宝 P196-204

 

 歴史に見る冒険実話集!

 

気の狂った王!

−−ダニエル4章を脚色した物語!

 

  バビロニア帝国の王ネブカデネザルは、王宮の屋上に作られた庭に立ち、バビロンの都を見渡していました。ちょうど大陽が沈むところで、彼方に見える建物や寺院にその黄金の光をなげかけていました。夕日に顔を輝かせ、ネブカデネザル王はこう言いました。「ああ! やはり故郷は実に良いものだ!」

   すると女王は、敬愛のまなざしで王を見つめ、こう言いました。「王様、あなたが戻って来られたのは素晴らしいことでございます! このたびの遠征では、何ヶ月も出ておられましたから!」

  王はうれしそうに言いました。「そうだな! 何と素晴らしい征服だったことか! 私が帝国軍を率いるところをお前に見せたかった。われわれは、パレスチナ、そしてヨルダンの国々をどんどん征服していったのだ! 何者も私にはかなわなかった!われわれは、敵の軍隊をこてんぱんにやっつけたのだぞ! 敵の城壁を打ち破り、宮殿を燃やした! 私の帝国の右に出るものはない! そして、この私ほどに栄光に満ち、力強い者もいまい!」

  「このたびは、本当に沢山の富や財宝を持って帰られましたね!」と女王は言いました。

  王は続けて言いました。「それに奴隷もだ! 何千という奴隷も連れ帰ったのだぞ! その中から数千人を、バビロンの都を立派にするための、奴隷労働の一団に加えよう!」

  女王は、壮麗な都を見渡し、驚嘆しながら言いました。「何て素晴らしい眺めでしょう! 世界中で、これほど大いなる都、これほど壮麗なる都は、かつてありませんでした!」

  すっかりおごり高ぶっていたネブカデネザルは、これに答えて、「私はこれを、よりいっそう栄華に満ちたものにするつもりでいる! たくさんの奴隷を連れて帰ったから、これからはもっと早く仕事を進めることができる!」と言いました。

  ワインを何杯か飲んだ後、ネブカデネザルと女王は床につき、この大いなる君主、バビロン及び世界の支配者は、光沢のあるシルクのシーツをかぶって眠りにつきました。一方、別の場所では、何百にも及ぶ国々からやってきた男や女達が、石の剥き出しの中庭で粗いわらの寝床を作って、一日の労働に疲れきった体を横たえ、寒さに震えながら眠りについたのです。

  彼らにとって、夜の明けるのはなんと早いことでしょうか! 翌朝早く、まだ陽も昇っていない内に、むちで打たれ、眠いながらもやっとの思いで起き上がるのです。そしてパンとスープだけという粗末な朝食をとると、集まって通りに出て働きます。彼らの血と汗と涙によって、地上で最も壮麗なる都、バビロンが築かれたのです!

  その朝、日の出の直後に、一人の人物がバビロンの広い通りを歩いていました、彼は、角を曲がって、「行列の通り」と呼ばれている、都の大通りに出ました。その男は40代後半で、重要な役人であるのが見てとれました。彼は大股で、その広い通りをイシュターの大門に向かって歩いていましたが、突然、彼が門をくぐろうとしていた時、前方で馬車のがたがたという音が聞こえたのです。その馬車は、大通りを物凄い勢いで彼の方に向かって来ました。そして彼の脇を通り過ぎようとした時に、乗っていた一人が大声を張り上げました。「止まれ! いたぞ!」そして、馬は急に手綱を引かれ、馬車は素早く引き返して、彼の前で止まりました!

   「ダニエル! 早く! 乗るんだ!」と年老いたユダヤ人の貴族が呼びかけました。「ネブカデネザル王がすぐにあなたに会いたがっておられる!」ベルテシャザル卿−−ヘブライ人の友人の間では、ダニエルとして知られていました−−は、急いで馬車に乗り込み、友人アベデネゴの隣に座りました。すると馬車は長い大通りを、遠く離れた王宮に向かって走り出しました。彼が王宮の階段に着くやいなや、十数人の護衛が駆け寄ってきて、王室まで付き添いました!

