輝くひととき 123-124 PDFファイル119-126
神からの最も素晴らしいクリスマス・プレゼント
それは、あなたや私への神の愛。
その愛のゆえに、神はキリストを地上に送られた。
キリストがその命を犠牲にし、私たちを天国に導けるようにと。
――デービッド・ブラント・バーグ
クリスマスを祝うのは、なぜ?
昔、神を信じず、宗教や、宗教にまつわる祝日について、あからさまに批判する人がいました。クリスマスさえもです。けれども、その人の妻は神とイエス・キリストを信じていました。そして、夫のあざけりに耐えながら、子供たちの心にも信仰をはぐくんでいたのです。
雪の降るクリスマス・イブのこと、妻は、そこの農村の人たちが集まって行われるクリスマス・イブ礼拝に、子供たちを連れて行こうとしていました。夫も誘いましたが、行きたがりませんでした。「あんな話、ばからしい! 神がわざわざ地上に降りてきて人間になるなんて、そんなことがあるもんか! 全く、くだらない!」 それで、妻は子供たちを連れて礼拝に出かけ、夫は家に残りました。
しばらくすると、風が強くなり、やがて猛吹雪になりました。窓の外を見ると、一寸先も見えないほどです。そこで、暖炉の前に座ってくつろぐことにしました。
その時、バタッという音がしました。何かが窓にぶつかったようです。しばらくしてまた、バタッという音が・・。外を見ても、ほんの1メートル先も見えません。吹雪が少し収まってきたので、思い切って外の様子を見に行きました。すると、家の近くにある野原に、野生のグース(カナダガン)の群れが見えました。越冬のために南下する途中で吹雪に遭い、飛行不可能になったようです。迷って、食べ物も休む所もないまま、行き場をなくしていたのです。グースたちは、羽根をばたつかせながら、野原の上をやみくもに低空飛行していました。そして、その内の二羽が家の窓にぶつかったのでした。
男の人はグースたちがかわいそうになり、何とか助けたいと思いました。「納屋なら、グースを置いておくのにぴったりだ。暖かいし、安全だ。そこで夜を過ごして、吹雪が収まるのを待てばいい。」 そう考えて納屋まで歩いて行き、扉を全開にして、グースたちが気がついて中に入るのをじっと待っていました。
でも、グースたちはばたばたと飛び回るだけで、納屋があることにも、またそこに入れば凍えることがないことにも気づかない様子でした。彼はグースたちの注意を引こうとしましたが、グースたちはいっそうおびえて、さらに遠くに行ってしまうのです。
彼は家の中に入り、パンを手に取り、それをちぎって納屋まで点々と並べていきました。それでも、グースたちは気づきません。
彼はいらいらしてきました。グースたちの後ろに行って、納屋まで追い立てようともしましたが、怖がるばかりで、あちこち逃げ回ってしまいます。納屋に入れば暖かく安全なのに、何をやっても、グースたちをそこに入れることはできません。
「どうしてグースたちは私の後についてこないんだ? ここに入らなければ、この嵐を生き延びられないのがわからないのか?」
彼は少し考えると、グースは人間の後にはついて行かないのだと気づきました。「私がグースだったら、やつらを救えるのに。」
すると、ある考えがひらめきました。彼は納屋に入って、自分が飼っているグースを捕まえて腕に抱えたまま、野生のグースたちの後ろにまわりました。それから、自分のグースを放したのです。彼のグースは群れの中をすーっと飛んで行き、納屋に入りました。すると、どうでしょう、野生のグースも、一羽、また一羽と、そのグースについて、無事に納屋にたどり着いたのでした。
彼は、それを見ながら、しばし無言でした。さっきの自分の言葉を思い出したのです。「私がグースだったら、やつらを救えるのに。」 それから、自分が妻に言った言葉を思い出しました。「神がわざわざ地上に降りてきて人間なんかになるなんて、そんなことがあるもんか! 全く、くだらない!」 突然、ピンときました。「そうか、神も同じことをなさったんだ。私たちは、グースのように、何も見えず、迷い、死にかかっていたようなものだ。神はご自身の息子イエスを私たちと同じ姿にして、私たちに道を示し、救われるようにして下さったのだ。それがクリスマスの意味だったのか。」
猛烈な吹雪は、しだいに収まってきました。そ の男の人の心も静まり、彼はこの素晴らしい思いに浸っていました。クリスマスの意味が、つまり、どうしてキリストが来られたのかがわかったのです。長年抱いていた疑いや不信仰は、通り過ぎた嵐のように消え去りました。彼は雪の上にひざまずき、初めて、こう祈りました。「神様、私を嵐から救い出すために、人間の形となって来られたことを感謝します!」
――作者不詳、キース・フィリップス脚色
イエス様からのクリスマス・プレゼント
わたしの愛は、いつもあなたに注がれている。
いつでもどこでも、昼も夜も。
わたしの愛は、必ずあなたを助け出す。
どんな深みに行っても、どんなに遠くに離れても。
その愛はとどまる所を知らない。そして限りなく与える。
限りなき真実の愛を、わたしはあなたに捧げよう。
わたしの愛は、あなたが混乱している時に、心の平安を与える。
あなたが疲れ果てている時に、休みを与える。
そして、もう一歩も進めないと感じる時に、力を与える。
わたしの愛は、あなたの恐れをやわらげ、絶望に直面した時も、勇気を与える。
わたしの愛は、あなたの身体が病むか傷ついている時に、それをいやし、心痛と苦痛をやわらげる。
わたしの愛は、あなたが悩み、沈んでいる時、緊張と、心配と、重圧から解放する。
わたしの愛は、あなたへのクリスマス・プレゼント。
いつもあなたのそばにあった。
あなたは今、それを受け取ってくれるだろうか?