宝 P.825-

 

なぐさめ

  これは、船が難破してたった一人生き残った人の話です。その人は無人島に漂着し、何日もかかって、やっと自分が住むための小屋を作りました。そして、船から、かろうじて持ち出した物を全部その小屋においていました。救出されるように神に祈っていた彼は、通りかかる船はないだろうかと、毎日、期待を込めて水平線を見つめていました。ところがある日、食糧探しから帰って来ると、自分の小屋が燃えていたのです。その人はショックを受けました。持ち物がすべて灰となってしまったのですから。これはどう見ても、最悪の状況でした。けれども、この最悪の状況と思えたことが、実は最善のことだったのです。次の日に、その島に船がやって来たのですが、船長はこう言ったのでした。「あなたのあげたのろしを発見したんですよ。」 私達の人生が神の御手の内にあるなら、神は「万事が共に働いて益となるようにして下さる」のです。−−ローマ8:28。

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  私達に悪い事が起こるのを神が許されるのは、それが私達の益となると知っておられる時だけである。

 

  悪魔が、私達の揺らぎやすい感情を利用して語りかけてくるなら、聖句を使って、信仰に反論させよう。

 

谷がいかに暗く、影がいかに濃くても、

羊飼いは孤独な羊を守られる!

自分を忘れ

悲しんでいる人を慰めよう

その時自分の悲しみは去り

喜びの歌が、天の調べのように

心に宿り

あなたを元気づけるだろう。

 

  たといその人が倒れても、全く打ち伏せられることはない。主がその手を助け支えられるからである。−−詩篇37:24。

  しかし、主を待ち望む者は新たなる力を得、わしのように翼をはって、のぼることができる。走っても疲れることはなく、歩いても弱ることはない。−−イザヤ40:31。

 

『主よ、私の重荷は重すぎます。』

震える声で私は言った。『もう堪えられません!』

涙が頬を流れた。

しかし私は突然聞いた。重荷を負って苦しむ人が

必死に助けを求める声を。

私は走って行き一生懸命にその人を助けた。

そして、ふと、自分の重荷のことを思い出した。

それは、もはや消えていた

憂うつや疑いはなくなり

愛が光を放っていた。

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  主はあなたと共に登って下さる。だから、主にしっかりとつかまっていなさい!

  神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちにとって、万事が共に働いて益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。−−ローマ8:28。

 

私達の父は最善を知っておられる

だからつぶやく理由などあるだろうか?

私達はいつも良い天気になるようにと祈る

でも、雨が欠かせないことを父は知っておられる

笑い声は耳に快く響く

陽気にはしゃぐ声も

でも、涙を流したことがないのなら

繊細な優しい心を失ってしまう

私達の父は、苦悩や悲しみを通して

しばしば私達に試練を与えられる

それは、父からのテストであって罰ではない

それは、私達が明日に立ち向かうのを

  助けるためのもの

木は嵐に揺さぶられて

ますます強く成長し

大理石はたがねで刻まれて

美しい形になる

神はいたずらに私達を傷つけたりはされない

私達をむやみに痛めたりもされない

神は、何かを取り去っても

また必ず、豊かに注いで下さる

神が豊かに与えて下さった祝福を数えているなら

つぶやいたり、後悔したりするひまはない

私達の父はご自分の子供達を愛しておられ

神にはすべてのことが明瞭に見える

悩みが多く

万事が思うように行かない時は

私達の信仰を強めるために

神が働いて下さっているのだから

陽が照っても、霜が降りても

嵐でもなぎでも、

主よ、あなたの思いの通りにして下さい

すべての賜物を失っても

主よ、あなただけは、失うことはありませんから

  −−メリー・エリザベス・コールレッジ

 

  あなたの荷を主にゆだねよ。主はあなたを支えられる。主は正しい人の動かされるのを決して許されない。−−詩篇55:22。

 

  もし、耐え忍ぶなら、主と共に支配者となるであろう。−−第二テモテ2:12。

 

  すべての希望が消え去り、夢がことごとく破れ果てても、それでもイエスが残っている! イエスがいて下されば、それだけで十分!

 

勇敢に悲しみを乗り越える人を

神は誇りに思っておられることでしょう

暗闇の中でも真っすぐに歩き続ける人

その中に神を見つけ、

信仰のうちにひざまずき

主の御衣の裾にふれる人を

神は誇りに思っておられることでしょう。

 

  たといわたしが悩みの中を歩いても、あなたはわたしを生かして下さる。−−詩篇138:7

 

  悲しみは、人生に必ず訪れる出来事。だから悲しみに足をとられてはなりません。悲しみを後ろに残し、前にあるものを仰ぎつつ進みなさい。神は、私達が他の人を助けることで、最も深い真の慰めを見いだすようにされたのだから。

 

暗闇の中でも、光の中でも歌いなさい

朝に歌い、夜に歌い

心の痛みに目がうるむ時にも歌い

陽が照っている時も雨が降っている時も歌いなさい

 

暗闇の中で弱々しく震え、誰かの助けと

励ましが必要な時、私達には優しい父の約束がある

「恐れるな。わたしはここにいるのだから!」

 

  あなたの神、主なるわたしは、あなたの右の手をとってあなたに言う。「恐れてはならない、わたしはあなたを助ける。」−−イザヤ41:13

 

  問題が起こることを許される時、神は必ず、その困難を通して大きな祝福をきたらして下さる。

 

  今のこの苦しみは、やがてわたしたちに現されようとする栄光に比べると、言うに足りない。−−ローマ8:18

 

あなたの心が痛む時、イエスに慰めを求めなさい

イエスはあなたの最高の友

あなたに平安と祝福を授けようと

あなたのすぐそばに立っておられます!