  王座のまわりには、魔術師、占星術師がいて、あれこれ言っていましたが、ダニエルが入って行くと、ネブカデネザル王は直ちに他の者達を全員さがらせたのです。「さあさあ、ここに! ベルテシャザルよ!」と王はベルテシャザルを招きました。

  ダニエルは頭を下げ、王座に近づき、「王様、何のご用でございましょうか?」と尋ねました。

  王は恐れで目を大きく見開いて、こう説明したのです。「私は信じられないような夢を見た。今朝早く悪夢を見たのだ! 寝床に横になっている時、私の脳中で見た幻が、私を恐れさせたのだ!」

  王は、疲れ果てた様子で頭を抱え、こう続けました。「だが、それがいったいどんな意味なのか、とんと見当がつかぬ! バビロンのすべての知者にこの夢のことを話した。博士、呪術師、占星術師、占い師などすべてだ。だが、誰一人それを解き明かすことはできなかった! 

  だがベルテシャザルよ、そちは、魔術師の長である!! 聖なる神の霊がそちの内に宿っているのを私は知っている。どんな秘密もおまえには難しいことはない! 何年か前、おまえは、私の大きな輝く像の夢の解き明かしを告げることができた! (ダニエル2章参照) 私の夢とはこれである。

  私は、平原に立っており、私が見ると、目の前に一本の木があった! その木は全く大きかった!その木は成長して高くなり、強くなり、天に達するほどの高さになった。そして地の果てからでもそれを見ることができた! その葉は美しく、その実は豊かであった! 野の獣はその陰にやどり、空の鳥はその大きな枝に巣を作り、すべての生きものはこの実によって養われた!」

  自分の体験を繰り返すにつれ、ネブカデネザルの顔色は悪くなり、冷や汗が顔を伝いました。「そして私が見た幻の中で、一人の警護者が私の前に立った! 城壁の警護者のような普通の警護者ではなく‥‥」おののきながら王はささやきました。「それは聖なる者、天から下った天使であった!

  警護者は声高く呼ばわって、こう言ったのだ。『この木を切り倒し、その枝を切り払い、その葉を揺り落とし、その実を打ち散らし、獣をその下から逃げ去らせ、鳥をその枝から飛び去らせよ。ただしその根の切り株を地に残し、それに鉄と青銅の縄をかけて、野の若草の中におきなさい!』」

  震えおののきながらネブカデネザルは一息つき、深呼吸をして、話を続けました。「それから、警護者はこう命じた。『またその心を変えさせ、人間の心ではないようにし、獣の心を与え、7年を過ごさせよ! この宣言は警護者達の命令によるもの、この決定は聖者達の言葉によるもので、それによって、いと高き神が、人間の国を治めて、自分の意のままにこれを人に与え、また人の内の最も卑しい者をその上に立てられるという事を、すべての者に知らせるためである!』

  これが私の夢だ! さあ、ベルテシャザルよ、その解き明かしを私に告げなさい!」

  ダニエルは金の椅子に腰をおろし、深く祈り、考えました。「ああ、神よ、いったいこれは何を意味するのでしょうか!」と祈ったのです。すると、王の夢の解き明かしが、だんだん明らかになってきました。真理がすっかり理解できた時、ダニエルは驚き、大いに思い悩みました。王が自分の答えを喜ばしく思わないということがはっきりわかっていたからです! けれども、王の為に、真実を告げなければならないこともわかっていました!

  ダニエルの思い悩んだ表情を見て、ネブカデネザルはこう言いました。「ベルテシャザルよ、この夢とその解き明かしのために、悩むには及ばない。私にその解き明かしを告げなさい!」

  敬意をこめてダニエルは答えました。「わが主よ、この夢があなたを憎む者にかかわることであって、この解き明かしがあなたの敵に臨むならどんなにかよいことでしょう。あなたが見られた木、すなわち成長して強くなり、天に達するほどの高さになって地の果てまでも見え渡った木‥‥それはあなたです! 王よ、あなたこそその木なのです! あなたは成長して強くなり、天に達するほどに大きくなり、あなたの主権はペルシャからずっとエジプトの国境に至るまで、地の果てにまで及びました!

  そして警護者の言葉の解き明かしはこうです。王よ、いと高き神があなたに対する命令を下したのです。

  あなたは追われて世の人を離れ、野の獣と共におり、牛のように草を食い、天から下る露にぬれるでしょう。こうして7年の時が過ぎて、ついにあなたは、いと高き神が人間の国を治めて、自分の意のままにこれを人に与えられることを知るに至るでしょう!

