宝 P.748-753

 

なぜ迫害されるのか?

 

  イエスは、ご自分に従う者達にこう言われました。「もしこの世があなたがたを憎むならば、あなたがたよりも先にわたしを憎んだことを、知っておくがよい! もしあなたがたが、この世から出たものであったなら、この世は、あなたがたを自分のものとして愛したであろう。しかし、あなたがたはこの世のものではない。かえって、わたしがあなたがたをこの世から選び出したのである。だから、この世はあなたがたを憎むのである。」(ヨハネ15章18,19節) この言葉を読むと、真にイエスに従っているクリスチャンが、どうしてしばしば、「今の悪の世」によって嘘を語られ、中傷され、公然と迫害を受けるのかがわかります!(ガラテヤ1章4節)

  こう反論する人もいるでしょう。「今は20世紀ですよ。近代化し、教育の行き渡っている時代です!もう昔と同じではないでしょう?」しかし、残念なことに、昔と何ら変わっていないのです! 人間の心は、今も昔も同じです! その上、聖書の中で予告されているように、「悪人と詐欺師とはますます悪から悪へと落ちて」いっているのです!(第二テモテ3章13節) そして悪魔は、今も実在し、昔ながらに邪悪であり、悪魔の民も、昔と同様、神の民に対してひどく悪意を抱いています! ですから、こういった面では、時代を経た今も、何ら変わっていないのです!

  この世はなぜ、イエスを憎んだのでしょうか? イエスは完璧な方で、神の御子でした。何の罪も犯されなかったし、何一つ悪いことはされませんでした。けれども、イエスはどうなったでしょうか! イエスの時代の宗教指導者達は、イエスに対してひどく怒り、そのために、イエスについて嘘を語って、活発にイエスに敵対する運動を引き起こしただけではなく、実際にイエスを捕え、裁判にかけ、公の場でイエスを十字架刑に処して殺してしまったのです! それは、普通の犯罪人が受けるのと同じ恥辱的な刑でした。

  彼らは、どうしてイエスにそんなことをしたのでしょうか? それは、イエスが彼らのことを暴露したからです! 彼らは、イエスが彼らの宗教上のおきてや伝統や慣習を破ったために、イエスを始末しなければならなかったのだと言いました。けれども、彼らがイエスを殺したがった本当の理由は、イエスが彼らの偽善や独善を暴いたからです。イエスが一般の人々に、宗教指導者達がどんなにひどい偽善者かということを見せつけたからなのです! イエスは、彼らのことをこう言われました。「あなたがたは白く塗った墓に似ている。外側は美しく見えるが、内側は死人の骨や、あらゆる不潔なものでいっぱいである!」(マタイ23章27節)

  イエスは、当時の宗教指導者達が説かなかったことを説かれ、彼らがしていなかったことをされました。そして、人々に沢山の愛や憐れみを示され、これらの宗教指導者達が、愛などほんのかけらほども持っていないことを暴露されたのでした! イエスは、通りや、市場や、集会場などで、普通の人々に救いの手を差し延べ、彼らをいやし、教え、愛するという、簡素な生活を送ることによって、宗教指導者達が利己的で愛に欠けていることを暴き、彼らの罪を明らかにすることになったのです!

  真理を説くなら、敵を作るのを避けることはできません! イエスは言われました。「もしわたしが来て彼らに語らなかったならば、彼らは罪を犯さないですんだであろう。しかし今となっては、彼らには、その罪について言い逃れたり、それを隠す道がない!」(ヨハネ15章22節) だからこそ、イエスの友人となって当然だったはずの人々、イエスと同じ宗教を信じていたはずの人々、つまり、他ならぬ律法学者やパリサイ人や祭司長達が、イエスを殺したのです! イエスが、彼らの教えやおきてが空っぽで、意味のない、うわべだけのごまかしにすぎないという真実を暴露したからです!(マタイ23章を読んで下さい!)

