宝 P102-113

 

ダニエル2章

 

イントロダクション

  すでに成就した聖書の預言の学習は、非常に興味深く、霊感にあふれ、励ましに満ちていて、私達の信仰を築いてくれる。何千年も前の預言が詳細に至るまで成就しているという事実は、私達が今学習している、このごく近い将来に関する預言も、過去すでに成就した預言と同じような正確さで成就するという信仰を与えてくれるはずである。

 

預言者ダニエル

  ダニエルは、 B.C.620年頃に生まれた。ということは、ネブカデネザルが、B.C. 605年の初期に初めてエルサレムを包囲した時には、ダニエルはおそらくティーンエイジャーだったはずだ。そしてダニエルは王家の血を引く他のユダヤ人達と共にバビロンに連れて行かれた。(ダニエル1:1-3,6) そこで彼は3年間、「カルデヤ人の文学と言語とを学んだのである。」(ダニエル1:4) 彼と3人の友人は、王に仕える賢者、かつ助言者とされた。(ダニエル1:19,20、2:13)。

  ダニエルは、バビロンで少なくとも72年間生きた。彼の人生は、ネブカデネザルの統治の最初の年から、その後に続く5人のバビロンの王、そしてバビロンの崩壊を経てペルシャ帝国に至るまで生きたのだ。すなわちメデアのダリヨス王の統治、その後のペルシャのクロス王の統治第3年目に至るまで生きたのである! (ダニエル10:1)

 

ダニエル2章

  ダニエル2章は、聖書全体の中で、世界の歴史と未来に関する全体像が最も簡潔に、最も簡明に記されている書である。この章に出てくる預言的な夢は、古代バビロンの時代から、神の国によって滅ぼされる最後のアンチキリスト世界帝国に至るまでの、人間の作った五つの大帝国を描写している。この夢は最初、ネブカデネザルに与えられ、彼の統治の間にダニエルが彼のために解き明かした。それゆえこの預言は、バビロンの王とバビロンの偉大な世界政府から始まっており、この夢が与えられた時には、すでに征服されていた以前の世界政府、エジプトとアッシリヤは含んではいない。

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    1.ネブカデネザルの治世の第二年に、ネブカデネザルは夢を見、そのために心に思い悩んで眠ることができなかった。     

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  彼の治世の第二年目は、およそB.C.603年であった。

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    2.そこで王は命じて王のためにその夢を解かせようと、博士、法術士、魔術士、カルデヤ人を召させたので、彼らは来て王の前に立った。      

    3.王は彼らに向かって、「わたしは夢を見たが、その夢を知ろうと、心に思い悩んでいる」と言ったので、             

    4.カルデヤ人らは、アラム語で王に言った、「王よ、とこしえに生きながらえられますように。どうぞ、しもべらに、その夢をお話し下さい。わたしたちは、その解き明かしを申しあげましょう。」

    5.王は答えて、カルデヤ人に言った、「わたしは、その夢を忘れてしまった。あなたがたがもしその夢と、その解き明かしをわたしに示さないならば、あなたがたはその身を切り裂かれ、あなたがたの家は滅ぼされる!」

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  王は夢を見たのだが、その夢を覚えていなかった。ただ、それが非常に重要な夢であるということだけわかっていた。

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    13.この命令が発せられたので、知者らは殺されることになった。またダニエルとその同僚をも殺そうと求めた。       

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  この命令が下った時に、神の預言者ダニエルは、バビロンの捕虜であり、王の賢者の一人として仲間のユダヤ人たちと共に王に仕えていた。(25節と49節)

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    16.ダニエルは、王の所へ入っていってその解き明かしを示すためにしばらくの時を与えられるように、王に願った。   

    17.それからダニエルは家に帰り、同僚のハナニヤ、ミシャエル及びアザリヤにこの事を告げ知らせ、               

    18.共に、この秘密について天の神のあわれみを請い、ダニエルとその同僚とが、他のバビロンの知者と共に滅ぼされることのないように求めた。                            

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  ダニエルは、さぞ神に祈り、必死に泣き求めたことだろう! 彼は、どうしていいのかわからなかった。答えを知らなかったからだ! それなのに一体全体、どうやって王に、王の見た夢を話すことなどできようか。その夢を知りもしないのに、どうやって夢を解き明かすことなどできようか?−−だから、彼は祈ったのだ!