  また彼らはその木の根と切り株を残しておけと命じたので、あなたが、天こそ、まことの地の支配者であるということを知った時、あなたの国はあなたの支配下に戻るでしょう!」

  ネブカデネザルは、ぼう然とし、ダニエルをじっと見つめ、自分の耳にしたことが信じられないといった様子でした! ダニエルは、どうしてこういうメッセージが王に下ったかを知りつくしていました。つまり、自分だけでバビロンの都、それにバビロニア帝国を築き上げたと考える王の傲慢さ、それに、自分はまばゆいほどの贅沢をして暮らしておきながら、貧しい者達を情け容赦なく抑圧してきたことのゆえです!

  このような辛い目に遭わなくてもよくなるように、ネブカデネザル王が何とかして変わり、悔い改めることを願って、ダニエルはこう言いました。「王よ、あなたはわたしの勧告を受け入れ、義を行なって罪を離れ、しえたげられる者をあわれんで、不義を離れなさい! そうすれば、あるいはあなたの繁栄が、長く続くかもしれません!」

  ぼう然としたネブカデネザル王は、押し黙ったままそこに長い間座り込み、ダニエルの言ったことを考えていました。どのような者にとっても、世界の支配者に向かってこういう言葉を発するのは、非常に勇気のいることでした!−−たとえダニエルほどに、王が尊敬していた者であっても。

  ダニエルはもう一度語りました。「王よ、あなたの罪を離れるなら主はまだ憐れみをかけられ、こうしたことは何一つ起こらないかもしれません‥‥」 ネブカデネザルはだしぬけに、そして冷たくこう言いました。「ベルテシャザルよ、下がりなさい!」

  その後何週間かの間、ネブカデネザルがダニエルの勧告を喜ばしく思っていないことは明らかでした。ダニエルは二度と王の脇に召喚されることがなかったからです。長い間ネブカデネザルは、むっつりしてろくに口もきかず、不吉な夢のことを恐れてはいながらも、変わろうとはしませんでした。けれども、数ヶ月たつと、夢による恐れも薄れ、王は一段と傲慢で、高ぶり、残酷で、暴君のようになり始めました! 都の建設が進められるにつれ、重労働のせいでまた何百という奴隷が倒れ、二度と起き上がることはありませんでした!

  12ヶ月が過ぎ、ネブカデネザルは、ある朝、王宮の屋上を歩いていて、自分の築いた大いなる都を見渡しました。そして王は、「バビロンほどに壮麗で栄光に満ちた都というのは、これまでになかったし、これからもないであろう!」と思いました。それは、世界最大の都で、高さ90メートル、幅24メートルという大きな城壁が、およそ 100キロに渡って回りを取り囲んでいたのです!  王は、自分の神マルダクを祭った大きな黄金の宮や、建築と装飾に多くの時間と多額の金を費やした、神々をまつる53の宮と80の祭壇のことを思いました。また、地上で最も壮麗なる自分の王宮のことにも思いをはせ、自分が、地上のどんな王をもしのいで、想像を絶する贅沢をし、豪勢に暮らしていることを誇らしく思いました!

  高ぶりで胸がいっぱいになったネブカデネザルは、都に向かって両手を広げ、喜びの声をあげました。「この大いなるバビロンは、私の大いなる力をもって私が建てた王城であって、わが威光を輝かすものではないか?」

  その言葉をまだ言い終わらない内に、天から声が下って言いました。「ネブカデネザル王よ、あなたに告げる。あなたの王としての権威はあなたから取り去られた。国はあなたを離れ去った!  あなたは追われて世の人を離れ、野の獣と共におり、牛のように草を食う! こうして7年を経て、ついにあなたは、いと高き神が人間の国を治めて、自分の意のままに、これを人に与えられることを知るに至るだろう!」

  ネブカデネザルは、恐れおののきながらも、怒りのまじった、傲慢な調子で叫びました。「そんなことがあってなるものか! 私は絶対に‥‥」すると突然王は、頭がくらくらしてよろめき、床に倒れました! 王宮の警備の者達が王に走り寄って助けようとしましたが、驚いたことに、王は犬のように四つんばいになり、そのまま彼らから逃げ去ってしまいました。王はすすり泣きながら、屋上の庭に恐れつつ身を隠したのでした。