  宗教指導者達が猛烈にイエスに敵対したもう一つの大きな理由は、イエスが、「ただ神を愛し、自分を愛するようにあなたの隣り人を愛すればよい!」という、人々を律法から解放する教えを説き(マタイ22章37-39節)、人々に対する宗教指導者達の横暴な支配力を失わせたことです! イエスの恵みの教えは人々に自由を与え、その教えを聞いた人々は、以前の宗教の古い律法や儀式や伝統はもう必要ではないということを悟るようになりました! そして、同じように、私達の愛と自由を説く教えのゆえに、今日の多くの宗教指導者達も、私達を「神のおきてを破る、不道徳な者達」呼ばわりして、非難しているのです。実際、私達は、新約聖書全体を通して語られている自由、つまり、神の解放的な愛の律法を受け入れ、それを実践しているだけだというのに!

  イエスは、その時代の、妥協を重ねていた偽善的な宗教家の何人かにこう言われました。「世はあなたがたを憎み得ないが、わたしを憎んでいる。わたしが世に真実を語り、世の行ないの悪いことを証ししているからである!」(ヨハネ7章7節)現代において、真のクリスチャンである私達にこれほど多くの敵がいるのも、同じ理由からです。つまり、私達が、まばゆく、焼き尽くすような神の真理の光によって、神の敵をあらわにし、暴露したからなのです!

  私達は、世界中の何十億人もの人々に対して、まさに何百万もの単位で私達の印刷物を配ってきましたが、そうした印刷物の中で、私達は、この世界の支配権を握ろうとしている反キリスト勢力を、繰り返し暴露してきました! 反キリスト勢力とは、「世界を統一しようとしている者達」、つまり、この世界の金融システムおよび政治体制を操り、コントロールしている、国際的な資産家達のことです!

  全部で何億というページ数にのぼる小冊子やパンフレットやチラシやカラー・ポスターの中で、私達は、反キリスト勢力の陰謀を明らかにしてきました。彼らは、経済恐慌を引き起こして、世界情勢を不安定なものとし、その不安定な状況を利用して、彼らを代表する人物、つまり長く語られてきた「アンチキリスト」を世界統治の座に就かせようとしています! そのアンチキリストは、最終的には、666という、受けた人の魂を地獄に送るクレジット・ナンバーの烙印、つまり聖書にある獣の刻印を、人々に強制的に受けさせ、世界中の人々が自分を敬い、崇拝することを強いるのです!(黙示録13章) そして、この陰謀を進めている人々は、しばしば、自分達の莫大な影響力や財力を利用して、私達に対する、メディアを使った大々的な反対キャンペーンを展開してきました。

  共産主義は、世界征服に向けてのアンチキリストの陰謀に不可欠なのですが、私達は、共産主義の悪に対して、妥協することなく反対の立場を取ってきています。その理由からも、多くの人々が、私達の敵にまわり、私達を激しく迫害してきました! しかし、それでもなお、私達は、今この世界の背後で活発に活動している反キリストの勢力を暴くのは、神から与えられた私達の務めだと考えています。私達がこの務めを果たすなら、人々は、真実を知り、警戒し、イエスがマタイ24章で私達に教えられた数々の「時のしるし」に注意していることができるのです!「時のしるし」は、私達が今、終わりの時に生きていて、イエスご自身がもうすぐ地上に戻って来られ、この邪悪な世界を征服し、すべてを正して下さるということを明確に示しています!

  20年前にこの活動を始めた当初から、私達は、既成の諸教会に対して、「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ!」(マタイ16章15節)というキリストの命令に従うように呼びかけてきましたが、そのことによってもまた、多くの保守的な宗教家達が私達に対して怒りを発するようになりました! 私達は、キリストの命令に従って、宣教師となるためにすべてを捧げているので、そうすることを拒んでいる他のクリスチャン達にとっては、私達が彼らの恥をさらしているようなものです。ですから、彼らは、自分達もキリストの命令に従うか、従うつもりがないとすれば、自分達の罪悪感を和らげる為に、何とかして、私達の評判を落とさなければならないのです! 多くの、いわゆる熱心なクリスチャンが自ら私達を迫害し、私達に対する反対運動を繰り広げる本当の理由は、これなのです!

