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なぜ、クリスチャンの子供達を公立学校に入れるべきでないか!

 

  昔は、大勢のクリスチャンや宣教師達が、自分の子供を公立学校に行かせる事は、役に立つと考えていました。特に外国にいる場合には、子供達は伝道ができるし、その国の言葉も学べ、人々に溶け込めるという利点があったからです。しかし「今は悪い時代」(エペソ5:16)であって、恐ろしいほど急速に悪化しています。特にかつてのキリスト教国であったアメリカは、その典型的な例です。「また、多くの人の愛が冷え」(マタイ24:12)、「悪人と詐欺師とは人を惑わし人に惑わされて、悪から悪へと落ちていく。」(2テモテ3:13) そして多くの場所で、特に公立学校では、「罪びとの罪が満ちるに及んで」(ダニエル8:23)いるのです。子供達がそのような状況にいる親は、わが子を守り、「彼らの間から分離」させておく事が切実に必要であると悟っています。(2コリント6:14-17,2テモテ3:1-7参照)

 

  なぜ子供を一般の学校に送るのを拒む親が急増しているのか、その理由を以下の通りに要約してみました。

 

1.信条や人生の目標がそぐわない

 

  公立教育反対論をあげてみましょう:

  1.公立学校のカリキュラムでは、真のクリスチャンの信仰や信条とは正反対の考えを教えています。進化論が事実として教えられていますが、進化論は、神の創造の可能性を全く除外するものです。歴史は、非宗教的で人間を至上の存在としており、国家の設立や形成において宗教や信仰の果たした役割が全く教えられていないか、その重要性が強調されていません。

  2.クリスチャンの子供達は、幼い頃からクリスチャンとしての道徳的な教えの下で育てられてきたという理由で、他の生徒から冷たい嘲笑の的になり、情緒的また精神的にも深い傷を負うことがよくあります。

  3.クリスチャンの子供達は学校では、普段するように信仰に基づいた言動をしたり、祈ったりすることが許されていません。

  4.神の御言葉である聖書は、クリスチャンの子供の教育の一環として、常に欠かせないものであり、人生の様々な状況や学習活動を通じて教えられ、また示されなければなりません。しかし、非宗教的な公立学校では、これは不可能です。

  5.道徳的、また精神的な教育と訓練は、それだけ切り離して教えられる主題ではなく、むしろ永続的な学習過程です。しかし、公立学校では、子供達一人一人に心のこもった指導や説明や導きを与える備えもないし、教職員もそのような訓練を受けていないどころか、そのようなことは許されていないのです。家庭では安定した環境で、一貫した絶え間ない学習の機会を提供することができます。

 

新聞から

  ◆米国連邦最高裁判所は、進化論を教える公立学校はすべて、それと同じ時間数を創造科学(注:生命の起源を旧約聖書冒頭の天地創造説に求める学説で進化論とは真っ向から対立するもの)の授業に割くよう教師に義務づけているルイジアナ州法が違憲であるという判決を下した。アントニン・スカリア裁判官とウィリアム・H・レンキスト同裁判所長官は、その判決に同意せず、次のように述べた。「その法律は、非宗教的な目的と学問の自由の保護を明確にしていたのに、それを違憲と判断するのは全く正当化できない。」

  ◆アメリカ連邦裁判官は、アーカンサス州の創造科学法(学校で進化論を教える時には、天地創造説も同時に教えなくてはならないとする州法)を、州の公立学校で宗教の教えを強要するものだとして違憲判決を下した。オバートン裁判官は、判決理由について、創造科学を教えることは、「生徒に、特に大学進学を希望する生徒に、深刻で不利な結果をまねくことになる」と述べた。同裁判官は進化論を、「現代生物学のいしずえ」と呼び、多くの教科に関係していると指摘した。

  ◆1969年に定められた指針により、カリフォルニア州は人類の起源についての様々な理論を、州認可の理科の教科書に掲載する事を許可すると決定した。しかし1978年7月以降、宇宙は、神によって創造されたという理論は排除されてきた。州教育委員会は、進化論が科学的に容認できる、唯一の理論だと改めて発表している。

  ◆テキサス州は自由主義の評論家達に屈して、進化論は人類の起源に関する一つの理論にすぎないと教科書で教えることを義務づけている10年来の法律を撤廃した。

  ◆フロリダ州のある小学校は、8歳の児童がイエスの絵のついたクリスマスカードを級友に贈ることを禁じた。学校当局は、「宗教的テーマを扱ったクリスマスの学校行事」は開催しないようにと勧告を受けていた。

  ◆最高裁は、公立学校において、教師が祈りを導く事の禁止を再確認した。これにより、毎日黙祷の時間を義務づけていたアラバマ州法は無効となった。公立学校で声を出して祈る事や聖書を読むことは1960年代初期に違法となっている。

  ◆ウィリアム・E・ベネット元教育長官は、アメリカ社会における宗教の役割を高める事を支持する発言をし、学校の教科書から「宗教史が排除」されており、政治も「宗教と無縁」になっていると非難した。研究を引用しながら、同元長官は、アメリカの教科書は「アメリカ史で宗教の果たした役割を無視するほど極端に走っている」と述べた。また教科書は、「宗教について、削除や誤述、事実の歪曲など、その程度は、ただ軽薄なものから、はなはだしくひどいものまで様々である」と述べている。ある歴史の教科書では、巡礼者が「長旅をする人」と説明され、別の教科書では、ファンダメンタリストは「前時代の価値観に従う田舎の人々」と書かれている。同元長官はさらに、「人々の宗教的な背景を理解する事なしに」、彼らの目標や業績を理解する事は不可能だと付け加えている。

  ◆ミズーリ大学のカンサスシティ・キャンパスでは、学生が芝生に座ってってカール・マルクスの著書を読むことは構わないが、学生が芝生に座って聖書を読むことは禁じられている。大学は、学生ホモの会を容認し、同性愛者が集まる場所は提供するが、学生のクリスチャングループには同じ権利を認めていない。大学側弁護士は、「この件で、聖書を読むのを許可するのは言論の自由をあまりにも拡大解釈することになる」と主張し、公式に認可するのは、特定宗教の確立を促進する事になると語った。

  ◆ワシントンD.C.では、最高裁判決にならって、全公立学校は、地域での論争を避け、学生の感情を傷つけないよう配慮しながら、クリスマスに関するものは学校から一切締め出すことに懸命である。クリスマス行事については、その行事に少しでも宗教色があれば実施を許可しない事に決定した、とアーリントン・カウンティーのラリー・キューバン教育長は述べた。

  ◆カナダのオンタリオ控訴裁判所は、公立学校でのキリスト教の慣習を実施することを義務づける、地方条例に違憲判決を下し、無効とした。「主の祈り、すなわちクリスチャンの祈りを唱えたり、聖書から読むことは、キリスト教信者でない生徒にクリスチャンのしきたりを課し、無宗教の生徒に宗教的しきたりを課することになる。」

  公立学校で苦しむのはクリスチャンだけではありません。次に挙げるのは、イスラム教徒の母親からの、ホームスクーリングを弁護する発言です。「私達にとって、子供達が、自分の宗教的背景や宗教的価値観を壊されることのない環境で育つのは非常に重要なことです。私達は、学校で教えられている社会的、道徳的価値観(あるいは「価値観の欠如」)の多くには全く賛成できず、また、限定的な教育法にも賛成しません。私達の信仰において、宗教と他の学問とを別個のものとして教える事は不可能です。

  私の上の3人の子供達は、数々の中学教師や高校教師のもとで学びましたが、宗教はさげすまれ、誰であれ、高い道徳的倫理的価値観を持っている人は皆、蔑視されるか、非常に奇妙で異常な存在とみなされてきたのです。

  子供達は何の支えも得られず、現在の風潮の下では、自分の意見を言うことさえ恐れています。

  主人と私は、次のような非常に簡潔な声明文を書きました。『私達の家庭の宗教であるイスラム教は、まさに私達の生き方そのものであって、宗教的教育と一般科目の教育とを切り離すことはできません。従って、私達の子供達の教育的必要は、普通の学校の状況では満たされないのです。』

  わが子が、誠実で、落ち着きがあり、朗らかな性格の子供に育っていくのを見ることの満足感は格別です。特に、上の3人の子供が学校でひどい影響を受けるのを見て、さんざん心を痛めた後では。」

 

2.他の生徒達からの圧力、悪い影響、基準や指導やしつけの欠如

 