 

この地上で一番愛しい人に

さようならを言わなければならなかった時

イエスは私のことを気にかけて下さったでしょうか

深い悲しみで心が張り裂けそうなほど痛む時

イエスは知っておられるのでしょうか?

見ておられるのでしょうか?

もちろん、イエスは顧みて下さいます。

私が悲しむなら、イエスも心を痛められる

辛い日々と暗い夜がいつまでも続くように思えても

私の救い主は必ず顧みていて下さる

 

  すべてのものが過ぎ去っても、あなたにはまだイエスがある! すべてのものがなくなっても、イエスがいて下さる。すべての人があなたを捨てても、イエスがいて下さる。あなたに何も残っていなくても、イエスはなおそこにいて下さる。世界に何も残っていなくても、それでもあなたにはイエスがいる! そして、イエスこそがすべて!

 

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忍耐を与えて下さいと主に求めましたか?

祈りの中でそう懇願しましたか?

でも悩みが襲ってきた時

主は自分を見捨てたと思ったのですか?

おお、わが子よ、主はあなたの祈りを聞き、顧みて

あなたの心からの嘆願にすべて

答えて下さったのです

「患難は忍耐を生む!」

これで、そのわけがわかったでしょう。

 

主に服従できるように求めましたか?

そう祈りましたか?

でも、苦しみがきた時

こんな仕打ちはないと思ったのですか?

愛する者よ、主は聞かれ、それに答えられました

あなたの求めた通りではないかもしれません

しかし、これだけは知っています

人は、苦しみを体験して初めて服従を学ぶと

 

非利己的な人になれるようにと求めましたか?

祈りの中でそう懇願しましたか?

でも、主があなたに犠牲を求められた時

堪えがたい要求だと思ったのですか?

おお、主は顧みて下さいます

主はあなたの祈りを聞き、答えられました

あなたの心からの祈りに答えられました

人は犠牲を払うことで

非利己的になることを学ぶのだから

 

勝利を与えて下さいと主に求めましたか?

主はその言葉通りに答えられました!

戦いが激しくなると

主は祈りを聞かれたのだろうかと思ったでしょう

ああ、わが子よ、主は聞き届け、答えて下さいました

あなたの願いをかなえて下さったのです

試練なしには

勝利を取ることはできないのだから

 

謙遜な人にして下さいと求めましたか?

プライドが高く、独善的にならないようにと?

けれど主が、あなたの過ちを

多くの人が知るようにされた時

なぜなのかと当惑しましたか?

わが子よ、それが主の答えだったのです

主はあなたの必死の祈りに答えられたのです

謙遜になる確実な方法は

恥を負うことだから

 

あなたの祈りが答えられた時

神を人間の計りで計ってはいけません

クリスチャンのたどるべき道は

苦悩の谷を通過しなくてはならないことが多く

主の与えられる答えは

正当で真実なもの

振り返ってみて

初めて理解できるものなのだから!

  −−ジョセフィン・ホープ・ウエスターベルト

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  すべてが暗く見える時も、下を向いてはいけません! 上を見上げなさい! 恐れてはなりません。信じなさい! 天にいやせない悲しみなど、この地上にはないのだから。

 

  だから、あなたがたに対して抱いているわたしたちの望みは、動くことがない。あなたがたが、わたしたちと共に苦難にあずかっているように、慰めにも共にあずかっていることを知っているからである。−−第二コリント1:7。

 

  わたしにある友人がいました。彼は、すてきな奥さんと、かわいらしい3才になる娘さんととても幸せに暮らしていました。ところがとつぜん、その家庭に不幸が襲ったのでした。まだ若かった奥さんが、交通事故で亡くなったのです。あたかも、彼の人生から、明かりがすべて、永久に消えてしまったかのようでした。葬式がすみ、その夜、彼が娘をベッドに寝せようと不慣れな手つきで娘のパジャマのボタンをはめていると、とつぜん、家中の電気が消えてしまいました。地下室のヒューズが飛んだのだと思って、彼は、娘に言いました。「さあ、パパはすぐに戻ってくるからね。ここで横になって待っているんだよ」 けれども、暗闇に一人置き去りにされることを思うと、娘は怖くなって、いっしょに連れていってくれるようにとせがみました。そこで彼は、娘を腕に抱いて、暗い廊下を通り、階下に降りていったのです。娘はしばらくの間、物も言わずに腕に抱かれていましたが、地下室に入ると、父親の首にしっかりとしがみついて、こう言いました。「パパ、まっくら、でも怖くなんかない。パパがいっしょだもの!」彼は、体を震わせながら涙を流しました。そして、その顔を娘の髪に埋め、すすり泣きながらこう答えたのです。「そうだね、本当に真っ暗だね。でもパパも怖くなんかないよ。パパのお父さんが、神様が一緒なんだから!」

