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日本人と南アメリカ人の夢!  DFO 325C  1975年1月

 

  1.私は夢を見た。−そこは日本に違いない。そこには、ものすごく沢山の若者達があちこちにいた。そして遠くの方に、この巨大な火山が噴火していたのだ。また、大きな地震が起きていた。事実、地震がたびたび起きていたので、ほとんどひっきりなしにゴロゴロ鳴り、雷鳴のように轟き、爆発が次々と起きているようだった。

  2.その火山から海の方へ傾斜しているところに、新しくできた小さな噴火口のようなもので一面あばたのようになっている大きな斜面があった。それはまるで大きな黒い吹き出物みたいで、それらがそこらじゅうに噴火していた。そして、その多くの噴火口から熔岩が流れ出し、私と海の方に向かって流れ降りてきたのだ。

  3.人々は逃げ惑い、大声をあげたり、叫び声をあげたりしていた。その斜面を私の方へ駆け降りて来るのは、殆どみんな若い人達みたいであった。しかしその多くの者は、これらの噴火口の間の丘を駆け降りながら熔岩に追い付かれ、その下に埋まってしまったのである。

  4.彼らは海の中へか、あるいはまた、このものすごく大きな岩の上に達しようと一生懸命であった。その岩は海のふちに立っているようだった。それは、ほとんどジブラルタルの岩壁のような巨大な岩によってできた、非常に巨大な岩であった! その岩は海辺にそそり立ち、大変奇妙な形をしていた。まるで昔のエリザベス時代のシェークスピア劇場のように、腕か翼のようなものを持っていて、逃げて来る群衆に向かってそれを差し延べるようにしていた。

  5.私は、「もしあの大きな岩の上に逃れることができたら、私は無事だろう!」と考えた。−そして沢山の人達も、これと同じように考えたかのようだった。

  6.その時になって初めて気がついたのだが、その岩全体は大きな学校の建物だったのだ。ちょうどその岩から学校の建物がえぐって作られたようで、その内側には沢山の教室があったのだ。

  7.私は彼らに叫んで、私が登った同じルートをたどって、この岩の上に登る方法を大声で指示したのである。子供達は全力でその火山を続々と降りて来て、その岩の上に群がっていた。

  8.私の後ろの右側にいた日本人の好青年は、私を手伝い、また子供達を案内しているみたいであった。子供達をそれぞれ分けて、場所をあてがっているようであった。なぜか私は、彼がその学校の校長であると知っていたのである。彼は、私が子供達を編成し、学校内のあちこちに送るのを手助けしていたのである。

  9.そこに、この一人の大柄なドイツ人がいた。彼は避難者の一人のようであったが、そのあたりでは年配の人は彼一人しかいないようであった。彼のブロンドの短い髪は、本当のドイツ・スタイルのように、2、3センチほどの長さでギザギザに刈り込んであって、その毛先がピンと立っていた。多くのドイツ人がそうであるように、彼は全くぶっきらぼうで、そっけない男であった。

  10.そこで彼は私に、「金が幾らか必要なんだ!」と言った。そして私は、「私が忙しいのが見えないのですか!」と答えた。しかし彼は、「金が幾らか必要なんだよ!」と言ったのだ。そして彼は私にうるさくつきまとって、ほとんど建物の中にまでついて来て、私が開いたドアを通じて何人かの子供達を導いている間に、なおも話しかけてきたのである。

  11.彼は、私を本当にいらいらさせた。そして彼がこのように生きるか死ぬかの状況の時に、これらの哀れな子供達を助ける代わりに自分の事を心配していることに対して、私は本当に怒りをおぼえた! こんな大変な緊急時の際に、私達が子供達を救おうと努めているのに、この男はお金のことで私にうるさくつきまとっているのだ! そこで私はついに、6ポンドに相当するお金を彼に手渡した。彼は軽蔑と皮肉をこめた目でその金を見て、それでもなお手をのばして渋々受け取ったのである。「ヘッ!」、彼は鼻を鳴らした。「6ポンドか! これっぽっちじゃなんにもならねえや!」 そして彼は背をむけて、歩き去り、ありがとうも言わなかったのである!