  公立学校を支持する意見として一番よく聞かれるのは、それが社会の団結やコミュニケーションの為、また子供を「普通の子供に」し、「現実の」生活に「順応させる」のに不可欠だというものです(まるで現実の生活が地獄のようなものでなければならないかのようです。)ホームスクーラー達は、「家庭だけで教育する事で、子供から社会生活というものを完全に取り上げている」という事実無根の非難にさらされています。

  ホームスクーラーは、こうした社会的圧力や脅しを受けた場合には、次のように正当な反論をすることができます。

  1.現在の学校における他の生徒達からの圧力は、破壊的で悪質な違法行為に立ち向かう良い市民を生み出す助けにはなっていない。

  2.学校は、殆どの子供達にとって、楽しく快適な場ではなく、むしろ苦難の場であり、自己の尊厳や自信をことごとく破壊されながらも生き残る為に過酷な戦いを課せられる場である事がしばしばである。

  3.大勢の子供達を、その道徳的また精神的な状態も構わず一つの学校施設に詰め込むことは、賢明でもないし、子供に対する公平な扱いでもない。情緒的、精神的、霊的な病から深刻な症状があらわれている子供達は、必要な助けを得ることがなく、他の子供達を傷つけたり堕落させる事で自己表現することがよくある。

  4.学校には、子供達の深い悩みに効果的に対処していくための職員もいないし、それをする設備もない。ただ、力ずくでそれを制限しようとするだけである。

  5.他の生徒や教師からも、身体的ないやがらせや、冷酷な扱いを受け、冷たい言葉を浴びせられ、子供達は精神的にも感情的にも極端に悩まされている。繊細で「上品で」敬けんな子供達は特に、他の子供達の口汚い言葉使いや反抗的態度、競争心むき出しの態度、のけ者扱い、意地の悪い言動、傲慢な態度などによって傷ついたり、感化されている。こういった「悪」が、「人生や成長の過程の一部」として必要なものとして見逃されることが多過ぎる。

  6.テレビ番組が子供達に与える悪影響には賛成しない。また、見境もなくテレビを見て様々な悪影響を受けた子供者達と一緒の、何の統制もない環境に、私達の子供達を置きたいとは思わない。周囲の影響により、子供は他の子供達のようになりたがり、クラスの友達が見ているのと同じ、破壊的で暴力的な悪いテレビ番組や映画を見たがる。

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  ジョン・ホルト氏は「自分で子供を教えなさい」の中でこう書いています。「私達が子供を無理やり送り込む『同年令のグループ』は、他にも多くのひどい悪影響を及ぼす。喫煙したがる、あるいは、好むと好まざるにかかわらず吸わなくてはいけないと感じるのも、いわゆる学校での素晴らしい『社会生活』がもたらす数多い副産物の一つである。飲酒についても同様だ。」(麻薬は言うまでもありません。麻薬の危険は、アメリカの公立学校で増加の一途をたどるばかりで、今では解決の手だても全くないのです!)

  勿論、自分と同年代の子供のグループで殆どの時間を過ごし、社会の真剣な仕事や日常起こっている事から遮断され、自分の監督者以外の大人とは全くと言っていいほど接触のない子供は、『他の子供達が皆』している事が正しく、最善で、それしか道はないと感じるようになる。」−−ジョン・ホルト。

  ハーバード大学の大学院教育学部において国際教育学科の主任であり講師でもあるメリー・ホワイト女史は次のように言っています。「通常の学校では、イデオロギーや系統だてられた教育学(教えるためのテクニック)さえ使わずに、統制がとれることをただ願いながら、やっとのことで一日一日を切り抜けています。こういった類いの学校でも、程度の差こそあれ、子供達を教育するかもしれませんが、すべての子供に対する一貫した基準というものがありません。それに何にせよ、最高の教育を受けられるのは、この社会のほんの一握りの人間だけなのです。単に授業日数を、現行の年180日から(日本のように)240日に増やしても、それが子供達の益になるという保証はありません。」

  アイオワ州在住のホームスクーラー、コクラン夫人はこう言っています。「教科書に目を通してみて下さい。公立学校が人間至上主義を教えているのがわかるでしょう。人間が神であり、又、正しいもの、間違ったものなどなく、自分勝手なことをしても良いと教えているのです。『価値観の明確化』とか何とか言っていますが、これでは家庭で子供達に教えてきた事が台なしになる可能性があります。」(ホームスクーラーの雑誌「Growing Without Schooling(学校教育なしで育つの意)」より。)

 

新聞から

  ◆1988年10月14日、カナダのオンタリオ裁判所は、学校における祈りを禁じる判決を下した。しかし、判決理由の説明は、子供達に学校をやめさせるクリスチャンのホームスクーラーの主張を強く支持するものである。「他の子供達からの圧力や教室の雰囲気に、子供達は非常に敏感であり、われわれの考えるところでは、それは現実的で説得力あるものであって、小数派の宗教に属する子供達は、多数派(無神論)の宗教を実践する者達のすることに従うよう強いられることになる。」

  ◆ヒューイット研究センターのレイモンド・モア博士は次のように述べている。「現在、子供達は、どの年令、どの学年においても、10年あるいは20年前と比べて、はるかに友達に依存するようになっている。情報源としても安心感の源としても、親の存在価値は薄れてきている。これを好む親や教育者もいるだろうが、子供達の幸福を真剣に考えている人達はそうではない。」

  ◆全国デイケア・デモンストレーションセンター(保健教育福祉省)のマーティン・エンゲル元所長はこのように述べている。「仲間に依存することが『社会的悪影響』となる事を大いに案じ、不必要に保育所や託児所に子供を預ける事に関して疑問を抱く心理学者や精神学者が増えている。」

  ◆アメリカの大学友愛会は、女性差別や人種差別、さらには犯罪行為のかどで非難を受けている。白人ばかりの社交クラブである友愛会は、排他的な秘密主義で道楽にふけるという伝統を持つ。新しい入会者への危険で残酷な悪戯、女性や少数民族へのいやがらせ、公共物汚損、暴飲パーティーなどは日常茶飯事であり、それらは益々深刻で悪質になっており、死者が出るまでに至っている。

  ◆ロサンジェルスの、白人の中流階級のギャングは、ギャング同士の抗争や、強盗、悪魔崇拝儀式にかかわっているが、彼らは、自分がそのような道に入ったのは、他のギャングから身を守る為だった、また自分と同年令の仲間からのけ者にされたせいだったと言っている。

 

  現代のテレビ番組や音楽の悪影響は、学校で対処されているどころか、かえって氾濫している。

  ◆子供達の殆どは、一日に7時間、大人の監督なしにテレビを見ている! 7歳か8歳になる頃には、平均では、授業時間よりもテレビを見る時間のほうが長くなり、学校はもはや、生徒へのテレビの悪影響に立ち向かうことも、逆らうことも出来ないでいる。テレビ番組は、人間の魂の最も立派で尊い部分に、取り返しのつかない永久的な害を及ぼすと、カナダのスティーブン・ルイス国連大使は述べた。「子供達が見ているものはどちらかと言えば、暴力や女性差別、人間の価値を下げるもの、また、退廃した英語を使ったものである。」

  ◆未成年者がアルコールを飲むシーンを、子供はテレビで恐らく7万5千回も見ることになるだろう。その殆どは、中立的あるいはそれを是認する立場から描写されている。テレビ番組からはわからないが、殺人や自殺や犯罪、家庭暴力の50%は、アルコールからの影響で発生しており、アメリカ人男性の40%はアルコールに関係した問題を抱えている。アルコールは、アメリカの最も深刻な問題の一つであり、年に10万人もの死亡者が出ている。

  ◆「ロシアのテレビ番組はバレエや美しい音楽などを提供しますが、アメリカのテレビ番組は子供達に堕落を提供しています。だから、アメリカの子供達が、危険でわがままな子供達になっているのも無理ありません!」(イメルダ・マルコス−−フィリピンの元大統領夫人)

  ◆8ヶ国から抽出したテレビ番組に見られる暴力の70%は、アメリカからの番組だった。ラデッキー博士はこう述べた。「アメリカは世界に暴力と憎悪を輸出している。」

  ◆アメリカのテレビ番組には、戦争を男らしく面白いものに見せる戦闘シーンがしょっちゅう登場する。1985年にアメリカで最高のヒットとなった映画「ランボー」には、1時間に平均150回の暴力シーンが登場する。「Gymkata」は1時間に平均202回、テレビの「Aチーム」には1時間に54回の暴力シーンが登場する。

  ◆テレビや映画で暴力シーンを見て楽しむ内に、自分自身が悪影響を受けているということに、殆どの人は気づいていない。しかし、世界22ヶ国でなされた調査によれば、一般の子供や大人の視聴者に悪影響を及ぼすことが明らかになっている。調査によれば、自分が影響を受けていることに気づいているアメリカ人視聴者は3%にすぎない。映画「タクシードライバー」を見た後で、ジョン・ヒンクリーJrはレーガン大統領に忍び寄り、狙撃した。精神鑑定医は、彼が完全に映画の中のタクシードライバーになりきっていたと述べた。

  ◆映画やテレビ番組でまざまざと映し出される暴力シーンは、実生活においてまねられることがよくあるのが立証されている。画面に映し出された暴力が路上や学校での暴力につながることは、研究から十分に明らかにされている。

  ◆アメリカ国内での戦争玩具の売れ行きは史上最高で、1985年来350%の伸びを示し、売上高は年間8億4千2百万ドルにのぼる!