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   19. ついに夜の幻のうちにこの秘密がダニエルに示されたので、ダニエルは天の神をほめたたえた。                 

    24.そこでダニエルは、王がバビロンの知者たちを滅ぼすことを命じておいたアリオクのもとへ行って、彼にこう言った。「バビロンの知者たちを滅ぼしてはなりません。わたしを王の前へ連れて行って下さい。わたしはその解き明かしを王に示します。」      

    25.アリオクは、急いでダニエルを王の前へ連れて行き、王にこう言った。「ユダから捕らえ移した者の中に、その解き明かしを王にお知らせすることのできる、一人の人を見つけました。」                       

    26.王は答え、ベルテシャザルという名のダニエルに言った、「あなたは、わたしが見た夢と、その解き明かしとを、わたしに知らせることができるのか?」            

    27.ダニエルは王に答えて言った。「王が求められる秘密は、知者、法術士、博士、占い師など、これを王に示す事はできません。

    28.しかし秘密をあらわすひとりの神が天におられます。彼は後の日に起こるべき事をネブカデネザル王に知らされたのです。あなたの夢と、あなたが床にあって見た脳中の幻はこれです。

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  神だけが、王の夢とその解き明かしを、ご自分の預言者に明らかにすることのできる方である。だからダニエルは、その功績と栄光をすべて忠実に神に帰したのだった!

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    29.王よ、あなたが床におられた時、この後どんな事があろうかと思いまわされたが、秘密をあらわされる方が、将来どんな事が起こるかをあなたに知らされたのです。 

    30.この秘密をわたしにあらわされたのは、すべての生ける者にまさって、わたしに知恵があるためではなく、ただその解き明かしを王にお知らせすることによって、あなたが心に思われたことをお知りになるためです。       

    31.王よ、あなたは一つの大いなる像があなたの前に立っているのを見られました。その像は大きく、非常に光り輝いて、恐ろしい外観をもっていました。  

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  ここから、かつて人間に与えられた内で最も驚嘆すべき預言的な夢の一つの描写が始まる! この、思わず目を見張るようなビジョンでは、「大きな光り輝く、恐ろしい」像の一つ一つの部分が、幾つかの異なった世界帝国をあらわしているのである。

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    32.その像の頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは真鍮(しんちゅう)、

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  もっと詳しく見れば、この像の体の主要なそれぞれの部分は、異なった金属でできていることがわかる。「純金の頭」−−38節の解釈を参照。「銀の胸と両腕」 −−39節の解釈を参照。 「真鍮の腹ともも (ここでは足のつけ根をさす) 」−−39節の解釈を参照。

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    33.すねは鉄、足の一部は鉄、一部は粘土です。

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  「鉄のすね(足のこと)」−−40節の解釈を参照。「足(足首から下のこと)の一部は鉄、一部は粘土」−−41節から43節の解釈を参照。

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    34.あなたが見ておられた時、一つの石が人手によらず切り出されて、その像の鉄と粘土の足を撃ち、これを砕きました。

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  この石は、光り輝く像の一部ではなく、「山から切り出された」石であった。(45節)−−44節にある解釈を参照。この大きな石は、像の足のつま先のところにあたった。さて、それが像の頭ではなく、足のつま先にあたった理由は、人間の王国が滅ぼされる時がいつになるかを、神はあなたたちに示したかったからである! つまり、足のつま先の時代になることをである。

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    35.こうして鉄と粘土と真鍮と銀と金とはみな共に砕けて、夏の打ち場のもみがらのようになり、風に吹き払われて、あとかたもなくなりました。ところが、その像を撃った石は、大きな山となって全地に満ちました。         

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  これらの10本の足の指の時代に、石は像を打って、像は「もみがらのように」粉々になった。神が像を壊して、すべて吹き飛ばしてしまわれる時、それが世界最後の大きな砂嵐となるだろう!(44節と45節の解釈を参照)

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    36.これがその夢です。今、わたしたちはその解き明かしを王の前に申し上げましょう。

