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目次

天国のコンピューター_2

もしこの地上のすべてが「本物」の一瞥(いちべつ)にすぎないとしたら、天国のインターネットとはどんなものか

 

宿命的帰郷_9

南極到達へのレースで命が失われたのはなぜか?

英国海軍将校があなたに語る

 

ハーメルンの伝説_10

伝説は語り継がれ、理論づけられて来た。さてその真相は?

その場にいた一人の女の子からの話

 

インドの王妃_22

妻は7歳、夫は10歳。二人は夫婦だった。彼らはセックス、真の愛、結婚をいかにして学んだのか?

 

反逆児  

彼は今も反逆児だ。だが今度はメッセージが違う

 

ジュール・ヴェルヌ

かつての発明家が、天国で発明発見の設計者となる

 

きらきら星

有名な者、無名な者、誰が本物のスターなのか

 

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天国のコンピューター

  やあ、僕の名前はマイク。みんなが楽しみに待てることをいくつか話にきた。それを限られた地上の言葉でできるだけ上手に説明してあげよう。

 

  ここ天上のコンピューターはすごい! 色んなことができるし、プログラムすればほとんど何でもできるんだ。しかも、今のはパソコンのことをちょっと言っただけで、神のコントロールセンターを動かしている大型コンピューターや、宇宙都市のあちこちにたくさんあるレジャーセンターを動かしている驚くべきコンピューターのことには触れていない。これらの大型コンピューターは「アクチュアル・リアリティー(実際現実)」の体験と、無数にある楽しいゲームやチャレンジや実体験を提供してくれているんだ。

 

  まず、地上にあるすべてのものはやがて来ようとしているものの雛形(ひながた)にすぎないと気づけば、もっと想像がつきやすくなると思うよ。実体がなければ影もない、そうだろう? と言う訳で、今地上にある便利な器械や科学技術の驚異といったものはすべて、神が作られた本物、また霊の領域に存在するものをちょっとかいま見るにすぎない。

 人間は、すごいものをいろいろ作り出したんだから自分達はさぞ偉いなんて思っているけど、今までに発明されたものはどれもこれも神が最初に考え出したものなんだ。そしてそこには決まって偽造の名人である「悪魔」がいて、神の清らかなアイデアをひん曲げて狂わし、破壊と汚染と退廃の道具にしてしまう。でもそれはまた別の話だ。今度、話してあげるね。

 今地上でインターネットが大流行しているのはみんな知っているよね。コンピューター狂の君たち、天国にはコンピューターを持っていけない、なんて心配しなくてもいいんだよ。まあ、確かに持っては来れないけど、地上のガラクタを置いてきて天国で本物を手にするんだ。制限なしの容量とメモリーを搭載(とうさい)し、光速で処理しても絶対クラッシュしないコンピューターなんてどうだい? なかなかのもんだろう? それにスタックして何をどう操作したらいいかよくわからない時でも、コンピューターと話して助けてもらえる。もちろん操作する技術は必要で、地上と同じように全然コンピュータに関心がない人もいるけど、ここのコンピューターはもっともっとユーザーに使いやすく出来てるんだ。

 天国にも、みんながインターネットと呼んでいるようなものがあるよ。天国のマンションにはたいてい何らかのコンピューターがあって、センターボードかコミュニケーションコントロールに接続されている。コミュニケーションにはテレパシーをよく使うよ。なかなかの優れモノだ。ただ思考を通して遠く離れた人とも会話できるんだから。でもコミュニケーションの方法はそれだけじゃない。E-メールみたいなのもあって、驚くほど効率的で整然としているよ。

  天国のコントロールセンターからのお知らせがあって、すべての人に送られたり、特定のグループに送られる。グループの人数は、内容によって違うけど、何千人のことも、何百万人のこともあるよ。これによって天国の住民が地上での出来事を知ることができるわけだ。お知らせについてすごいのは、文字だけとは限らないってこと。時には知らせているイベントがフルカラーの映画になっていることもある。ぼく達みたいに地上の神の子供達と波長を合わせている者には特別な回路があって、神の子供達に関するどんなお知らせでもすべて受け取るようになっているんだけど、それを見ると大いに祈りたい気持ちになるよ! 時には正式な仕事の通知をコンピューターで受け取ることだってある。何から何まで効率的なんだ。本当にすごいよ。

 

  今までにE-メールでオーバーロードしたことがあるなら、そんなにたくさんのお知らせを全部どうやって受け取るんだろうと思ってるかもね。何しろ、その人が誰かや仕事が何かによっては一日に何千通も来るんだから。言うまでもなく、一つナイスなのは、天国での知能は遙かに高くなっているということ。ぼく達は主の領域にいて、完全に主に服従しているし、天国の体があるから、苦痛や疲労や病気や地上の生活に伴ってくる困難がないんだ。だから、疲れを知らずに仕事ができるってわけさ。

  何時間もE-メールを読むのに費やさなくていいんだ。増幅された吸収力があるから、地上の時間で言う数分で、次々と、あっという間に全部読み終えられるようにコンピューターをプログラムできるってわけ。つまり全部「速読」できるように早送りされているようなものだ。君たちが地上でしている類の速読じゃないよ。それだとあまりに速くて要点だけしか得られない。僕たちは全部の詳細を読むけれど、ただ速度が速いんだ。じっくり見たり、特別に関心があるなら「リアルタイム」で楽しむ時だってある。例えば育った国や、(もし地上に住んだことがあるなら)地上の愛する人達についての特別なニュースや、天国の友達からの私信なんかをね。主御自身からのメッセージだってあるよ! 主御自身に謁見(えっけん)しに行く必要はない! でもたいていの場合、また日毎の仕事の詳細についてはざっと目を通すだけで十分なんだ。

  でも間違えないでね。主は確かに私達にゆっくりとやって欲しいと思っている。それが一番祈り深くなれる方法だとご存知だからね。だから、僕たちが何でも「急げ急げ」っていう調子でやっていると思わないで欲しい。ただ天国のごく小さな一部分を説明しているだけだから。結局コンピューターに愛を示すことなんてできないのだから、主はそれにそんなにも時間を費やさなくていいと承知しておられる。ただ必要な情報を得て、送りたいメッセージを送るのに必要な時間があれば十分なんだ。

  僕たちはみんな愛情深く接しているものの、それが能率を下げるということはない。必要なら素早く動けるし、みんな効率のいいペースで進んでいるよ。でも主が完全にコントロールしておられるから、地上の人たちがプレッシャーをかけられたり時間に遅れているときになりがちな、狂ったように神経をピリピリさせながら急ぐということは決してない。

 

  というわけで、いいかな! 確かにここの人生は素晴らしく、創造物で満ちあふれ、愛と平和が全体を覆っている。でもがっかりしないで。どこに行ってもコンピューターがあるから! ハ! みんなに会うのを楽しみに待っているよ! 望むならここで宇宙都市のコンピューターツアーをしてあげよう。それには千年位はかかるだろうけど! じゃあ、またね!

