宝 P.574-578

 

戸をたたくこともなく!

 

 私は安らかに伏し、また眠ります。主よ、私を安らかにおらせて下さるのは、ただあなただけです!」 (詩篇4:8)

 

本当にイエスを愛し、イエスに仕え、福音を宣べ伝えるために全世界に出ていった、数々の偉大なクリスチャンがいます。そして彼らが危険な状況にあった時には、神は超自然的に彼らを守られたのでした!

 

オルガ・クリステンセンも、そんな偉大なクリスチャンの一人で、宣教師として中国で40年間を過ごしました。ある時彼女は、こんな話をしてくれました!

       

  私の中国滞在が終わりに近づいた頃、私の伝道所には80人近くの生徒が住んでいました。その他に、私と一緒に働いてくれていた女の人達もいました。

 

あれは何?

 

ああ!

 

オルガさん、僕が見てきます!

 

大変だ!

 

盗賊だ!

 

金を全部奪え!

 

ああ!

 

大変です、オルガさん!盗賊が通りにいます!

 

まあ、何てこと!

 

ここには私達を守ってくれる兵士もいない! ということはもう望みもないんだ!あるのは、殺し、殺害、死だけだ!

 

殺されるわ!

 

バキューン! バキューン! バキューン!

 

ああ、どうしましょう、オルガさん。彼らは私達を皆殺しにするわ!

 

みなさん、ちょっと待って下さい!少し一人で祈る時間が必要です!

 

アーッ! アーッ! 

◆バキューン! バキューン!

 

主の助けと導きを求めて、私は自分の小さな部屋に行き、今までにないほど必死に祈りました!

 

イエス様! 私は怖いのです、主よ! でも私はおびえるべきではないと知っています。なぜなら、私達はあなたの子供であり、あなたが許されるのでなければ、彼らは私達の髪の毛一本でもさわることはできないからです! (ルカ21:18)

 

私は今、一緒にいる人達や私の心を静めるための聖句を与えてくださるよう祈り求めます!

 

ああ、イエス様、感謝します! ありがとう!これにまさる節はありません!

 

さあ、みなさん、気を静めて!主は私達に、大変慰めになる特別な聖句を与えて下さいました!

 

バキューン!  ガシャーン!

 

それは私が前によく読んだ聖句ですが、今夜、それが本当に深い意味をもたらしたのです!

 

これがその聖句です。あなたは座している時、恐れることはなく、伏す時、あなたの眠りは心地よい。あなたはにわかに起こる恐慌を恐れることなく、悪しき者の滅びが来ても、それを恐れることはない」!(箴言3:24,25)

 

でも、それは私達がどうすればいいという意味なのですか、オルガさん。

 

私達は寝るべきなのです!

 

バキューン!

 

寝る?

 

この恐怖とひどい騒がしさと迫害のさ中で?

 

逃げろ!

 

燃やせ!

 

主が私達を安全に守って下さるという信仰と信頼を持っていることを主に示すのに、寝る以上に良い方法があるでしょうか?

 

そうするなら、イエスは、私達が心配したり、おびえたり、恐れたりしないように助けて下さいます!

 

だから、さあ、みなさん! 寝る支度をしましょう!

 

そういうわけで、私達はみんな寝ることにしました!

 

服を着たままで寝たい気がするけれど!

 

でも−−

 

本当に神が守って下さると信じているなら、いつもの通り服を脱ぐべきだわ!

 

バキューン! ドシーン! ガシャーン! 

 

外では、猛襲が続いていました−−

 

一軒も残さず奪え! それから燃やすんだ!

 

けれど私は横になって、ぐっすり眠りました!

 

「わたしは安らかに伏し、また眠ります。主よ、わたしを安らかにおらせて下さるのは、ただあなただけです」! (詩篇4:8)

 

バキューン!

 

そしてその翌朝!

 

オルガさん! 起きていますか? 

 

はあ?

 

はい、何ですか?

 

トン! トン! トン!

 

外を見てください!

 

ほら、沢山の人が殺され、どこもかしこも焼きつくされています! この通りにある家全部です!

 

でも私達のところは、一人として戸をたたきさえしませんでした!

 

神をほめよ!イエス様、感謝します!

 

イエス様、あなたは悩める時のいと近き助けです! あなたのほかに救い主はなく、避け所はありません! (詩篇46:1)

 

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 神の優しい世話

 

神は、約束なさらなかった。

 空がいつも青いとは。

私達の人生が、花の咲く小道を

 歩くようなものだとは。

神は約束なさらなかった。

 いつも日が輝き、雨は降らないとは。

喜びばかりで、悲しみはないとは。

 安らぎばかりで、痛みはないとは。

 

神は、約束なさらなかった。

 私達が、苦労や試練や

トラブルや苦悩を

 味わうことはないとは。

神は、言われなかった。

 多くの重荷を負うことがなく、

心配事が

 私達にはないとは。

 

神は、約束なさらなかった。

 人生の道は幅広く、

助けがなくとも、順調に

 軽快に、容易に旅ができるとは。

険しい岩山を

 越えることはないとは。

深くよどんだ川を

 渡ることはないとは。

 

だが、神は約束して下さった。

 日々の力を、

働くための休息を、

 道を照らす明かりを、

試練を乗り越えるための恵みを、

 天からの助けを、

変わることのない同情を、

 絶えることのない愛を下さると。

 

  −−アニー・ジョンソン・フリント