  その日の午後、貴族や大臣が集まったのですが、彼らは自分達の見た光景にショックを受けてしまいました。力強い世界の王であるネブカデネザルが、四つんばいになって、花壇のところで顔を泥だらけにして穴を掘っていたのです。気が狂っていたのでした! ダニエルは、悲しそうに、落ちぶれた君主を最後に一目見ると、ついに、王を、バビロンの郊外にある屋敷に送るようにという命令書に、他の官僚達と共に、署名したのです。

  夏が来てはまた去り、冬が来てはまた去り、ゆっくりと7年という長い年月がたちました。バビロンの都では、建築は止まり、奴隷監督者の鳴らすムチの音も聞かれなくなりました。道路も宮も建設されず、運河を掘ることもありませんでした。7年目の、ある朝早く、馬に乗った重要な高官が、厳重に警備された田舎の屋敷の門のところにやって来ました。中に入ると、警備の指揮官が、その高官ダニエルを迎え入れました。

 「ネブカデネザル王に会いに来たのだが、王はどこにおられるかな?」とダニエルは言いました。

  その指揮官は笑い、「『獣』はそこですよ! ちょうど朝食の時間においでになりましたね!」と言って、腕一杯に草を抱えて庭を横切っていく奴隷を指さしました。ダニエルと指揮官が奴隷の後をついて庭を横切って行くと、そこには、ダニエルが見たこともないような、惨め極まりない、哀れな姿がありました! 一番卑しい奴隷でさえ、これほど惨めな状態ではありません!

   「獣」はそこに横たわって眠っており、裸で、毛深い体は朝露でぬれていました。長い髪の毛とひげは、言いようのないほど汚く、もつれていて、ぼうぼうとしていました! 爪は伸び放題で、先が曲がっていて、まるで鳥の爪のようです。3人が近づくと、彼は驚いて目を覚ましました! でも、みずみずしく柔らかな草を見ると、四つんばいになって走ってきて、ブーブーうなってそれを口にかき入れ、むしゃむしゃ食べ始めました!

  年老いたダニエルは、わっと泣き始めました!「彼と二人っきりにしてくれ!」と命じ、2人が去ると、ダニエルは、心から主に祈り、もう7年たったので王を元通りにして下さいと嘆願しました。「獣」は、食べるのをやめ、祈っている男を見あげました。すると突然、彼の頭の中で何かがひらめき、彼の理性が戻ったのです!

  天を仰ぎ見て、自分に起こった事を悟ったネブカデネザルは、いと高き神を賛美し、かつあがめ始めました! 涙を流しつつ、「主の主権は永遠の主権、主の国は世々限りなく、地に住む民はすべて、主の目には取るに足らぬ者のように思われ、天の衆群にも、地に住む民にも、主はその意のままに事を行われる。誰も彼の手をおさえて『あなたは何をするのか』と言いうる者はない。」と言いました。

  その日の内に、大臣や貴族全員が屋敷にやってきて、王が正気になり、清潔な身なりをし、王衣をまとっているのを見て、彼を王位に復帰させることにしました! そして、王の尊厳と光輝とが戻り、前にもまさって大いなる者となったのでした!

  ネブカデネザルは教訓を学び、改心し、神が望まれた通りの神の人となったのです! 実際に彼は改宗し、唯一の真なる神を信じるようになりました!それほども著しく変わったので、全世界に向けて手紙を書き、それを彼の帝国内のあらゆる言語に翻訳させたほどでした。その中で彼は自分の罪を告白し、神への信仰を宣言したのです! この公の謝罪の手紙があまりにも素晴しいものだったので、それは聖書のダニエル書の4章に残されたほどでした!

  彼の手紙は、こうした宣言で終わっています。「そこでわれネブカデネザルは今、天の王をほめたたえ、かつあがめたてまつる。そのみわざはことごとく真実で、その道は正しく、高ぶり歩む者を低く、謙虚にされる!」

 

考えてみるべき課題:

   (1)貧しい者達を厳しく過酷に扱っていたことの他に、ネブカデネザル王の最も大きな罪は、プライドでした! 彼のケースは極端に思えるかもしれませんが、現代の世界においても、ネブカデネザルに比べたらずっと小さなことしか成し遂げていないのに、全く同じぐらいおごり高ぶっている人がいます! 世界帝国の王でもなく、ひどく贅沢な暮らしをしているわけでなくても、おごり高ぶることがあるのです。自分の外見や、家や、社会的地位のこと−−または、仕事を非常にうまくこなすこと−−で、実際、自惚れがにじみ出ている人もいます! このことを直視しましょう。私達は一人残らず、何かの面でプライドによる罪を犯したことがあります。主がたたきつぶし続けなければならない、小さな「偶像」を持っているのです!