 

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反抗してみろ

反逆児 ジェームス・ディーンより

  たった今君たちが下している決断が君の人格を形作っている。10歳、11歳、12歳の君だってそうさ。君は自分の未来を形作っている。だからうまく作りな。大物になれよ! 霊の世界と霊の状況に真の財産を築いて、大物になれ! 誰かを助ける偉大な人になりな。他の人に手を差し伸べる偉大な人になるんだ。

  そうすれば、きっと大いに感謝し、幸せになる! そして霊の内で高く高く舞い上がり、君が望まない限り、絶対に誰にも捕まらない! それが一番自由に舞い上がる方法だ。他の人に与えること、それこそ最高にワイルドになる方法なのさ。心の底から与えるんだ。俺にはわかってるんだ。両方とも試してみたからな。

  自分の欲求を満足させ、自分の達成感にひたることに惑わされるな。そんなのは本当の達成感なんかじゃない。いずれ永遠の領域に入る時が来る。その時には君自身の霊と霊の状態を連れていくことになる。今こそ君の霊がいい状態で、君の心が正しい方向に向かって奮闘しているかを確かめるときだ。

  この世の若者が関わってる悪に反抗しろ! 反逆者になりたいのか? 真の反抗者の霊を持ちたいのか? それなら、悪魔が君の世代に忍び込ませようとしている、利己心や自己の欲求の追求なんかに対して反抗してみろ。人々が押しつけてくる憎しみやなんかに反発するんだ。心の中では間違っているとわかっている、そうだろう? 抵抗するんだ! 反逆児になりたいのか? なら、悪に反逆しろ。本物の反逆者になれ。間違っているとわかっているものに反抗するんだ。

  異なるものとなって、世界を変えられるかやって見たらいい。君が善にも悪にも反抗できるのを知っている。そして俺はこの新世代に挑戦する。悪に反抗してみろ!

 

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天国での使命について語る

ジュール・ヴェルヌ

  関わるようになる任務は数多くある。時にはチームで、時には一人で。だが通常は二人か三人が一つの仕事に割り当てられる。そういった任務には、助けが必要な特定の状況にいる人に慰めや助けや導きをもたらすことから、奇跡的に不可能な状況に介入することまで様々だ。それによって主の御名に栄光がもたらされる。私たちがするすべての任務や経験、実質調査のための遠征はどれも神の栄光のためだ。

  主はどの任務にも深く関わっておられる。主がどうやってされるのかは見当もつかないが、至る所におられ、常に私達と共にいてくださる。それはあたかも主の意識が霊の創造物の吐息一つ一つにまで浸透しているかのようだ。ちょうど主が創造された目に見える創造物のあらゆる所に現れているのと同じである。

  しかしながら人間の手による建造物や「文明」によって神の自然の創造物はどんどん破壊され、人間の手のわざと機械化が取って代わってきている。今の時代は人がその発見や理論や発明について神に栄光と功績を与えるのをやめてしまった。言わせてもらうが、この策略そのものによって人類が絶滅に追いやられる日も遠くない。

  もちろん神に霊感された有益な発明もある。近代のテクノロジーは、良い目的のために使うならば神からの賜物だし、神の偉大なる御計画の一部である。それによって人の定められた運命が完了するからだ。だがすぐれた知識があるにもかかわらず、人間が神を排除すると決める時が来てしまった。しかし神はそう簡単に人を見放されない。こうした高度な先進技術の情報屋がつまずき倒れ、柔和な者達が地を受け継ぐときがやがて来るだろう。

  どうして私にそれがわかるのかと思っているのかい。それは一つに私が、人間が「発見する」発明やテクノロジーを設計したり、伝えたりする仕事に関与しているからだ。しかるに、私の遂行中の任務の一つは、人間の発明やリサーチを監視して、人間の知力が神の定められた予定時間よりも進みすぎたり遅れすぎないように確かめることである。

  では人間の手によって発明された有害な発明の数々は神が許されたのもので、それも神の予定時間の内に入っているのか、とあなたは首を傾げているかもしれない。この疑問に対する答えはこうだ。神が人に与えられた決断の自由に従って、人は求めるものを発明することが許されているのである。空中の権をもつ君と悪魔達も、人の手に邪悪で破壊的な発明の限りを与えようと奮闘している。人が神に背を向けて自分勝手な道を行くにつれて彼らの不義の杯は満ち溢れ、ついには自らの選んだ道に従って裁きが下される。

  地上にいた頃、私は人の発明、すなわち過去と未来の発明に心を惹かれたものだった。ある人達は私のことを予言者だと言った。そう言われるのはうれしいが、自分が神秘的な予言者だと感じたことはまるでなかった。私にあったのは鮮明な想像力で、今はそれらが神に霊感された想像だったとわかる。多分私は預言者、つまり経路だったと言うことができるだろう。

  それはそんなに難しいことでもなかった。私には知識の進化を、少なくとも私の原始的な見方から見た進化を見る賜物があった。知識は増し加わるというのを聖書で読んだこともあり、いつか人々が車や飛行機やロケットや潜水艦等の驚くべき発明を使ってものすごい速さで旅ができるようになる、と想像するのが大好きだった。

  それにまだまだ開拓や発見の余地があると思うとうれしかった。私の故郷は退屈な場所で、あちこち旅はしたもののいつもどちらかと言えば「管理された」環境だった。何もかもが決まっていて、コロニー化され、発見され、文明化されているように思えた。しかし私は新しい場所、新世界を夢に描いたのだ。地面の下だろうが上だろうが構わない。とにかく人類未踏の地を夢見ていた。

  今になって、私が本当にあこがれていたのは霊だったとわかる。死んで霊の領域に入ったとき、私がどれだけ興奮し、喜び、胸を躍らせたかは知る由もあるまい。自分が死んでいるのか、それとも何かの拍子に神秘的な世界か次元に迷い込んでしまい、来た道を引き返せば自分の体に、さらには地球に戻るのかさえ定かではなかった。

  しかしあまりに心地よくて、もう戻りたくないと思った。突然聞いたことも想像したこともなかった場所にいたんだ。どこに行っても人に知られていないところだった。どの方角に行っても未知の土地や場所や冒険が待っていた。主と対面したのはそれからすぐのことだった。この天国的場所に私を歓迎し、ここがどこで私に何が起こったのかを説明してくれた。

  学ぶことはたくさんあったし、これから学ぶ事もたくさんあるが、今は神の偉大な計画表に従って、あらゆる類の知識や情報や発明や技術を人の手に渡し、また霊感する助けをしている。

  それにそう、他の世界や人、銀河系外の様々な星雲に行く機会も与えられているが、それは主に視察のためだ。他の世界の人々とはあまりつきあいがない。単に彼らと私達はあまり合わないからだ。地球人である私たちは、だいたい地球に関する任務を割り当てられる。結局のところ、地球で実地訓練を受けたのもそのためだからね。ハ!