  ◆アメリカのラジオ局のおよそ3分の1は、ロック専門である。ロックミュージックは、暴力や性的乱交、両性愛、同性愛、サド・マゾ、悪魔崇拝、麻薬使用、過度の飲酒、女性嫌悪症などのメッセージを伝える、疫病となってしまった。

 

 

3.公立学校に行く子供達は深刻な身体的危険にさらされている

 

  身体的危険という理由から子供達を公立学校に行かせないという主張には、次のようなものがあります。

  1.犯罪率は、青少年の間で激増しています。

  2.公立学校は、校内における子供達の健康と安全さえ保証できず、学校生活の延長として生じる校外での事件による犠牲者を守ることなどなおさらである。たとえ、学校の敷地内で実際に強姦や狙撃、刺殺または刺傷事件、リンチが発生しなくとも、子供がこういった犯罪にさらされるようになるのは通学を通してである、という事実に何ら変わりはありません。

  3.親は、自分の子供が麻薬の使用やその影響にさらされることを望みません。麻薬の使用が大目に見られているとわかっている状況に子供を押し込む人は、その子供を堕落させる手助けをしていることになります。公立の中高校生を取りまく環境に、麻薬がかかわっていることは周知の事実です。従って、良識ある親が子供を公立学校に行かせることを強制すべきではないし、そうするよう他から求められるべきでもありません。

  4.学校はエイズ患者(職員であれ生徒であれ)の登校を止めることはできないかもしれません。しかし、親は、自分の子供がそのような状況にさらされないよう守る権利を維持しなくてはならないのです。警官の顔につばを吐きかけたエイズ患者を殺人未遂のかどで訴えることができるのなら、用心深くて慎重な親が非難されるべきではありません。親の選択の自由は擁護されるべきです。つまり、公然と性的乱行や麻薬の注射をしていると認めながら、いかなる隔離も検査も受けていない生徒がいる所へは自分の子供を送らず、子供が絶えずそこにいるようなことも許さないという選択の自由をです。親は、自分の子供にとってそこが危険な環境かどうかを決定する権利を主張しなければなりません。

  5.公立学校は、校内で多発している、銃やナイフやかみそりなどを使っての犯罪から、生徒全体をしっかりと守る能力に欠けています。ACLU(米国自由人権協会)は、武器が隠されていないか、生徒のロッカーを調べることに反対して争うのは正しいことだと感じているようですが、親にも、違法な理由から武器を所持している生徒が一人でもいるという非常に高い可能性がある限り、子供を学校へやらない権利があるはずです。

 

新聞から

  ◆1985年、アメリカで8年生と10年生11,000人を対象に実施した調査結果より:

 −−10人に3人のティーンエイジャーは、この調査日の前2週間以内に、過度に飲酒したことがあると回答。10人に4人は酔っ払った者の運転する車に乗ったことがあると言い、7人に1人は自殺を図ったことがあると認めた。

 −−3分の1は、過去1年に学校で脅されたり、盗まれたり、襲われたことがある。

 −−男子生徒の4分の1は、最低1度は学校にナイフを持って来たことがある。

 −−なぜカミソリの刃を持ち歩くのかと聞かれて、生徒達はこう答えている。「他校の生徒がやってきて殴ってくることがあるので、その時に相手の顔に切りつけるため。」

 −−アメリカで、毎月およそ28万件の暴行事件が校内で起きている。

 −−「ナイフは、毎日の携帯品」と、あるティーンエイジャーが言った。「僕達みたいな経験を積めば、あそこではナイフが必要だとあんたにもわかるよ。」

 −−学校職員は、クラック(麻薬)の密売人やギャング達からの保護を必要としている生徒もいることを認めている。

 −−フロリダのジャクソンビルでは、学校職員が金属探知機で抜き打ち検査している。抜き打ち検査では十分ではないという学生もいる。1985年には55丁の拳銃が見付かった。

  ◆子供による犯罪は、武装強盗から殺人に至るまで、ますます増加していると、社会学者や刑事裁判の専門家は言っている。「10年前までは、7歳や8歳、9歳の子供がそのような犯罪で訴えられるのを見るのはショッキングなことだった。だが今では当たり前のようになってしまった。」とオレンジ-オセオラ・カウンティー検察庁の少年課長ダニー・ドーソン検察官は述べた。

  ◆少年の殺人犯のおよそ10%は、人を痛い目にあわせるのを楽しんでいたと告白した。

  ◆1986年、アメリカで18歳未満の若者1311人が、殺人で訴えられた。

  ◆フロリダでは、1985年と1986年に、5歳と8歳と9歳の子供が、年下の遊び仲間を殺したと訴えられた。ある10歳の子供は、3歳の男の子を溺死させた後で「平然としていた」といわれている。

  ◆11,249の機関からの報告を元にFBIがまとめた1985年の犯罪件数報告によると、318件の殺人、18,021件の暴行、13,899件の強盗、また2,465件の強姦が、15歳以下の少年によるという。また21件の殺人、436件の強姦、3,545件の暴行、さらに1,735件の強盗の犯人は、12歳以下の子供達である。

  ◆ロサンゼルス地域の郡警察の話では、郊外のギャングの人数を正確につかむのは難しいが、ロサンゼルス市を除くロサンゼルス地域の白人ギャングは1,200人ぐらいだろうと見積もっている。ロサンゼルス地域には、通りをうろつくギャングが5万人おり、カリフォルニア州全体では7万から8万にのぼると、係官は言っている。ロサンゼルス警察は、「白人ギャング達は麻薬をやり、車で通り過ぎながら発砲したり、強盗を犯したりなどする。」と述べている。

  ◆12歳以上のアメリカ人の31人に1人は、この年に、強盗か、強姦、あるいは暴行の犠牲者となる可能性が高い(1986年) 現在の状況からすると、133分の1の確率で殺人に会う可能性があり、その可能性は増加している。(黒人男性の場合、殺される確率は21分の1である)

  ◆アメリカに住む、ティーンと大人の人口の3%(600万人)は今年、強姦か強盗か暴行にあう可能性があり、青少年の方が巻き込まれる可能性が高い。(1982年の統計にもとづく)これらの数値は、殺人や、酔っ払い運転による死亡、誘拐、児童虐待や他の暴力犯罪を除いたものである。アメリカ司法省の司法統計局は、この危険率は控え目に出してあるかもしれないと言っている。

  ◆1981年に、黒人に殺害された黒人の数は、ベトナム戦争の犠牲者と同数になった。29人に一人の黒人男性が暴力によって死んでいる。

  ◆アメリカの16-19歳のティーンエージャーの少なくとも15%(237万5000人)は、社会に役立つ大人にはなりそうにない。彼らはすでに麻薬の乱用や非行、またその他の反社会的活動にかかわっているからである。

  ◆若者の間での麻薬使用や飲酒は、現在、1960年に比べて60%も増えている。

  ◆1950年以来、十代の殺人は232%、自殺は150%増えている。

  ◆1980年、ピストルで殺された人の数は:日本で77人、イギリスで8人、スイスで24人、カナダで8人、イスラエルで23人、スウェーデンで18人、オーストリアで4人、そしてアメリカでは11,522人にのぼっている!

