宝 P.802-805

 

あなたは口を制することができますか?

 

  あなたは自分の口について考えたことがありますか? 口というのは、体のほんの小さな部分ですが、実に驚くべきものです! 本当に小さくて、幅5、6センチしかないのですが、口が軽ければ、物事をめちゃくちゃにしたり、人間関係を壊したり、一日を台なしにしてしまうこともあるのです! あらゆる武器の中でも、口ほど破壊的なものはありません! なぜなら、口を制さず、思いやりのないことを言ったり、辛らつな口をきいたり、人に辛く当たり、批判的な口をきいて人を打ちのめすなら、口はひどく破壊的になりうるからです。

  口の悪い人が口を開くと、みんなが害を被ることになります! それは、聖書にある通りです。「口は体の小さな部分ではあるが、大きな害をもたらすことがある! 見よ、ごく小さな火でも、非常に大きな森を燃やすではないか。口も火であり、不義に満ちている! 口は私達の器官の一つとして備えられたものであるが、全身を汚し、生存の車輪を燃やし、自らは地獄の火で焼かれる!」−−ヤコブ3:5,6

  けれどもその反面、「優しい舌は命の木」です。−−箴言15:4 あなたの口は、地獄から火をつけられるかわりに、天国から力を授けられることもできるのです! 愛や知恵や励ましの言葉、つまり神の言葉を語るなら、口をもって、他の人々を慰め、励まし、力づけ、高揚させることができるのです!

  ソロモンは「生と死とは舌に支配される。」と言いました。−−箴言18:21 よく考えてみて下さい! 口から出た言葉は、実体のあるものです! 言葉は相手をたたえたり、ののしったりします。元気づけたり、打ちのめしたりもします。また救ったり、呪うこともできるのです! 「棒や石は骨を折るが、言葉が私を傷つけることはない。」と言った人がいますが、それは全く真実ではありません! 以前、18歳のジェシー・ペッパーという女の子が、殺人罪の判決を受けましたが、それは、彼女がメアリー・エレンという女の子についての悪意に満ちたゴシップを流したことで、メアリー・エレンが非常に傷つき、失意のあまり、自殺してしまったためでした! メアリーがゴシップのせいで自らの命を断ったので、それは「ゴシップ殺人」と呼ばれました。

  もちろん、それは極端な例ですが、正直に言って、本当に極端だと言い切れるでしょうか? あなた自身、誰かに残酷できついことを言われた為に、落ち込み、落胆し、死にたい気分になったことはありませんか? あるいは、あなたが、誰かをそのように傷つけたことがあるかもしれません! 正直に言えば、私達全員、きつい言葉を言って他の人を傷つけてしまったことが、何度もあると思います。傷つけるつもりはなかったかもしれないし、あるいは面白半分のつもりだったのかもしれませんが、誰かの心を傷つけてしまったということに変わりはないのです。

  すでに心打ちひしがれているかもしれないし、私達の知るよしもない心の重荷を負っているかもしれない人の心を、さらに傷つけてしまうとは、何と悲しいことでしょうか! その人はちょうどその時、優しい励ましの言葉を聞くのを待ち望んでいたかもしれないのに、私達は、辛らつな言葉を吐き、その人を深く傷つけ、醜い傷跡を残すようなことをしてしまうのです。

  ちょうどこの古い詩にあるように。

  「優しさのない偽りの

   私の言葉

   愛する人達の顔を

   くもらせることもあると知っていたら、

   口にしたりはしなかったのに。

   あなたも、そう思うでしょう?

 

   言葉のとげが抜けず、

   愛する人達の心に

   くっきりと

   深い傷跡を残すこともあると知っていたら、   口にしたりはしなかったのに。

   あなたも、そう思うでしょう?」

 

  けれども、悲しいことに、私達はしばしばその言葉を口にしてしまいます。そして、軽率な言葉をほんの一言口にしたために、物事が悪化するきっかけを作ってしまうのです。そうではありませんか? それでは、思いやりも優しさもない言葉が、軽はずみに口から飛び出ることがないようにするには、どうしたらいいのでしょうか? どうすれば口をコントロールすることができるのでしょうか。どう気をつけても、どうしようもない場合がよくあります! 聖書には、「あらゆる種類の獣、鳥、はうもの、海の生物は、すべて人類に制せられるし、また制せられてきた。ところが、口を制しうる人は、一人もいない!」とあります。−−ヤコブ3:7,8 口を制しうるのは、神だけなのです! 「人にはそれはできないが、神には何でもできない事はない」(マタイ19:26)からです。神には、口をコントロールすることもできるのです! 口を制することができるようになるには、神に私達の心を変えていただくしかありません。「心からあふれることを口が語るもの」だからです。−−マタイ12:34 あなたの心が神の愛で満ちあふれているなら、あなたの口から出る言葉も、愛や優しい憐れみに満ちていることでしょう。「神は愛」だからです!−−第一ヨハネ4:8