  この世界の外には別の世界があり、いつかは君たちも見ることになるだろう。しかし君たちはこの類のことにあまり関心を持たなくてもいい。もちろんこの世界以外にも生命は存在している。神は創造主であり、すべての初めであり終わりなのだから。でも君たちは他の世界という神の仕事に首を突っ込まず、自分の世界のことを気にかけたほうがいい。私たちの任務と仕事はおもに地球の人達、つまり君たちを助けることだ。

  あなたも同じ事をしているべきだ。地上で神の御心を成就させることである。もちろん、いつか妙な姿のエイリアン達に福音を宣べ伝えることを夢みてもいいだろう。しかし今は神の王国のメッセージを聞く必要のある人がどっさりいる世界が待っているのだ。そして神は君と私に、また地上にいる君たちと私たち他界した地上の霊達に、仕事を与えておられる。

  主が地上におられたときに教えて下さった祈りを覚えているか? 「御国が来ますように。御心が天において行われるように地でも行われますように」。まず地上で御心を成し遂げているかを確認しなければならない。どこか他の場所でそれを始めようと望むのはそれからだ。だから天国のビジョンを保ち続けなさい。水が海をおおうように義が地をおおう時、多分次に取りかかる惑星のことでも考え始めたらいいだろう。だが今は、地上でなされなくてはならないことがたくさんあるのだ!

 

  ジュール・ヴェルヌ(1828-1905):初代SF作家の一人として数えられているフランスの小説家ジュール・ヴェルヌは数々の有名な冒険小説を書いたが、それらは予見的小説でもあった。彼の19世紀に執筆した作品の中で、ヴェルヌはその豊かな想像力によって、宇宙船や誘導ミサイル、航空機、潜水艦など、現代に見られる科学技術をいくつか正確に予言した。彼の最も有名な作品の一つである「海底二万マイル」(1870)では、気の狂った潜水艦の司令官ネモ艦長が潜水艇を操作して世界中の海を行き巡る。別の作品の中では、ヴェルヌは読者達を宇宙に導いたり、「80日間世界一周」(1873)では賭けに勝つためにフィリアス・フォッグが世界中を旅して回り、読者に世界の果てを見せた。  カルバーピクチャーIncより

 

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我々の宿命的な帰郷

  私の名はスコット。あの有名な作家のウォルター・スコットではないが、彼もつきあってみるといい奴である。私は南極大陸を探検したことで有名な、あるいは悪名高いスコット隊長だ。そう、確かに我々は到着したが、私は任務において失敗したために自分を責めた。わかるだろう。私は高慢でうぬぼれが強く、自分に自信があるタイプだったのだ。あなた達ダビデの子供達に私から学んでもらいたいことは、ささやく声に耳を傾けることの大切さであって、それを払いのけてはいけないということだ。あなた達はとても祝福されている。神の力と神の声が思い通りに使えるのだから。

  極地に行く途中でポニーが死んだ時に、もしかしたら戻るべきではないかと思ったのだが、部下達も私も南極大陸に誰よりも先に到達するという名誉に目が眩(くら)んでいた。立ち止まって祈る事をしなかった。そんな事は頭に浮かびもしなかったのだ。自分の力で押しまくるのに慣れていたのだが、この時ばかりは力が及ばずに失敗してしまった。自分に失敗し、家族や国や、私をリーダーと思い、私の統率力に信頼を置いてくれた人達を失望させた。

  立派な部下達だった。従順で命令に従うことを学んでいた。だが部下も私も霊のささやき声に耳を傾けることを学ばなかったのだ。その面であなた達はとても祝福されている。だからこそ神の知恵によって、ブロッブを壊して、もっと自分で個人的に神の声を聞くことに頼るようにされているのだ。来たるべき日にはそれが必要になる。今は訓練期間なのだから失敗することを恐れずに学びなさい。今、学ぶのだ。今のうちに賜物を磨いておけば、将来、終わりの日々というあなた達の南極大陸を渡る時、それがあなた達を救ってくれるであろう。

 

  ロバート・ファルコン・スコット(1868-1912):南極大陸を開拓した英国出身の英国海軍士官。1910年、南極に到達した最初の人になろうと試みて2回目の南極大陸遠征に旅だった。マクマード湾(ロス海にある小海峡)から、一団は1842マイル(約3千キロ)を旅しており、これは極地地帯における連続そり滑りの最長記録に当たる。スコットは南極に1912年1月18日に到達したが、わずかにノルウェーの探検家ロアルド・アムンゼンがそれよりも5週間早く到着していた。帰途に着いた一団は全員死亡。それぞれが平均90キロの荷物を乗せたそりを押すのであるが、日々4800カロリーの食料は十分ではなく、飢えと寒さのために帰らぬ人達となった。遺体と遠征記録は1912年11月12日に発見される。

 

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今明かされたハーメルンの伝説

  私の名前はグレーテル。子供達が笛吹きに着いて山に登って行った時、私もその中にいました。何年にも渡って、私たちに何が起こったのか、私たちの行き先について記録がないのはどうしてか、山に登ってからどうなったのかは謎となっているでしょう。では、私の生い立ちから始めますね。

  私はハーメルン出身ではなく、近くの町で生まれました。地図にも載ってないくらい小さい町で、今はもうなくなったようです。8人兄弟の下から3番目で、女の子は私ともう一人お姉さんだけ。でもお姉さんはハーメルンという大きな町に住んでいて一緒ではありませんでした。

  農場育ちで、にわとりと羊を育てて生計をたてていました。私たちは農場で一生懸命働いていたわ。父は動物の世話を助けてくれる人を雇うことができなかったから、全部自分達でしなくちゃいけなかったんです。それでも村のとても貧しい一部の人達に比べれば、家畜の数も多かったし、土地の区画も大きくて暮らし向きはよかったと言えるわね。

  ある日、姉さんがハーメルンから家に戻ってきて、町にやってきては笛を吹いて回る変わった人がいるって言ったんです。その人の吹くメロディーはとても魅惑的で、みんなどうしても耳を傾けてしまうんだって。彼は自分の事を旅の音楽家だと呼んでいるそうだけど、彼の音楽を聞くとただの音楽家じゃないことがわかったみたい。不思議で神秘的で魔法のようなメロディー…。彼の音楽が異なっていたのは、私たちの伝統的音楽にはフルートを使わなかったからかも知れません。

  音楽的な天分があったから、その人と彼の新しい音楽に大いに関心を持ちました。それで姉さんに一緒にハーメルンに連れて行ってと頼んだけど、だめだって言われてしまった。町は悪いことが横行していて、それほど親切じゃない人も大勢いるからって。それに恐ろしいねずみに悩まされていて、いろんな病気も流行っているんだそうです。

  「だめよ、グレーテル、ここに残っていた方がいいわ。ここは安全で住んでいる人たちも優しいから。」 姉さんはそう言いました。

  とてもがっかりしました。どうしても一緒に行きたかったから。なぜか、背の高いおかしな帽子をかぶり、魔法のメロディーを奏でるこの人に会わなければいけないと思ったのです。まさに神の声が彼に会いに行きなさいと私に言っているかのようでした。

  父さんに話してみたけれど行くことを許してくれず、母さんも私が町から疫病をもらってくるのではないかととても心配して、行くことを承知してくれませんでした。その夜はベッドに泣き崩れ、もう涙が出なくなるまで泣き続けました。農場にいても全然幸せでなく、おもしろくない退屈な暮らしにも嫌気がさしていて、今、行かなくてはという気持ちがこんなに強いのに、両親はそれをどうしても許してくれないのです。

  その夜、笛吹きの奏でる音楽が聞こえてきました。開いた寝室の窓から漂てくるかのように…。魔法の音色を聞くと、この音色をたどっていかなければと強く感じました。それで小さなバッグに荷物をまとめて、着替えると、寝室の窓から抜け出たんです。部屋は姉さんと二人で使っていたけれど、姉さんが大きくなって引っ越してから、たまに帰る時を除いては私だけ。だから翌朝になるまで、私がいなくなったことに誰も気がつかないでしょう。