  ◆テネシー州で、議員達は、中学と高校の校長が銃を身に付けるのを許す条例を考慮中である。暴力沙汰が起きた際、警察が到着するまでの間、秩序を保つことができるであろうとの理由からである。また生徒の武器所持検査の条例も提案されている。

  ◆ロサンゼルスでは、いくつかの中学校が日中、一つの出入り口だけの「閉ざされた学校」と化した。警備員が構内に常時配置され、パトカーがキャンパスを巡回している。

  ◆バルチモアで、教育委員会は「武器ホットライン」を開設した。銃を持ち歩いている者について、匿名で校内の保安係員に通報できるようにである。

  ◆デトロイトで、1986年だけで41人の子供達が撃ち殺されるという統計が出た!

  ◆デトロイトに住む11歳のジェフリー・ヒルソン君は、彼の新しいシャツがほしかった14歳の子供に撃ち殺された。1986年には、17歳以下の子供が彼のほかに40人射殺されている。他に333人の子供達がピストルで撃たれてケガをした。

  ◆「子供が子供を殺しているのです。」とエルノラ・アリントンさんは語った。19歳の息子キース君がこの夏、高校のクラスメートに殺されたのである。そのクラスメートは、ベルトから22口径のピストルを抜き、彼を4発撃った。

  ◆殺人件数の多さでは、2位のダラスの2倍にまで及び、110万人の市民一人一人が少なくとも1丁は銃を持っているというデトロイトの市長は次のように述べた。「この市は、郊外も敵意に満ちた人間ばかりで、州全体が銃を持ち、自動拳銃を持って荒野でクー・クラックス・クラン(KKK)の儀式をするような自警団員までいるというのに、デトロイト市の銃を没収するなど絶対にしない。」

  ◆増加する校内の武器の脅威に対処するため、デトロイトではここ数年間、朝の登校時にすべての生徒が金属探知機を通過するよう要求している。−−しかし、学校の廊下で銃を目にするのは日常茶飯事になっていると生徒達は言う。1985年には236人が撃たれ、28人が殺された。また1986年には、333人が撃たれ、41人が殺された。

  ◆デトロイトの教育委員長は、銃を携帯している生徒を追放するという「厳しく新しい方針」を打ち出した。ところが、ACLU(米国自由人権協会)は学校職員が銃発見のために、ロッカーを検査するのを禁止することを望んでいる!

 

麻 薬

  ◆小学校での麻薬使用の増加が全国的な悩みの種となっている。麻薬の使用は全体的には減少しているものの、子供による麻薬の使用は急激に増加していると関係筋は述べている。国立少年裁判センター所長であるハンター・ハースト氏は、「麻薬をやるかどうかはかつて、若者が直面する決断でした。ところが、今では小学4年生からそうした決断に直面するのです。」

  ◆1978年から1983年にかけて、少年裁判所で扱う子供の内、12歳の子供が38%増え、13歳の子供は37%、11歳の子供は22%、10歳の子供は15%増えている。これは、小学校での麻薬や非行行為の増加によるもので、コカインの中でもかなり強力で中毒性の高いクラックの使用も含まれている。

  ◆ニューヨーク警察は、青少年の麻薬乱用の急速な増加に不安を感じている。麻薬注射の針からのエイズ感染を恐れ、人々はより強力なタイプのコカインであるクラックに切り替えている。麻薬をやることで性的退廃につながる。というのも、常用者達はよく、性欲が強まり、今まで経験した事のない種類の性行為に興味をもつようになると証言しているからである。また冠状動脈の働きが停止したり、卒中や、けいれん性の発作、また他の軽い病気を引き起こす。

  ◆少年犯罪の検挙の内、麻薬関係は1985年には4.2%だったが、1986年には6.8%に増加した。

  ◆ニューヨーク市司法当局の家庭裁判所のジェームス・A・ペイン所長は、近年少年の暴力行為が著しく増加した一因は、麻薬の使用であると述べた。「麻薬犯罪は50%近くも増加しました。クラックがその主要な原因です。週に8百ドルも稼ぐ、10、11歳の麻薬ディーラー達が学校に通い続ける唯一の理由は、そこに買い手がいるからです。」

  ◆アメリカの高校3年生のおよそ4分の1は、少なくとも月に1回はマリファナを吸っている。ミシガン大学の調査によると、これは、40%近くだった1978年と比べて減少している。しかし、6.2%がコカインを使用、最終学年の生徒の0.4%が毎日コカインを使用している。また高校生の30%は喫煙している。

  ◆学生の麻薬ディーラーや売春婦の中には中学生もおり、ニューヨークの市立学校では、呼び出すためにポケットベルを使っている生徒もいるとニューヨークの教育委員長は述べた。  〓カリフォルニア州の麻薬取締り係官は、カリフォルニアに住む13万人のヘロイン常習者の20%は、化学者がこっそり作った麻薬代用品を使用していると見積もっている。こういった「自家製麻薬」は深刻な脳障害をもたらし、若者を廃人同然にし、症状は永久に治らない、と神経学の教授であるラングストロム博士は語っている。

 

病 気

  ◆ワシントンに本部を置くポピュレーション・オプション・センターの新しい報告によれば、アメリカのティーンエイジャーの性行為及び麻薬使用に関する調査結果からして、彼らがエイズの原因となるウイルスに感染する可能性は、以前考えられていたよりも高いかもしれないという。アメリカ全土に渡る調査によれば、ティーンエージャーの男子の内3分の2は、15歳までにセックスの経験がある。年間、7人に1人のティーンエイジャーは性病にかかっている。かなり少なめに見積もっても20万人のティーンエイジャーが静脈注射による麻薬使用経験がある。「危険な性行為か麻薬使用、あるいはその両方にかかわっている何万ものティーンエイジャー達が、危険にさらされている。」活発にセックスを行なっているティーンの内、コンドームを使っているのはたった12分の1だけである。近い将来には、毎年、百万人のアメリカのティーンエイジャーが妊娠することになり、その80%は未婚である。

  ◆アルバート・アインシュタイン薬科大学の医師と、国立衛生研究所の科学者は、エイズの小児感染の研究をしているが、彼らはニューヨーク市の裁判所で、エイズにかかった2年生の女の子が小学校の通常クラスに出席するのを許可する事には賛成しないと述べた。研究によれば、エイズのウイルスは唾液や血液などの液体の媒介なしでも感染する可能性があるという事だ。もしこのままエイズが広がっていくなら、15年でアメリカの全人口が滅亡するであろう。

  ◆ロサンゼルス市議会は、エイズ患者に対する差別禁止条例を満場一致で採択した。学校がエイズにかかった生徒や教師を除外することは禁止された。

  ◆メリーランド州ベテスダの国立衛生研究所は、患者の涙からエイズウイルスを発見した。

  ◆インディアナ州の親達、またその他の何万という親達は、自分の子供がエイズに感染しているクラスメイトの涙を拭くことや、彼らとコカコーラをまわし飲みすることを非常に心配している。彼らを過保護だと笑うことはできない。ウイルスは、涙や唾液の中にも発見されている。そしてこれは、ただの風邪ではなく、不治の致命的な病気なのである!

  ◆アメリカ国内で80,538人のエイズ患者が確認されており、その数は増加している。これは、この国が遭遇する史上最大の脅威となるかもしれない。

  ◆マンハッタンでホモの学生のための公立高校が開校した。

  ◆ホームレスの子供のためのある慈善グループは、エイズに感染したロンドンの若い男娼が、社会に仕返しするため「復讐セックス」をしてわざとエイズウイルスを撒き散らしていると警告している。デイビッド・パイタース心理学博士は、自分がエイズウイルスに感染しているにもかかわらず、商売を続けている男娼を18人知っていると語った。「彼らは憎悪に満ちており、仕返しの手段として出来るだけ多くの人達を感染させてやりたいと思っている。」

 

4.公立学校の生徒はしばしば精神的、情緒的、心理的ダメージを受けている。

 

  わが子が、学校で受ける他の子供達からの圧力や屈辱、侮辱的なしつけ、過剰な競争、学力や階級によってグループに分けられること、強制的に順応させられること、温かな個人的指導の欠如に堪えられないという理由で、学校をやめさせる親が多くいます。特に幼い子供の場合、「憎悪が渦巻く」学校環境にいることでかなり混乱し、まごつき、恐れや惨めな気持ちを抱き、自信を失い、多くの神経障害をきたし、さらには病気になってしまうこともあります。

  「自分で子供を教えなさい」の中でジョン・ホルト氏はこう述べています。「子供に学校をやめさせている親のほとんどは、学校で子供が害を受けないように、あるいは、これ以上害を受けないように、学校をやめさせている。教師は、他の皆と同じ学習を子供に強制し、それに従わないなら罰を与える。本を取り上げたり、教室の隅に立たせたり、物置に閉じ込めたり、たたいたり、落第点を与えたり、『異常に活動的』というレッテルを貼るなどする。子供は他の皆と全く同じ事をしなければならず、親がその事について苦情を申し立てると、決まって、『お宅のお子さんを特別扱いする事はできません。他にも指導しなくてはいけない生徒達が沢山いるんですから。』という答えが返ってくる。