    37.王よ、あなたは諸王の王であって、天の神はあなたに国と力と勢いと栄えとを賜い、 

    38.また人の子ら、野の獣、空の鳥はどこにいるものでも、皆、これをあなたの手に与えて、ことごとく治めさせられました。あなたは、あの金の頭です。

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  神の言葉では、ネブカデネザル大王が統治する古代の「黄金の都」(イザヤ14:4)、バビロンの大帝国は、金の頭となっている。つまり彼が最高であり、最初の、最も重要な部分だったという意味である。

  ネブカデネザルは、これらの帝王の中でも最高の王だった。なぜなら彼は、神を、他の神々にまさって最も高い神と宣言し(ダニエル2:47)、自分の全ての民に主を敬うように命じたからだ。 (ダニエル3:29参照) 彼は後に、救われもした!(ダニエル4:37参照)

    解釈によれば、体のこれらの様々な部分も何かの象徴である。バビロニア人は、頭と象徴されているように、非常に理知的で賢い国だった。彼らは、天文学や占星術を知っており、科学者であり、非常に賢い人達だった。

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    39.あなたの後に、あなたに劣る一つの国が起こります。また第三に、真鍮の国が起こって、全世界を治めるようになります。   

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  頭はバビロンである事が、明確に指摘されているので、この次の王国が何だったかを知るためには、ただ歴史を調べて、バビロンの後に何の王国が起こったかを見ればいいのである。世界史によると、バビロンに続くのは二重帝国メデア・ペルシャであり、 B.C.538年にバビロンを征服している!

  この帝国は、後にダニエル5:30-31で、 バビロンを征服した王国として名前がはっきりと記されている。また、55年前の B.C.593年に預言者エレミヤが、メデアがバビロンを征服すると預言していた。(エレミヤ51:11,28参照)

 

    メデア・ペルシャの二重王国は、ここでは両腕として描写されている。メデア人とペルシャ人は手を使ってする仕事、手細工や、物を建てたりすることに優れていた。

  それから第3の、ペルシャに次ぐ真鍮の帝国がギリシャ帝国である事が歴史からわかる。後の章で、ダニエルは、ギリシャがメデア・ペルシャを征服すると明確に預言している。(ダニエル8:21,22)これは、その預言が与えられた219年後、すなわちB.C.333年に成就した!

  ギリシャは、腹に象徴されているように、ギリシャ人はかなりの美食家であり、食べたり宴をもうけたりすることが好きだった。しかしながら、ギリシャ人に関して最も顕著なことは、彼らがセックスを大いにたたえ、性器をあらわにした人間の美しい裸体像も作ったという事だろう。ギリシャが像の中のももや性器の部分までもつかさどって象徴されているのは、適切な描写だといえるだろう。

  ギリシャ人は、セックスの他に、哲学や宗教や霊的な事柄にも関心を寄せていた。霊のある所は腹であるというのは、ほとんどすべての宗教が支持している事である。イエスご自身こう言われた。その腹から生ける水が川となって流れ出るだろう。 (これは御霊をさして言われたのである)  (ヨハネ7:38,39)

 

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    40.第四の国は、鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物を壊し砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国は壊し砕くでしょう。                      

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  すでに歴史的に成就されている事実から、この第四の王国がローマであったことがわかる。ローマは強靭で弾圧的な王国で、キリストの時代の前に、ローマは世界という世界をその鉄のように強い軍事的支配によって弾圧したのである。世界を全部「ことごとく打ち砕き」、百年近くの間、大きな戦争は一つもなかった。いかなる国もローマ支配に反撃できるような軍隊を結集できなかったからだ。

  ローマは、ここで2本の鉄のすね(足)で象徴されている。ローマは2つに分裂したことがあっただろうか? そうだ! ローマの衰退の時期に、東と西の帝国に別れた。西の帝国の首都はローマにあり、東の帝国は、ビザンティン帝国と呼ばれ、首都はコンスタンチノーブルに置かれた。

  ローマ帝国の中心部であるイタリアは、足のような形をさえなしている!

  ローマは、これら全ての帝国の中でも最強の国であった。だからこそここで鉄として象徴されている。また、ローマは鉄のように最強であるだけではなく、なぜ、2本の足のようでもあるのか? なぜなら、彼らは行進することに優れていたからである! ローマは、数多くの舗装道路を造った。これは、それまでのどの世界帝国もしなかったことである。ローマ人は、あらゆる所に、長い石の公道を作った。こうした舗装道路を造った主要な目的は、反抗したり、トラブルを起こす国に対して、ローマの軍団が素早く行進し、征服できるようにするためである。

  像の中の一番長い部分は、どこか?−−足である! それらの帝国、すなわちバビロン、メデア・ペルシャ、ギリシャ、ローマというこれらの帝国の中で、最も長く支配した帝国はどれか? ローマである! 千年近くも支配した!

