の人口は、2億人と言われており、現在の58億人のやっと3%であった。

 

  戦争の表現(ワシントン・ポスト)

 現代の米国は愚かにも、不和や相違を解決するために攻撃的な武力行使に頼っているのだろうか? 米国のプロ・スポーツや映画、ビデオ、テレビ番組を見てみれば、そう考えずにはいられないだろう。あるいは、街頭の銃が学校にまで入り込んでいるし、実際に使用されてもいる。ペンシルバニア州立大学の社会政策専門のビバリー・シグラー教授は、米国人は、非常に乱暴な、戦争やスポーツに関係ある言葉、さらには人食い人種的言葉を乱用する傾向があると述べている。米国英語特有の表現を幾つかあげてみよう。

  戦争表現:一触即発の状況。そのアイデアを撃沈する。銃から手を離さない(一歩もひかない)、苦戦する、地雷原(見えない危険の多い所)。スポーツ表現:ベストショットでやってくれ(ベストを尽くせ)、ノックアウトだ(めちゃめちゃいい)。パンチを食らわす(人の先を越す)、硬球でプレーする(攻撃的にふるまう)。人食い人種的表現:彼をかみつぶして吐き出す(やっつける)、喉元を狙え(急所を攻める)、犬が犬を食べる(冷酷な仲間争い)、脳みそをしぼる。

  その中で、米国の社会が最も重大な難問に立ち向かうのを助ける言い回しはほとんどないと、シグラー女史は言う。女史によれば、成功の秘訣はそれらとはかけ離れた言葉に含まれている。たとえば、協調、協力、コミュニケーション、ネットワーク、同盟、共同事業、提携などだ。

 

  音楽の訓練が子供の言葉の暗記力向上を助ける (ロイター)

 音楽は、脳が言葉を記憶する能力を向上させるらしい。昔から多くの音楽教師が信じてきたことの裏付けとして、香港の大学の心理学者たちは、「ネーチャー」誌に、子供時代に楽器の演奏を学んだ大人は平均的に言葉の記憶力が16%まさることを発見したと発表している。また、音楽家は左耳の後ろにある脳の左側頭部が広いことで知られていると述べている。その部分は言葉の記憶もつかさどっている。

 

  道徳無視がティーンにとって主流に(UPI)

 [米国の]一流高校の生徒の大多数が、彼らは、発覚することなくカンニングして成績優秀な生徒になったと言っている。「アメリカ高校生名士録」に載っている学生対象の最新調査で、80%がカンニングをしていたことを認めた。これは、過去29年間の調査で最高である。

 

  英国は第二のヘロイン流行の瀬戸際(AFP)

 英国は、10歳からの子供まで含めた第二のヘロイン流行期にさしかかろうとしていると、政府は警告している。AFPは、安価で手軽に手に入ることと、ヘロインの売人たちが高度なネットワークを持っていることから、若者のためのヘロイン「歓楽街」での爆発的流行を招いているという内務省の発表を報じている。若者たちは、麻薬を吸うのと注射するのと両方であり、18歳から25歳までだった第一次流行の際の麻薬常習者と比べて、かなり年齢が若くなっているという。警察と麻薬組織の両方が新しい常習者と見ているのは、16歳から18歳だが、14歳から16歳もかなりいる。10歳や12歳の子供が麻薬を使用しているのが見つかった所もある。すでにエクスタシーやアンフェタミンのような英気回復薬 《治療用麻薬に対して, 快楽追求のための麻薬》にかなりの人々がなじんでおり、ヘロインもただ「別の麻薬」にすぎないと考えている、と報じられている。

 

  祈りは患者を助けるという調査結果(リリジョン・トゥデー)

 デューク大学の研究者たちは、血管形成治療を受けた患者の内で、祈ってもらった患者は、入院期間中に祈ってもらわなかった患者よりも50%から100%も経過が良好だったことを発見した、とAP通信は報じている。

 

  子供は、単純なことをもっと楽しむ(目ざめよ!)

 子供にとって良い母親になるにはどうしたらいいだろう? 6歳から17歳の1千人の米国人の子供を対象にしたファールプール財団の調査によれば、大半の子供が母親とごく日常的な単純なことを、つまり基本的には、「ただ一緒にいること」を好むことがわかった。母親とする一番のお気に入りは、「一緒に夕飯を食べること」で、二番目は、「一緒に外で食事をすること」や「一緒に買い物に行くこと」だった。それと僅(きん)差で第三位になったのは、「座って一緒に話すこと」だった。母親に感謝する方法として子供たちが一番にあげたことも単純だった。70%の子供が、「ハグ(抱擁)とキス」で感謝を表すことが一番多いと答えたのだ。二番目に多いのが、「アイ・ラブ・ユー」や「ありがとう」と言うことだった。