  ハーメルンまで行き、お姉さんの住む家の通りに着いたとたんに音楽が止みました。私は恍惚状態で、自分がどうやってハーメルンまで来たのか、途中のことも風景も何にも覚えていませんでした! わかっているのは、今自分が、姉さんが住み込みで働いているパン屋の店の戸口に立っていることだけ。まだショックから覚めない状態で、その戸をたたきました。

  すると姉さんが出てきて言ったんです。「来るってわかってたわよ! 本当に来て欲しいと思っていたけど、それはあなたが自分で決めなくてはいけないことだったの。あなたを説得して来させることはできなかったのよ。来たがっていることは知っていたけど、あなたは自分で決断して自分の意志で行動しなくてはならなかったから。私の熱心さや私がそうしたからという理由では十分じゃなかったの。さあ、入って。部屋は用意してあるわ。」

  部屋までついていくと、そこには二人の女の子がすでに眠っていました。「さあ、私と一緒に寝たらいいわ。」 そう言われて、その夜は姉さんと同じベッドで寝ました。

  朝日が部屋に差し込んできて、早々と目が覚めました。起きあがって外を見ると、市場の人たちが騒々しく動き回っているのが見えました。姉さんはいつものように夜明け前にもう起きていました。パンを焼き始めないといけないから。その時ちょうど姉さんが私の様子を見にやって来て、ほほ笑みました。私が何にでも興味を持っているのを見て面白がっているようでした。

  二人の女の子達はそれからすぐに目を覚ますと、私が部屋にいるのを見てとても驚き、姉さんに迫りました。「エリカ、彼女どこの人なの?」

  「心配しないで、彼女は私達の仲間よ」 姉さんはそう答えました。

  ラナとヘルガは最初私のことを少々疑っていたみたい。それで、夜に音楽が聞こえて、とにかく来なくてはと思ったから、寝室からこっそり抜けだして来たことを話しました。

  「親は怒らない?」 ラナが聞き返します。

  「私がしたことを親が知った時の顔、見てみたかったわ。」 ヘルガも言いました。

  「ちょっと待って! あなた達も逃げ出してきたの?」

  「そうよグレーテル、説明しておいた方がいいわね。」 姉さんが穏やかにそう言いました。「あのね、私たちは威厳の音楽家って呼んでるんだけど、あの笛吹きに着いて行かなくちゃっていう、強い衝動を感じた子供や若者がたくさんいるのよ。そして私たちもその仲間なの。でもどの親もそれを許してくれないし、彼と少しでも関わり合うことを禁じられる場合がほとんどなのよ。それで私達のほとんどは逃げ出すか、身を隠すかしてるってわけ。」

  「でも…」

  「ええ、その通りよ。父さんも母さんも私が彼に従っていることは知らないわ。この町で普通の退屈な仕事をしているだけだと思ってる。でも本当は、他の人達も逃げ出して彼に従えるように助けているのよ。」

  私は当惑して言葉も出ませんでした。何という人生の急激な変化なんでしょう! 突然地下抵抗運動に飛びこんだみたい。でも、とてもわくわくしていました。

  「さあ、みんな! 残りのパンと菓子を焼くのを手伝ってね。さあ、取りかかりましょう。ねずみ共はもう台所から追い払ったから安心していいわよ。」

  「ねずみ!」 そんな不潔な害獣のいるところで働くなんて、考えただけでもぞっとしました。

  「そうよ、言ったでしょ? 町の人達は私達が笛吹きに従ったり、笛吹きと同じ様に神を信じて従うことを許さないでしょう? だからきっと神が呪いとしてねずみを送られたのよ。」

  うちはユダヤ人の家族で、ユダヤ教以外の宗教に対して寛容にならないように教えられてきました。ハーメルンの町の人たちも大体がユダヤの血統だったので、当然イエスを信じているこの奇妙な笛吹きに従うことを認めないのです。

  さっと部屋を片付けてその日の準備をしてから、私達女の子3人はエリカとキッチンに降りていきました。

  「今日はでっかいのをやっつけてやったわ。むしゃむしゃ小麦粉を食べてたのよ、あのいやなペストのやつ!」

  私はそんな生き物の事を思うと胸がむかついて、朝食が食べられませんでした。

  後で姉さんが町のあちこちを案内しながら、笛吹きが信じている神、イエスのことを話してくれました。私は、自分達を個人的に愛し気づかっていてくれるという愛の神に魅せられました。両親からいつも神は恐れられるべきものだと教えられ、今の今まで神についてそれしか聞いたことがなかったのです。私は姉さんの話に夢中で聞き入り、この人とイエスについてもっと知りたいと切望するようになりました。

  「いつ彼に会いに行けるの?」 私はせっかちに尋ねました。

  「音楽が聞こえないと会いに行けないのよ。彼がどこにいるのか知らないの。」

  するとちょうどその時に音楽が聞こえてきました。

  「はやく、私についてきて。彼が呼んでいるわ! でも後をつけられないように気をつけてね! 彼を痛めつけようとしている人達がたくさんいるから、用心しなくちゃ。」

  町の中をあちこち回り、市場を出たり入ったりし、馬屋とと殺場を通り抜け、近くの丘まで続くじゃり道に出ました。

  驚いたことにこのルートを通っているのは私達だけではありませんでした。他にも30人から40人の人がこっちの方に向かっています。みんな大小さまざまな家から出てきては、小さな丘を横切り、小川を渡っています。丘の頂上に着いた頃には文字通り200人もの人が四方八方から来ているのが見えました。すごい光景です! みんなどこにいくか全くわからないまま、耳に聞こえる音をたよりに進んでいました。音が聞こえる人は他にもたくさんいます。

  大きな丘のふもとまできた時、どっちに行ったらいいのかわからなくなりました。みんなの足音がうるさくて音がほとんど聞こえなくなっていたのです。

  「シーッ、みんな静かに!」 姉さんが叫びました。みんなが立ち止まると、また聞こえてきました。真っ正面から聞こえてきます。

  「ここの洞穴から聞こえて来るぞ!」と誰かが叫ぶと、みんな一斉に猛然と丘を駆け上って行きました。

  洞窟の入り口に来ると、中に明かりが見えました。薄暗い穴の中を照らしているたいまつの火でした。中の道をたどって行くと、広い場所に出ました。そこには、炎に顔を向け、私たちに背を向けて一人の男の人が座っています。私はあんな変わった格好の人を見たことがありませんでした。つぎ当てだらけの緑の帽子をかぶっていて、帽子には長いぼろぼろの羽がついています。私達はみんなそっと中に入り、火の近くにある岩に座りました。彼は岩壁に向いて腰かけると笛を吹き続けています。

  「みんな揃ったかい?」 やがて笛吹きが話しました。今まで聞いたことがないほど優しい声です。「ハンスはどこだい?」壁を向いたままで、こう尋ねました。

  その時、松葉杖をついた少年がびっこを引きながら入ってきて言いました。「父さん、ここだよ。待っててくれてありがとう。」

  それを聞くと笛吹きは私たちの方を向きました。短いあごひげをはやしていて、服は緑と茶色の布でつぎ当てがしてあります。高い鼻と大きな目、もじゃもじゃの赤毛が帽子からはみ出してたれています。最初見たときは少し恐いくらいでした。

  「新しい仲間がいるね! グレーテルだろう?」

  私は言葉が出ませんでした! どうして私の名前を知っているの?