   (2)私達は皆、ネブカデネザルと同様、私達に地位を与え、何かの面で私達を素晴らしい者として下さったのは神だということを忘れてしまうという罪を犯し、自分に称賛を与え始めることがあります。「高ぶる目とおごる心とは、罪である。」(箴言21:4) 私達の自尊心があまりにも大きくなると、問題を抱えることになります! 自分はよくやったと自分で思い始めると、あなたはおしまいなのです。なぜなら、「高ぶりは滅びにさきだち、誇る心は倒れにさきだつ! 高ぶりが来れば、恥もまた来る」からです−−箴言16:18、11:2。

   (3)聖書や歴史が繰り返し私達に示しているように、権力を握り、栄え、人気を得ながらも、そのせいで堕落することがない人というのは、滅多にいません! また、ネブカデネザル王の高ぶりがそれほども著しく目立っているのは、彼が大いなる権力を握り、ものすごく繁栄し、人気を博し、そして、そのせいで、ものすごく堕落したからです!

  主に本当に近くとどまり、することすべてにおいて主を認め、私達の持っている祝福は何であれ、主が与えて下さったものだということを常に頭においておくことをしないならば、私達も、自分の状況において、そういったものによって自分が堕落させられてしまうという罪を犯すこともあるのです! 「あらゆる良い贈り物、あらゆる完全な賜物は、父から下って来る。あなたの持っているもので、神からもらっていないものがあるか。人は天から与えられなければ、何ものも受けることはできない。」−−ヤコブ1:17、第一コリント4:7、ヨハネ3:27

   (4)ひとたび主が御言葉によって私達の罪を明らかにして下さるなら、あるいは誰かが私達の罪を指摘してくれるなら、私達は選択をしなければなりません。謙虚になってそれを受け入れ、悔い改めて変わるか、あるいは、ネブカデネザルのように高ぶって、かたくなになるかです! そして主の御霊を退け始めると、主はあなたをしりぞけ始められます! ヤコブ4章6節にある通りです。「神は高ぶる者をしりぞけ、へりくだる者に恵み(憐れみ)を賜う!」

   (5)高ぶりのような、人生における特定の問題に関して神の御言葉を拒むと、その人は大抵さらに悪くなります! より一層かたくなになり、より高ぶり、それまで以上に反抗的になるのです!それは霊的に大変危険な状態です。なぜなら高ぶり、利己的な人というのは、自ら悪魔を招いているようなものだからです! サタンの内にあった高ぶりこそ全ての悪の始まりでしたし、それは今なお全ての悪の根源です。そういうおごり高ぶった気持ちが自分の心を占領するままにして、主があなたを懲らしめて謙虚にしようとされていることに抵抗するのは、自分の人生に敵の足がかりを作っている事なのです!

   (6)ネブカデネザルの夢の中で、木は切り倒され、草のところに切り株が残っただけになりました。ネブカデネザルが「草の根」のレベルまで切り倒され、貧しい者と同じレベルに下がり、貧しいというのがどういうことかを知ること、それだけが、彼の心を変える唯一の方法だったのです!−−主は、この教訓を教えるために、多くのおごり高ぶった人達にこういうことをされなければなりませんでした! ネブカデネザルが告白した通りです。「主は、高ぶり歩む者を低くされる!」

   (7)ネブカデネザルに悔い改めて変わるようにと告げるのは、ダニエルにとって大変勇気のいることでした。私達もまた、たとえ相手にとってつらいことであっても、謙虚に、愛をもって、人々の過ちを指摘するだけの勇気と確信を持つべきです。−−箴言27:6、28;23、ガラテヤ4:16  けれども、知恵を使いなさい!−−箴言9:7-8、マタイ7:6

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    祈り:主よ、どうか私がおごり高ぶることのないよう助けて下さい。そして、富であれ、地位であれ、才能であれ、私の持つ良きものは何でもあなたが授けて下さったのだということを悟るよう助けて下さい! どうか私が自分の成したことのゆえに高ぶったりせず、あなたの力強き御手の下でへりくだり、従順なしもべであり続け、あなたの御国の役に立つ道具になるように助けて下さい! イエスの御名で祈ります! アァメン。

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