  ある幼稚園の教師は、一つのクラスを教え始めてわずか8日後に、容姿や服装や行儀作法に従って、要するに中産階級に属するかどうかに従って、クラスを3つのグループに分け、それぞれ別々のテーブルに座らせ、その編成は1年間全く変わらなかった。その内の1つのグループが事実上彼女の指導や関心や支持を独占し、残りの2つはますます無視され、教師が彼らに話しかけるのは、何かを命じたり、彼らのした事を批判する時だけだった。さらにひどいことに、えこひいきされているグループの子供達は、他の2つのグループの子供達をばかにしたり、威張った態度を取ることが許され、助長されていた。」−−ジョン・ホルト。

  カリフォルニア州に住むパット・セバルドさんは、息子のエリックに高校を中退させましたが、こう語っています。「私達は、エリックに高校を中退させる前にこの地域の精神健康管理担当者に会うことに同意しました。ひどくなる一方の暴力に、エリックも私達もひどく悩み、私達はこの事を精神健康課の若い女性に話したのです。」

  別のホームスクーラーはこう述べています。「私達は現在、一番上の娘の11歳になるビビアンにホームスクーリングを行っています。学校をやめて5カ月になりますが、ピリピリした怒りっぽい子供から、はるかに落ち着いて自信を持った子に変わり、まるで別人のようです。私が、生徒をあざけったりといった、逆効果の指導の無益さについて話すと、かなりの批判が返ってきます。生徒が学校で絶えずいやがらせを受けているというのは非常に耐えがたいことですが、改善のために何らかの提案をしても、うまくいくわけがないと言われるのがおちなのです。」−−カナダ、アルバート州在住 アート・ホロヴィッチ

  教育者であるドナルド・フェルカー氏はこう報告しています。「入学直後から数年間で、子供にかかるひどい圧力のために、子供の自己イメージは着実に低下していきます。これは、学校の本質そのものが子供の自己イメージに非常に有害な影響を及ぼしているからかもしれません。5年生頃になると彼らの自己イメージは再び上向きになり始めます。学校生活は誰にとっても困難なものですが、最初から否定的、あるいは低い自己イメージをもっている子供にとってはなおさら困難です。」

  教育者のジョン・ホルト氏は、公立学校での緊張感は子供の健康にも影響すると述べています。「多くの親が、学校をやめた途端に子供が目ざましく健康になったという手紙をくれた。インディアナ州の母親はこう書いてきた。『去年の11月に、公立小学校の1年生だった息子に学校に行くのをやめさせてから、おねしょも止まり、毎日胃が痛んだり、頭痛がすることもなくなり、6カ月の間風邪一つひかず、とっても幸せそうにしているんです!』」

  1991年7月1日付けのフォートローダーデイル・ニュースとサンセンチネルからの報告もまた、ある子供の似たような変化についてです。「小学校教諭の資格を持ったオーシア夫人が公立学校教育の価値に疑問を抱き、ホームスクーリングを始めたのは、子供から笑顔が消えてしまったという単純なことがきっかけだった。彼女は娘の公立学校に対する反応についてこう言っている。『キムはとても陽気で、微笑みの絶えない子でした。それが学校に行くようになって本当に変わりました。微笑みが消えたんです。』」

 

新聞から

  子供の情緒的な混乱や動揺に気づかぬままでいると−−冷たく個人的なふれあいのない学校環境ではよくあることですが−−悲劇的な結末に至ることがあります。

  ◆90分に一人の割合でアメリカのティーンエイジャーが自殺している。

  ◆若者の自殺は、流行のごとく急激に増加している。過去3年間(1983-1985年)にその割合は3倍に及んでいる。麻薬、アルコール、そして、両親や教師が問題に気づかず、助けの手を差し延べなかったことが主要な原因となっている。アメリカの家庭ではライフルやピストルの管理がルーズなのも、重大な要素となっている。若者の自殺の多くが銃によるからだ。

  ◆1983年には、6千人を越す15-24歳の若者が自殺をした。この数は1950年の5倍以上に当たる。この数字には自殺未遂は含まれていない。ちなみに自殺未遂の90%は女子である。

 

5.公立学校は家族のきずなを破壊し、親の権利や責任を侵害している。

 

  この主張については、ホームスクーラーのデービッド・ケンドリック氏が非常に的をついた発言をしています。

  「大切な人格形成期に子供達を家から送り出して、私達が直接知りもしない人達、モラルや価値観や政治的、宗教的信条が私達のそれとは異なっているかもしれない人達から影響を受けるのを許すのが正しいとは思えませんでした。子供が学校に通うようになるや、家庭は家族中心ではなく、学校中心になります。学校に行く準備の時間が1時間、学校にいる時間が6時間、帰って来てくつろぐ時間が1、2時間、夜の宿題の時間が1時間ないしそれ以上といった具合で、それでは親子の会話をしたり、学校に関係ない事をして親子で楽しむという時間は殆どありません。子供の教育そのものに、これ程も多くの日課や規制が必要とは思えません。これはそもそも大勢の子供達を小人数の教師で教えようとするからです。クラスを統制してしつける必要性が大きい為に、子供一人一人の必要を見いだし、それを満たしてやる事になかなかエネルギーを費やせないでいるのです。」

(「自分で子供を教えなさい」の中でジョン・ホルト氏が引用している)

  残念なことに、すべての親が、ホームスクーリングを行っている親ほど自分の子供のことを気づかっているわけではなく、親としての責任を放棄し、その結果、公立学校は、拒絶され、敵意を抱いた子供達でいっぱいになっているのです。そういった子供達は、錨(いかり)となる、安定したファミリー・ライフの益に預っておらず、そこから得られる安心感を持っていないのです。

 

新聞から

  ◆ティーンエイジャーの自殺、犯罪、麻薬乱用の件数が高まっているのは、家族のきずなの崩壊や、地域や学校、その他の機関の怠慢によって、社会において人間関係が疎遠になり、断絶が起こっている証拠であるということが調査結果から明らかになっている。

  ◆カリフォルリア当局は、郊外に住む白人中流階級の青少年の間で、ギャングに加わり、ギャング同士の抗争や、強盗や、悪魔崇拝の儀式にかかわる者が増加していることに頭を痛めている。当局は、親の監督の欠如、伝統的な家族のきずなの崩壊、子供達が両親の価値観から離れている事などを、その原因としてあげている。「大半の親は、自分達の見ている事が問題である事に気づいておらず、気づいたとしても、家庭でのしつけが全くなされておらず、何の規制もしない。」と、ロサンゼルス郡保安官事務所のアル・チャンセラー署長は語っている。

  ◆アメリカ人教師による最近のレポートによれば、学校生徒の80%は、親の怠慢や無関心な態度によって悪影響を受けているという。(それも驚くには及ばない。TVと学校と宿題ばかりで、顔を合わせる暇がないのだから!)

  ◆心理学者のパメラ・カントー女史は、典型的なアメリカ人の父親が「赤ん坊と過ごす時間は1日平均37秒で、アメリカ人の親が子供達と過ごす時間は世界中のどの国に比べても一番少ない」と語っている。

  ◆ティーエイジャーの自殺が急激に上昇しているのは、子供の「助けを求める声」に親や教師が気づかない事も一因であるとされている。

  ◆精神病院に入れられる子供の数が増えてきている。昔は家庭で解決するのが当り前だった問題でも、それを自分達で解決していこうという気持ちがないか、その能力のない親が、苛立ちを覚え、結局は子供を精神病院に入れるのである。1986年には36,000人のアメリカのティーエイジャーが私立精神病院の錠のかかった病棟で過ごしたとの事だ。心理学者のイラ・シュワルツ博士は、その半数以上は、そうした処置を取るのは全く不適切で、不必要であることを発見している。同博士はまた、それらの精神病院は、親に恐れと不安をあおって、子供を病院に入院させるよう言葉巧みに説得したと非難した。病院は、入院した子供達の行動を落ち着かせるための薬剤治療で、多い場合には、1カ月1万6千ドルもの治療費を受け取っている。

 

6.公立学校は柔軟性がなく、個人を尊重しないので、生徒は親身に構ってもらえない

 