  この活動の初期の頃から、私達は、私達に加わった若者の親からも迫害を受けてきました。そうした親達は、自分の「子供」はすでに大人になっていて、法的にも成人と認められているのに、その「子供」が私達に加わったために、私達に敵対し、私達を迫害するのです。神に感謝することに、ほとんどの親は、自分の子供が私達と共に元気で、また幸せに主に仕えていることを感謝しているものの、中には、「子供」が、私達と共にイエスに仕えるために自分達の元を去り、自分達のような生き方をやめたことを恥じていて、それゆえに、私達に反対する親もいるのです。ある利己的な親達は、自分の「子供」が、風変わりな宗教グループに加わって自分達に恥をかかせるよりは、以前のような、麻薬や犯罪の空しい生活に戻ってくれた方がましだとさえ言いました!

  また、私達の活動から離脱し、以前の生活に戻っていった後で、自分達が去ったことを正当化するために、ちょうどユダがイエスを裏切ったように、私達のことについて嘘をつき、私達に面倒を引き起こそうとする人もいます! しかし、私達としばらく一緒にいた後で、去ることを選んだ人達というのは、たいてい、自分には、世界の宣教の地での多くの犠牲や過酷な経験に耐えることができず、私達の厳格な生き方にもついていけないと判断したからなのですが、実のところ、そういった人達のほとんどは、今も私達に好意を寄せてくれており、私達も彼らと良い関係を保っています。

  しかし、中には、自分の側の過ちを認め、それを告白するよりは、自分が去った事を正当化する為に、私達に対して敵対するようになった人達もいるのです。何人かは、私達の強力な宗教上の敵によってまんまとあやつられ、買収されて、私達を非難するようなことを言ったり、書いたりもしました。けれども、そのように私達から離れた後で裏切りに走った人達というのは、私達を去った人達の中でもごく一部の少数の人達であって、先ほども言った通り、大半の人達は、主に感謝する事に、私達と一緒に過ごした日々を感謝しており、今でも私達の友人です!

  私達が、しばしば中傷を受けるもう一つの理由とは、私達が全く妥協することなしに、断固として、現代の退廃したアメリカの事を暴露してきたからです!1960年代後半において、私達はアメリカ国民に、「悪しき者、また神を忘れるもろもろの国民は、陰府へ去って行く」(詩篇9篇17節) と警告し、アメリカの新聞の見出しを飾りました。私達は、荒布をまとい、灰をつけて、「エレミヤの警告」をアメリカに発し、国際的な新聞やTVによって報道されました。そして、アメリカ国民に、アメリカは神と世界の貧しき人々に対して罪を犯したがゆえに、神は間もなく、このかつてのクリスチャン国を裁き、滅ぼされると告げて、多くのアメリカ人を激怒させたのです! しかし、世界的に有名な福音伝道師のビリー・グラハムも、アメリカについてこう言っています。「もし神がアメリカを裁かれないなら、神はソドムとゴモラに謝罪しなくてはいけなくなるだろう!」

  20年以上にも渡って、私達は、アメリカにその罪について警告して続けてきましたが、アメリカは、それでも神に背を向け続けています! そしてアメリカは、ますます物質主義的になり、ますます反キリスト的になり、ますます倒錯し、ますます悪意に満ち、残忍になってきています。ただ、核兵器を製造し、また、他の国々に対して、どんどん兵器を売って、世界中で戦火を燃え立たせているだけでなく、暴力と倒錯に満ちた、吐き気を催すような恐怖映画や、「スリラー」と言われるもの、さらには、「パンク」や「ヘビーメタル」その他の、邪悪な音楽を産み出し、他の国々に輸出して、世界中の若者の精神を毒しているのです!

  −−アメリカが世界に対して、ぞっとするような手本を示していることは言うまでもありません。その上、アメリカは、「クリスチャン」で、正義の国であるかのように装っていながら、実は、毎年、何百万もの罪なき赤ん坊を中絶によって、生まれる前に殺しています。また、公立の学校においては、祈りや神や聖書に関することを一切廃止し、違法としてしまいました。さらには、世界の発展途上国と、公平で公正な貿易協定を結ぼうとしないなど、例をあげたらきりがありません。

  また、ホモや「ウーマン・リブ」などが、今日の歪んだ社会においてますます目立ってきており、受け入れられてきていますが、私達が、聖書に基づく観点から、そのような、現代の倒錯した風潮に断固として反対しているために、多くの人が私達に反対し、戦おうとしています! しかし、私達を完全に阻止することのできた勢力は一つとしてありません。そして、全時間を宣教活動に捧げている1万2千人の熱意ある宣教師からなる私達の一団は、世界中に、神の愛の福音を広め続けており、また、人々に、現代の反キリストの邪悪さについて警告し続けているのです!