  彼は優しく私を見つめて言いました。「よく来てくれたね。みんなうれしいよ。お姉さんから私のことはもう聞いているかい?」

  私はごくりと息を飲むとうなずきました。

  「よしよし、では準備万端だな。君の事もお姉さんから聞いてるよ。」 そう言うと、笛吹きは話し始めました。

   ――――――

  むかし、とても悪い町があった。あまりの憎しみと残酷さのために、神はその町を見下ろして言われた。「彼らが悔い改めるように、彼らに罪を告げ知らせる者が必要だ。」

  そこで神はメッセンジャーとして一人の男を選んだ(笛吹きはジョセフという名の少年にその男の役を演じさせました)。「ヨナ、ニネベに行って私の言いたいことを伝えてくれないか?」

  ヨナは主を見上げて「いいえ! だめです!できません!」と言うと、駆け出した。家まで走っていくと、服とお金を全部持ち出して急いで波止場まで行った。そしてそこで船を見つけると、船長に乗せてくれと頼み込んだ。

  船が出るとすぐに大嵐がやってきた。猛り狂った波は船にぶつかり、帆を引き裂き、船乗り達を震え上がらせた。

  「この嵐は誰のせいだ? お前達は何をやらかしたのだ?」 船長はおびえながら一人ずつ名前を呼んで問い正した。

  どの船乗りからも、「私ではありません、船長!」と同じ答えが返ってきた。

  それからみんなは、必死で樽にしがみついているヨナの方を見た。

  「お前だな、そうなんだな?」船長は迫った。

  「そうだ。その通り、私のせいだ!」ヨナは答えた。「私を海の中に投げ込んでくれ。私は神から逃げ出したが神は私を見つけられた。私を海の中に放り出してくれ。そして私の命については神の御手に委ねるんだ。」

  これを聞いて、二人のたくましい船乗りがヨナを海に投げ込むと、ものすごく巨大な魚がやってきて彼を飲み込んだ。

  「神の御心がなるように。」 そう船長が言うと、船長も船乗り達も驚いたことに、嵐があっという間にやんでしまった。大波と暴風は過ぎ去った。乗組員全員はひざまずき、救ってくれた神に感謝して賛美した。

  一方、くじらに飲み込まれたヨナはついに救いを求めて主に呼ばわった。するとすぐに、魚はニネベの浜にヨナをはきだした。ヨナは賛美して神に感謝し、一目散に町に走って行って人々に警告した。この話の幸福な結末は、人々は悔い改め、神は彼らの罪をおゆるしになったということだ。

   ―――――

  興味深い話を聞かされてもっと聞きたくなりました。でも笛吹きは立ち上がって言ったのです。「この町にもまもなく神のさばきが下ろうとしている。神はねずみを送って教訓を学ばせようとしたが、人々は学ばなかった。イエスのことを話したために自分たちの子供である君たちを迫害し、イエスのことを君たちに教え、御言葉の真理を示したことで私も迫害した。今、神は最後のチャンスを彼らに与えられる。

  神は、私にこう言われたんだ。町に下って行って、神が下さるメロディーを奏でてねずみ共を町の外に連れ出すことを申し出るようにと。それから見返りとしてお金をもらうようにとも。私はお金などいらないが、彼らが私達と喜んで分け合うかどうかを見るからそう尋ねなさいと、神が言われたんだ。だから明日は家にいて窓から見ていなさい。通りは足のふみ場もないほどたくさんのねずみで埋め尽くされるだろう。」

  この頃には、もう日が陰ってきていたので、笛吹きは家に帰るように言い、別れぎわに私達一人一人の頬にキスしました。それから私の番になると彼は腕を回して言いました。「いいかい、グレーテル。君がここに来たから、今神の計画は成就される。みんな君のことを首を長くして待っていたんだよ。イエスを信じるかい?」

  私はうなずきました。

  「そうか、よし。エリカ、今晩あの祈りを彼女と祈ってくれないか?」

  「はい、わかりました。」エリカは答えました。

  それからラナとヘルガの様子を尋ね、少しおしゃべりしてからもう一度全員にキスすると私達を見送ったのです。

  「気をつけて!」 笛吹きがそう言うと、私達は「もちろん!」と声を合わせました。

  翌朝、私達女の子4人は、熱心に窓辺に立って外を見ながら待ちました。すると突然、まったく奇妙な音楽が聞こえたので、思わず耳をふさぎました。とても特殊な音色で、耳が痛くなる程です。ラナが「キャッ」と叫んだかと思うと、巨大なねずみが彼女の側を飛び跳ねながら横切って、開いた窓から飛び出していきました。

  「はやく! ドアを閉めて!」 エリカが言いました。私は走って行って、寝室のドアを閉めました。危うくもう一匹のねずみが同じ窓から抜け出そうと部屋に入ってくるところでした。

  私達は通りがねずみで真っ黒に埋め尽くされているのを静かに見守っていました。至る所からあわてて出てきているようで、奇妙な音楽に従って勢いよく突進し、桟橋まで走って行きました。笛吹きは大きな丸太の上に立っています。ねずみの大群はあまりにも勢いよく走っているので、端まできても止まる余裕などなく、勢い余ってそのまま水の中に突っ込み、そこでおぼれ死にました。ハーメルンにはねずみが一匹もいなくなりました。

  笛吹きが約束のお金を受け取りに町役場へ行こうと、がらんとした通りを歩いて戻っているのを見て、私たちは微笑んで手を振りました。私たちはどんな結果になるのだろうかと、かたずを呑んで待っていました。30分が経過し、1時間が経ち、さらには2時間経っても反応がありません。

  それから別の音楽が聞こえてきました。私たちは、そのメロディーを聞くといても立ってもいられなくなり、家から通りに飛び出して行きました。私たちがこのメロディーを追って飛び出して行くのを止めようと、町の人々が大声でわめきちらしているのが見えます。

  道の反対側に松葉杖を急いで手にしようとしている男の子がいました。すると母親が大声をあげながら長い棒を持って出てきました。

  「見て! ハンスよ。助けに行きましょう。」 ヘルガがそういうと、私たちは彼の方に走り寄り、エリカが彼をおぶって通りを走って行きました。

  ハンスのお母さんは真っ赤になって怒り、最初の丘まで追ってきましたが、私達は振り返りもせずに走り続けました。ハンスは特別な子だったんです。彼の人生にはとても特別な計画があって、知らず知らずの内に、私たちはそれが成就するのを助けていたのでした。

  走って走って走り続けると、昨夜の洞窟がある丘のふもとにさしかかりました。ところが洞窟は見あたらず、なくなっていたのです! 変だとは思ったけれど、立ち止まって考える余裕はありません。耳には切迫した感じの音楽が鳴り響いていたからです。さらにどんどん走り続けて高い山のすそまでやって来ました。そこに笛をふいている笛吹きがいます。