  才能に恵まれた子供の為の全国協会会長を務めるフランク・ショーウッド氏は、子供百人の内2人は天才児だと見ています。しかし、すべての子供達が全く同様になる事を期待され、いかなる形でも個性を示すことに眉をひそめる社会にあっては、彼らの内に秘められた才能は急速に衰え、完全に絶えてしまうとのことです。

  アルバート・アインシュタイン博士は、学校教育は創造性を抑えつけると言っています。「実のところ、現代の教え方が、何かを極めようとする純粋なる好奇心を完全に押しつぶしてしまっていないのは、奇跡以外の何ものでもない。好奇心という、この繊細なる物は、刺激の他に、おもに自由があってこそ生きて行く事ができるのであり、それなしには必ずや衰え、消滅してしまう。物事を観察し、探求する喜びを、強制や義務感によって増大させることができると考えるのは、非常に重大な間違いである。」

  「自分で子供を教えなさい」の中でジョン・ホルト氏はこう述べています。「子供達は学校に入学するや否や、自分の能力を発揮する間もない内に、一定のグループに入れられてしまう。そして一旦一定のグループに入れられるや、そこから抜け出る子供は殆どいない‥‥殆どの小学校のクラスでは、事実上、ある種の階級制度がしかれている。小規模な、入学者を選択する私立の学校でも、教師仲間の多くは、しばしば子供の容姿を基盤に、ある子は良い子、ある子は悪い子として素早くレッテルを貼り、一旦悪い子のレッテルを貼られた子供は、そのレッテルをはがすのは殆ど不可能だと知る。」

  教育者であり、また本や記事などを執筆しているメアリー・プライド氏は、次のように述べています。「生徒に教えられる事柄はすべて、統制されているもの、つまり、教師、コンピューター、教科書を通して教えられます。教師は規則によって統制を受け、指導要領に従わなければ管理職者は彼らを解雇することができます。(しかし、ホモ行為をしようと生徒を誘惑しても解雇されないことでしょう。) コンピューターは、どのソフトウェアを使うかによって統制され、教科書は女権拡張主義者や世界統一政府検閲委員会によって統制されています。それによる最終的な望ましい結果とは、体制を支持することを学んだ、従順に働くロボットの一団、福祉手当を受けている従順なロボットの一団を生産することなのです。」

  俳優であり監督でもあるピーター・ユスティノフ氏はこう述べています。「学校教育は、創造力や率先性を殺してしまう傾向にある。いわゆる『ドロップアウト』や『低能者』達が、実際には真の学者なのかもしれない。彼らは、自分でものを考え、教室での無意味な洗脳教育は拒絶するという決意をしたのだ‥‥私には資格など一つもないが、社会はそういった、資格なしの人間を必要としている。」 同氏は、「学校教育」の危険に気づき、ずいぶん昔から、「学校に行くこと」と「教育」とは必ずしも同義語ではないという結論に達したとのことです。その二つはしばしば全く正反対のことを意味しているのです。「教育とは、私達の体験する全ての事柄を全部ひっくるめたものであり、どこでどのように得るかは関係ない。ところが学校(と大学)は、そこに行った者達を高慢な優越感で満たし、行かなかった者達には、生涯、自分は能力不足だといった劣等感を抱かせる。」

  生徒の通知簿に実際に書かれた批評によっても、柔軟性のない学校教育が、子供の自然な行動をいかに抑えつけているかがわかります。「マリールはとてもおしゃべりで、はしゃぐ傾向にありましたが、この2週間でかなりの進歩を見せています。」

  ジョン・ホルト氏は、里子施設にいて情緒的にも身体的にも病気になってしまった子供の世話と回復において素晴らしい成功を収めているサーレムの子供村について次のように語っています。「彼らは子供達と沢山スキンシップをしているが、大抵の学校では特に男性教師がそれをしようものならクビになってしまう。こういった優しく人間的な方法で子供に接する事によって、非常に短期間の内に病気の子供を回復させることができるなら、こういった方法を行わない事で−−実際、殆どの学校で行われていないが−−ほぼ同じくらい短期間の内に健康な子供が病気になってしまいうる。」

 

7.公立学校では時間の無駄が多い

 

  幾つかの調査によれば、公立学校での1日6、7時間というのは、不必要なことに費やされるか、何も益になることが行なわれていない。

  ジョン・ホルト氏は次のように述べている。「私が学校に通っていた頃、1日に15分でも、生徒のことを気づかう思慮深い大人が、私にとって興味深い事、あるいは不思議に思うことや大切に感じることについて話してくれたというのは、非常にまれなことだった。私が学校で過ごした時間全部を考えると、そういった時間はおそらく平均して1週間に15分ぐらいしかなかったのではないだろうか。今、学校に通う生徒の大部分にとっては、それよりもはるかに短い。教師が生徒に話しかけるのは、何かを命じるか、注意するか、警告するか、脅すか、責める時だけだから。」

 

新聞から

  ◆教師の指導能力に関する報告において、アメリカ学校管理職者連盟は、授業時間の無駄を証明する、テキサス州オースチンにある独立学校区域による調査結果を例に挙げている。その調査によれば、授業日の6時間半の内、生徒が教室で指導を受けるのは3時間45分だけであることがわかっている。その指導時間も、通達や、トイレに行くことや、教材の出し入れ、しつけ、あるいはただ教師の次の指導を待っていることでつぶされてしまっている。−−1980年9月17日付けのザ・バルチモア・サンより。

  ◆「小学校の生徒はあまりにも多くの時間を宿題に費やしている。その多くは、単に、子供を忙しくさせるだけの目的で課せられているからだ。幼い子供達は、学業以外の様々な事柄をする必要が大いにある。例えば戸外で遊んだり、十分な運動をしたり、音楽や図画工作を楽しんだり、親子水いらずで過ごしたり、自分の好きな本を読んだりなどである。」−−ヘレン・フェザーストーン、ハーバード教育公報より。

  ◆ホームスクーリング提唱者は、子供達は1日2、3時間の指導で基本的な事柄を学べると言っている。子供達がハーバード大学に入学するまでずっとホームスクーリングを行っていたコルファック一家は、毎日家庭での学習に2時間半程費やしただけだった。彼らの息子のドリュー君は、自分と大学のクラスメイト達との違いは、勉強はとても楽しかったことだと言っている。

 

8.公立学校の学科水準の低さとお粗末な結果

 

  ジョン・ホルト氏は、「自分で子供を教えなさい」の中でこう述べています。「人々が子供たちに学校をやめさせる一つの理由は、子供達が何も学んでいないと考えるからだ。学校は、教育に関して驚くほど無能でありながら、その失敗を全て生徒のせいにしている。私立、公立を問わず、『優れた』学校でも『劣った』学校でも、ごく小数の例外を除いて、生徒が学んでいれば、常に学校の指導が優れていたからだと言い、学んでいなければ、生徒あるいは親がその責めを受けるという原則にのっとっている。」

 

新聞から

  ◆アメリカは「進んだ国」と自ら誇っているが、その文盲の割合を見るなら、それは滑稽としか言いようがない。産業国の中でも国民の読み書き能力が最低なのである。大勢の国民が基本的な読みの能力に欠けており、最も信頼できる筋によれば、アメリカ人で、農薬の缶やたばこの箱に書かれた警告や新聞の見出し、子供の担任教師からの手紙などが読めない大人は分割禁止2,900万人にのぼるとのことだ。

  ◆バーバラ・ブッシュ夫人は、アメリカは文盲という流行病を病んでいると語った。読み書き能力において、1950年には、国連加盟国の中で18位だったが、現在は49位である。国内には、文盲者ないし機能的文盲者(訳注:仕事などに必要な読み書き能力に欠ける者)は、見積もりで約6千万人に達している。

  ◆住人千人当たりの売上部数による、新聞の売れ行き状態を比較した結果、次のような数字が出ている。日本575部、西ドイツ408部、アメリカ269部。アメリカの新聞社は、1979年以来、読者減少のために54社が倒産した。

  ◆アメリカの有権者で、アメリカ憲法を読めない人は7千万人にのぼる。

  ◆ホワイトハウスは、「我が国は、読み書き能力衰退の為に危機を迎えている」と発表した。

  ◆アメリカでは、大人全体の40%が、道路地図があっても使えない。

  ◆アメリカでは、大人の約80%が、外食の際のチップを計算したり、家に帰る為どのバスに乗ればよいかを時刻表から読み取るのに十分なだけの算数の能力を備えていない。−−ジョナサン・コゾール、「文盲のアメリカ」の著者。