  神が、わたしたちを慰めて下さるのは、ただわたしたちの気を安めるためだけではなく、わたしたちを、他の人を慰める者にするためです。「神はいかなる患難の中にいる時でもわたしたちを慰めて下さり、また、わたしたち自身も、神に慰めていただくその慰めをもって、あらゆる患難の中にある人々を慰めることができるようにして下さる。」−−第二コリント1:4。

 

  ヨナは鯨に飲み込まれたが、その鯨がヨナを陸まで安全に運んでくれた。

 

雨、雨、窓ガラスを激しく打つ雨!

雨、どうしてなんだろう。この降り続く雨

花、花、どしゃぶりの後に咲く花

あたり一面に水々しく美しく咲く花

ああ、今わかる、なぜ雨が降ったのか

神は私に教えてくれた!

  わたしの悩みの日にわたしはあなたに呼ばわります。あなたはわたしに答えられるからです。−−詩篇86:7。

 

  あなたが重荷に苦しむことを神が許される時、神はあなたの下に手を置いて、その重荷を負うのを助けて下さる。

 

  自分の弱さを考えると、私はひるむが、神の約束が私を勇敢にしてくれる。

 

  神は人を深い水に連れていかれる。それは溺れさせるためではなく、清めるため。

 

悲しみは、あなたの肩に手を置いて

人生の道を静かに同行してくれる

喜びは、一度はあなたの陽気な道連れだったけれど

冷たくなって、日に日に遠ざかって行った

悲しみという道連れと

一緒に行くのをいやがってはならない

悲しみはあなたのために送られた

神からのメッセンジャーなのだから

明日には、神に悲しみのことを感謝するでしょう

今はわからなくても、その時にはわかるから

悲しみは、夜の衣をまとった神の使い

私達は「目に見えるものによらないで、

信仰によって歩く」

 

  その悲しみは、あなたをより強くし、又、あなたが他の人を力づけてあげられるようにする為のもの。

 

「できません!」と絶望的に叫んだ!

すると耳元で優しくささやく声がした

「わが子よ、勿論だ、

あなたはそのようには造られてはいない

しかし、あなたの父であるわたしにはそれができるし

あなたのためにそれをしてあげよう

わたしはあなたの弱さを知っている

心の願いもわかっているよ

わたしは強く、いつでもあなたを力づけられる。」

 

  主は心の打ち砕かれた者をいやし、その傷を包まれる。−−詩篇147:3。

 

  あなたのおきてがわが喜びとならなかったならば、わたしはついに悩みのうちに滅びたでしょう。−−詩篇119:92

 

死んであなたの姿は見えなくなったけれど、

別れ別れではない!

あなたはキリストの元に行っただけ

あなたはキリストと共にいて、キリストは私と共にいてくれる

キリストの内にあって、私達は一緒

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  暗い夜がきても

  決して眠らないで見守っていてくれる目がある

  陽が沈み、暗闇が訪れても

  決して閉じない耳がある

  人が力尽きても

  決して疲れない腕がある

  たとえ地上の愛が滅んでも

  決して裏切らない愛がある

 

夜がないなら、星を見ることもない

天はただギラギラと輝きを放つばかりになってしまう

牢獄の鉄格子から見る自由は最高のもの

外海が荒れる時、港の中はいっそう穏やかに見える

喜びを失ったことがなければ、その喜びの大きさを知ることはない

祝福は、消えかかっている時に初めて気づく

苦難の十字架のまわりに、豊かな祝福が実り

夜には、天使の歌が聞こえてくる。

 

  すっかり疲れきってしまったら、祈りと信仰という翼で神の元に飛んで行き、神だけが与えて下さる心の安らぎをいただきなさい。

 

  神の御言葉は常になぐさめとなり、主の御霊の声は、悩みの時に常に励ましとなる。

 

  ご自分の指さす方向に、神は道を開いて下さる。

 

  「あなたの涙のすべてを拭い去り、あなたがその涙をもはや覚えることがないようにしてあげよう。これから来る喜び、美しさに、自分のすべての痛みを忘れてしまうことだろう!

  もうしばらくすれば、時間はもはや存在しなくなる! もう少し、あとわずかで、あなたは永遠にわたしと共に住むようになる! 悲しみはしばらくの間だけ。朝になれば喜びがやってくる。そうすれば、これらの悩みはすべて取り去られるだろう! だから、この言葉を持って互いを慰め合いなさい!

  わたしは、あなたの痛みと嘆きを永遠に取り去り、永遠の喜びと尽きることのない慰めとする!」