  「子供達、その時が来たんだ!」 彼の声がこだまします。「この邪悪な世界から去るときが来た! この町の人々には最後のチャンスが与えられたが、神が求められたことをするのを拒んだ。君たちのイエスへの信仰を認めることを拒み、御言葉に従って生きるという君たちの心の願いを認めなかった。私を神の使いとして受け入れることを拒否し、当然支払われるべきお金も払わなかった。びた一文出すことを拒み、分け合おうとしなかった。今神は私たちを彼らから取り去ろうとされている。私たち全員を連れ去られるんだ! さあ、行こう。あそこにある崖に行くんだ。それからハンス、お前は私とここに残れ。」

  私たちはやっとのことで山をよじ登って、断崖に鋭く張り出している崖まで行き、そこで待ちました。

  「息子よ。お前は特別な仕事のために撰ばれた。神は一人息子であるお前を捨て去るよう、私に求められたんだ。町に帰ってお前が見たことを人々に告げ知らせることができるようにね。神はこのことを私に求められたんだ。お前をどれだけ一緒につれて行きたいことか。私たち二人が幸せになって、お前も再び歩いたり走ったりできるようになるところにだよ。だが主は別の御計画をお前のために持っておられると言われた。この仕事をやり遂げたいかい?」

  苦痛に満ちた目で、ハンスは父親を見ました。頬には涙が流れます。ハンスはこの時まだ14歳でした。この人生から一刻も早く離れたかったけれど、今彼は困難なことをするために召されていたのです。彼は目を地面に伏したまま松葉杖で小石を転がしています。

  「きっとすぐだよ。神は、仕事が終わり次第すぐにお前を連れてきて下さると私に約束されたのだから。」

  「わかったよ、父さん。僕はここに残って、母さんとこの町にいる他の失われた人達のために頑張るよ。」

  つらい決断だったことは、父親である笛吹きによくわかっていました。笛吹きはハンスを抱きしめて言いました。「そうだ、ハンス。いい子だ。きっとすぐだよ。約束する。」

  神が備えられた召しに従うために、息子がびっこを引きながら戻っていくのを見て、思わず笛吹きの目から涙がこぼれたのを覚えています。

  それから笛吹きの顔に輝く光を見ました。そして美しい手が下ってきて彼の目から涙を拭ったのです。尊い救い主の手が彼を慰めていたのでした。

  それからハンスがさっき服従すると決めたところの道に目をやると、彼が立っていた場所が星くずの輝く小道になっていきました。二人の壮麗な天使がちりから形作られて、ハンスの後を追っていきます。その二人の女の天使が彼に追いつくと、一人がハンスを抱え、もう一人が衣のすそで彼の目を拭いました。ハンスは後ろを振り返ると勇敢に叫びました。「また会う日まで!」 その別れのあいさつと同時に天使達が彼を町まで運んで行きました。

  また振り返って笛吹きを見ると、イエス御自身が彼に腕を回して、二人で誇らしげにハンスを見ていました。

  「ハンスはまさしく私の勇敢な戦士だ。」 イエスはそう言って笛吹きの肩に手を置きました。

  「さあ、わたしの子供達よ。」 イエスが振り返り、私たちの方を見て言われました。「私の良い忠実な僕(しもべ)たちよ、よくやった! 主人と一緒に喜んでくれ!」

  私には愛と力とエネルギーの波が感じられました。突然、私のドレスが白く輝くガウンに変わり、みんな雲の割れ目からさしている光の中へ引き上げられて行きました。それから下に見える地球が段々と遠ざかっていくにつれ、自分達は天の故郷に帰っているんだとわかりました。

 

  ハーメルンの笛ふきは、伝説を基にして書かれたロバート・ブラウニングの詩によって名をはせられるようになった。伝説によると、ドイツにあるハーメルンの町はネズミに荒らされていたが、ある日、色とりどりの服で着飾った男が町に現れ、報酬金と引き替えに町のネズミを駆除しようと申し出た。市長が申し出を受け入れると、その男は笛を取り出して忘れることのできない旋律を吹きながら通りを歩き始めた。すると町中のネズミ達がぞろぞろと家々から出てきて、ヴェーザー川まで笛吹きの後を着いて行くと、そこで溺れ死んだ。しかし、笛吹きが報酬を求めると市長は支払うことを拒否したため、笛吹きは復讐を誓うことになる。再び通りにおもむくと、奇妙な曲を吹き始めた。すると今度は町中の子供達が家々から走り出てきて、コッペン丘にある洞穴まで笛吹きに着いて行くと、洞穴は閉じられて子供達は二度と帰ってこなかった。この伝説は少なくとも一部は事実に基づいていると思われる。ハーメルンのいくつかの家の壁には、「1284年7月26日に笛吹きが130人の子供達をコッペン丘に連れ出して消息を絶った」と書かれてある。笛吹きは、1200年後半にハーメルンの若者達を連れ出してモラビィアに定着させた、オルミュッツの司教の官吏(かんり)だったと信じる人もいれば、子供達を誘拐した略奪者達だと主張する者達もいる。また、1212年の子供十字軍を基に伝説ができたということもいわれている。(ワールドブック百科事典より)

 

  パイド・パイパー:私は教会や寺院に見受けられる伝統に従うのではなく、神とイエスと聖書に対する単純な信仰を説いた。それ故に、私も私についてきた子供達も、はみだし者と見なされて虐(しいた)げられた。

  私はハーメルンのユダヤ人の家庭で育ち、20代前半にさしかかった頃、何かを求めて国中を放浪し始めた。そして聖書を単純にありのままに読むことによってイエスを知り、自分の郷里の子供達を自由にするという召しとビジョンを受け、それに応じたのだった。

  ハーメルンに戻っても私に気づいた者はおらず、両親は亡くなっていた。ペストにやられた最初の者達だったのだ。その頃までには、もうすでに私の旅の音楽家としての評判が広まっており、音楽を奏でて生計を建てることもしたな。神秘的に見られるのを好み、身元も不明のままにしておいた。風変わりな服装と長髪はそのためでもあったんだよ。私の生まれがどこか知っている人は誰もいなかったし、私には普通の家庭生活をしていなかった。

  ハーメルンの若い女性を愛して二人の間に息子をもうけたのだが、彼女は次第に私に対してきつく苦々しくなり、私の生き方や信条や急進的な霊がきらいになっていった。私を夫として認めず、息子にも私が父親であることを教えようとしなかったんだ。そして彼女なりの方法で社会のはみ出し者となっていった。未婚の母ということで、彼女の名は汚され、評判にも傷がつき、彼女は人々に思われている通りの人間になり続けたんだ。町の男達に身体を売っていたが、町の者達は知って知らぬ振りをして黙認し、ただ無視していた。身体の不自由な息子がいることで、一番頑なな者達でさえ彼女に同情していたのだ。

  ハーメルンや周りの村々から子供達が私について来始めた頃、息子は12、3歳だったな。他の子供達と同じように私の奏でるメロディーと演ずる自由に魅せられて、息子は母親が止めるのも聞かずについてきたよ。最初は私が父親であることは知らなかったが、告げる時が来たと感じた時に私が話すと、息子は受け入れてくれたね。それからもハンスは母親への敬慕の気持ちと、母親とその哀れな状態に対する同情の気持ちから、引き続き母と暮らし続けた。優しく親切な子で、惨めな母の人生に少しの喜びとあわれみをもたらしていたからだ。