  ◆公立学校教育長によれば、カリフォルニアで初めて実施された、読み書き数学の基礎学力テストを受けた6943人の教員志願者の内、3分の1が不合格だったという。

  ◆米国技術評価局が一部経費を負担して実施された、17カ国の高校生についての最近の調査によれば、アメリカの高校生は、化学では最下位に近く、生物は最下位である事がわかった。

  ◆アメリカの11の教育機関から成るフォーラムは、アメリカの学齢期にある子供達4千万人の内3分の1が、学校では落第し、社会でも落ちこぼれになる恐れが大で、それは国家の並ならぬ緊急問題になっていると警告を発している。このフォーラムは、学校教師、学校の管理職者、教育委員長、学校理事、校長などの見解を代表するものである。生徒の多くは、麻薬問題、貧困、自らの犯罪行為という問題を抱えている。フォーラムはさらにこう付け加えている。

  −−10-17歳の子供達の非行は、1960年以来少なくとも130%増加し、なお増加の一途をたどっている。

  −−アメリカのティーンエイジャーによる麻薬使用は、世界の産業国の中でもトップである。

  −−アメリカの子供達の4分の1近くが、貧困ライン以下の生活をしている。

  −−現在の離婚率からすれば、今の4歳児の半数以上が、18歳になるまでに、片親だけの家庭に住むことになるだろう。

  −−アメリカのティーンエイジャーの出産率は他のどの西欧諸国に比べても2倍の多さである。

  ◆公立学校における公共物破損行為による損害額は、年に何百万ドルにも及んでいる。ワシントンDCのある女性教師は学年の始まりに、教室の状態を次のように述べた。「4つの黒板と1つの掲示板には、びっしりとマジックで落書きがしてあります。黒板の粉受けは完全にはずれ、数学を教える為の2つの黒板はめちゃくちゃに壊されています。日の当たる側で、ブラインドの残っているのは8つの窓の内1つだけです。窓を開け閉めするための取っ手もなければ、時計もありません。教師の机の引き出しはなくなっており、残っているものも鍵がかからなくなっています。教室の鍵もかかりません。物置のドアは剥ぎ取られて半分あきっぱなしです。教師が、盗難に合う事なく、個人の持ち物を安全に保管できる場所はどこにもないのです。」

  ◆議会によって設置されている、連邦政府の出資機関、米国教育向上評価協会の報告によれば、10年間、書くことの指導に力を入れてきたにもかかわらず、アメリカの小、中、高校生の作文能力は、尚お粗末ということだ。1984年にテストを受けた生徒の大半は、ちゃんとした作文を書くことができず、この状況は「懸念するに足るもの」という言葉で結んでいる。

  ◆政府の調査によれば、アメリカ人の大半は、自分の意志を十分相手に伝えるだけの文が書けず、学校やビジネスや職場で成功するために必要な作文能力のある者は、ごく小数である。生徒は、ほかのどの主要科目にもまして作文で一番劣っており、彼らの作文能力の問題は、批評的な考え方やコミュニケーションに弱いといった、深刻な問題に結びついていると専門家達は警告している。

  ◆アメリカの教育水準が極めて低いために、国家は凡人ばかりになる危機に瀕していると、ロードアイランド大学前学長のフランク・ニューマン氏は、カーネギー教育振興財団への報告の中で述べている。アメリカの大学は、市民としての責任感と創造性に欠ける卒業生を社会に生み出している。学生はいつも受け身的な態度で授業に臨み、教えられる事柄に少しでも疑問を差し挟むことは認められていない。

  ◆アメリカの児童は20年前に比べて太ってきており、5年生から高校3年生の生徒の内、健康な心臓や肺を築くのに十分な運動を行っているのは、わずか半数に過ぎない。

  ◆アメリカの児童は、体力が向上しているどころか、昔に比べて肥満で、より不健康になってきている。持久力、筋力、柔軟性が殆どない。栄養のない食べ物ばかり食べ、長時間テレビの前に座り、運動嫌いの生活をしているなら、長期に及ぶ健康の問題が生じるのも当然と言えるくらいだ。カリフォルニア大学の研究グループが1983年にロサンゼルスに住む1,500人の4年生の児童を検査をしたところ、ほぼ半数が、心臓病や動脈硬化、脳卒中の大きな要因の内の少なくとも一つを持っていることが判明した。これには、高血圧、多量のコレステロール、肥満が含まれている。

  ◆アメリカの公立学校の教室とは、どの学年においても、話ばかりする教師と無関心な生徒の場であることがわかっており、生徒は、はっきりとしたゴールもなく、深刻な社会的、教育的不平等という状況の中に置かれている。「アメリカの学校は深刻な状況にある。」と言ったのは、UCLAの大学院教育学部の元学部長で、「学校調査研究所」のジョン・I・グッドラッド所長である。8年間におよぶ研究で、2万7千人以上にインタビューを行った結果わかった事は、教室の雰囲気の殆どが、まるで活気がないという事だ。笑いや怒りなど、あからさまに感情が表に出る事は希だそうだ。グッドラッド博士は次のように述べている。「私自身、そのような教室に何時間もいたら、頭がいわば『停止』状態になってしまうことだろう。そして、それこそ生徒達に起きていることである。」

  ◆歴史や文明の授業は、アメリカでは衰退しつつある。16歳から18歳の生徒千人を対象とした最近の調査では、フランクリン・D・ルーズベルトを、ベトナム戦争中の大統領だと思っていた者が4分の1以上もいた。ピーター・ユスティノフがロシア革命の指導者であると答えた者は10%に達し、南北戦争の年代を50年以上も間違えた者は3分の2に及んだ。50%は、第一次世界大戦についても同じぐらいあやふやで、スターリンやチャーチルが誰かも知らず、3分の1は、コロンブスが新しい世界を求めて航行に出たのは、1750年以降の事だったと答えた。

  ◆1950年の調査では、ブラジルをアマゾン川の流れる国として挙げることのできたのは、アメリカの大学生の内77.5%に及んだ。ところが、1985年にノースキャロライナ州内の全大学でそれと同じ質問をしたところ、正しく答えられた学生はわずか27%だった。−−これは、今日の学生が、1950年の学生に比べて、地理的見識を持っていない事を証明している。またアメリカの人口を500万人以内の誤差で当てる事のできたのは、大学生の内わずか8.4%だった。

  ◆大学生の内71%は小学校で一度も地理を学んだことがなく、65%は中学校で一度も地理を学んだことがなく、73%は高校で一度も地理を学んだことがなかったと言っている。

  ◆マイアミ大学で、地理の授業の第一日目に学生達をテストしたところ、地図でシカゴがどこにあるかを示す事のできない学生は、全体の半数以上に及んだ。またロサンゼルスを見つけられなかった者は41%、ロンドンがどこだか全く見当もつかなかった者は42%、8.5%の学生は何とマイアミがどこにあるかさえ知らなかったそうだ! 北大西洋を見つけられなかった学生は7%、中にはケープタウンが南アメリカの最南端にあると思っていた学生もいた。

 

9.移動の多い生活では、一定の場所で教育を受けるのは不可能

 

  大学に行くよりも、旅行をしたほうが、よく学べることが多いです。また、自分で勉強することによってはるかに多くのことを学べます。大学で役にも立たない授業を受けて時間を無駄にするよりも、聖書を読んだり、さらには新聞を読んだりして、もっと大切な実際的なことを学ぶよう独学したほうが、たくさんの事を学べるのです。

  外交官、外国の職場で働く人達、俳優、宣教師、軍人、学校や町から遠く離れた地域に住む人達にとって、そのライフスタイル、居住地、仕事、旅行などの関係で、子供を一定の学校に通学させるのは不可能か、あるいは実際的ではありません。彼らは、子供達に必要な教育を与える手段として、個人教授や通信教育や家庭での教育に依存しています。こういった人々のための教材もあり、公立学校は、これをホームスクーリングのためのもっともな理由として受け入れています。

 

10.義務教育は、子供の市民としての自由を侵害するものとなりうる

 

  公立学校に反対するその他の主張は、次にあげる、子供の市民としての自由に関するジョン・ホルト氏の意見に要約されています。

  「法廷ではまた認められていないが、学校に行くことを義務づける法律は、それ自体、私には、子供及び親の市民としての自由をひどく侵害するものに思える。これは、学校の状態や組織や生徒の扱い方に関係なく言えることだ。学校が今の状態よりもはるかに人道的かつ効果的なものであったとしても、やはり自由の侵害なのである。