  抑えのきかない口を変えるには、その口をコントロールしている心を変えるしかありません! 自分で口をコントロールすることは到底できません。イエスだけが、愛と、親切さと、善良さと、優しさの真の源なのです。だから、イエスに自分の人生をコントロールしてもらうなら、イエスは、あなたの口をもコントロールして下さいます。あなたの内にあるイエスの霊があなたを満たし、あなたを通して、愛と光と命の素晴らしい言葉を語ってくれるのです!

  あなたは忠実に神の言葉を読み、勉強していますか? あなたが読まなければ、神の言葉は、あなたの内にとどまることができません。あなたは祈りの時間をとり、イエスを愛する時間を持ち、イエスの御前で待ちますか? それをしないなら、あなたの話す言葉は、人の心を動かす力や活力に欠けることでしょう。そういったものをあなたに与えられるのは、イエスだけだからです! 「人の内には霊があり、全能者の息が人に悟りを与える。」−−ヨブ32:8 しかし、あなたが主との時間をとらないなら、あなたの語る言葉は、不誠実で、力もなく、霊的に死んだものとなるでしょう。それだけではなく、人の心をえぐる、冷たく鋭い言葉となることでしょう。なぜならそれは、あふれるほどに神の愛で満たされ、神にすべてを委ねた心から出た言葉ではないからです!

  心に愛や優しさがないなら、愛のこもった優しい調子で話すことはできません。愛や優しさのない心は空っぽで、うわべだけで、誰もがそのことを感じ取ることができます。イエスは、私達の語る言葉によって、内面の性格がわかると教えておられます。何と真実であることでしょう! 心の質がどんなものかということが、あなたの言葉に表れるのです。あなたの心が軽薄で、表面的で、自己中心的で、意地悪なら、そうした性質は、口から出る言葉ににじみ出るのです。

  しかし、聖霊があなたの心を支配しているなら、あなたの語る言葉は、明快で、優しく、愛と光に満ちていることでしょう! 偽りも、ごまかしも、あいまいさもありません。あなたの言葉には、磁石のように引きつける力があり、そのまれにみる暖かみは、人を魅きつけずにはおかないでしょう。あなたの心にイエスの愛が燃えているなら、自分の声に優しさや同情心を込めようと努力する必要はないのです。自然とそうなるでしょう! あなたの言葉は、心の奥底にある聖霊によってのみ与えられる、神からの力と生命の輝きを放つのです! 

  聖書には、「人は口から出る好ましい答によって喜びを得る。時にかなった言葉は、いかにも良いものだ。」−−箴言15:23、 また「おりにかなって語る言葉は、銀の彫り物に金のりんごをはめたようだ!」−−箴言25:11、とあります。おりにかなった時に、とっさに、まさにその場にふさわしい言い方で、愛と励ましに満ちた助けになる言葉を、それを必要としている人に言うことができ、そしてその言葉がずっと長い間その人にとっての助けとなるとしたら、素晴らしいことだと思いませんか? 人の記憶に永遠に刻まれ、その人の人生において豊かな良い実を結ぶことになる、信仰に満ちた慰めの言葉を語ることができたら、素晴らしいと思いませんか? それなら、イエスに対して心を開いてすべてを委ね、イエスに心の中に入ってもらい、愛の聖霊で心を満たして下さいと祈り求めればいいのです!

  そして主の言葉である聖書を読み、世界中で最も美しく、愛に満ちた深遠な言葉をあなたの心の奥深くに浸透させ、人に話す時にもそうした言葉が流れ出てくるようにするのです! そうすれば、あなたは愛の言葉を語らずにはおれないでしょう。なぜなら「神は愛!」だからです。 −−第一ヨハネ4:8「わたしを信じる者は、その心の奥底から、生ける水が絶えず川となって流れ出るであろう!」−−ヨハネ7:38 このような生命と愛に満ちた素晴らしい言葉は、自分の心をイエスに委ねた人の口からだけ流れ出るのです! あなたは心をイエスに委ねましたか?