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    41.あなたは、その足と足の指を見られましたが、その一部は陶器師の粘土、一部は鉄であったので、それは分裂した国をさします。しかしあなたが、鉄と粘土との混じったのを見られたように、その国には鉄の強さがあるでしょう。

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  鉄は、像のすねから足と足の指まで続いている。それは、ローマ帝国の続きのようなものである。ローマ帝国が倒れた後、ローマは足と足の指の「鉄」と「粘土」の国々に分かれていった。これは、ローマの没落以来、世界に存在している2つの種類の政体の事、つまり独裁政体と民主政体である。

  神の言葉の中で述べられている粘土は、常に人々の事を表している。イザヤ64:8には、「われわれは粘土であって」とある。つまり人民による政体、又の名を民主政体と言う政体は、「粘土」の政体である。それは「鉄の強さ」がない、弱い方の政体である。「鉄の強さ」というのは、全体主義、軍事主義の独裁政体と、その「鉄」の支配、(「鉄」には苛酷という意味もある)を表している。その政体には、彼らの独裁者としてたいてい「鉄の男」(独裁者を意味する)がいる。たとえば東欧共産圏の、ある国々のような、ローマ的「鉄」の独裁政体の事である。

  「分裂した国をさします。」ローマの崩壊以来、国々の分裂があり、ナポレオンやヒットラーがしたように、他の国々を支配しようとした国が幾つか出現したものの、結局、それに成功した国は一つもなかった。時々、英国やフランスやスペインなどのような同等の力を持つ「帝国」が同時に存在した事はあるものの、ローマほどの支配力を持っていた国は一つとしてなかった。

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    42.その足の指の一部は鉄、一部は粘土であったように、その国は一部は強く、一部はもろいでしょう。

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  「その国は一部は強く」−鉄−「一部はもろい」−粘土。神は、民主政体が弱く、もろいと考えておられる。

  多くの聖書教師や聖書研究者は、「その国」すなわちアンチキリストの世界帝国は、文字通り昔のローマ帝国の復興になると言っている。

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    43.あなたが、鉄と粘土との混じったのを見られたように、それらは婚姻によって互いに混ざるでしょう。しかし、鉄と粘土とは相混じらないように、かれとこれと相合 (あいがつ)することはありません。

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  覚えていると思うが、一方の足は西ローマ帝国から出ていて、もう一方の足は東ローマ帝国から出ている。今日の世界はほとんどのこのように別れている。東は、主に共産主義独裁政体(鉄) であり、西は資本主義民主政体(粘土)である。  この両者は、「相合することはありません」これは、今日の世界の東と西の分裂において見られる。独裁政体と民主政体がどれだけ協調し合っていけるだろうか? 大抵は、全くだめか、できてもほんの少しだけである。

  しかしながら間もなく起こる帝国、つまり悪魔に取りつかれたアンチキリスト(彼に関しては、後の読み物に詳細に書かれてある)として知られている独裁者による帝国は、非常に短い期間に、これらの鉄と粘土の国々を団結させる。つまり独裁政体といわゆる民主政体を団結させ、何らかの連合国によって世界を支配するであろう。これらの10カ国は、アンチキリストのもとで団結させられる。そしてこの王国は、鉄と粘土の混合であるものの、彼はそのすべてを鉄と化し、厳しい支配の下で、その諸国全部を団結させるであろう。

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    44.それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。これは、いつまでも滅びることがなく、その主権は、他の民に渡されず、かえってこれらのもろもろの国を打ち破って滅ぼすでしょう。そして、この国は立って永遠に至るのです。

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  「像を撃った」石(ダニエル2:34)はイエスであり、この「大きな山となって全地に満ちた」(ダニエル2:35)というのは、至福千年の神の王国、つまり地上におけるキリストの王国にほかならない!(ミカ4:1-3参照) キリストは、ハルマゲドンの戦いが終わって、至福千年が始まる時、地上に神の王国を立てられる。(黙示録19:11-21参照) この石は、力づくで像を砕き、滅ぼし、像はあとかたもなくなった! そこには、風が人間の政府を「もみがらのように」さらっていったとある。 (ダニエル2:35とイザヤ17:13参照)