  その上、今では全国の学校でかなり一般的に行われている事で、生徒の市民的自由をひどく犯すものが実に数多くあります。それには次のような事柄が挙げられる。

  1.児童の在学中の成績を永久的に保存している。それが学習成績記録だけであっても、許しがたい事である。誰かが例えば8歳の時に何かの科目でどんな成績を収めたというのは誰も知る必要のない事だ。

  2.学校の記録を生徒または両親、さらにはその両方に知らせず、秘密にすること。これは、法律で明確に禁じられている地域でさえも、多くの場所で今なお行われている。

  3.こういった記録を、子供やその親の許可もなしに尋ねて来る者−−雇い主や警察、軍隊、または他の政府関係の諸機関−−に見せる。

  4.生徒に心理テストを義務づけ、これらのテストの結果を子供の記録に収める。

  5.「微小脳機能障害」、「活動過多」、「特定の学習障害」など、これらは想像上のものに過ぎないのに、いわゆる不治の病を持っているとして、生徒にレッテルを貼ること。

  6.リタリンのような、精神に影響を与える非常に強力で危険な薬を生徒に投与することを義務づけている。

  7.学校で体罰を与える。実情では、ごく小さな違反、あるいは教師のでっちあげた違反のために、幼ない子供を激しく打ちたたいたりする。

  8.単に規律違反、あるいは出席日数の理由で、生徒の学習成績を下げたり、さらには落第点を与えたりまでする。これは実際に広く行われているだけでなく、学校の管理陣は、それをおおっぴらに自慢さえしている。それが実際には、公式記録の故意の文書偽造行為であり、偽証行為であるにもかかわらずである。」

  ホルト氏は、さらにこう述べています。「再び、学校に行くことを義務づけることについて、それが実際にはどんなものかを述べよう。もし政府があなたに、1年に180日間、1日に6時間ないしそれ以上の時間を、指定された場所で過ごし、そこで人の言う通りのことをしなければならないと言うなら、誰もが自分の市民的自由を、ひどく侵害されたと感じることだろう。国側はもちろん、学校教育を施すことだけが、子供が無知となったり、国家の重荷とならないようにする方法であると主張し、公の方針として子供達が学校に行くことを義務づけることを正当化する。しかし、たとえそれが真実で、子供達が実際に学校で大切なことを学んでおり、それらを学べる所が他になかったとしても(そのどちらも私は認めませんが)、それでもイリノイ州スコーキーのナチのデモ行進のような、より困難なケースにおいて、公の方針の必要性を口実に市民の自由を侵すことが許されないのであれば、教育に関しては絶対に、市民の自由の侵害が許されるべきではないということを、ACLU(米市民的自由連盟)に思い起こしたいと思う。」

 

   ――――――――――

 

ニューヨークの学校、悲しむべき年

−−リック・ハンプソン 1989年6月21日

 

  ニューヨーク(AP)−−6月に学校年度が終了するが、ニューヨーク市の94万人の公立学校生徒は、窃盗や買収、武器の所持、セクシャル・ハラスメント、麻薬、政治腐敗など、次から次に教えられた。

  彼らの教師には、学校から小型グランドピアノを盗んだとして摘発された、ブロンクスの教育委員も務める教師や、道路沿いのダンボール箱の中で生活している教師もいる。また、5歳の子供が実弾入りのピストルを持って幼稚園に行き、11歳の児童は4千ドル相当のクラックをランチバッグの中に所有していたという。ある校長は、自宅のアパート近くでクラックを買っているところを逮捕され、あるベテラン教師は、学校の教員用駐車場でコカインを吸って逮捕された。そして市の有権者は、ニューヨークの教育委員の選挙投票に行くのを疫病のようにいやがっているという。

  また生徒達は、人生の不条理と空虚さについても学んだ。劣悪なカリキュラムの変革を任命されたリチャード・グリーン教育長が急死してしまったのである。

  この学年度は終わろうとしているが、この悲しむべき事態から学ぶべき教訓は、増加の一途をたどっているので、誰もとてもついていけないくらいだ。

火曜だけでも:

  州全体のリージェント学力テストの化学のテストは、大量の解答用紙が盗まれ、野球のパンフレットのように売りさばかれていたので中止になった。その1枚はニューヨークポスト紙の1面にまで掲載された。記者がそれを売っている生徒を見つけ出すのに15分しかかからなかったそうだ。

  秘密捜査員によれば、先月のニューヨーク教育委員選出選挙では、33カ所の投票所で33度も投票できたと報告している。ただ幾つも偽名を使って登録したのだ。

  控訴裁判所は、学校職員や政党の役職についている人物が教育委員を務めるのを禁止する法律を復帰させ、その結果18人の委員の選出が無効となった。

  ニューヨークの基準からしても、かなりひどい年だった。1988-89年に、ニューヨークの学校での出来事には、以下のようなことがあった。

  9月30日:生徒達は、学校の教材や用具を受け取るのに、1月まで半年に渡って待たなければならないことを知る。生徒への配付を早めるために、教師達に資金を供給するプログラムがあるにもかかわらずである。

  10月25日:校内での、生徒の武器携帯の増加を案じる教育委員会は、2,800ドルかけて、金属探知機の導入に踏み切る計画を発表した。

  11月9日:ブロンクスの学校長マシュー・バーンウェルは、ハーレムの自宅アパート近くでクラックを2瓶買った容疑で逮捕された。記録によれば、これまでにバーンウェルは3回停職処分になり、1年間だけで百回も無断欠席や遅刻を重ねていたこともある。

  11月14日:ブロンクスのある学校職員は当局に、地元の教育委員会のメンバーからのセックスの誘いを断わったために、転勤させられ、昇進の道を断たれたと訴えた。

  11月23日:グリーン教育長は、南ブロンクスのモリサニア地区の教育委員会を解散させ、何人かの委員が麻薬の使用や配布を行ったり、学校の器具を盗んだり、教師達や校長やその他の職員から政治献金を強制的に集めていたという訴えに基づいて、大陪審の捜査を要請した。

  11月30日:新聞によれば、ブロンクスの教育委員会のある女性委員は、道路沿いの段ボール箱の中で数週間も暮らし、その後で完全に姿をくらましたという。委員会会議に出席していないのに、6カ月間、毎月125ドルの給料を受け取り続けた。

  12月9日:イーストハーレム学区の学区長とある教育委員は、秘密の学校資金を個人の出費に使い込んでいたと申し立てられている。例えば、「スィート16パーティー」やティファニーのブレスレットなどのためである。この地区は、昨年ホワイトハウスから、全国模範地区に選ばれていた。

  1月13日:ブロンクス小学校の食堂に来た5歳の幼稚園児が、25口径の実弾入りピストルを持っているのを発見された。

  1月20日:ブロンクスの教育委員と元教育長が様々な犯罪容疑で起訴された。ある教育委員の容疑は、教科書会社から賄賂をせびっていたことである。

  3月14日:ブロンクス地区の教育委員主任は、昇級試験に不合格だった女性副校長代理に、失職しない事と引き換えに自分に金を払うことを要求した容疑で起訴された。ランチバッグにクラックを411瓶も所持していたブロンクスの11歳の生徒が逮捕された。

  5月2日:投票を呼びかけるキャンペーンにもかかわらず、学区の教育委員選挙に投票したのは有権者のわずか7%にすぎない。20年前に選挙が始まって以来、最低の投票率である。腐敗とえこひいきの運営がはびこっているという報告にもかかわらず、現委員の大多数が再選された。

  5月8日:バーンウェルの裁判は誤判に終わる。彼は復職し、年に6万1千ドルの給料をもらい続けることになる。

  5月10日:グリーン氏は、教育長になってわずか14カ月でゼンソクの発作で死亡。

  5月23日:ブロンクスの小学校3年生がトイレでクラックを19瓶発見する。

  6月19日:州の監査役によれば、中央教育委員会に寄せられる学校の腐敗についての苦情の半分は、全く調査されていなかった。

  学年度の終わりとなって、ブロンクスの全学区の教育委員会が当局の捜査を受けており、二つの委員会がニューヨーク市の他の六つの委員会と共に解散させられた。124人の教師や管理職者が解雇されたり、何らかの処分を受けた。校内暴力の統計は、まだ計算中の段階である。

 

"WHY CHRISTIAN CHILDREN SHOULD BE KEPT OUT OF PUBLIC SCHOOLS!"--JAPANESE.