  12.私が非常にショックを受けたのは間違いない。なぜなら私は校長の方を振り向いて、こう叫んだからである。「いったい、あの男は自分を何様だと思っているんですか?」−この混乱のさなかに何もしていないとは、無神経な男のようであった!

  13.しかしあの、人の良い日本人は、ただ丁重にこう言ったのである。「ああ、あの方はデントンさんですよ。−彼は新任の美術の先生なんです。−私達は彼を雇ったばかりなんですよ!」 しかしその時には、私は、この校長はこのドイツ人の横柄なふるまいのゆえに、彼を首にするつもりでいるような気がしたのである。しかし校長は、なおも努めて丁重にふるまっていた。

  14.校長はこう言ったのだ。「おわかりでしょうが、私達には教師が大変不足しています。もしよかったら、あなたにこの学校にとどまって教えてほしいのですが。」

  15.しかし私は、それとは違う別の招待も受けていた。それは南アメリカへ行って、スペイン語を教えることであった。それから私はあまりにも疲れてしまい、その建物から出ることにした。外の大騒ぎは幾らかおさまり、地震もすでにやんでいるようであり、子供達はそれぞれの場所に収容されつつあった。

  16.そこで私は休憩室に入って腰をおろして、庭を眺めていた。その庭は大変美しい典型的な日本の庭園であり、火山の破壊による恐ろしい光景から離れた、この大きな岩の裏側に位置していた。その庭は海に面していて、とても安らかであった。

  17.そこに、ひとりの美しい女性がベンチの上に座っていた。彼女は学生の一人である。彼女は、実に美しい日本の女性であった! 日本の女性はとてもやさしい。ほとんどいつもほほ笑んでいる。その上、とても内気で、物静かである。彼女は、初めは私の目を真っすぐに、恥ずかしそうに見つめ、そしてニッコリほほ笑んだ。そして、ほとんど男を誘うような目つきで、私の目を真っすぐ見つめた大胆さに少し自分も当惑したように、彼女は目をふせたのである。

  18.彼女は日本の若者達を象徴しているかのようであった。そこで私は、「わあ!−たぶん、やはり、私はこの地にとどまるべきなんだろう!」と思ったのだ。そして彼女は勉強を再び始めたのである。そこで私も、私の問題や、私の決めなければいけないことについて考えようと努めたのであった。

  19.私はこう思ったのだ。「そうだな、ここはとてもいい所だ。人々もとても気に入った。それにこの女の子は実に美しい。私は彼女達が好きだ。しかし私は日本語を知らない!−私が知っている外国語はスペイン語だけだ!」 ここ日本での事態において、彼らはわりと上手に切り回しているようだが、あの南アメリカの学校では本当に助けを必要としており、何か緊急に助けを求めているような感じがしたのである。

  20.そこで私はそのことについて祈り、こう考えた。「主よ、私は任務を果たすべき所へ行くべきでしょう。最も必要とされる所へ。」やさしい日本人のボーイが、私に昼食を持って来てくれた時のことを覚えている。「何てやさしいんだ! 日本人はいつもとても思いやりがある!」と私は思った。

  21.その日本人のボーイは、昼食を運んで来るのと同時に、海外電報みたいなメッセージを持って来た。それが私の決断を下すものになったのである。しかしそれと同時に、日本人は何て思いやりがあるんだろう、と考えていた。彼らの学校に加わる事を決めてもいないのに、私がベンチに座っている間に、彼らは昼食を用意してくれたのである!

  22.「日本人はいつも本当に親切で、思いやりがあり、礼儀正しい。世界で最も礼儀正しい国民と言ってもよいぐらいだ!−それに彼らはとても芸術的である!−実に美しい国民だ!」と私は思った。私が行っていたカリフォルニアの高校には、沢山の日本人の学生がいたが、その頃から日本の女性はとても美しいといつも思っていたのである。

  23.私は、南アメリカの学校の方がもっと助けを必要としていると感じたのである。日本にはすでに良きリーダー達がいた。そして良くオーガナイズされていたのだ。しかし南アメリカでは、本当に助けが必要であった。どういうわけか、南アメリカはより多くの助けと関心を必要としていたのである。