    主の来臨は脚部(ローマ)のところではなく、足首から下のところ、とりわけ足の指のところであり、人間の政府の一番最後の「それらの王たちの世」であることに目をとめなさい。

  「それらの王たち」: ダニエル2章の10本の足の指は、 ダニエル7章と黙示録17章の10本の角と同じものを象徴している:  10の角は‥‥起こる10人の王(または王国)である。」(ダニエル7:24)それは、最後の10人の王、あるいは王国、世界の権力であり、 黙示録17:12-13には、彼らが 「自分たちの力を獣(アンチキリスト)に与える」とある。像には10本の足の指があるので、その時に10の有力な国が存在することがわかる。(41節から43節)

  それらの王たちの世(アンチキリストが最終的に彼らを一つにする時)の終わり、それらの王たちがまだ存在している時に、イエスが来られ、人間のすべての王国を滅ぼされるであろう。イエスは、それらの王国を砕き、もはや人間の政府が一つも残らなくなるまで、それらを一掃されてしまうだろう!(黙示録17:12-14と参照) その時には、あらゆる気違いじみた民主政体や独裁政体や人間の邪悪な帝国の代わりに、イエスの王国が「全地に満ちる」であろう。(45節も参照)

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    45.一つの石が人手によらず山から切り出され、その石が鉄と、真鍮と、粘土と、銀と、金とを打ち砕いたのをあなたが見られたのは、この事です。大いなる神が、この後に起こるべきことを王に知らされたのです。その夢はまことであって、この解き明かしは確かです。

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  この像は、人間の大いなる世界のもろもろの政府を表している。石は、像とは全く関係なく山から切り出されたのである。勿論、この石は「すみのかしら石」であるイエスであり、イエスが切り出された山は神である。(マタイ21:42-44、第一ペテロ2:6)

  その時、「家造りの捨てた石が、すみのかしら石になった。」−−この新しい神の王国のである!

 

  どうかイエスを受け入れて、イエスの王国の一員となってほしい。アンチキリストの悪魔的な王国の一味だった者たちは、ハルマゲドンの最終的戦いにおいて、キリストとその軍隊によって滅ぼされるからである。イエス、すなわち石が像を粉々に砕く時に! (マタイ21:44参照)

    「この解き明かしは確かです。」私たちは、何が起こるようになるか正確に知っている!

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    47.そして王はダニエルに答えて言った、「あなたが、この秘密をあらわすことができたのを見ると、まことにあなたがたの神は、神々の神、王たちの主であって、秘密をあらわされる方だ。」  

    48.こうして王は、ダニエルに高い位を授け、多くの大いなる贈り物を与えて、彼をバビロン全州の総督とし、またバビロンの知者たちを統轄する者の長とした。

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  ダニエルは、王の夢を解釈し、賢い助言を与えた。そこで王は、彼を王国で自分に次ぐ、最高の地位に就けた! だからダニエルは、その時まだ20歳くらいの若者だったが、非常に裕福で地位の高い実力者となったのだった。

 

 

P106の絵の説明

 

  像:世界5大帝国の象徴!

1)金の頭(ダニエル2:32,38)

2)銀の胸と両腕(ダニエル2:32,39とダニエル5:25-31)

3)真鍮の腹ともも(足のつけ根)(ダニエル2:32,39とダニエル8:3-8,20,21)

)鉄のすね(脚)(ダニエル2:33,40)

5)鉄と粘土の足(足首から下):中世。(ダニエル2:33,41)ローマは鉄の独裁政体(黙示録2:26,27)と粘土の民主政体(イザヤ64:8)に分裂する。

6)鉄と粘土のつま先(足指): 最後のアンチキリスト帝国の10の連合国(ダニエル2:33,42,43とダニエル7:24、黙示録17:12)

)  石: 再臨の時のイエス・キリスト(ダニエル2:34,1コリント10:4、1ペテロ2:6) 石が人間の諸帝国を撃ち砕く。(ダニエル2:34,35,44と黙示録17:12-14とマタイ21:42-44)