  子供達と消えた日、私達は生きたまま天に昇った。言ってみれば「ラプチャー(天に運び去られること)」し、身体も霊も主と共にいるために取り去られたのだ。普通はそういったことは起きないが、でもエノクには起きたし、エリヤにも起きたし、私にも起こった。跡形もなくただ消え去った。忽然(こつぜん)とね! 神が行われる不可思議なことの一つなんだ。私もハーメルンの若者達も、ただ神に従ってついていっただけなんだよ。

  息子のハンスだけが、あの日私と残りの子供達に何が起こったかを見たたった一人の目撃者だった。ハンスを抱えて家に連れ帰っていた天使達がちょっと止まって振り返り、私達が一瞬にしていなくなってしまう瞬間を見せたのだ。ハーメルンの人々は息子の話を信じず、心に留めさえしなかったが、他の子供達と一緒に消えなかった足の不自由な男の子のことは伝説として残された。

  ハンスの使命は、信じようとする人達に、実際にそれが起こったのだという証拠を提供することだった。それから何年もの間、ハーメルンに訪れた人達は、一人の足の不自由な少年を除いて、一つの世代が完全にいないという事実を無視することなどできなかった! ハンスは聞く耳のある人になら誰にでも自分の話をした。そして自分の母親も含めてハーメルンの人々は彼の話を信じようとせず、神に立ち返る最後のチャンスも拒んだが、他の旅行者や放浪者がいて、ハンスは彼らに手を差し伸べることができた。

  ハーメルンの住民はこの出来事を口外しないようにしようとしたが、うわさはどこまでも広がり、多くの者達が奇妙な伝説かくだらない噂話として片付けてしまった中で、確かめに来た者達もいた。彼らは町にねずみが一匹もおらず、子供も一人も残っていないのを見た。証拠を見ても信じられないほど心の堅い者達もいたけれど、それが真実だと心に告げる神の霊の証しを受け、神の力を信じるに至った者達もいる。ハンスの使命は、私にも息子にもつらかったけれど、無駄ではなかった。一人残されて、息子にとって困難な人生だったが、こちらの世界で私と一緒になった時には、その使命ゆえに大いに報われたのだ。

 

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インドの王妃 プレーナ

  幼い年齢で結婚することはインドの文化の一部でした。それは異例なこととも、悪いことや恐れることとも見なされていませんでした。実際の結婚式は、性的関係を持つ何年も前に催されます。私の場合もそうでした。

  私は7歳の時に10歳の男の子と結婚しました。両方の親達は同じ位の貴族階級だったので、子供達には豊かで安全な生活を与えたいと思ったのです。それに政治的統一と安定のためにもそう望んだのでした。親たちの意図は理解できるし、その頃はそうするのが当たり前のことだったので、私は疑問に思ったり、他に道があるなどと考えたりしませんでした。

  十代になる頃までには愛やロマンスについて耳にしていました。本で読んだり、演劇で演じられるのを見ましたが、残念ながら、私の頭の中では結婚と愛は全く別のものだったのです。両親からは妻としての義務やちゃんとした結婚生活を送るための家族への責任や、良き妻となることを教え込まれました。けれども、夫とどのように愛し合い、お互いをいたわるかということは一度も話してもらえませんでした。

  私には結婚を両親に任せてしまうのではなく、男と女が自由にお互いの結婚相手を選べるようにすることの利点はわかります。もちろん、昔の聖書の時代のようなとても神聖な文化ではかなり異なった方法で行われていたそうですね。多くの場合、両親が妻を選んでいたものの、それは祈りの内に行われるか、神の直接の命令による結果だったのです。

 

子供の花嫁とは、どんなものだったのか?

  私の場合は単なる実用性と論理的な計画で行われました。結婚式が終わると、7歳という年齢で夫の家に住むようになりました。夫の親が私の親となり、実の親も頻繁に訪ねてきてくれました。教育は受け続けました。読みは習いましたが、当時学問は若い女性にはあまり縁がなく、振るまいや行儀作法や身振りなどに磨きをかけたり、いろいろな技能、絵画や工芸などの訓練を受けたのです。これは私が12歳になって、15歳になった夫と初夜を迎えるまで続きました。   

  初夜の時にはちょっとした儀式があり、両親と他の数人の近い親族が出席して行われます。盛大で入念な、結婚の時にしたような式ではありません。これは結婚の完結、つまり床入りを祝ってなされるものなのです。

  母と義母は前もって私の前に座ってセックスの基本を説明し、これからそれは妻としての生活の一部になると教えてくれました。多分父親達も夫に同じようなことをしたのでしょう。母に夫のことを愛しているかと尋ねられて、正直にわからないと答えました。過去5年の間に夫は私にとって兄のようになっており、以前自分の3人の実の兄弟と一緒に遊んだように、彼と一緒に何かをするのを楽しんでいました。けれども夫としては全く知らなかったのです。私達はまだ幼く、純粋無垢(むく)で、深い会話などしたことはなかったのですから。

  どんなティーンエイジャーでも自然とそうなるのでしょうが、セックスを始めた時、二人ともその体験にかなり魅了されました。もちろん最初の何回かはぎこちなくて簡単ではありませんでしたが、新しい発見をしたり、いろいろやってみることが楽しかったのです。母と義母は人間の体の基本的構造についてはかなりよく説明してくれましたが、やり方やコツやそれがどうなってどう感じるかや、体験するであろう喜びや満足については何も教えてくれませんでした。夫を喜ばせるべきだとは言われたけれど、その方法ははっきりわかりませんでした。私は全くの無知だったのです。まあ、セックスは自然にできるようになるものだということでしょうね。自然にまかせることのただ一つの難点は、当初は文字通り「めくら打ち」だったということです。私達はろうそくの明かりさえない暗闇の中にいて、お互いが見えるはずもなく、月明かりの影絵のようにかすかに輪郭がわかるだけでした。これが当時のやり方だったのです。

  今日皆さんが持っているような、事前の教育やマスコミを通して知れ渡っている知識はありませんでした。これはある意味でハンディキャップです。全行程を楽しむ上で何をしたらいいのか、どんなことができるのか全くわからないのですから。知っているのは最終ゴール、つまり性交をして子供ができるということだけでした。でも別の見方をするなら、皆さんには理解しづらいかもしれませんが、マスコミを通してセックスシーンや様々な描写にさらされていなかったことが、大きな祝福だと思っています。私達には自分たちの関係以外、何も比較するものはなかったのです。

  両親にとってはこれがどんなだったのかは聞きませんでした。若かったし、ちょっと恥ずかしかったので、私たちのすぐ後に結婚した友達や弟妹もいたけれど彼らにも聞きませんでした。私たちが両家の長男と長女だったので最初に結婚したため、何もかも新発見の連続で思いがけないことばかりでした。枠組みや固定観念がなかったので、それに収まったり従って生きなくてはならないと感じることもありませんでした。そうあるべきで、こうならなくてはいけないという考え方がなかったので、ある意味でまったくの開放感がありました。自分自身やお互いを自由に発見し、自分たちの人生と結婚生活を築き上げていき、それを大いに楽しむようになったのです。