  ですから、妬み深く、悪意に満ちた敵が大勢いて、私達が激しく迫害を受けているのも、又、私達の主のための仕事を完全に滅ぼし、世界中に福音を宣べ伝えようとする私達の運動を完全に阻止するためならどんなことでもしようという人々が沢山いるのも、不思議な事ではありません。イエスご自身が、ご自分に従う者達にこう言われました。「あなたがたは、わたしの名のゆえにすべての民に憎まれるであろう!」(マタイ24章9節)  ですから、神の真理の光によって私達に罪を暴露された人々から、私達が反対や迫害を少しばかり受けても驚くにはあたらないのです。

  イエスは私達にこう言われました。「人が皆あなたがたをほめる時は、あなたがたはわざわいだ! 彼らの祖先も、にせ預言者達に対して同じことをしたのである!」(ルカ6章26節) それは、もし私達がいつも人気があって、誰もがいつも私達のことを良く思い、また良く言っているなら、私達のどこかが間違っているに違いないということです! そのため、聖書には、「キリスト・イエスにあって信心深く生きようとする者は、みな迫害を受ける!」と書いてあるのです。(第二テモテ3章12節)  いつも何もかもが順調にいき、何の問題も迫害も受けたことがないなら、それは、あなたがキリスト・イエスにあって信心深く生きていないからなのでしょう!

  言うまでもないことですが、私達を迫害する真の理由を語った敵はほとんどいません。ちょうど、イエスの敵達が、ローマの総督であったピラトに、自分達がイエスを殺すことを求めていた真の理由を決して言わなかったのと同じです! もし彼らが、「この男は我々のことを暴露し、我々の伝統を破り、民衆を我々の支配から自由にしています!」と言ったなら、ピラトは、そんな訴えなど却下していたことでしょう! それで、彼らは嘘をつき、イエスが政治的な犯罪を犯したとして、このように訴えたのです。「この男は政府の転覆を企てており、税金をローマ皇帝に納めることに反対し、自分自身を王だと宣言しています! もしこの男をあなたが釈放するなら、あなたは皇帝の味方ではありません!」(ルカ23章2節、ヨハネ19章12節)

  しかし敵は、その嘘や攻撃もむなしく、決して、私達を止めることなどできないでしょう。たとえ彼らが私達を殺したとしてもです! イエスが再臨される時まで、私達は前進を続け、魂を勝ち取り続け、繁栄し、増え続けていくことでしょう! なぜなら、それが神のご計画だからです! 事実、私達の敵達が、私達の誰かを、あるいは、私達の多くを殺すことができたとしても、私達の活動はなお続いていくのです。なぜなら、主こそ私達を導いておられる方であり、敵がどんなに懸命に試みても、主を打ち負かす事は不可能だからです!「そのしわざが人間から出たものなら、自滅するだろう。しかし、もし神から出たものなら、誰もあの人達を滅ぼす事は出来ない! まかり間違えば、彼らは神を敵にまわすことになるかもしれない」からです!(使徒行伝5章38,39節)

  誰も、主の為の私達の仕事を阻止する事は出来ません。私達は、主が戻って来られ、自ら、私達を天国での勝利の祝宴に連れて行って下さる時までは、世界の何十億もの人々に対して、主の真理を証しし続け、何百万もの人達を主の天の御国へと愛し導き入れ続けることでしょう! ハレルヤ!(黙示録19章)

  その時まで、私達は悪と戦い、「全世界に出て行って、すべての造られたものに、主の愛の福音を宣べ伝え」続けることでしょう! 終わりが訪れる時まで! 主をほめたたえましょう! あなたは、悪に対して戦いを挑んでいるのですか? それとも、善に対して戦いを挑んでいるのですか? 神に対して戦いを挑んでいるのですか? それなら、用心しなさい!