  24.日本では私達の印刷物をいつもたくさん配布している。そして彼らは常に金銭面に対して多くの信仰を持っている。しかし南アメリカの仕事は不安定で、また変動の状態にあり、もっと多くの印刷物を配布するためにもっとオーガナイズする必要がある、と私は感じたのである。

  25.聖書の中の表現法から言えば、山というものが何を表すかを知ることは難しいことではない。あの大きな黒い火山と、山をあばたづらに変え、爆発し、日本の若者達をおびえさせていた沢山の小さなクレーターは、明らかにサタンの王国を表しているのだ。すなわち、今や日本の若者達を滅ぼそうとして噴出している地下のサタンの軍勢を表しているのである。

  26.私が大声をあげて、岩の上に登るように呼びかけたことは、主のもとへ彼らを導き、避難する場所を示すための私達のメッセージを象徴しているのだ。−そして、例のドイツの男は、金銭的な問題で私を悩ませ、子供達を救うという主要な任務から私を引き離そうと望んでいたみたいであった。

  27.私達の方針は、金銭的な事に関係がないはずなのだが、私達の経済状態によって指図されたり、影響を受ける事がたびたびあった。−私達は、ただ主に従うべきである! 主は、日本人に対して、彼らを励ますために、彼らのためにこの夢の一部を与えられたのに違いない。

  28.なんらかの大きな苦難の時が訪れる間、日本では真の刈り入れの時期が来るに違いない。それは、必ずしも文字通りの地震とは限らないが−地震はそれを象徴している可能性がある。それらの小さなクレーターがあたり一面に噴出している光景はとても汚らしく、邪悪であると私は思った。それは遠くの方にある巨大な火山よりも、もっと大きな脅威であった。なぜなら、それらのクレーターは、若者達のいるまっただ中に突然現れるからであり、哀れな子供達は海辺のあの岩へ走り下っていったのだ。

  29.私には、海とは神の偉大さ、神の広大な力と権力を表すものであり、どちらかと言えば海自体が神ご自身を表しているようなものであって、おそらくは神の愛の海原や、神の力強い海を表すものである。それは火山から押し寄せる噴出物と、熔岩の流れを大海原の内にひとのみにして、簡単にくい止めることができるのであり、そのことで何の害を受けることもなかった!

  30.そしてもちろんその岩は、その海、すなわち神より来たる方である岩なるイエス・キリストの事である! その岩の両腕は日本の若者達の方へ差し延べられていた。そして子供達は、その両腕を岩の頂上へと登っていたのである。だがその岩は、学校の建物でもあった! 主は確かに学校なのであり、私達を教えこむ学校の先生なのである!

  31.その学校のリーダー達は、確かに日本人であった。このことはおそらくナショナル・リーダーシップを励ます必要のあることを強調しているのだと思う。彼らはとても賢いし、知的で、自分達のことを切り回していく能力があるからだ。私達は、ただ彼らを仕事に着手させるだけでよいのである。

  32.それは日本と南アメリカの両方の刈り入れ時を示すものに違いない! 日本の若者達が現在サタンの王国の脅威にさらされており、たった今、彼らに助けが必要なことを示しているに違いない。あるいはまた、彼らが私達の方に目を向けるような、何か大きな苦難の時が近づきつつあることを示しているのだ。

  33.日本の状況は良き管理下に置かれ、順調に行っていた。しかし南アメリカの状況はもっと多くの関心と助けを必要としていたのだ。私は夢の終わりには、あの美しい女の子と一緒に日本に残りたいという誘惑にもかかわらず、南アメリカに心を向けると、きっぱり決心したのである!

  34.さて、彼女は日本を象徴していることもあり得る。日本は私を愛し、私を求めていて、日本に滞在させるために私を誘惑することさえしているのかもしれないのだ。しかし、日本での必要はそれほど差し迫っていないようだった。彼らは、わりと良くオーガナイズしているようであった。彼女も実に幸せそうに見え、勉学に忙しそうだった。

  35.ひとつはっきりしていることは、これらの刈り入れ中か、あるいは刈り入れがなされるばずのより新しい開拓地を、明らかに神は重要視されるということである! これに反して、私達の時間と関心のほとんどは、最も問題が多いと思われる、より古い畑に与えられてきたようである! GBY! ILY!