  今日の若い男性と違って、夫は私達の関係に反映させるためのイメージや態度はいっさい持ち合わせていませんでした。彼は優しく思いやりを持ち、理解と忍耐を示すことをすぐに学びました。私のことを気にかけてくれ、幸せになるように望んでいました。身だしなみも整い、優れた行儀作法を教え込まれており、実用知識には欠けていたものの、私の若い柔らかな心を捕らえる鍵を持っていました。私のことを気にかけてくれたからです。

  私達の性生活はそんなに込み入ったものではありませんでした。多分、まだ兄妹のようで、恋心や恋愛感情や魅力をお互いに感じていない若い年齢から始めることの最大の利点とは、相互の関係においてとても正直で率直になれるということでしょう。振り返ってみると、ほとんど客観的にやっていたといえるくらいです。セックスの最中にセックスについて話し合い、次に何をするかとか、お互い何をされるのが好きかまた嫌いかを話しあったのです。これはとても気まずくぜんぜんロマンチックではないように思えるかも知れませんが、真実は、この方法で始めたことで後々ずいぶん重宝したのです。

  大人になるにつれて、物事は順調に自然に流れて行き、とても素晴らしい時間を一緒に過ごしました。近頃ではこれが反対に流れているようですね。最初に順調で自然に行きたいので、コミュニケーションという段階を飛ばして、後でまた戻らなければなりません。セックスは自然に行えるのに、問題を処理するのは自然にできないなんておかしいと思いませんか?

  セックスを除けば、毎日夫と一緒にすることはあまりありませんでした。床入り後も私達は何年間か教育と訓練を受け続けていたからです。夫は次期国王となり、私は妃となるためです。

  結婚してから間もなく、といっても性的接触を持つ何年も前のことですが、私達二人は夫婦として社交的な場に出席し始めました。おかしいでしょう? 9歳と12歳の子供が、宝石で飾られたミニチュアの王座に隣同士で座し、出席者に夫と妻として見られるのですよ。十代を通して様々な公式行事に出席しました。

  私たちの生活は一般の人達とは随分異なっており、比較していうなら非常に保護されてきたと言えます。夫は膨大な知識を頭に詰め込まれ、私はむしろ文芸の分野の知識にたけていましたが、国民の日々の生活についてはあまり精通していませんでした。

  十代の後半になってから夫はより積極的に政治に関わるようになり、父が他界する日まで何年も側で働いていました。

  自分の人生がとても充実していたとか大いに満たされていたとか、国民のために偉業を成し遂げたとかいう訳ではありませんが、結婚と子供達が私の全人生だったと言うことができます。それが私の喜びであり、何らかの満足をもたらしました。夫とは深い愛を分かち合うまでに至り、いつも私を優しく思いやってくれました。当時の男性がみんなこうだったわけではありません。多くは自分の妻を僕か奴隷のように見ており、それが習慣として受け入れられていたのです。

  今日の風習からいくと、あなた達女性の中には、私が夫の政治の仕事に関わることも知らされることもなく、夫が一人で経済的または家族の決断をしていたなんて不公平だと考えるかもしれませんね。けれども私にとってそれは罰ではなく、むしろ結構なことで、それが安全であり、王族であり、結婚でした。

  虐待されているとか不利な状況に置かれたと感じたことは一度もありません。他の生活形式を知らなかったからです。夫はいつも私を尊重し、優しく扱ってくれていたし、様々な面で非常に異なった人生を送っていたものの、お互い愛し合っていました。義母と叔母といとこ達や妹達とはいつも一緒にいて、私達女性と子供達はよく一緒に過ごしていました。幾分自分達だけの世界に住んでいて、悲しいことに、私達が治め、税金を払ってくれている人達からは離れていました。人々がどんな困難を味わい、また経験しているのかなど、私は全く知りませんでした。

  私は自分で子供達を教育しました。両親が、そして後には夫の両親が私に教えてくれたようにです。単純な生活で、完璧ではなくとも、私には幸福な生活でした。インドの人々は未だに多くの面において無知であって、実際的な面でも霊的な面でも情緒的な面においても指導や教育が大いに必要です。生まれつき愛情ある親切な人達なのですが、単純でやや進歩が遅いのです。でも進歩が遅いことがいつも災いであるとは思いません。なぜなら私のような素朴な女の子にとっては、過剰教育となりがちな近代文化よりも、私の時代の方が人生ははるかに簡単だったことを知っているからです。

 

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きらきら星

体制で「うまくやり」、成功を経験したりしている他の若者の 秘 情報とは?

  預言:きらきら光るお星様。体制にいるあなたの同世代の中には、成功の杯を味わい、秘薬に酔いしれた者がいる。彼らはつかの間だけ地平線を照らす短命な星達。やがては他の星と同じ場所に落ちていく。彼らはただ次の映画、次の本、次の原稿、次の番組の間だけ成功することを知るだろう。名声はつかの間であり、成功した仲間は、富んではいるが貧しい者、肉は富んでいても霊の内では貧しい者に仲間入りするだけだ。そしてこの世の富は内なる自分を満たすことはないと気づくのである。

  しかし一方、あなたがたは貧しいが富んでいる者だ。肉と認知と名声と繁栄という面では貧しいが、霊の内では莫大に富んでいる。あなたは魂という、朽ちることのない宝を発掘しているのであって、それがあなたの名を星のように永遠に渡って輝かせてくれるだろう。

  忘れてはいけないよ、あなたには願いを探求する永遠があるのだ。原稿や本を書き、他の惑星へのフリーレポーターとなり、どこへでも行きたいところへ行って、偉大な者達に会ったり、心ゆくまで同じ興味を持つ人達と交わる事ができ、今までにない程あなたの好奇心を満たしてくれる。これらすべて、そしてもっと多くが報酬として用意されている。好きなのを選んでいいんだよ。それはすべてあなたがこの世では無名のままで満足し、わたしを目立たせるために自ら表に出ようとはせず、消えかけている地上での人生という火において、わたしの指示に従っているからだ。

  あなたはわたしの大儀のために学び、新しいことを試みるために自分の活力と知識と愛を注ぎ込んできた。多くの場合、あなた自身の個人的な大志を箱の中に閉じ、押入れの奥に押し込んだ。すぐに手がけるべきわが意思に集中できるようにである。これゆえわたしは喜び、あなたに感謝している。

  忠実であるならば、来世における限りない可能性が保証される。地上での富んで貧しい子供達よりもはるか上の等級になり、自由に宇宙を探検できるだろう。初級クラスを卒業して、本物の困難やチャレンジに取り組み、終わりなき人生のスリルと喜びを楽しむであろう。あなたが探検したいと願うなら、わが王国のどの部分でも自由に出入りできる。それもこれもすべては、あなたがこの世では地上のくず、無名なもの、軽んじられたもの、無知なものと呼ばれることを選んだからだ。

  あなたには、心と霊において私と一緒にいてもらわなくてはならない。この世にいるあなたの同世代の者達は、名声と認知を今受けてしまっているが、後であなたに授けようとしている名声と認知とは雲泥の差である。私の言うことを信じなさい。あなたがたスター達は、わが天の国々で不変の場所を持つであろう。

 

表紙:レイン

本文中のイラスト:クリステン

 

この出版物は12歳以上のためです。親やシェパードの判断により、それより下の子供達に一部を読ませたり、一緒に読んだりすることもできます。

 

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